都市計画法 第58条の9(勧告等)
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- 市町村長は、前条の規定による届出があつた場合において、その届出に係る計画に従つて当該遊休土地を利用し、又は処分することが当該土地の有効かつ適切な利用の促進を図る上で支障があると認めるときは、その届出をした者に対し、相当の期限を定めて、その届出に係る計画を変更すべきことその他必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
- 2.市町村長は、前項の規定による勧告をした場合において、必要があると認めるときは、その勧告を受けた者に対し、その勧告に基づいて講じた措置について報告を求めることができる。
この条文の基本情報
勧告等とは何ですか?
定義勧告等とは、都市計画法第58条の9に定められた規定で、「市町村長は、前条の規定による届出があつた場合において、その届出に係る計画に従つて当該遊休土地を利用し、又は処分することが当該土地の有効かつ適切な利用の促進を図る…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第58条の9(勧告等)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第58条の9の条文原文は「市町村長は、前条の規定による届出があつた場合において、その届出に係る計画に従つて当該遊休土地を利用し、又は処分することが当該土地の有効かつ適切な利用の促進を図る…」で始まります。
- 都市計画法第58条の9は第五節 遊休土地転換利用促進地区内における土地利用に関する措置等に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第58条の9の前の条は都市計画法第58条の8です。
- 都市計画法第58条の9の次の条は都市計画法第58条の10です。
- 都市計画法第58条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第58条の9 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第58条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/58_9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法58条の9は、遊休土地の利用・処分計画に支障があるとき、市町村長が期限を定めて計画変更等を勧告できると定める。行政指導のため罰則はない。
Q · 市役所から都市計画法の「勧告」が届いたら、従わないと罰則があるの?
従う法的義務はない。ただし無視すると次条の買取りあっせんが始まる
都市計画法58条の9の勧告は行政指導であり、従う法的義務も罰則も代執行もありません。同条2項の報告請求も同様に行政指導の延長で、応じなくても制裁はありません。ただし勧告に従わない場合、市町村長は同法58条の10により、当該遊休土地の買取りを希望する地方公共団体や公的機関をあっせんするよう努めることになります。収用ではなく売却義務も生じませんが、勧告への応答履歴は自治体側に残り、あっせん段階での協議条件に影響します。
解説
「勧告」という二文字を役所の封筒の中に見つけたとき、多くの土地所有者はそれを命令だと読む。違う。都市計画法58条の9の勧告は行政指導であり、従う法的義務はなく、罰則もない。ここまでは落ち着いていい。問題はその先だ。この紙が届く時点で、あなたの土地はすでに三つの関門を通過している。遊休土地転換利用促進地区に指定され(10条の3)、市町村長から遊休土地である旨の通知を受け(58条の7)、六週間以内に利用・処分計画を届け出た(58条の8)。その計画が「有効かつ適切な利用の促進を図る上で支障がある」と判断されたからこそ、勧告が来ている。そして勧告に従わなければ、次条(58条の10)で市町村長は、あなたの土地を買いたい自治体や公的機関を探してあっせんに動く。収用ではない。売る義務も一切ない。ただ、あなたの土地の周りに公的な買い手候補が並び始める。
法的な位置づけ
都市計画法58条の9は、遊休土地に関する勧告を定める規定である。市町村長は、同法58条の8の届出に係る計画に従った利用・処分では当該遊休土地の有効かつ適切な利用の促進を図る上で支障があると認めるとき、相当の期限を定めて計画の変更その他必要な措置を講ずべきことを勧告でき、勧告後はこれに基づいて講じた措置の報告を求めることができる。勧告は行政指導であり、法的強制力を伴わない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.勧告書の根拠条文と「相当の期限」を特定する 勧告書の冒頭に記載された根拠条文が都市計画法58条の9第1項であることを確認し、求められている措置の内容と回答期限を書き出す。同時に、前提となる58条の7の通知と58条の8の届出の控えを手元に並べ、手続の経緯を時系列で整理する
- 2.当該市町村の行政手続条例を確認する 地方公共団体の機関がする行政指導には行政手続法第4章が適用されない(同法3条3項)。したがって行政指導の中止等の求めや任意性の担保は、その市町村の行政手続条例で規律される。条例の該当条文番号を特定してから窓口に臨む
- 3.書面で回答し、実現可能性を数字と日付で示す 無回答だけは選ばない。資金調達の見込み、設計・着工の予定時期、テナントや買主との交渉記録など、計画が絵に描いた餅でないことを示す資料を添付し、期限内に書面で回答する。控えと送付記録を必ず保存する
- 4.2項の報告請求にも書面で応じる 58条の9第2項の報告請求は罰則を伴わないが、勧告後に何をしたかを公式記録に残す唯一の機会でもある。着手済みの工事、締結済みまたは交渉中の賃貸借契約を具体的に記載し、利用の見込みがある土地であることを記録化する
- 5.58条の10のあっせんに備えて記録を束ねる 勧告に従わない選択をした場合、次に来るのは市町村長による買取りあっせんである。協議の席につく義務も提示額に応じる義務もないが、通知から報告までの応答履歴一式をファイルにまとめておくと、放置していないことの証明になり協議条件に影響する
よくある質問 AI による整理
Q1遊休土地とは?
遊休土地転換利用促進地区内にあり、1,000平方メートル以上で、周辺の土地利用の状況に比べて利用の程度が著しく劣っていると認められる土地を指します(都市計画法58条の7)。
Q2都市計画法58条の9の勧告に期限はある?
条文上の法定期限はなく、勧告書に市町村長が記載する「相当の期限」で個別に定まります。期限の長短は求められる措置の内容によって変わるため、まず勧告書の記載を確認してください。
Q3遊休土地転換利用促進地区の指定はどう調べる?
市町村の都市計画課または都市計画図・都市計画情報システムで確認できます。地区指定がなければ58条の9の勧告は発動しません。指定の有無を先に確認すれば数分で結論が出ます。
Q4勧告を受けた土地は売却できる?
自由に売却できます。勧告は処分の自由を制限しません。ただし買主が引き続き遊休土地の状態を継続すれば、買主が次の通知・勧告の名宛人になり得る点に注意が必要です。
Q5都市計画法の勧告で固定資産税は上がる?
上がりません。税額が上がるのは空家等対策の推進に関する特別措置法の勧告で、地方税法349条の3の2の住宅用地特例が外れる場合です。都市計画法58条の9に直接の税効果はありません。
Q6遊休土地の通知が来たら何日以内に届出が必要?
通知があった日の翌日から起算して六週間以内に、当該土地の利用または処分に関する計画を市町村長に届け出る必要があります(都市計画法58条の8)。この期限が手続上の分岐点です。
Q7市町村長の勧告は公表される?
都市計画法58条の9には、勧告に従わなかった事実を公表する旨の規定はありません。公表制度を置く他法(一部の条例や空家法系の運用)と混同しないよう、根拠条文の確認が必要です。
Q81,000平方メートル未満の土地も対象になる?
原則として対象外です。遊休土地の要件は都市計画法58条の7に定められ、面積要件を満たさない土地には通知も勧告も発動しません。まず面積と地区指定の二点を確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1勧告って、結局どのくらい怖いんですか?
法的な強制力はありません。罰則も代執行もなく、生じる効果は58条の10で市町村長が買取り希望者のあっせんに努める、それだけです。実務のポイント:怖さは法的効果ではなく記録に出ます。あっせんの場で自治体が持ち出すのは、あなたが勧告にどう応答したかの履歴です。無回答を貫いた所有者と、実現計画を書面で出し続けた所有者とでは、提示される条件が変わります
Q2この勧告に納得がいかない場合、取消訴訟は起こせますか?
原則として困難です。勧告は行政指導で権利義務を直接変動させないため、処分性が否定されるのが通説です。ただし最高裁は医療法上の病院開設中止勧告について、事実上の重大な不利益を理由に処分性を認めており(最判平成17.7.15)、実務上、勧告の処分性は個別の効果次第で解釈が分かれています。実務のポイント:訴訟より先に使うのは、その自治体の行政手続条例にある行政指導の中止等の求めです。国の行政手続法36条の2は、地方公共団体の行政指導には適用されません(同法3条3項)
Q3そもそも、うちの土地がこの制度の対象になることってあるんですか?
対象は遊休土地転換利用促進地区内の土地に限られます。地区指定がなければ、どれだけ放置しても58条の9の勧告は来ません。加えて面積1,000平方メートル以上、周辺と比べ利用の程度が著しく劣ることなどの要件があります(58条の7)。実務のポイント:この地区の指定例は全国でもごく少数にとどまるとされ、制度は事実上眠っています。放置土地で現実に動くのは空家法と自治体の空地条例の方です。都市計画図で地区指定の有無を先に確認すれば、悩む必要のない話かどうかが五分で分かります
Q42項の報告を求められました。答えないと不利になりますか?
2項の報告請求も勧告と一体の行政指導で、応じない場合の罰則はありません。ただし報告は、あなたが勧告後に何をしたかを公式に記録に残す唯一の機会でもあります。実務のポイント:ここで着手済みの工事や交渉中の賃貸借を具体的に書いておくと、58条の10のあっせん段階で「利用の見込みがある土地」として扱われ、買取り協議の圧力そのものが弱まります。黙るより、書いた方が守れる場面です
間違えやすい点 AI による整理
- 勧告は命令だから従わなければ処罰される、と読む人が多い。58条の9に罰則規定はなく、従わないこと自体への直接の制裁もない。生じる効果は、58条の10の買取りあっせんに進む、その一点だけである
- あなたから見れば勧告は「役所の意見」にすぎない。だが法律の側から見れば、勧告は58条の10のあっせんを発動させる唯一のスイッチであり、正式な手続要件として機能している。この温度差に気付かないまま紙を引き出しにしまった側が、後の協議で足元を見られる
- 「勧告を受けたら固定資産税が上がるのでは」という問いをよく聞くが、問いの立て方が違う。税額が跳ね上がるのは空家等対策の推進に関する特別措置法の勧告(同法22条、令和5年改正後の条番号。最新の改正状況をご確認ください)で、地方税法349条の3の2の住宅用地特例が外れる仕組みによる。都市計画法58条の9の勧告に、その直接の税効果はない。二つを混同すると、本当に警戒すべき通知の方を見落とす
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 行為の性質 | 58条の9:勧告(行政指導、強制力なし) | 58条の8:届出(法的義務、六週間以内) 58条の10:買取りあっせん(市町村長の努力義務) |
| 名宛人の義務 | 従う義務なし、罰則なし、回答義務もなし | 届出義務あり。懈怠すると手続上の立場を失う 協議に応じる義務も売却義務もなし |
| 発動の前提 | 58条の8の届出計画に「支障がある」との認定 | 58条の7の遊休土地である旨の通知 58条の9の勧告に従わないこと |
| 不服の争い方 | 処分性が原則否定され取消訴訟は困難。行政手続条例による中止の求めが現実的 | 届出内容の補正・再提出で対応 あっせん自体に拘束力がないため、協議を断ることで足りる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は空地に対して「限期建築使用」を命じ、期限内に着手しなければ空地税の加徴または照価収買(時価での強制買取)に進む。勧告どまりの日本と異なり、税と強制買取という実効的な制裁が後続する点で対照的
出譲を受けた土地を1年以上放置すれば閑置費を徴収し、2年以上なら無償で使用権を回収し得る。期間で機械的に効果が発動する設計で、行政指導の段階を挟まない
ドイツは建築命令という権力的処分で未利用地の建築を義務付け、従わない場合は収用に接続し得る。日本が勧告という非権力的手段を選んだのとは対極の立法選択
連邦統一法はなく、自治体条例による登録義務・過料と、ランドバンクによる取得・再流通で対応する。財産税滞納を入口に所有権を移転させる仕組みが実務の中心
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親から相続した駅前の土地。半分しか埋まらない月極駐車場として「とりあえず」使ってきた。ある朝の封筒に、市役所からの「遊休土地である旨の通知」。届出の期限は六週間後で、ここで出す計画が薄いと、次に届くのが58条の9の勧告である。六週間のうち、実際に資金計画と着手時期を詰められるのは正味2週間しかない
- 勧告を無視したら、土地を取り上げられるのか。答えは、取り上げられない。58条の10が定めるのは買取りの「あつせん」であり、しかも市町村長の努力義務にすぎない。協議の席につく義務も、提示額に応じる義務もあなたにはない。ただし、断り続けた履歴は自治体側に残り続ける
- あなたが不動産会社の仕入担当で、その土地の買収を検討している。登記簿と公図だけ見て終わらせると、遊休土地の通知と勧告が進行中であることを見落とす。売主が勧告を受けているかどうかは、価格交渉の材料であると同時に、取得後にあなた自身が次の勧告の名宛人になるという意味でもある
- 2項の報告請求が届いた。勧告に基づいて何をしたか書いて出せ、という趣旨である。これも行政指導の延長であり、罰則付きの報告徴収ではない
取るべき行動
被害を受けた側:放置地の草木・不法投棄・防犯上の不安に悩まされている側にとって、58条の9は直接の救済手段にならない。発動は遊休土地転換利用促進地区内に限られ、勧告権者は市町村長で、住民に申立権はない。現実的な順路は三つ。(1)市町村の都市計画担当と環境担当の双方へ、日付と写真付きで通報し記録を残す。(2)空家等対策の推進に関する特別措置法や自治体の空地管理条例の適用可能性を確認する。(3)登記簿で所有者を特定し、実害があれば民法709条の不法行為として直接請求する余地を検討する
訴えられた側:(1)勧告書に記載された「相当の期限」と、求められている措置の中身を正確に特定する。(2)従う義務はないと理解したうえで、無回答だけは選ばない。資金計画、設計図、テナント交渉の記録など実現可能性を示す資料を添え、書面で回答する。(3)2項の報告請求にも書面で応じ、やり取りを時系列で保存する。58条の10のあっせんに進んだとき、この記録があなたが放置していないことの唯一の証明になり、提示される買取り条件に直結する
時効(請求できる期限):58条の9の勧告自体に法定期限はなく、勧告書に記載される「相当の期限」で個別に定まる。決定的なのはその前段で、遊休土地である旨の通知があった日の翌日から起算して六週間以内に利用・処分計画を届け出なければならない(58条の8)。この六週間を落とすと、計画の中身を争う前に手続上の立場を失う
学説
通説:都市計画法58条の9の勧告は行政指導であり、名宛人の権利義務を直接変動させないため処分性は否定される。不服従により生じる効果は58条の10の買取りあっせんに進むことに尽き、それ自体は法的不利益とまではいえないと解されている。
有力説(処分性肯定の余地):勧告の後続手続が実質的に所有者の処分の自由を圧迫する運用がなされる場合には、最判平成17年7月15日の枠組みにより処分性を認める余地があるとする立場。もっとも本条の発動例が乏しく、裁判例の蓄積も確認できない。
改正沿革 AI による整理
- 平成2年(1990年) 土地基本法(平成元年)制定を受けた地価高騰期の土地対策として、遊休土地転換利用促進地区の制度とともに新設されたものと解される。ただし新設年次およびその後の改正沿革は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成2年(1990年) 新設:地価高騰期の土地対策として、遊休土地転換利用促進地区の制度とともに新設されたものと解される。ただし新設年次および以後の改正沿革は人的検証が必要であり、確定情報として扱わないこと
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