水質汚濁防止法 第4条(排水基準に関する勧告)
クイックジャンプ
環境大臣は、公共用水域の水質の汚濁の防止のため特に必要があると認めるときは、都道府県に対し、前条第三項の規定により排水基準を定め、又は同項の規定により定められた排水基準を変更すべきことを勧告することができる。
この条文の基本情報
排水基準に関する勧告とは何ですか?
定義排水基準に関する勧告とは、水質汚濁防止法第4条に定められた規定で、「環境大臣は、公共用水域の水質の汚濁の防止のため特に必要があると認めるときは、都道府県に対し、前条第三項の規定により排水基準を定め、又は同項の規定により定められた…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 水質汚濁防止法第4条(排水基準に関する勧告)は、日本の水質汚濁防止法に含まれる条文です。
- 水質汚濁防止法第4条の条文原文は「環境大臣は、公共用水域の水質の汚濁の防止のため特に必要があると認めるときは、都道府県に対し、前条第三項の規定により排水基準を定め、又は同項の規定により定められた…」で始まります。
- 水質汚濁防止法第4条は第二章 排出水の排出の規制等に置かれています。
- 水質汚濁防止法の公布日は昭和45年12月25日です。
- 水質汚濁防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 水質汚濁防止法第4条の前の条は水質汚濁防止法第3条です。
- 水質汚濁防止法第4条の次の条は水質汚濁防止法第4条の2です。
- 水質汚濁防止法第4条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第4条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000138 - 本サイト収録
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第4条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/345AC0000000138/4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点水質汚濁防止法4条は、環境大臣が特に必要と認めるとき、都道府県に上乗せ排水基準の設定や変更を勧告できると定める。勧告に法的拘束力はない。
Q · 環境大臣から排水基準の勧告を受けたら、都道府県は必ず条例を変えないといけないの?
法的義務はなく、最終判断は都道府県の条例に委ねられる
水質汚濁防止法4条の勧告は、環境大臣が都道府県に対し、上乗せ排水基準(3条3項)を定めるか変更するよう促すものです。命令ではないため、都道府県に従う法的義務はなく、事業者に直接義務を課すこともありません。ただし、勧告は条例改正の前ぶれとなりやすく、事業者にとっては、所在地の条例の数値が近く厳しくなる可能性を示す早期のシグナルになります。
解説
工場の排水ルールは国が一つに決めている、と考える人は多い。実際はそうなっていない。水質汚濁防止法の排水基準は二層になっている。国が環境省令で全国一律の最低ラインを引き、都道府県は条例で、それより厳しい「上乗せ排水基準」を定めることができる(3条3項)。本条は、この二層のすき間を埋めるための条文である。ある水域の汚れがひどいのに都道府県が上乗せを定めない、あるいは古い基準を放置している。そのとき環境大臣は、都道府県に対して「基準を定めよ」「変更せよ」と勧告できる。ただし勧告は命令ではない。都道府県に従う法的義務はなく、事業者に直接何かを義務付けるものでもない。それでも実務上の意味は大きい。あなたが工場や旅館の排水を管理する立場なら、自社に適用されるのは国の基準ではなく、所在地の都道府県条例の数値かもしれない。そして国からの勧告は、その数値が近いうちに厳しくなるかもしれないという早めの合図になる。
法的な位置づけ
水質汚濁防止法第4条は、環境大臣による都道府県への勧告権を定める規定である。公共用水域の水質汚濁の防止のため特に必要があると認めるとき、環境大臣は、同法3条3項に基づく上乗せ排水基準を定めること、または既存の上乗せ排水基準を変更することを都道府県に勧告できる。勧告は法的拘束力を持たない国の関与手段である。
よくある質問 AI による整理
Q1水質汚濁防止法4条とは何ですか?
環境大臣が、都道府県に対して上乗せ排水基準を定めるか変更するよう勧告できると定めた規定です。国から地方への関与の手段にあたります。
Q2上乗せ排水基準とは?
都道府県が条例で定める、国の全国一律の排水基準より厳しい許容限度のことです。水質汚濁防止法3条3項が根拠です。
Q3環境大臣の勧告は違法になる?従わないと罰則はある?
勧告に従わなくても、都道府県に罰則はありません。勧告は法的拘束力を持たない関与手段であり、事業者に直接義務を課すものでもありません。
Q4水質汚濁防止法の排水基準は誰が決める?
全国一律の基準は環境省令(排水基準を定める省令)で国が定め、それより厳しい上乗せ基準は都道府県が条例で定めます。二層の仕組みです。
Q5上乗せ排水基準 どこで調べる?
各都道府県の例規集や環境部局のウェブサイトで、上乗せ条例の本文と別表を確認します。市町村条例が重なる地域もあります。
Q6上乗せ排水基準に違反するとどうなる?
上乗せ基準も12条の排水基準に含まれるため、違反すれば排出制限違反になります。改善命令を経ずに罰則対象となる直罰型です。
Q7環境大臣が勧告できるのはどんなとき?
公共用水域の水質汚濁の防止のため「特に必要があると認めるとき」です。水域の汚濁が深刻なのに上乗せ基準がない場合などが想定されます。
Q8排水基準の条例改正 いつから適用される?
施行日は各条例の附則で定められ、既設の施設には経過措置が置かれることが多いです。パブリックコメントの段階から情報を追うのが有効です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国が勧告しても県が無視したら、どうなるんですか?
法的にはそれで終わりである。本条の勧告に拘束力はなく、上乗せ排水基準を定めるかどうかは都道府県が条例で決める(3条3項)。国と地方の関係でいえば、地方自治法245条の4の技術的助言・勧告と同じ系統の関与にとどまる。実務のポイント:勧告を受けた事実は議会や報道で取り上げられやすい。住民や漁協の圧力と合わさり、政治的には無視しにくくなる。法的な強制力より、世論の力で効く道具と見ておくべきだ
Q2うちの工場に適用される排水基準は、結局どこを見ればいいんですか?
国の「排水基準を定める省令」に加えて、所在地の都道府県の上乗せ条例(3条3項)を必ず確認する。さらに市町村条例や、29条による独自の規制が重なる地域もある。実務のポイント:国の生活環境項目の基準は、原則として一日の平均排水量が50立方メートル以上の事業場にしか適用されない。一方、上乗せ条例はこの規模要件を引き下げていることが多い。小さな事業場ほど「うちは対象外」と思い込んで落とし穴にはまる(各都道府県条例で要確認)
間違えやすい点 AI による整理
- 「国が勧告したのだから県は従わなければならない」と受け取られがちだが、勧告に法的拘束力はない。上乗せ排水基準は都道府県が条例で定めるもので、最後に決めるのは都道府県議会である。本条は、地方自治(上乗せの権限は都道府県にあること)を前提に、国ができるのは促すところまでという線を引いている
- 前提から見直す必要がある。「自社の排水は国の基準を満たしているか」という問いの立て方そのものがずれていることが多い。問うべきは「所在地の都道府県条例の数値を満たしているか」である。上乗せ基準がある地域で国の数値だけを見て安心していると、12条の排出制限違反になりうる。しかもこの違反は、改善命令を経ずにいきなり罰則の対象になる「直罰」型である(31条、最新の改正状況をご確認ください)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 主体と相手方 | 4条:環境大臣 → 都道府県 | 3条3項:都道府県 → 区域内の事業者(条例) 13条:都道府県知事 → 特定事業場の設置者 |
| 行為の性質 | 勧告(法的拘束力なし) | 条例による上乗せ排水基準の制定(拘束力あり) 改善命令・一時停止命令(行政処分) |
| 事業者への直接の影響 | なし(条例改正の前兆としての意味) | あり(12条の排出制限の基準値になる) あり(命令違反は罰則の対象) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も中央の放流水標準を基本に、直轄市・県市が環境の特殊性に応じて加厳できる二層構造をとる。加厳には中央の核定を要する点で日本と手続が異なる
韓国も全国の排出許容基準に加え、市・道が条例でより厳しい基準を定められる。地方の上乗せを認める点で日本と類似する
米国では州がより厳しい基準を採用でき、州の水質基準が不十分な場合は連邦 EPA が自ら基準を公布できる。国の関与が勧告にとどまる日本より強い仕組みである
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 湖沿いの町で旅館を営んでいる。ある日、県の説明会の案内が届く。「湖沼の水質悪化を受け、排水基準の見直しを検討」。背景をたどると、国からの勧告や審議会の議論があった。設備を更新するかどうかは、この段階で決めておくのがいちばん安い
- 工場の環境担当になって半年、あなたは国の排水基準の一覧表だけを見て「うちの排水は余裕で基準内」と上司に報告した。しかし県の上乗せ条例では、窒素とりんの上限が国の数値より低く定められていた。立入検査の前夜に気付くのか、今日気付くのか。その差は大きい
学説
通説(上乗せ条例の明文許容説):水質汚濁防止法3条3項は上乗せ条例を明文で認めており、法律の排水基準は全国最低限の規制と解される。そのため、都道府県条例による上乗せは法令違反とはならない。4条は、地方の規制権限を前提に、国には拘束力のない勧告による後押しだけを認めた規定と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)公布、平成13年(2001年)施行 中央省庁等改革により、勧告の主体が「環境庁長官」から「環境大臣」に改められたとみられる(制定当初の文言を含め、人による確認が必要)
改正の年表
- 1.昭和45年(1970年) 新設:いわゆる公害国会で水質汚濁防止法が制定され、上乗せ排水基準(3条3項)とともに、国による勧告の規定が置かれた
- 水質汚濁防止法 第3条排水基準と都道府県の上乗せ条例
- 水質汚濁防止法 第12条排水基準に適合しない排出の禁止
- 水質汚濁防止法 第13条基準違反のおそれに対する改善命令等
- 水質汚濁防止法 第29条条例による横出し規制等の許容
- 水質汚濁防止法 第31条排出制限違反の直罰規定
- 地方自治法 第245条の4国の自治体への技術的助言・勧告の一般則
- 環境基本法 第16条環境基準、上乗せ判断の到達目標
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める