社会保険労務士法 第35条
クイックジャンプ
第二十五条の四十九第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した社会保険労務士会又は連合会の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 社会保険労務士法第35条は、日本の社会保険労務士法に含まれる条文です。
- 社会保険労務士法第35条の条文原文は「第二十五条の四十九第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した社会保険労務士会又は連合会の役員又…」で始まります。
- 社会保険労務士法第35条は第六章に置かれています。
- 社会保険労務士法の公布日は昭和43年6月3日です。
- 社会保険労務士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 社会保険労務士法第35条の前の条は社会保険労務士法第34条です。
- 社会保険労務士法第35条の次の条は社会保険労務士法第36条です。
- 社会保険労務士法第35条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第35条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC1000000089 - 本サイト収録
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第35条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC1000000089/35
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点社会保険労務士法35条は、社労士会・連合会の役員又は職員が厚生労働大臣の報告徴収や検査を拒否・妨害し、または虚偽報告をした場合、30万円以下の罰金に処すると定める。
Q · 社労士会が厚生労働省の検査を拒んだら、誰が罰せられるの?
団体ではなく役員・職員個人に30万円以下の罰金
社会保険労務士法35条により、厚生労働大臣の報告徴収(同法25条の49第1項)に対して報告をしない、虚偽の報告をする、または立入検査を拒む・妨げる・忌避した場合、社会保険労務士会や連合会の役員・職員個人が30万円以下の罰金に処されます。罰金も刑罰であり前科となるため、役員が社労士であれば同法5条の欠格事由として登録資格にも影響しえます(最新の改正状況をご確認ください)。
解説
罰金30万円。数字だけ見れば、駐車違反の延長くらいの軽さに映る。しかし罰則の対象を見てほしい。社会保険労務士会や全国社会保険労務士会連合会の「役員又は職員」、つまり団体そのものではなく、そこで働く生身の個人である。厚生労働大臣が同法25条の49第1項に基づいて報告を求めたり、職員を立ち入らせて帳簿を検査したりしたとき、報告しない、嘘を書く、検査を拒む・妨げる・逃げる。このどれか一つで刑事罰の対象になる。しかも役員の多くは現役の社労士である。社会保険労務士法違反で罰金刑を受けると、同法5条の欠格事由に当たり、一定期間(執行を終えてから3年)は登録できない(最新の改正状況をご確認ください)。30万円の罰金そのものより、士業として働く資格に跳ね返ることのほうがはるかに重い。「上が出すなと言ったから」は免罪符にならない。書類を握っているあなた個人が、刑事責任の当事者になる構造なのである。
法的な位置づけ
社会保険労務士法35条は、社会保険労務士会および全国社会保険労務士会連合会に対する厚生労働大臣の監督権限(同法25条の49第1項の報告徴収・立入検査)の実効性を担保する罰則規定であり、報告拒否、虚偽報告、検査の拒否・妨害・忌避をした役員または職員を30万円以下の罰金に処する行政刑罰を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1社会保険労務士法35条とは?
社労士会・連合会の役員や職員が、厚生労働大臣の報告徴収や立入検査を拒否・妨害したり虚偽報告をした場合に、30万円以下の罰金を科す罰則規定です。
Q2社労士会への立入検査の根拠は何条?
社会保険労務士法25条の49第1項です。厚生労働大臣は社労士会・連合会に報告を求め、職員に事務所へ立ち入らせて帳簿書類を検査させることができます。
Q3検査の「忌避」とはどんな行為?
検査を正面から拒まなくても、担当者が不在を装う、書類を別室に移すなど、検査を事実上避けて実施させない行為をいいます。拒否・妨害と並んで処罰対象です。
Q4社労士が罰金刑を受けたら登録はどうなる?
社会保険労務士法5条の欠格事由に当たり、刑の執行を終えてから一定期間(3年)は登録できなくなる可能性があります。最新の改正状況の確認が必要です。
Q5社労士会の事務職員も処罰される?
処罰されえます。条文は「役員又は職員」と定めており、社労士資格の有無を問わず、報告や検査対応に関わった職員個人が対象になります。
Q6うっかり数字を間違えた報告も虚偽報告?
虚偽と知らずに誤った数字を書いた場合は故意がなく、原則として処罰されません。ただし作成経緯を説明できる資料を残しておくことが重要です。
Q7社会保険労務士法35条の時効は何年?
法定刑が罰金のみのため、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。報告拒否や検査妨害の行為が終わった時から進行します。
Q8検査拒否で社労士会という団体は罰せられる?
本条の処罰対象は「役員又は職員」という個人です。組織の方針に基づく行為であっても、実際に報告拒否や妨害をした個人が刑事責任を問われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会長に言われて数字を直しただけなのに、私も罰せられるんですか?
罰せられる可能性があります。本条は「虚偽の報告をした」役員・職員を処罰しており、指示があったことは原則として免責理由になりません。ただし虚偽であると知らなかった場合は故意がなく、処罰されません。実務のポイント:検察官は「誰が数字を作ったか」と同時に「誰が知っていたか」を追います。指示メールや会議メモが残っていれば、責任の重心が指示者へ移る。記録を残した職員と残さなかった職員とで、扱いは大きく変わります
Q230万円払えば終わりですよね?
金額だけで終わりません。罰金も刑罰なので前科となり、社会保険労務士である役員の場合、社会保険労務士法5条の欠格事由に当たって執行を終えてから3年は登録できなくなる可能性があります(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:略式命令で罰金を払うと手続は早く終わりますが、有罪の確定判決と同じ効果を持ちます。資格への影響を考えるなら、略式に同意する前に正式裁判で争う余地を弁護士と検討する価値があります
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰金が科されるなら社労士会という法人が払うのだろう」と考えがちだが、条文が名指ししているのは「役員又は職員」である。組織の判断であっても、行為をした個人が被告人になる
- 30万円以下の罰金なら大したことはない、という感覚の怖さはその先にある。罰金も刑罰なので前科となり、役員が社労士であれば社会保険労務士法5条の欠格事由として登録資格に直結する。お金で済む話ではなく、職業生命の話である(最新の改正状況をご確認ください)
- 「検査に協力するかどうかは団体の自主判断だ」と問いを立てること自体が誤りである。団体から見れば自治の問題でも、法律から見れば社労士制度の公共性を保つための監督受忍義務である。その落差に気づかないまま「自治」を盾に取ると、個人が刑事責任を負う側に回ってしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 35条:監督妨害に対する罰則(行政刑罰) | 25条の49:厚生労働大臣の報告徴収・立入検査の権限 5条:社労士登録の欠格事由 |
| 名宛人 | 社労士会・連合会の役員又は職員(個人) | 社労士会・連合会(団体) 社労士になろうとする者・登録者 |
| 本条との関係 | 違反すると30万円以下の罰金 | 本条の罰則が担保する義務の根拠 本条の罰金刑が登録資格に跳ね返る経路 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾には社労士に相当する独立した国家資格がなく、職業団体は人民団体法のもとで主管機関の監督を受ける。士業団体への監督を罰則で担保する発想の比較対象として参照できる
韓国には公認労務士制度があり、公認労務士会が設けられている。日本の社労士会と同じく、労働関係の士業団体に対する所管官庁の監督という構造を持つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 厚生労働省から都道府県社労士会に報告徴収の文書が届いた。会計の不明朗な支出について、会長が「この部分は伏せて出せ」と事務局長に指示する。事務局長が従って虚偽報告をすれば、処罰の対象になるのは指示した会長だけではない。手を動かした職員本人も「虚偽の報告をした職員」に該当しうる
- 立入検査の当日、担当理事が「その書類は理事長の自宅にあって今日は出せない」と口裏を合わせ、段ボール箱を別室に移した。これは検査の「忌避」「妨げ」と評価されうる。三文程度のごまかしが、刑事記録に残る一行になる
- 報告期限まであと5日。研修会の受講記録や会費の収支を整理したら、前任者の時代の帳簿がまるごと見当たらない。焦って「概算」で数字を埋めて提出すれば、それが虚偽報告となる危険がある。正しい選択は、欠落していると正直に書き、経緯を添えて期限延長を相談することだ
- もし、内部告発をしたいと考えている職員のあなたが、上司から検査対応で資料の隠匿を命じられたら、どうなる? 従えばあなたも罰則の射程に入り、拒めば職場で孤立する。ここで本条は、あなたにとって「命令を断る法的根拠」として機能する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 職員として不正な指示を受けたら、日時・発言者・内容をメモやメールで記録する2. 指示が資料の隠匿や改変であれば、本条と社会保険労務士法25条の49を示して書面で断る3. 組織内で解決しない場合は、公益通報者保護法の窓口や所管の厚生労働省へ相談する4. 自分が関わった報告内容は控えを保存し、作成過程を説明できる状態にしておく
訴えられた側:1. 虚偽か錯誤かが最大の争点なので、数字の出所と作成経緯を示す資料をすぐに確保する2. 上司の指示に従った事情があれば、その証拠が情状にとって重要になる3. 捜査段階で弁護士を付け、不用意な供述をしない4. 社労士登録への影響(同法5条の欠格事由)を見すえ、略式手続に安易に応じる前に弁護士と協議する
時効(請求できる期限):罰金のみが法定刑の罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は報告拒否・虚偽報告・検査妨害の行為が終わった時である。報告期限は報告徴収の文書に記載された日付が基準となる
学説
通説(行政刑法):本条は行政上の義務違反に対する行政刑罰であり、刑法総則が適用される(刑法8条)。故意犯であるため、虚偽と知らずに誤った報告をした場合は処罰されない。
- 社会保険労務士法 第25条の49報告徴収・立入検査の権限根拠
- 社会保険労務士法 第5条罰金刑による登録欠格事由
- 社会保険労務士法 第1条監督権限を正当化する法目的
- 刑法 第8条刑法総則の他法令罰則への適用
- 刑事訴訟法 第250条罰金のみの罪の公訴時効3年
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める