要点労働保険の保険料の徴収等に関する法律 33 条は、事業主団体が厚生労働大臣の認可を受けて労働保険事務組合となり、中小事業主の委託で労働保険事務を処理できると定める。印紙保険料は除く。
Q · 社長本人が労災保険に入るには、どこに何を頼めばいいのですか?
認可を受けた事業主団体に労働保険事務を委託することが入口になります
労働保険の保険料の徴収等に関する法律 33 条は、事業協同組合や商工会議所などの事業主の団体が厚生労働大臣の認可を受けて労働保険事務組合となり、中小事業主の委託を受けて労働保険料の納付などの事務を処理できると定めます。委託できるのは厚生労働省令で定める労働者数以下の事業主に限られ(金融・保険・不動産・小売業 50 人、卸売業・サービス業 100 人、その他の事業 300 人)、印紙保険料に関する事務は対象外です。この委託が、労働者災害補償保険法 33 条の中小事業主等の特別加入の要件になります。
従業員 8 人の内装工事店。社長が足場から落ちて半年入院しても、労災保険は一円も下りない。社長は「労働者」ではないからだ。この現実をひっくり返す唯一の入口が 33 条にある。事業協同組合や商工会議所のような事業主団体が厚生労働大臣の認可を受けると「労働保険事務組合」になり、会員である事業主に代わって保険料の申告・納付といった事務を処理できる。そしてここに事務を委託した中小事業主は、労働者災害補償保険法 33 条の特別加入資格を手に入れる。ただし委託できるのは、使用する労働者数が厚生労働省令の上限以下の事業主に限られる(金融・保険・不動産・小売業 50 人、卸売業・サービス業 100 人、その他の事業 300 人)。印紙保険料に関する事務も対象外だ。4 項で厚生労働大臣に認可取消権が留保されているのは、あなたが払う保険料が民間団体の口座を一度経由するからである。
労働保険事務組合とは、中小企業等協同組合法第 3 条の事業協同組合その他の事業主の団体または連合団体が、厚生労働大臣の認可を受けて、構成員である中小事業主の委託により労働保険料の納付その他の労働保険事務を処理する主体をいう。印紙保険料に関する事項は処理対象から除外される。
厚生労働大臣の認可を受けた事業主の団体または連合団体で、会員である中小事業主の委託により労働保険料の申告・納付などの事務を代わって処理する組織です。徴収法 33 条が根拠になります。
厚生労働大臣です(33 条 2 項)。事業協同組合や商工会議所などの団体が申請し、認可を受けて初めて労働保険事務組合として業務を行えます。認可なしの事務代行は制度上認められません。
厚生労働省令で定める数を超える労働者を使用する事業主は委託できません。金融・保険・不動産・小売業は 50 人、卸売業・サービス業は 100 人、その他の事業は 300 人が上限とされています。
33 条 4 項は三つの類型を定めます。徴収法・労災保険法・雇用保険法など労働保険関係法令に違反したとき、処理すべき労働保険事務を怠ったとき、その処理が著しく不当と認められるときです。
できません。33 条 1 項が「印紙保険料に関する事項を除く」と明記しています。日雇労働被保険者の印紙保険料については、事業主が自ら処理する必要があります。
できます。概算保険料の延納は本来一定額以上が要件ですが、労働保険事務組合に委託している場合は金額にかかわらず 3 回に分割して納付できます。資金繰りの平準化に直結します。
33 条 3 項により、業務を廃止しようとするときは 60 日前までに厚生労働大臣へ届け出る必要があります。委託していた事業主は、この期間内に移管先を確保しないと補償の空白が生じます。
社労士は個別の事業主から委任を受ける専門家で、事務組合は認可を受けた事業主団体という組織です。中小事業主等の特別加入の要件になるのは事務組合への委託であり、社労士への依頼だけでは足りません。
保険料率そのものは一円も変わらない。変わるのは、概算保険料の額にかかわらず 3 回に分割納付できる点と、社長本人が労働者災害補償保険法 33 条の特別加入資格を得られる点である。業界裏話ヒント:事務組合の委託手数料は法定ではなく各団体が自由に設定しているため、同じ地域・同じ従業員数でも年額が数倍違うことがある。二、三団体に見積もりを取る発想を持つ人はほとんどいない
即座に二重払いにはならない。徴収法 35 条は、労働保険事務組合自身が納付の責めを負い、政府はまず事務組合に対して滞納処分を行い、なお残余がある場合でなければ事業主から徴収できない構造にしている。事業主が交付済みの額に係る追徴金・延滞金は事務組合の負担となる。業界裏話ヒント:この保護が働くかどうかは「あなたが事務組合に金を渡した事実」を証明できるかにかかっている。振込記録と領収証が手元にない事業主は、法律上守られているのに実際には守られない
入れない。労働保険事務組合への委託が要件になっているのは、労働者を使用する中小事業主等の特別加入(労働者災害補償保険法 33 条 1 号・2 号)である。労働者を雇わない一人親方は、同条 3 号の一人親方等の団体を通じて特別加入する別ルートになる。業界裏話ヒント:従業員をひとりでも継続的に雇った瞬間、ルートが一人親方団体から事務組合経由へ切り替わる。この乗り換えを忘れたまま数年経ち、事故が起きて初めて資格の不整合が発覚する例が現場で繰り返されている
事業主側からの委託解除は当事者間の委託関係の問題であり、原則として任意に行える。ただし解除した瞬間に特別加入の要件を欠くため、社長本人の補償は途切れる。事務組合側が業務そのものを廃止する場合は 60 日前までの届出が必要である(3 項)。業界裏話ヒント:解除と次の委託先への加入の間に一日でも空白を作らないこと。特別加入は遡及して効力を生じさせられないため、その一日に起きた事故は永久に補償されない
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| 条文が規律する対象 | 徴収法 33 条:事務組合の成立要件(認可・委託範囲・廃止届・認可取消) | — |
| 事業主にとっての意味 | 委託できる資格の有無が決まる(労働者数上限・印紙保険料の除外) | — |
| 行政の介入手段 | 認可(2 項)と認可取消(4 項)、廃止の 60 日前届出(3 項) | — |
| 見落とすと起きること | 委託先の認可が消えた瞬間に社長本人の特別加入資格も失われる | — |
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