水質汚濁防止法 第29条(条例との関係)
クイックジャンプ
- この法律の規定は、地方公共団体が、次に掲げる事項に関し条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。
- 一排出水について、第二条第二項第二号に規定する項目によつて示される水の汚染状態以外の水の汚染状態(有害物質によるものを除く。)に関する事項
- 二特定地下浸透水について、有害物質による汚染状態以外の水の汚染状態に関する事項
- 三特定事業場以外の工場又は事業場から公共用水域に排出される水について、有害物質及び第二条第二項第二号に規定する項目によつて示される水の汚染状態に関する事項
- 四特定事業場以外の工場又は事業場から地下に浸透する水について、有害物質による水の汚染状態に関する事項
この条文の基本情報
条例との関係とは何ですか?
定義条例との関係とは、水質汚濁防止法第29条に定められた規定で、「この法律の規定は、地方公共団体が、次に掲げる事項に関し条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 水質汚濁防止法第29条(条例との関係)は、日本の水質汚濁防止法に含まれる条文です。
- 水質汚濁防止法第29条の条文原文は「この法律の規定は、地方公共団体が、次に掲げる事項に関し条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。」で始まります。
- 水質汚濁防止法第29条は第五章 雑則に置かれています。
- 水質汚濁防止法の公布日は昭和45年12月25日です。
- 水質汚濁防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 水質汚濁防止法第29条の前の条は水質汚濁防止法第28条の2です。
- 水質汚濁防止法第29条の次の条は水質汚濁防止法第30条です。
- 水質汚濁防止法第29条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第29条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000138 - 本サイト収録
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第29条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/345AC0000000138/29
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点水質汚濁防止法29条は、国が規制していない項目や特定事業場以外の工場の排水について、地方公共団体が条例で規制を定めることを認める規定。特定事業場の有害物質は除かれる。
Q · 国の排水基準を守っていれば、自治体の条例は関係ない?
関係ある。国の対象外の項目や事業場は条例で規制されうる
水質汚濁防止法29条は、国が規制していない部分について、地方公共団体が条例で規制を定めることを認めています。具体的には、国の生活環境項目以外の汚染状態、有害物質以外による特定地下浸透水の汚染、特定事業場以外の工場・事業場の排水と地下浸透です。これらは国の規制と重ならない「横出し」であり、国の基準を満たしていても、条例の規制を別に満たす必要があります。条文上の主体は「地方公共団体」のため、都道府県だけでなく市町村の条例も確認が必要です。
解説
国の排水基準を満たしている、それだけで安心している工場長は多い。だが水質汚濁防止法は、自らを「最低ライン」と位置付け、その上に積む余地を自治体に残している。3条3項が都道府県に認めるのは、国と同じ項目の数値を厳しくする「上乗せ」である。本条が認めるのはそれとは別の「横出し」で、国が規制していない対象や項目にまで網を広げることを指す。国の定める特定施設(規制対象として政令に列挙された設備)を持たない小さな作業場の排水、国の項目表にない汚れの指標、有害物質以外による地下浸透がこれにあたる。どれも法の外にあるわけではなく、条例で規制されうる。しかも本条の主語は「地方公共団体」であり、条文の上では都道府県だけでなく市町村も含まれる。したがって、守るべき基準は環境省の資料だけでは確定しない。事業所がある県と市の条例集を両方開くまでは、あなたの確認は終わっていない。
法的な位置づけ
水質汚濁防止法29条は、同法と地方公共団体の条例との関係を定める規定であり、国の生活環境項目以外の汚染状態、有害物質以外による特定地下浸透水の汚染、特定事業場以外の工場・事業場からの排出水および地下浸透水について、条例で必要な規制を定めることを妨げない旨を規定する。いわゆる横出し条例の根拠とされる。
よくある質問 AI による整理
Q1横出し条例とは何ですか?
国の法律が規制していない対象や項目にまで、自治体が条例で規制を広げることです。水質分野では水質汚濁防止法29条がその根拠になっています。
Q2特定事業場以外の工場の排水も規制される?
規制されえます。水質汚濁防止法29条3号・4号は、特定事業場以外の工場・事業場の排水と地下浸透について、条例で規制を定めることを認めています。
Q3自治体の排水条例はどこで調べられる?
都道府県と市町村の公式サイトにある例規集(条例集)で検索できます。環境部局の事業者向けページに、届出対象や独自項目の一覧が載っていることも多いです。
Q4有害物質以外の地下浸透も条例で規制できる?
できます。水質汚濁防止法29条2号により、特定地下浸透水について、有害物質以外による水の汚染状態を条例で規制することが認められています。
Q5国の基準と条例の基準、両方守る必要がある?
あります。横出し条例は国の規制と重ならない部分を規制するため、優先関係ではなく足し算です。国と条例の両方を満たして初めて適法といえます。
Q6水濁法の届出が不要でも条例の届出は必要?
必要な場合があります。国の特定施設に当たらなくても、条例が独自に届出対象を定めていれば届出義務が生じます。所在地の県と市の条例を確認してください。
Q7M&Aの環境調査で自治体条例も確認すべき?
確認すべきです。国の法令だけを見た調査では、条例上の届出漏れや独自基準違反を見落とし、買収後の改善費用が買い手負担になるおそれがあります。
Q8工場を隣の市に移すと排水規制は変わる?
変わる可能性があります。国の規制は全国共通ですが、横出し条例の有無や内容は自治体ごとに異なるため、移転先の県と市の条例を改めて確認する必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1条例違反って、罰金とかもあるんですか? ただの注意で終わりじゃないの?
地方自治法14条3項により、条例には2年以下の拘禁刑、100万円以下の罰金、5万円以下の過料などの罰則を定めることができます(最新の改正状況をご確認ください)。実際に罰則を置くかどうかは条例ごとに異なります。実務のポイント:多くの自治体では、指導、勧告、命令、公表と段階を踏みます。企業にとって痛いのは罰金よりも、社名が公表される段階です。取引先の調達基準に抵触するおそれがあるため、勧告の段階で手を打つのが実務の常識です
Q2市町村も独自に排水のルールを作れるんですか? 県だけだと思ってました
水質汚濁防止法29条の主語は「地方公共団体」なので、条文の上では市町村も横出し条例を定めることができます。一方、国の排水基準の数値を厳しくする上乗せは、3条3項で都道府県に限られています。実務のポイント:県の条例だけ確認して安心するのが典型的な見落としです。水源地を抱える市町村では、独自の水道水源保護条例などで事業場の立地そのものを制限している例もあるため、市のサイトまで確認する価値があります
間違えやすい点 AI による整理
- 「うちには特定施設がないから、水の規制とは無縁だ」と考えがちだが、本条3号と4号は、特定事業場以外の工場や事業場の排水と地下浸透を条例で規制する余地をはっきり認めている。国の法律の対象外であることは、規制がないことを意味しない
- 「国の基準と県の基準、どちらが優先されるのか」という問いの立て方がそもそもずれている。横出し条例は国の規制と重ならない部分を規制するものであり、優先関係ではなく足し算になる。両方を同時に満たさない限り、適法とはいえない
- 住民から見れば「国の基準内です」という工場の説明は動かしがたい壁に映る。だが自治体から見れば、それは条例の確認を済ませていないという告白に近い。この認識のずれを知らない住民は、声を上げる前にあきらめてしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の方向 | 水濁法29条:国が規制しない対象・項目へ広げる(横出し) | 水濁法3条3項:国と同じ項目の数値を厳しくする(上乗せ) 水濁法12条:排水基準に適合しない排出水の排出禁止 |
| 定める主体 | 地方公共団体(都道府県・市町村) | 都道府県 国の排水基準(上乗せ条例があればそれを含む) |
| 主な対象 | 生活環境項目外の汚染、有害物質以外の地下浸透、特定事業場以外の工場・事業場 | 特定事業場の排出水(国の排水基準の項目) 特定事業場から排出される排出水 |
他国ではどう定めているか 4 か国
直轄市・県(市)の主管機関は、環境の特殊性等に応じて管制項目や方式を増訂または加厳できるが、中央主管機関の核定を要する点で日本の条例より中央の関与が強い
広域自治体が条例で国より厳しい排出許容基準を定めうる。主に数値の上乗せ型である
省級政府は国家標準に規定のない項目について地方標準を定め(横出し)、規定済み項目はより厳しくできる(上乗せ)と明文で両方を認める
州は連邦基準より緩くない限り、独自の排出規制を定める権限を保持する。連邦基準を最低ラインとする構造は日本と共通
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 国の特定施設に当たらない規模の金属加工場を地方都市で開業した。水濁法の届出は不要だと税理士にも言われた。ところが操業三か月後、県の環境部局から、条例上の届出が出ていないとして指導文書が届いた。本条3号が県条例の根拠になっていた
- 川沿いの自宅の前で、排水口から毎朝白く濁った水が流れてくる。近所の工場は国の基準内だと言い張っている。それで本当に何も言えないのだろうか? 市や県の条例に国より広い項目が定められていれば、行政に調査を求める足場になる
- あなたは食品工場の環境担当者で、新工場の稼働まであと30日。本社の法務は国の基準しか確認していなかった。地元条例で独自の項目が規制されていれば、排水処理設備の設計をやり直すことになる
- 隣の市へ移転するだけで、同じ設備の排水が規制対象になることもある。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 排水の色、臭い、時間帯を日付入りの写真と動画で記録する2. 市と県の環境部局のサイトで、水質に関する条例の対象と項目を確認する3. 該当しそうな条文を示し、書面で調査を求める。電話だけで済ませず、受付日を記録しておく4. 健康被害や財産被害があれば、民法709条に基づく損害賠償や公害紛争処理法に基づく調停を検討する
訴えられた側:1. 指導文書を読み、根拠が国の法律か条例か、行政指導か命令(行政処分:役所が直接下す、法的拘束力のある決定)かを区別する2. 条例の対象要件(施設の規模や業種)に自社が本当に該当するか、担当部署に書面で確認する3. 該当する場合は、早めに届出と改善計画を出す。自主的に是正したという記録が、後の命令や罰則を避ける材料になる4. 命令に不服があれば、行政不服審査や取消訴訟の期限を管理する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。条例に基づく改善命令などの処分に不服があるときは、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、処分を知った日から6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条)を起こす。損害賠償は、損害と加害者を知った時から3年、人の生命・身体の侵害は5年(民法724条、724条の2)
学説
通説(上乗せ・横出し条例論):公害規制法は全国的な最低基準を定めるものであり、地域の実情に応じて自治体が規制を強化・拡大することは原則として許されると解される。水質汚濁防止法は3条3項と29条でこれを明文化したものと理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和45年(1970年) 新設:いわゆる公害国会において水質汚濁防止法が制定され、地方公共団体の条例との関係を定める規定が置かれた
- 水質汚濁防止法 第3条第3項の上乗せ条例、本条の横出しと対になる
- 水質汚濁防止法 第2条特定施設・有害物質・生活環境項目の定義
- 水質汚濁防止法 第12条排水基準に適合しない排出水の排出禁止
- 地方自治法 第14条条例制定権と条例による罰則の上限
- 大気汚染防止法 第32条大気分野の同趣旨の条例との関係規定(現行効力を要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める