社会保険労務士法 第22条(業務を行い得ない事件)
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- 社会保険労務士は、国又は地方公共団体の公務員として職務上取り扱つた事件及び仲裁手続により仲裁人として取り扱つた事件については、その業務を行つてはならない。
- 2.特定社会保険労務士は、次に掲げる事件については、紛争解決手続代理業務を行つてはならない。ただし、第三号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
- 一紛争解決手続代理業務に関するものとして、相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
- 二紛争解決手続代理業務に関するものとして相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの
- 三紛争解決手続代理業務に関するものとして受任している事件の相手方からの依頼による他の事件
- 四開業社会保険労務士の使用人である社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員若しくは使用人である社会保険労務士としてその業務に従事していた期間内に、その開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人が、紛争解決手続代理業務に関するものとして、相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件であつて、自らこれに関与したもの
- 五開業社会保険労務士の使用人である社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員若しくは使用人である社会保険労務士としてその業務に従事していた期間内に、その開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人が紛争解決手続代理業務に関するものとして相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるものであつて、自らこれに関与したもの
この条文の基本情報
業務を行い得ない事件とは何ですか?
定義業務を行い得ない事件とは、社会保険労務士法第22条に定められた規定で、「社会保険労務士は、国又は地方公共団体の公務員として職務上取り扱つた事件及び仲裁手続により仲裁人として取り扱つた事件については、その業務を行つてはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 社会保険労務士法第22条(業務を行い得ない事件)は、日本の社会保険労務士法に含まれる条文です。
- 社会保険労務士法第22条の条文原文は「社会保険労務士は、国又は地方公共団体の公務員として職務上取り扱つた事件及び仲裁手続により仲裁人として取り扱つた事件については、その業務を行つてはならない。」で始まります。
- 社会保険労務士法第22条は第三章に置かれています。
- 社会保険労務士法の公布日は昭和43年6月3日です。
- 社会保険労務士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 社会保険労務士法第22条の前の条は社会保険労務士法第21条です。
- 社会保険労務士法第22条の次の条は社会保険労務士法第23条です。
- 社会保険労務士法第22条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第22条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC1000000089 - 本サイト収録
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第22条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC1000000089/22
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点社会保険労務士法22条は、公務員や仲裁人として扱った事件の業務を禁じ、特定社労士には相手方の相談を受けた事件などの紛争代理を禁じる。同意で解除できるのは3号のみ。
Q · 前に相談した社労士が、相手側の代理人として出てきた。これって許されるの?
特定社労士の紛争代理なら22条2項で原則禁止
社会保険労務士法22条2項は、特定社会保険労務士が、相手方の協議を受けて賛助した事件や、信頼関係に基づく協議を受けた事件について、紛争解決手続代理業務を行うことを禁じています。正式に依頼していなくても、個別面談で具体的な事情を話していれば該当しうるものです。これらの号は関係者が同意しても解除されません。同意で解除できるのは3号(受任中の事件の相手方から頼まれた別の事件)だけです。
解説
労働局の職員や労働基準監督官として扱った事件を、退職後に社労士として引き受けて報酬を得る。社会保険労務士法22条1項は、これを一律に禁じている。仲裁人として判断した事件も同じだ。2項は、あっせんや調停で当事者の代理人になれる特定社会保険労務士に、弁護士並みの利益相反(一方の味方をすると、もう一方を裏切ることになる立場)の壁を設けている。代理が禁じられる事件は、相手方から相談を受けて賛助した、または依頼を引き受けた事件、信頼関係に基づく相談を受けた事件、前の事務所が相手方側で受けていて自分も関わった事件などである。例外は一つだけだ。今受けている事件の相手方から別の事件を頼まれ、今の依頼者が同意した場合に限られる。会社側でも労働者側でも、相手の社労士が以前こちらの話を聞いていたなら、その事実が手続の土台を揺さぶるカードになる。
法的な位置づけ
社会保険労務士法第22条は、社会保険労務士の業務制限を定める規定である。1項は、公務員として職務上取り扱った事件と仲裁人として取り扱った事件について全業務を禁じる。2項は、特定社会保険労務士に対し、相手方から協議を受けた事件など利益相反が生じる事件での紛争解決手続代理業務を禁じる。
よくある質問 AI による整理
Q1特定社会保険労務士とは?
紛争解決手続代理業務試験に合格し、その旨の付記を受けた社労士です。労働局のあっせんなどで当事者の代理人になれます。22条2項の名あて人です。
Q2社労士 利益相反 とは?
一方の当事者の相談や依頼を受けた社労士が、同じ紛争で反対側の代理人になる状態です。社労士法22条2項が、特定社労士の紛争代理について禁止しています。
Q3元労働基準監督官の社労士に依頼できない事件は?
監督官として職務上扱った事件です。22条1項により、その事件については書類作成や相談を含め、社労士業務を一切行えません。
Q4社労士法22条に違反するとどうなる?
懲戒の対象になります(25条)。懲戒の種類は戒告、1年以内の業務停止、失格処分です。誰でも厚生労働大臣に懲戒の措置を求める申出ができます。
Q5相手方の社労士に利益相反があると気付いたらどうする?
手続を担当する紛争調整委員会などの機関に、事情と代理人の適格への疑義を書面で伝えます。期日前、遅くとも合意書にサインする前が基本です。
Q6社労士が事務所を移籍したら前の事務所の事件は受けられる?
前の事務所が相手方から賛助・受任した事件や、信頼関係に基づく相談を受けた事件に自ら関与していたなら、紛争代理はできません(2項4号・5号)。
Q7依頼者が同意すれば相手方の事件も受けられる?
同意で解除できるのは2項3号の事件、つまり受任中の事件の相手方から頼まれた別の事件だけです。1号・2号・4号・5号は同意があっても代理できません。
Q8仲裁人だった社労士はその事件を引き受けられる?
引き受けられません。22条1項により、仲裁手続で仲裁人として扱った事件は、仲裁が終わった後もその社労士は業務を行えません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1前に相談しただけで、正式には依頼してないんですけど、それでもダメなんですか?
依頼していなくても対象になりえます。2項2号は「協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの」を禁じています。一般論だけの立ち話なら外れやすく、時間を取った個別面談で具体的な事情を話していれば該当しやすいです。実務のポイント:分かれ目は相談の深さで、面談時間、資料を見せたかどうか、有料だったかが見られます。予約メールや資料送付の記録が残っているかどうかで、主張の強さがまったく変わります
Q2社労士がこの規定を破ってたら、あっせんの結果ってどうなるんですか?
社会保険労務士法には、違反した代理行為の効力を直接定めた規定がなく、実務上解釈が分かれています。弁護士法25条違反については、相手方が異議を述べればその訴訟行為を無効とし得るとした判例(最大判昭和38.10.30)があり、参考にされる可能性があります。違反した社労士は懲戒(25条)の対象です。実務のポイント:成立後に異議を述べても通りにくいと考えておくべきです。気付いた時点で、遅くとも合意書にサインする前に指摘するのが鉄則です
Q3会社の顧問社労士に、社員の自分が会社とのトラブルを相談してもいいんですか?
相談すること自体は禁じられていませんが、勧められません。その社労士が同じ紛争で会社側の代理を受けているなら、社員側の代理は2項1号によってできません。顧問契約だけの段階では22条の文言に当たらない場面もありますが、信用失墜行為の禁止(16条)との関係で問題になりやすいです。実務のポイント:顧問社労士に話した内容は、会社に伝わる前提で考えた方が安全です。社員側は最初から別の特定社労士か弁護士に相談しましょう
間違えやすい点 AI による整理
- 「相手の社労士は敵なのだから、自分には関係ない」と考えるのは、問いの立て方が間違っている。問うべきは、その社労士が以前どちら側の話を聞いたかである。相手の代理人が過去にあなたの相談を受けていたなら、22条2項によって、その人はそもそもその席に座れない可能性がある
- 社労士に守秘義務(21条)があることは知られている。しかし守秘義務だけでは足りないことはあまり知られていない。秘密を一言も漏らさなくても、聞いた事情を頭に入れたまま相手側の戦略を立てれば、実質的にはあなたの手の内を使うことになる。22条は、その頭の中ごと相手陣営に移ることを禁じている
- 依頼者が同意すれば2項の禁止はすべて外れると思われがちだが、同意で解除できるのは3号(受任中の事件の相手方から頼まれた別の事件)だけである。1号・2号・4号・5号は、関係者全員が同意しても代理できない
- 2項の名あて人は特定社会保険労務士の紛争解決手続代理業務に限られる。そのため、普通の書類作成業務なら2項の対象外となる。ただし1項はすべての社労士の全業務を縛っており、2項の対象外の場面でも信用失墜行為の禁止(16条)が問題になりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 守る対象 | 22条:相談・依頼の信頼と手続の中立性(立場の移動そのものを遮断) | 21条:業務上知った秘密(情報の漏えいを遮断) 16条:社労士全体の信用・品位 |
| 禁止される行為 | 特定の事件で業務・紛争代理を行うこと | 正当な理由なく秘密を他に漏らし、または盗用すること 社労士の信用または品位を害する行為全般 |
| 同意による解除 | 2項3号のみ依頼者の同意で解除できる | 本人の同意など正当な理由があれば開示できる 同意による解除の概念なし |
| 違反の効果 | 懲戒(25条) | 懲戒に加え、刑事罰の対象 懲戒(25条) |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾には社労士に相当する国家資格がなく、労働紛争の代理は主に弁護士が担う。弁護士の受任禁止事件の規律が対照先となる
韓国は공인노무사(公認労務士)制度を持つ。利益相反の受任制限は弁護士法31条型の規律が基本形となる
同一案件で双方の代理人となることを禁じる。日本の2項1号に近いが、信頼関係に基づく協議まで射程に入れる明文はない
相反する利益の代理を禁止する。事務所移籍に伴う情報の持ち込みの規律は、日本の2項4号・5号と問題意識を共有する
元依頼者、元公務員、元仲裁人それぞれの利益相反を別条で規律する。日本の1項と2項を細分化した構造に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 解雇されたあと、近所の社労士事務所で個別面談を受け、録音データと経緯を全部見せた。二週間後、会社側があっせんの代理人として連れてきたのはその社労士だった。2項2号の「信頼関係に基づく協議」に当たりうる。黙って席に着く前に、異議を伝える価値がある
- 特定社労士のあなたは、A社の残業代をめぐるあっせんで会社側代理人を務めている。そこへA社と争っている元従業員Bから、別の会社を相手にしたパワハラのあっせん代理を頼まれた。2項3号に当たるので、A社の同意を書面でもらわない限り受けられない
- 元労働基準監督官が開業した社労士事務所に、在職中に自分が臨検した会社から、その件の対応依頼が来たらどうなる? 1項により、その事件では社労士業務そのものが禁じられる。紛争代理に限らず、書類作成も含む全業務が対象だ
- あっせん期日まであと5日。会社側代理人の名前を見て、半年前に同じ件で相談した事務所に当時勤めていて、面談に同席していた社労士だと気付いた。2項5号の典型である。期日の前に労働局へ事情を書面で伝えておけば、当日口頭で言い出すより確実に記録が残る
- 仲裁人として判断した労使紛争を、仲裁が終わったあと一方当事者のために引き受ける。1項違反だ。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手方代理人の氏名と所属事務所を確認し、過去の相談記録(予約メール、送った資料、面談メモ)と照合する2. 該当しうるなら、あっせんを担当する紛争調整委員会や調停機関に、事情と代理人の適格への疑義を書面で伝える3. その社労士が所属する都道府県社会保険労務士会に相談する。厚生労働大臣に懲戒の措置を求める申出も法律上認められている4. 合意書にサインする前に必ず指摘する。成立後に争うのは格段に難しい
訴えられた側:1. 受任前に、相手方名と関係者名で事務所全体の利益相反チェックを行う2. 移籍や独立のときは、前の事務所で関与した案件を、守秘義務に反しない範囲で把握しておく3. 3号に当たる事件は、現在の依頼者の同意を書面で取る4. 抵触が分かったら速やかに辞任し、依頼者に別の代理人を紹介する。続ければ懲戒(戒告、1年以内の業務停止、失格処分、25条)の対象になる
時効(請求できる期限):22条違反そのものに特定の時効はない。ただし背後の労働紛争には期限がある。あっせん打切りの通知を受けた日から30日以内に訴えを起こせば、あっせんを申請した時に訴えたものとみなされる(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律16条)。未払賃金の請求権は当分の間3年(労働基準法115条・附則143条)。代理人をめぐる揉め事でこれらの期限を失わないこと(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)改正(要検証) 特定社会保険労務士制度の創設に伴い、紛争解決手続代理業務を行えない事件を定める第2項が整備されたとみられる。各号の追加時期や文言の変遷は人による検証が必要
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 改正:特定社会保険労務士制度の創設に伴い、紛争解決手続代理業務を行えない事件を定める第2項が整備された(各号の追加時期・文言の変遷は要検証)
- 社会保険労務士法 第2条紛争解決手続代理業務の範囲を定義
- 社会保険労務士法 第21条秘密保持義務、情報流出の別方向の防壁
- 社会保険労務士法 第16条信用失墜行為の禁止、本条の外側を補う
- 社会保険労務士法 第25条懲戒の種類、本条違反の制裁
- 弁護士法 第25条弁護士の同種規定、解釈の参照源
- 司法書士法 第22条隣接士業の同種規定(現行効力を要確認)
- 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律 第5条紛争調整委員会のあっせん、代理の主舞台
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