社会保険労務士法 第15条(不正行為の指示等の禁止)
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社会保険労務士は、不正に労働社会保険諸法令に基づく保険給付を受けること、不正に労働社会保険諸法令に基づく保険料の賦課又は徴収を免れることその他労働社会保険諸法令に違反する行為について指示をし、相談に応じ、その他これらに類する行為をしてはならない。
この条文の基本情報
不正行為の指示等の禁止とは何ですか?
定義不正行為の指示等の禁止とは、社会保険労務士法第15条に定められた規定で、「社会保険労務士は、不正に労働社会保険諸法令に基づく保険給付を受けること、不正に労働社会保険諸法令に基づく保険料の賦課又は徴収を免れることその他労働社会保険諸法令…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 社会保険労務士法第15条(不正行為の指示等の禁止)は、日本の社会保険労務士法に含まれる条文です。
- 社会保険労務士法第15条の条文原文は「社会保険労務士は、不正に労働社会保険諸法令に基づく保険給付を受けること、不正に労働社会保険諸法令に基づく保険料の賦課又は徴収を免れることその他労働社会保険諸法令…」で始まります。
- 社会保険労務士法第15条は第三章に置かれています。
- 社会保険労務士法の公布日は昭和43年6月3日です。
- 社会保険労務士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 社会保険労務士法第15条の前の条は社会保険労務士法第14条の13です。
- 社会保険労務士法第15条の次の条は社会保険労務士法第16条です。
- 社会保険労務士法第15条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第15条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC1000000089 - 本サイト収録
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第15条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC1000000089/15
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点社会保険労務士法15条は、社労士が不正受給や保険料逃れなど労働社会保険諸法令に違反する行為を指示し、相談に応じることを禁じる。口頭の助言のみでも対象となりうる。
Q · 社労士が「保険料を安くする裏技」を教えるのは違法なの?
違法な手口なら、教えるだけで15条違反になりうる
社会保険労務士法15条は、社労士が保険給付の不正受給、保険料の不正な免脱その他労働社会保険諸法令に違反する行為について、指示をし、相談に応じ、これらに類する行為をすることを禁じています。書類を作成したかどうかは問われず、口頭で違法な手順を教えただけでも対象になりえます。違反した社労士には同法32条の刑事罰と25条の2の懲戒が予定されています。一方、違法になる理由を説明して思いとどまらせる助言や、合法的な制度活用の提案は正当な業務です。
解説
社労士が刑事罰を受けるのは、自分で不正をしたときだけではない。「こうすれば保険料を安くできますよ」と抜け道を教えた時点で、社会保険労務士法15条に違反する。条文が禁じているのは「指示」と「相談に応じること」、そして「これらに類する行為」である。書類に一切触れず、口で助言しただけでも対象になりうる。この条文の向こう側には、雇用関係助成金、傷病手当金、算定基礎届、パートの社会保険加入、36協定まで、労働社会保険諸法令(労働基準法・健康保険法・雇用保険法など社労士の業務範囲に入る法律群のこと)のほぼ全域が入っている。経営者が知っておくべき点はもう一つある。顧問社労士が「大丈夫」と言ったことは、あなた自身の責任を消してくれない。不正受給の返還や加算金の納付を求められるのは、受け取った事業主である。社労士の口から抜け道の話が出たら、それはあなたを守る助言ではない。二人で同時に崖へ向かっている合図である。
法的な位置づけ
社会保険労務士法15条は、社会保険労務士に対し、労働社会保険諸法令に基づく保険給付の不正受給、保険料の賦課又は徴収の不正な免脱その他同諸法令に違反する行為について、指示、相談への応諾及びこれらに類する行為を禁じる規定である。書類作成の有無を問わず、違法行為を助長する関与そのものを規律対象とする。
よくある質問 AI による整理
Q1社労士法15条とは?
社会保険労務士が、不正受給や保険料逃れなど労働社会保険諸法令に違反する行為について、指示・相談への応諾・類似行為をすることを禁じる規定です。
Q2社労士法15条違反の罰則は?
同法32条により3年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金が定められています。故意の違反は25条の2の懲戒(失格処分・業務停止)の対象にもなります。
Q3社労士の懲戒処分の種類は?
戒告、1年以内の業務停止、失格処分の3種類です(社会保険労務士法25条)。15条の故意の違反は、25条の2により失格処分または業務停止の対象です。
Q4助成金の不正受給に関与した社労士はどうなる?
15条違反として刑事罰・懲戒の対象になりえます。運用上、不正に関与した代理人として氏名公表や連帯返還を求められる場合もあります(最新の運用をご確認ください)。
Q5社労士の不正を厚生労働省に通報できる?
できます。何人も、懲戒事由に当たる事実があると認めたときは、厚生労働大臣にその事実を通知し、適当な措置を求めることができます(同法25条の3の2)。
Q6社労士法15条は社労士以外にも適用される?
名宛人は社会保険労務士です。無資格者が業として書類作成等をすれば同法27条(業務の制限)が、不正受給に加担すれば刑法の共犯規定などが別途問題になります。
Q7社保逃れの相談に乗るのは違法?
実態と異なる届出で保険料を免れる方法を具体的に教えれば、15条の「相談に応じ」に当たりえます。合法的な制度の説明や、違法性を指摘して止める助言は正当な業務です。
Q8「労働社会保険諸法令」とはどの法律?
社会保険労務士法2条・別表第一に掲げられた法律群で、労働基準法、健康保険法、雇用保険法、厚生年金保険法など、社労士の業務範囲に入る法令を指します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1顧問の社労士に言われたとおりにやっただけなのに、会社も責任を取らされるんですか?
取らされる。不正受給の返還や加算金の納付を命じられるのは給付を受けた側で、雇用保険法10条の4などが根拠になる。社労士が15条に違反していても、事業主の責任は消えない。実務のポイント:行政の調査では「誰が言い出したか」よりも「誰が利益を得たか」が先に見られる。社労士の提案を記録に残しておくことは、責任の帰属を争う場面であなたを守る数少ない証拠になる
Q2社労士に『こういうやり方ってアリですか?』と聞くだけでも、社労士は困るんですか?
質問すること自体は自由である。問題は社労士の答え方にある。違法になる理由を説明して止めるのは正当な業務だが、違法な方法の実行手順を具体的に教えれば15条の「相談に応じ」にかかりうる。実務のポイント:まともな社労士ほど、グレーな質問には「できない理由」と「合法的な代替策」をセットで返してくる。代替策を出せずに否定するか、逆に乗ってくるか、その反応を見れば実力も倫理も同時に測れる
間違えやすい点 AI による整理
- 「書類を作っていないし、口で言っただけだから問題ない」という感覚は通用しない。条文は「指示をし、相談に応じ、その他これらに類する行為」を並べている。違反行為を実現させる方向での助言そのものが禁止対象である
- 経営者は「社労士の指示に従っただけ」と言えば守られると考えがちだが、視点が逆である。行政から見れば、不正に給付を受けた主体、保険料を免れた主体は事業主本人である。返還・納付命令の名宛人はあなたであり、社労士の関与は責任を分散させるどころか、悪質性の評価を上げる材料にさえなりうる
- 「15条は保険給付と保険料の話だけ」という理解は浅い。条文は「その他労働社会保険諸法令に違反する行為」まで含む。労働基準法も社労士法別表第一に掲げられた法令であるため、違法な長時間労働や残業代不払いの隠蔽に手を貸す助言も射程に入る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 15条:不正受給・保険料の不正免脱その他諸法令違反への指示・相談・類似行為 | 16条:社労士の信用・品位を害する行為一般 1条の2:公正な立場で誠実に業務を行う職責 |
| 規範の性質 | 具体的な行為の禁止規範 | 一般的・包括的な禁止規範 職責を宣言する規定 |
| 違反時の効果 | 32条の刑事罰+故意なら25条の2の懲戒(失格処分・業務停止) | 刑事罰はなく、懲戒(25条の3)の対象 直接の罰則はなく、懲戒判断の基礎となる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾には社労士に相当する国家資格がなく、不正受給や虚偽証明は行為者一般への制裁として規律される
中国も騙取された社会保険待遇の返還と過料を定めるが、専門職の指示行為を独立に禁じる規定ではない
ドイツでは年金相談士(Rentenberater)の登録制があり、不正への加担は詐欺幇助として一般刑法で処理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 助成金の申請締切まであと5日。社長から「雇用日を1か月前にずらせば要件に乗るよね?」と頼まれた社労士は、そのとおりに書類を作るか。作れば15条違反、加えて助成金の不正受給にもかかわる。断る理由は条文そのものである
- もし顧問社労士に「役員報酬を低くして、残りを賞与扱いにすれば社保料が浮きます」と言われたら、どうなる? その仕組みが実態と違う届出につながるなら、社労士側は指示の禁止にかかり、会社側には追徴と信用失墜が残る
- 傷病手当金を受給中の従業員が、実は別の店でアルバイトをしていた。人事担当者が社労士に「黙っていて大丈夫か」と聞き、社労士が「ばれにくいですよ」と答えた。この一言で、社労士は相談に応じた側に立つ
- 週30時間働くパートを「書類上は週19時間で」と処理しようと持ちかけたのは会社側である。それに乗って届出の作り方まで教えた社労士は、教唆を受けた側であっても15条の当事者になる
- 労基署の調査が来週に迫っている。「タイムカードを作り直せば残業代の未払いは消える」と助言するのは、労働基準法違反の隠蔽について指示をする行為そのものである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 社労士から不正な手法を勧められたら、その場では応じず、メール・チャット・面談メモなど提案の記録を残す2. 提出済みの書類に実態と違う記載があれば、所轄の年金事務所・労基署・ハローワークへ自主的に訂正を相談する。発覚前の自主申告は、事後の評価で有利に働きやすい3. 社労士の悪質な関与は、都道府県社会保険労務士会への相談や、懲戒権者である厚生労働大臣への情報提供(社会保険労務士法25条の3の2)の対象になる4. 損害が出たら顧問契約の債務不履行として賠償請求も検討する
訴えられた側:1. 社労士として違反を指摘されたら、まず自分の発言・メールが「指示」や「相談に応じた」に当たる内容かを時系列で整理する2. 一般的な制度説明と、違法な結果へ導く具体的な助言とは評価が分かれる。どこまでが制度説明だったのかを記録で示す3. 懲戒手続では聴聞の機会があるため、弁明書面を用意する4. 刑事事件化の可能性がある場合は、供述する前に弁護士へ相談する
時効(請求できる期限):本条違反の罰則(社会保険労務士法32条、3年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金。最新の改正状況をご確認ください)の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。懲戒処分には法律上の明確な時効期間がない。雇用保険の不正受給にかかる返還・納付金を徴収する権利は2年(雇用保険法74条)
- 社会保険労務士法 第1条の2公正な立場での誠実な業務遂行という職責
- 社会保険労務士法 第16条信用失墜行為の禁止
- 社会保険労務士法 第25条の2故意の本条違反に対する懲戒(業務停止・失格処分)
- 社会保険労務士法 第32条本条違反に対する刑事罰(現行効力を要確認)
- 雇用保険法 第10条の4不正受給の返還命令と納付命令
- 健康保険法 第58条不正受給の徴収と事業主の連帯責任
- 刑法 第246条不正受給が詐欺罪を構成する場合
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