要点徴収法 35 条は、事業主が労働保険事務組合に保険料を交付した金額の限度で、事務組合が政府への納付責任を負うと定める。事業主への請求は組合への滞納処分後の残余分に限られる。
Q · 事務組合に労働保険料を払ったのに未納だと言われたら、もう一度払うしかないの?
まず事務組合が責任を負い、請求は残余分に限られます
徴収法 35 条 1 項により、事業主が納付のため金銭を労働保険事務組合に交付したときは、その金額の限度で事務組合が政府に対する納付責任を負います。政府が事業主から徴収できるのは、事務組合に対して同法 27 条 3 項の滞納処分をしてもなお残余がある場合の、その残額だけです(同 35 条 3 項)。したがって最優先の作業は、交付した金額と交付日を証明する振込明細・受領証の確保になります。交付の事実が立証できない部分は 1 項の保護が及びません。
従業員 5 人の工務店を営むあなたが、地元の商工会議所や事業協同組合に労働保険の事務を委託しているとする。毎年、労働保険料をその団体の口座へ振り込んでいる。ここで押さえておくべきは、あなたが金を払った瞬間に何が起きるかだ。徴収法 35 条 1 項は、事業主が納付のために金銭を労働保険事務組合へ交付したとき、その金額の限度で、政府に対する納付責任は事務組合が負うと定める。つまり事務組合が受け取った金を国に納めず使い込んでも、あなたが交付した金額の範囲では、国はまずあなたではなく事務組合を追う。さらに 3 項は、政府が事務組合に滞納処分をしてもなお取り切れない残余がある場合に限り、その残額を事業主から徴収できるとする。順序が法定されているのだ。あなたが持つべき唯一の武器は、交付したことを証明する記録である。振込明細と受領証がなければ、この条文はあなたを守らない。
徴収法 35 条は、労働保険事務組合を通じて労働保険料が納付される場合の責任分配を定める規定である。1 項は交付金額の限度で事務組合が政府への納付責任を負い、2 項は追徴金・延滞金につき事務組合に帰責事由がある限度で同責任を負い、3 項は事務組合への滞納処分後に残余がある場合に限り事業主から徴収できるとする。
中小事業主の委託を受けて労働保険の事務処理を行う、厚生労働大臣の認可を受けた団体です。商工会、事業協同組合、商工会議所などが認可を受けています。根拠は徴収法 33 条です。
保険料の申告・納付や各種届出の事務を代行してもらえるほか、中小事業主本人や家族従事者が労災保険に特別加入できる道が開かれます。労働保険料の分割納付が認められる場合もあります。
事業主が納付のための金銭を事務組合に渡した時点です。銀行振込なら入金日、現金なら受領証の日付が基準になります。証拠が残らない渡し方をすると保護の範囲が立証できません。
所轄の都道府県労働局・労働基準監督署(またはハローワーク)へ、交付済みの事実を書面で申し出ます。同時に事務組合へ納付状況の説明と受領証の再発行を求めます。
労働保険料その他の徴収金を徴収する権利は 2 年で時効消滅します(徴収法 41 条)。督促や処分による時効の取扱いは事案ごとに異なるため、日付の起算点を必ず確認してください。
厚生労働大臣の認可で、実務上は都道府県労働局長に委任されています(徴収法 33 条)。委託先が認可を受けているかは労働局で確認でき、認可の有無で 35 条の適用が変わります。
原則として労働保険事務組合に労働保険事務を委託することが前提になります。委託先の選定は保険料納付の責任構造にも直結するため、会計管理体制まで確認すべきです。
はい。35 条 1 項・2 項で事務組合が納付すべき徴収金は、まず事務組合へ徴収法 27 条 3 項の処分が行われます。事業主への請求はその後の残余分に限られます。
交付した金額の限度では、まず労働保険事務組合が政府に対して納付責任を負う(35 条 1 項)。政府があなたに請求できるのは、事務組合への滞納処分をしてもなお残余がある場合の、その残額だけである(同 3 項)。業界裏話ヒント:督促状には「事務組合への処分を経たか」は書かれていない。書面で処分の有無と残余額の内訳を求めると、順序が守られていない事案では請求が止まることがある
徴収について事務組合の責めに帰すべき理由があるときは、その限度で事務組合が納付責任を負う(35 条 2 項)。あなたが期限内に交付していたのに組合が納付を怠ったなら、事務組合側の理由になる。業界裏話ヒント:この認定は「交付日」で決まる。月末ぎりぎりに現金で渡す慣行が続いている組合では、遅延の原因がどちらにあるか事後に立証できず、結果として事業主が負担する事例がある
35 条 4 項により、労災保険法 12 条の 3 第 2 項および雇用保険法 10 条の 4 第 2 項の適用について、事務組合は事業主とみなされる。つまり保険給付に関する費用徴収の名宛人が組合になりうる。業界裏話ヒント:多くの組合理事は名誉職の感覚で就任するが、組合の会計管理体制と、委託事業主からの交付記録の整備状況を就任前に確認する人は少ない。ここが崩れている組合では、責任の所在が事後に争われる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 35 条:交付後の納付責任の所在と徴収の順序 | — |
| 名宛人 | 事務組合(1 項・2 項)と事業主(3 項の残余) | — |
| 事業主にとっての意味 | 交付額の限度で責任が一度堰き止められる | — |
| 争うときの主張 | 交付の事実と、処分後の残余額の内訳を求める | — |
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