水質汚濁防止法 第14条の8(生活排水対策重点地域の指定等)
クイックジャンプ
- 都道府県知事は、次に掲げる公共用水域において生活排水の排出による当該公共用水域の水質の汚濁を防止するために生活排水対策の実施を推進することが特に必要であると認めるときは、当該公共用水域の水質の汚濁に関係がある当該都道府県の区域内に生活排水対策重点地域を指定しなければならない。
- 一水質環境基準が現に確保されておらず、又は確保されないこととなるおそれが著しい公共用水域
- 二前号に掲げるもののほか、自然的及び社会的条件に照らし、水質の保全を図ることが特に重要な公共用水域であつて水質の汚濁が進行し、又は進行することとなるおそれが著しいもの
- 2.都道府県知事は、生活排水対策重点地域を指定しようとするときは、あらかじめ、関係市町村長の意見を聴かなければならない。
- 3.生活排水対策重点地域の指定をしようとする地域に係る公共用水域が他の都府県の区域にわたる場合においては、都府県知事は、その指定をしようとする旨を当該他の都府県の都府県知事に通知しなければならない。
- 4.都道府県知事は、生活排水対策重点地域の指定をしたときは、その旨を公表するとともに、当該生活排水対策重点地域をその区域に含む市町村(以下「生活排水対策推進市町村」という。)に通知しなければならない。
- 5.前三項の規定は、生活排水対策重点地域の変更について準用する。
この条文の基本情報
生活排水対策重点地域の指定等とは何ですか?
定義生活排水対策重点地域の指定等とは、水質汚濁防止法第14条の8に定められた規定で、「都道府県知事は、次に掲げる公共用水域において生活排水の排出による当該公共用水域の水質の汚濁を防止するために生活排水対策の実施を推進することが特に必要であると認め…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 水質汚濁防止法第14条の8(生活排水対策重点地域の指定等)は、日本の水質汚濁防止法に含まれる条文です。
- 水質汚濁防止法第14条の8の条文原文は「都道府県知事は、次に掲げる公共用水域において生活排水の排出による当該公共用水域の水質の汚濁を防止するために生活排水対策の実施を推進することが特に必要であると認め…」で始まります。
- 水質汚濁防止法第14条の8は第二章の二 生活排水対策の推進に置かれています。
- 水質汚濁防止法の公布日は昭和45年12月25日です。
- 水質汚濁防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 水質汚濁防止法第14条の8の前の条は水質汚濁防止法第14条の7です。
- 水質汚濁防止法第14条の8の次の条は水質汚濁防止法第14条の9です。
- 水質汚濁防止法第14条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第14条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000138 - 本サイト収録
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第14条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/345AC0000000138/14_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点水質汚濁防止法14条の8は、生活排水対策が特に必要な公共用水域について、都道府県知事に生活排水対策重点地域の指定を義務づける。指定による住民への罰則はない。
Q · 生活排水対策重点地域に指定されると、住民は何か規制を受けるの?
住民への罰則はなく、市町村が計画を作り対策を進める
水質汚濁防止法14条の8は、都道府県知事に生活排水対策重点地域の指定を義務づける規定で、義務を負うのは知事であり住民ではありません。指定された地域を含む市町村は生活排水対策推進市町村となり、推進計画(14条の9)を策定して下水道や合併処理浄化槽の整備、啓発を進めます。住民側の義務は調理くずや廃食用油を流さないよう心がける努力義務(14条の6)にとどまり、罰則はありません。
解説
知事には「選ぶ」自由がない。条文の語尾は「指定しなければならない」である。川や湖が水質環境基準を満たしておらず、台所や風呂から流れる家庭の排水への対策が特に必要だと知事が認めれば、その時点で生活排水対策重点地域の指定は義務になる。前提として、工場の排水には罰則付きの排水基準があるのに、あなたの家の排水にはそれがない。そこで法律は、家庭を一軒ずつ罰するのではなく「地域」を指定する方法をとった。指定を受けた地域の市町村(生活排水対策推進市町村)に生活排水対策推進計画(14条の9)を作らせ、下水道、合併処理浄化槽、住民への啓発を集中して進めさせる仕組みである。指定はあなたへの命令ではない。行政に出される宿題である。自分の町が指定されているかと公表内容を確かめれば、どんな整備や補助が優先されるのか、行政が何を約束したのかが読み取れる。
法的な位置づけ
生活排水対策重点地域とは、水質汚濁防止法第14条の8に基づき、都道府県知事が、水質環境基準が確保されていない公共用水域等の水質汚濁を防止するため生活排水対策の推進が特に必要と認めて指定する地域をいう。当該地域を区域に含む市町村は生活排水対策推進市町村となり、生活排水対策推進計画の策定主体となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.地元水域の水質測定結果を確認する 都道府県が毎年公表する公共用水域の水質測定結果で、気になる川や湖が水質環境基準を達成しているかを確認する。未達成なら本条1項1号の要件に関係する
- 2.重点地域の指定状況を確認する その水域の流域が生活排水対策重点地域に指定されているかを、都道府県の公表資料や市町村の担当課への問い合わせで確認する
- 3.市町村の推進計画と補助制度を確認する 指定済みなら、生活排水対策推進計画(14条の9)の内容と進捗、合併処理浄化槽への転換補助や下水道整備予定を市町村に確認する。不動産購入前なら工事費の見積もりにも使う
- 4.未指定なら条文の要件に沿って要望する 指定がない場合、測定データを添え、1項各号の要件にあたる事実を条文の言葉で示して、議会への請願や担当課への要望を行う
よくある質問 AI による整理
Q1生活排水対策重点地域とは?
家庭排水による水質汚濁を防ぐため、都道府県知事が水質汚濁防止法14条の8に基づいて指定する地域です。指定地域の市町村は推進計画を作ります。
Q2生活排水対策重点地域 一覧 どこで見られる?
指定したときは知事が公表します(14条の8第4項)。各都道府県の環境部局のウェブサイトや公報で指定地域と対象水域を確認できます。
Q3生活排水とは何を指す?
炊事、洗濯、入浴など人の生活に伴って公共用水域に排出される水をいいます。トイレの汚水だけでなく台所や風呂の雑排水も含まれます。
Q4生活排水対策重点地域 指定されたら何が変わる?
市町村が生活排水対策推進計画(14条の9)を策定し、下水道整備、合併処理浄化槽の普及、住民啓発などを重点的に進めることになります。
Q5重点地域の指定は知事の自由裁量?
要件にあたり特に必要と認めるときは「指定しなければならない」と定められ、指定は義務です。ただし「特に必要」かの判断には知事の評価が入ります。
Q6重点地域の指定に市町村は反対できる?
知事は指定前に関係市町村長の意見を聴く必要があります(2項)。意見は述べられますが、同意までは要件とされていません。
Q7川が複数の県にまたがる場合の指定は?
指定しようとする地域の公共用水域が他の都府県にわたる場合、その都府県の知事に指定しようとする旨を通知しなければなりません(3項)。
Q8重点地域の範囲は後から変えられる?
変更も可能です。変更の際も関係市町村長の意見聴取、他の都府県への通知、公表と市町村への通知の手続が準用されます(5項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの町が重点地域に指定されたらしいんですけど、何か罰金とかあるんですか?
住民への罰則はありません。本条が義務を課しているのは都道府県知事で、指定を受けた市町村は生活排水対策推進計画(14条の9)を作って施策を進めます。家庭の側の義務は、調理くずや油を流さないよう「心がける」努力義務(14条の6)です。実務のポイント:指定をきっかけに合併処理浄化槽への転換補助や下水道の整備が優先されることがあるため、罰を心配するより、使える補助を先に市町村に聞くほうが得になる
Q2川が汚いから重点地域に指定してほしいって、住民から頼めるんですか?
本条には住民の申請権が定められていません。ただ、知事は要件を満たすと認めれば指定しなければならない(1項)ので、要件にあたる事実を示すことには意味があります。実務のポイント:都道府県が毎年公表する水質測定結果で、その水域の環境基準が未達成であることを示し、1項1号の文言に当てはめて議会に請願する。条文の要件の言葉を使うと、担当課は検討した結果を説明する必要に迫られる
間違えやすい点 AI による整理
- 「重点地域に指定されたら、住民は排水の規制を受けて罰金を取られる」と身構える人がいる。実際は逆で、本条が義務を課している相手は知事であり、住民ではない。国民の側の生活排水対策は「心がける」という努力義務(14条の6)にとどまり、本条の指定によって住民に罰則が生じることはない(最新の改正状況をご確認ください)
- 川の汚れを見て「どこの工場が悪いのか」と問う人は多い。しかしその問い自体がずれている可能性がある。工場排水は排水基準(3条)と罰則で長年規制されてきたため、都市部の河川や閉鎖性水域(湖沼や湾のように水が入れ替わりにくい水域)では、家庭の排水が汚濁の主な原因になっている例が多い。犯人探しをしても解決しないからこそ、本条は取締りではなく計画の仕組みをとっている
- 住民から見れば、指定は県庁が出す無味乾燥な告知にすぎない。行政の側から見れば、関係市町村長の意見聴取、他の都府県への通知、公表、市町村への通知という手続を踏んで、市町村に計画策定を促す正式な起点である。この落差を知らないと、指定の公表資料に書かれた目標や対象水域という、行政が自ら示した約束を読み逃す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 14条の8:生活排水対策重点地域の指定(地域単位) | 3条:特定事業場からの排出水の排水基準 14条の6:国民の生活排水対策の心がけ |
| 義務を負う者 | 都道府県知事(指定義務) | 工場・事業場の事業者 国民(努力義務) |
| 違反時の効果 | 罰則なし、行政手続上の義務 | 排水基準違反には罰則あり 罰則なし |
| 後続の仕組み | 14条の9の推進計画策定へ連動 | 改善命令・一時停止命令など 自治体の啓発・支援施策 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も事業場排水の直接規制と、生活污水の下水道・集中処理整備を別の仕組みで扱う。地域指定と市町村計画を一体化した日本型の制度とは設計が異なる
ドイツは自治体に排水処理義務を課し、EU 都市排水処理指令に基づく敏感水域の区分で処理水準を上げる。地域単位で行政に義務を課す点は類似
州知事が水質問題の深刻な地域を特定し、地域計画機関に広域排水処理管理計画を策定させる。指定から計画への流れは本条と構造が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 郊外の中古住宅を買おうとしている。敷地には古い単独処理浄化槽(トイレの汚水だけを処理する浄化槽)があり、台所の排水は側溝にそのまま流れている。そこが生活排水対策重点地域なら、合併処理浄化槽(トイレと生活雑排水をまとめて処理する浄化槽)への転換や下水道接続を市町村が重点的に進める計画を持っている可能性が高い。契約前に市町村の計画と補助制度を確認すれば、将来の工事費を価格交渉の材料にできる
- 近所の小川が夏になるとドブ臭く、釣り仲間の間では「工場のせいだ」という話になっている。しかし流域に工場はほとんどない。なぜ誰も罰せられないのか? 汚れの主な原因が家庭の排水であれば、取締りの対象ではなく、本条の地域指定と計画の対象になる
- 町内会の役員をしているあなたのところに、市役所から「重点地域に指定されたので、廃食用油の回収と台所の水切りネットの配布に協力してほしい」という依頼が来た。次の総会まであと2週間。住民に説明する前に、協力は罰則のない努力義務であることと、指定の根拠がこの条文にあることを押さえておきたい
取るべき行動
被害を受けた側:1. 地元の川や湖の水質を、都道府県が毎年公表している公共用水域の水質測定結果で確認する。環境基準を達成しているかどうかが、本条1項1号にあたるかの判断材料になる2. その水域の流域が重点地域に指定されているか、都道府県の公表資料で確認する3. 指定済みなら、市町村の生活排水対策推進計画(14条の9)の進み具合を尋ねる。指定がなければ、測定データを添えて議会への請願や担当課への要望を出す4. 自宅が単独処理浄化槽や汲み取り式なら、合併処理浄化槽への転換補助を確認する
訴えられた側:1. 重点地域にある住民や事業者として協力を求められても、本条に基づく罰則は住民に向かない。慌てず、依頼の根拠と内容を確認する2. 家庭では、調理くずや廃食用油を流さない、洗剤を適量にするといった努力義務(14条の6)の範囲で対応する3. 飲食店など一定規模以上の事業場は、特定施設として排水基準(3条、12条)の直接規制を受ける可能性があるため、届出と排水の状況を別に点検する4. 浄化槽の法定検査(浄化槽法11条)を受けていないなら、ここを最優先で整える
時効(請求できる期限):本条自体には時効や期限の定めがない。指定は地域全体を対象とする行為であり、個人が取消訴訟(行政事件訴訟法14条、処分を知った日から6か月)で争える処分にあたるかは疑問が大きく、実務上、解釈が分かれうる。浄化槽の法定検査は毎年1回(浄化槽法11条)
改正沿革 AI による整理
- 平成2年(1990年)改正 生活排水対策の推進に関する章(第2章の2)の新設に伴い、生活排水対策重点地域の指定制度が設けられたと考えられる。その後の地方分権改革などに伴う文言修正の有無と時期は人による確認が必要
改正の年表
- 1.平成2年(1990年) 新設:生活排水対策の推進に関する規定の整備に伴い、生活排水対策重点地域の指定制度が設けられたとされる。以後の文言修正の有無と時期は原典で要確認
- 水質汚濁防止法 第14条の9指定後に市町村が策定する推進計画
- 水質汚濁防止法 第14条の6国民の生活排水対策の努力義務(現行効力を要確認)
- 水質汚濁防止法 第3条工場排水の排水基準、対比される直接規制
- 環境基本法 第16条1項1号の水質環境基準の設定根拠
- 浄化槽法 第11条家庭の浄化槽の定期検査義務
- 下水道法 第11条の3処理区域内の水洗便所への改造義務
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める