都市計画法 第56条(土地の買取り)
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- 都道府県知事等(前条第四項の規定により、土地の買取りの申出の相手方として公告された者があるときは、その者)は、事業予定地内の土地の所有者から、同条第一項本文の規定により建築物の建築が許可されないときはその土地の利用に著しい支障を来すこととなることを理由として、当該土地を買い取るべき旨の申出があつた場合においては、特別の事情がない限り、当該土地を時価で買い取るものとする。
- 2.前項の規定による申出を受けた者は、遅滞なく、当該土地を買い取る旨又は買い取らない旨を当該土地の所有者に通知しなければならない。
- 3.前条第四項の規定により土地の買取りの申出の相手方として公告された者は、前項の規定により土地を買い取らない旨の通知をしたときは、直ちに、その旨を都道府県知事等に通知しなければならない。
- 4.第一項の規定により土地を買い取つた者は、当該土地に係る都市計画に適合するようにこれを管理しなければならない。
この条文の基本情報
土地の買取りとは何ですか?
定義土地の買取りとは、都市計画法第56条に定められた規定で、「都道府県知事等(前条第四項の規定により、土地の買取りの申出の相手方として公告された者があるときは、その者)は、事業予定地内の土地の所有者から、同条第一項本文の規…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第56条(土地の買取り)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第56条の条文原文は「都道府県知事等(前条第四項の規定により、土地の買取りの申出の相手方として公告された者があるときは、その者)は、事業予定地内の土地の所有者から、同条第一項本文の規…」で始まります。
- 都市計画法第56条は第二節 都市計画施設等の区域内における建築等の規制に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第56条の前の条は都市計画法第55条です。
- 都市計画法第56条の次の条は都市計画法第57条です。
- 都市計画法第56条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第56条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第56条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/56
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法56条は、事業予定地内で建築が許可されず利用に著しい支障がある土地について、所有者の申出により都道府県知事等が時価で買い取る制度を定める。
Q · 都市計画で家が建てられない土地は、ずっと持ち続けるしかないの?
事業予定地なら時価での買取りを申し出られます
都市計画法56条1項により、55条1項の事業予定地内の土地は、建築が許可されないため利用に著しい支障を来すことを理由として、所有者から買取りを申し出ることができます。相手方は都道府県知事等、または55条4項で買取りの相手方として公告された施行予定者です。申出を受けた者は特別の事情がない限り時価で買い取るものとされ、2項により遅滞なく諾否を通知する義務を負います。ただし制度は所有者の申出によってのみ動き、行政の側から買取りを持ちかけられることは通常ありません。
解説
親から継いだ土地に建て替えを申請したら、窓口で不許可だと告げられた。都市計画施設の区域内でも、二階建て以下の木造など簡易な建物なら通常は許可される(54条)。ところが施行予定者が決まっている事業予定地では、その簡易な建物すら不許可にできる(55条1項)。使えない土地を抱えたまま固定資産税だけ払い続ける、片道通行の負担がここで生まれる。56条は、その片道路に開けられた出口だ。建築が許可されないせいで土地の利用に著しい支障が出ると言えるなら、あなたは都道府県知事等(買取りの相手方として公告された施行予定者がいればその者)に、時価での買取りを申し出られる。相手は特別の事情がない限り買い取るものとされ、遅滞なく買う買わないを通知する義務を負う。ただし、この扉は自分で押さないと開かない。
法的な位置づけ
都市計画法56条は、都市計画施設の事業予定地内における土地の買取り申出制度を定める規定である。55条1項により建築物の建築が許可されず、土地の利用に著しい支障を来す場合に、所有者の申出に基づき、都道府県知事等または公告された施行予定者が特別の事情がない限り時価で買い取るものとし、申出を受けた者に諾否の通知義務を課す。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.その土地が55条1項の事業予定地か確認する 自治体の都市計画課で都市計画図、区域の告示、施行予定者の定めを確認する。都市計画施設の区域内というだけでは足りず、施行予定者が定められた事業予定地に当たるかが56条の入口になる
- 2.53条の建築許可を申請し、不許可を書面で残す 想定していた建築計画で実際に53条の許可申請を出し、不許可処分または不許可見込みの回答を書面で取得する。事前協議の議事記録でも可。「建築が許可されない」という前提が文書で固まれば、1項の要件説明が通りやすくなる
- 3.買取りの相手方を特定する 都道府県知事等か、55条4項で買取りの申出の相手方として公告された施行予定者かを先に確定させる。公告の有無は都市計画課または施行予定者の公報で確認する
- 4.買取り申出書を提出する 「55条1項により建築が許可されないため土地の利用に著しい支障を来す」理由を、想定していた用途と収支で具体的に記載した申出書を提出する。受付日を控え、収受印のある写しを必ず保管する
- 5.2項の通知を待ちつつ、価格と税務を並行準備する 相手方は遅滞なく買取りの諾否を通知する義務を負う。通知を待つ間に自前の不動産鑑定を取得し、租税特別措置法33条・33条の4の適用可否を税理士または税務署に確認しておく
よくある質問 AI による整理
Q1都市計画法56条とは?
事業予定地内の土地を時価で買い取らせる申出制度です。建築が許可されず利用に著しい支障を来すことが理由となり、相手方は特別の事情がない限り買い取るものとされます。
Q2都市計画道路の予定地でも家は建てられる?
都市計画施設の区域内なら、階数2以下で地階がなく容易に移転・除却できる木造等は54条で許可されるのが通常です。ただし55条1項の事業予定地では、その簡易な建物すら不許可にできます。
Q3土地の買取り申出は誰に出すの?
原則は都道府県知事等です。ただし55条4項により買取りの相手方として公告された施行予定者があるときは、その者が相手方になります。相手を間違えると手続の起点がずれます。
Q4買取り申出に期限はある?
申出自体に法定期限はありません。ただし都市計画事業の認可が告示されると65条の建築制限と土地収用法の枠組みに移り、価格の決まり方も相手も変わります。事実上のタイムリミットは告示です。
Q5都市計画の建築制限は違憲じゃない?
最高裁は約60年にわたり建築制限を受けた土地について損失補償請求を認めませんでした(最判平成17.11.1)。制限期間の長さだけを理由に金銭を請求する筋は極めて細いのが現状です。
Q6建築不許可の処分は争える?
審査請求は処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月(行政事件訴訟法14条)が原則です。買取り申出とは別ルートなので、期間管理は並行して行います。
Q7都市計画道路予定地は相続税評価が下がる?
都市計画道路の予定地内にある宅地は、財産評価基本通達24-7により減額評価されます。評価が低いと喜んだ土地こそ、買取り申出を検討すべき土地であることがあります。
Q8買い取られた土地はその後どうなる?
56条4項により、買い取った者は当該土地に係る都市計画に適合するように管理する義務を負います。計画に反する転用や自由な暫定利用は想定されていません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1時価って、結局は建築制限がついている前提の安い値段ってことですか?
そこが最大の争点になる。公共用地取得の実務では、当該事業自体によって生じた価格の増減は算定から除くのが基本的な考え方だが、都市計画制限による減価をどこまで除くかは事案により扱いが分かれ、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:相手が出してくる鑑定は通常1本だけ。自前で不動産鑑定士の意見を取ると、制限をどう前提に置いたかという評価条件の違いが可視化され、交渉が価格の押し引きから前提条件の議論へ移る
Q2買い取らないと言われたら、そこで終わりですか?
2項により買い取らない旨の通知が必要で、公告された施行予定者が断った場合は3項で知事等にも通知が行く。「特別の事情」の有無は争いうるが、拒否の通知を取消訴訟で争えるかは確立していない。実務のポイント:断られた記録と3項の知事等への通知は残る。買い取らないと言った以上、53条の許可も出せないのかという筋で、次の建築許可申請の交渉材料に転用できる
Q3売れたとして、税金はどうなりますか?
公共用地の取得では収用等の課税繰延べや特別控除(租税特別措置法33条、33条の4)の適用余地があり、該当するかどうかで手取りが大きく変わる。適用は買取りの根拠と手続で決まるため、契約前に税理士か税務署へ確認すること(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:この種の特例には「買取り等の申出から一定期間内の譲渡」という期限要件が付く類型がある。迷っている間に要件が落ちる構造なので、価格交渉と税務確認は同時並行で走らせる
Q4うちの土地が事業予定地かどうか、どこで分かりますか?
自治体の都市計画課で都市計画図と区域の告示を確認する。都市計画施設の区域内というだけでは足りず、施行予定者が定められ、55条1項の事業予定地に当たるかが分かれ目になる。実務のポイント:不動産業者が重要事項説明で示す「都市計画道路予定地」の一言では、55条の事業予定地か通常の施設区域内かまでは区別されていないことが多い。買う前にこの区別を窓口で確認できる人は、極めて少ない
間違えやすい点 AI による整理
- 「そのうち補償の話が来るはず」と待つ人が多いが、問いの立て方が最初から間違っている。56条は所有者からの申出があって初めて動く条文であり、待ち続けても通知は来ない。制限を受けた年数の長さは、それ自体ではあなたに何の権利も生まないという設計になっている
- 建築制限がかかっていることは知っていても、その制限が何十年続いても原則として損失補償の対象にならないという深刻さまでは知られていない。最高裁は約60年にわたり建築制限を受け続けた土地について損失補償請求を認めなかった(最判平成17.11.1)。長期化それ自体を理由に金銭を請求する筋は、極めて細い
- あなたから見れば「役所の都合で家が建てられない被害者」だが、法律から見れば「まだ何の申出もしていない土地所有者」にすぎない。この落差が、制限期間だけを静かに引き延ばす。動かない限り、法的には何も起きていないのと同じ扱いになる
- 買取りの「申出」を、請求すれば必ず通る権利だと考えるのは早い。1項は「特別の事情がない限り」買い取るものとすると定めており、2項は買い取らない旨の通知も想定している。買取りを拒否された場合にそれを訴訟でどう争うかは、実務上、解釈が分かれている論点である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度が動く起点 | 都市計画法56条:事業予定地内の所有者からの買取り申出 | 都市計画法52条の4:予定区域内の所有者からの買取請求 都市計画法69条・土地収用法:事業認可告示後、起業者側の収用手続 |
| 前提となる制限 | 55条1項により簡易な建築物すら不許可となること | 市街地開発事業等予定区域における建築等の制限 65条の事業地内建築制限と事業認可の告示 |
| 価格の決まり方 | 時価。特別の事情がない限り買い取るものとされる | 時価。買取請求として構成される 事業認定告示時の価格を基準に算定(土地収用法71条) |
| 所有者が拒めるか | 申し出るかどうかは所有者の選択。申出がなければ何も起きない | 請求するかどうかは所有者の選択 収用は強制。所有者は手続内で補償額を争うにとどまる |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾も公共設施保留地に建築制限を課すが、取得方式は徴収・区段徴収・市地重劃が中心で、所有者主導の買取り申出という構成は弱い。保留地の長期未取得問題は司法院解釈でも争われてきた
도시·군계획시설 부지の所有者に매수청구권を与える点で56条と最も近い。韓国は決定から一定期間経過で失効する制度(일몰제)を併設し、長期凍結そのものに時間的な歯止めをかけている
Bebauungsplan で公共目的の用地として指定され、従前の用途での利用が経済的に期待できなくなった場合に、所有者が引取り(Übernahme)または金銭補償を請求できる。請求権として構成されている点が日本より強い
emplacement réservé に指定された土地の所有者が自治体に買取りを求める「放棄権」。自治体が期間内に応じない場合は指定の効力が失われる仕組みがあり、沈黙が所有者に有利に働く
米国は買取り申出という個別制度ではなく、規制が regulatory taking に当たるかを投資期待・経済的影響・規制の性質で判断し、inverse condemnation 訴訟で補償を求める構造
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続した実家の土地に二世帯住宅を建てようとしたら不許可。では固定資産税を払いながら一生持ち続けるしかないのか? 事業予定地であれば、56条1項の買取り申出が第三の道になる。売れない土地を市場で買い叩かれるのではなく、時価で公的主体に引き取らせる経路が用意されている
- あなたが自治体の用地担当、あるいは公告された施行予定者の側にいる場合。買取りの申出書が届いた時点で、2項の通知義務が起動する。買い取らないと決めたなら、遅滞なく所有者へ通知し、さらに公告された施行予定者であれば3項で知事等へも通知しなければならない。断った事実は記録として残り、その後の建築許可の運用に跳ね返ってくる
- 隣の土地は三年前に市が買った。あなたの土地は制限だけが残っている。違いは、申し出たかどうかだけだった
- 都市計画事業の認可が近く告示されると担当者から聞かされた。告示後は事業地内の建築制限(65条)と収用手続(69条、土地収用法)の世界に移り、価格の決まり方も交渉相手も変わる。告示前に動くか待つかを決められる時間は、もう数週間しかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. その土地が55条1項の事業予定地に当たるか、都市計画課で図面と区域の告示を確認する2. 53条の建築許可を実際に申請し、不許可または不許可見込みの回答を書面で残す3.「建築が許可されないため利用に著しい支障を来す」理由を、想定していた用途と収支で具体的に書いた申出書を提出する4. 相手方は知事等か、55条4項で公告された施行予定者かを先に特定する(相手を間違えると起点がずれる) 5. 価格交渉に入る前に自前の不動産鑑定を取り、税務の扱いも並行して確認する
訴えられた側:1. 申出を受けたら2項の通知義務が直ちに発生する。買う買わないを遅滞なく所有者へ通知し、通知日を記録する2. 買い取らないなら「特別の事情」を具体的に説明できるよう整理する(財源だけを理由にできるかは争点になりうる) 3. 55条4項で公告された施行予定者が断る場合、3項により直ちに知事等へ通知する4. 買い取った土地は4項により都市計画に適合するよう管理する義務を負う。転用や暫定利用は計画適合性の範囲内かを事前に検討する
時効(請求できる期限):買取りの申出自体に法定の期限はなく、特定の時効も定められていない。ただし2項の通知は「遅滞なく」と定められており、日数の明記はない。実質的な期限は制度のフェーズで、都市計画事業の認可が告示されれば65条の建築制限と土地収用法の手続へ移行する。建築不許可処分そのものを争うなら、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月(行政事件訴訟法14条)
学説
通説(受忍限度・特別の犠牲論):都市計画制限は公共の福祉に基づく一般的制約であり、原則として損失補償を要しない。制限が特定の地権者に特別の犠牲を強いる段階に至ってはじめて補償が問題となるが、その線引きは明確でなく、56条の買取り申出が実務上の主要な出口となっている。
有力説(買取り拒否の争訟可能性):1項が「特別の事情がない限り買い取るものとする」と定める以上、買取り拒否は無限定な裁量ではないとして、2項の買い取らない旨の通知を争う余地を認めるべきとする見解。もっとも通知の処分性については実務上、解釈が分かれている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和43年(1968年) 新設:都市計画法の全部改正により現行法が制定され、事業予定地制度(55条)とともに、建築不許可に対応する土地の買取り申出制度が56条として設けられた
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