水質汚濁防止法 第3条(排水基準)
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- 排水基準は、排出水の汚染状態(熱によるものを含む。以下同じ。)について、環境省令で定める。
- 2.前項の排水基準は、有害物質による汚染状態にあつては、排出水に含まれる有害物質の量について、有害物質の種類ごとに定める許容限度とし、その他の汚染状態にあつては、前条第二項第二号に規定する項目について、項目ごとに定める許容限度とする。
- 3.都道府県は、当該都道府県の区域に属する公共用水域のうちに、その自然的、社会的条件から判断して、第一項の排水基準によつては人の健康を保護し、又は生活環境を保全することが十分でないと認められる区域があるときは、その区域に排出される排出水の汚染状態について、政令で定める基準に従い、条例で、同項の排水基準にかえて適用すべき同項の排水基準で定める許容限度よりきびしい許容限度を定める排水基準を定めることができる。
- 4.前項の条例においては、あわせて当該区域の範囲を明らかにしなければならない。
- 5.都道府県が第三項の規定により排水基準を定める場合には、当該都道府県知事は、あらかじめ、環境大臣及び関係都道府県知事に通知しなければならない。
この条文の基本情報
排水基準とは何ですか?
定義排水基準とは、水質汚濁防止法第3条に定められた規定で、「排水基準は、排出水の汚染状態(熱によるものを含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 水質汚濁防止法第3条(排水基準)は、日本の水質汚濁防止法に含まれる条文です。
- 水質汚濁防止法第3条の条文原文は「排水基準は、排出水の汚染状態(熱によるものを含む。」で始まります。
- 水質汚濁防止法第3条は第二章 排出水の排出の規制等に置かれています。
- 水質汚濁防止法の公布日は昭和45年12月25日です。
- 水質汚濁防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 水質汚濁防止法第3条の前の条は水質汚濁防止法第2条です。
- 水質汚濁防止法第3条の次の条は水質汚濁防止法第4条です。
- 水質汚濁防止法第3条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第3条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000138 - 本サイト収録
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第3条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/345AC0000000138/3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点水質汚濁防止法3条は、排出水の許容限度を環境省令で全国一律に定め、一律基準では不十分な区域について、都道府県が条例でより厳しい上乗せ排水基準を設けることを認める規定である。
Q · 工場の排水は、国の排水基準さえ守っていれば大丈夫なの?
県の上乗せ条例があれば、その厳しい数値が適用される
水質汚濁防止法3条1項・2項により、排水基準は環境省令で、有害物質は種類ごと、生活環境項目は項目ごとの許容限度として全国一律に定められます。ただし同条3項により、都道府県は一律基準では健康保護や生活環境保全が十分でない区域について、条例で国より厳しい許容限度を定めることができ、その区域ではその数値が国の基準に代わって適用されます。基準に適合しない排出は12条で禁止され、31条の罰則の対象になります。
解説
工場の排水口の先には、目に見えない数字の柵が立っている。本条は、その柵を誰がどう立てるかを決める条文だ。まず国が、環境省令(排水基準を定める省令)で全国一律の許容限度(ここまでなら流してよいという上限の数値)を定める。カドミウムや鉛などの有害物質は物質ごとに、BOD・COD・pH などの生活環境項目は項目ごとに数値が決められている。ここまでは多くの担当者が知っている。見落とされがちなのは第3項である。都道府県は条例によって、国の数値をより厳しい数値(上乗せ排水基準)に差し替えることができる。つまり同じ設備、同じ排水でも、県境を一本越えるだけで合法が違法に変わる。さらに第12条・第31条により、基準を超える排出はそれだけで処罰の対象になり、行政の命令を待たない(直罰制)。あなたが最初に開くべきなのは省令の表ではない。事業場がある県の条例である。
法的な位置づけ
水質汚濁防止法3条は、公共用水域に排出される排出水の汚染状態について許容限度を定める排水基準の規定である。一律排水基準は環境省令で定められ、有害物質は種類ごと、生活環境項目は項目ごとに数値化される。都道府県は、一律基準では不十分な区域について、政令の基準に従い条例でより厳しい上乗せ排水基準を定めることができる。
よくある質問 AI による整理
Q1排水基準とは何ですか?
工場や事業場から公共用水域へ流す排出水に含まれる汚染物質の許容限度です。水質汚濁防止法3条に基づき、環境省令(排水基準を定める省令)で数値が定められています。
Q2上乗せ排水基準とは?
都道府県が条例で定める、国の一律排水基準より厳しい数値の排水基準です。水質汚濁防止法3条3項が根拠で、対象区域では国の数値に代わって適用されます。
Q3排水基準 一覧 どこで見られる?
一律排水基準は「排水基準を定める省令」の別表で、e-Gov法令検索で確認できます。上乗せ基準は各都道府県の条例・規則で定められ、多くは県の環境部局サイトで公開されています。
Q4排水基準を超えたらどうなる?
基準に適合しない排出は水質汚濁防止法12条で禁止され、31条により処罰の対象となります。行政の改善命令を待たずに罰則が適用される直罰制で、過失犯も処罰されます。
Q5排水基準は下水道に流す場合も適用される?
公共用水域ではなく公共下水道に排除する場合は、原則として下水道法や自治体の下水道条例による排除基準が適用されます。流す先によって適用法令が変わります。
Q6有害物質と生活環境項目の違いは?
有害物質はカドミウムや鉛など人の健康被害のおそれがある物質で、種類ごとに規制されます。生活環境項目はBOD・COD・pHなど生活環境に関わる項目で、項目ごとに許容限度が定められます。
Q7都道府県は自由に排水基準を厳しくできる?
自由ではありません。自然的・社会的条件から一律基準では不十分な区域に限り、政令で定める基準に従って条例で定めます。区域の明示と環境大臣等への事前通知も必要です。
Q8排水基準は小規模な事業場にも適用される?
有害物質の基準は規模を問わず特定事業場に適用されます。生活環境項目の一律基準は原則として1日平均排水量50立方メートル以上が対象ですが、条例で対象が拡大されている場合があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1県の上乗せ基準って、どこを見れば分かるんですか?
各都道府県の条例や規則に数値表として定められており、多くは県の環境部局のサイトで公開されている。本条3項に基づく条例では、対象区域を明らかにすることが義務付けられている(本条4項)。水域ごとに数値が違う県もある。実務のポイント:条例とは別に、市町村と事業者が結ぶ公害防止協定で、さらに厳しい数値を約束していることがある。協定は法律上の排水基準ではないが、約束として守る必要がある。工場を買収するときは協定書の有無も必ず確認する
Q2基準をちょっと超えただけで、いきなり罰せられるんですか?
本法は12条で基準に適合しない排出を禁止し、違反を31条で処罰する直罰制を採っている。改善命令(13条)を経る必要はなく、過失でも処罰されうる。実務上は、立入検査や行政指導から入ることが多い。実務のポイント:本当に危ないのは超過そのものより、測定記録の改ざんである。記録を残さなかったり虚偽の記録をしたりすれば別に罰則があり(33条、最新の改正状況をご確認ください)、発覚した企業は取引停止という刑罰以上の打撃を受ける
間違えやすい点 AI による整理
- 「うちの排水は国の基準値以下か」という問い方そのものが足りない。条例で上乗せされている区域では、その厳しい数値が国の数値に代わって適用される(本条3項)。問うべきなのは「この事業場の所在地では、どの数値が適用されるのか」である
- 基準超えが違法だということは知っていても、その重さまでは知らない人が多い。本法は超過排出を直接処罰する仕組みで、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、過失でも3月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が定められている(31条)。両罰規定で法人も罰金を負う(34条)(最新の改正状況をご確認ください)
- 小さな事業場でもすべての項目が関係すると思われがちだが、生活環境項目の一律基準は、原則として1日の平均排水量が50立方メートル以上の事業場に適用される。一方、有害物質の基準は規模を問わない。さらに都道府県が条例でこの規模の下限を引き下げていることもあるため、小規模だから安全とは限らない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の内容 | 水濁法3条3項:国の項目について、より厳しい数値を条例で定める(上乗せ) | 水濁法29条:法律の対象外の項目・施設等を条例で規制する(横出し) 水濁法12条:基準に適合しない排出水の排出を禁止 |
| 法的性格 | 排水基準の設定根拠(国の省令+県の条例による二層構造) | 法律の規制範囲外に地方の独自規制を認める確認規定 排水基準の遵守を事業者に義務付ける行為規範 |
| 違反時の効果 | 上乗せ基準も12条・31条の直罰の対象となる排水基準として機能 | 条例自体の罰則による(本法の直罰規定は当然には及ばない) 違反は31条により処罰(過失犯を含む) |
他国ではどう定めているか 4 か国
放流水標準は中央主管機関が定め、地方主管機関は特別な保護が必要な水体について、中央の核定を経て管制項目や濃度を加嚴できる。国と地方の二層構造は日本と類似する
排出許容基準は環境部令で定め、特別・広域市や道は条例でより厳しい基準を定めうる。日本の上乗せ条例制度と構造が近い
排水の導入は許可制で、連邦の排水令が最新技術水準に基づく最低要件を定める。個別許可で水域状況に応じ厳格化する点が日本の条例方式と異なる
連邦EPAが排出制限を定め、州はそれより厳しい基準を設けることができる。NPDES許可制度を通じて個別の排出者に適用される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 新工場の候補地を隣の県に変えたら、今の排水処理設備はそのまま使えるのか? 国の一律基準を満たしていても、移転先の県が上乗せ条例で COD や窒素の上限を厳しくしていれば、処理設備の設計からやり直しになる。土地の契約前に条例の数値を確かめなければ、追加投資は後からこちら持ちで降ってくる
- あなたは工場の環境担当である。月例の自主測定で、基準値を超える数字が出た。直罰制なので、行政の命令が出る前でも、故意または過失があれば罰則の射程に入る。今日中に、原因の切り分け、排出を止めるかどうかの判断、測定記録の正確な保存まで済ませなければならない
学説
通説:本条3項は、国の一律基準を全国の最低基準(ナショナル・ミニマム)と位置付け、都道府県による上乗せを明文で授権したものと解される。そのため法律先占論による上乗せ条例の違法問題は、本法の排水基準については立法的に解決されている
上乗せ・横出しの区別:同一項目の数値を厳しくする上乗せは本条3項、法律の対象外の項目や施設を規制する横出しは29条が根拠とされ、両者は法的根拠と違反時の効果が異なると整理される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和45年(1970年) 新設:いわゆる公害国会で水質汚濁防止法が制定され、全国一律の排水基準と都道府県による上乗せ排水基準の制度が設けられた
- 2.平成13年(2001年) 改正:中央省庁再編に伴い、排水基準を定める命令が総理府令から環境省令に、通知先が環境庁長官から環境大臣に改められた
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