水質汚濁防止法 第31条
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
- 一第十二条第一項の規定に違反した者
- 二第十四条の二第四項又は第十八条の規定による命令に違反した者
- 2.過失により、前項第一号の罪を犯した者は、三月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 水質汚濁防止法第31条は、日本の水質汚濁防止法に含まれる条文です。
- 水質汚濁防止法第31条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 水質汚濁防止法第31条は第六章 罰則に置かれています。
- 水質汚濁防止法の公布日は昭和45年12月25日です。
- 水質汚濁防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 水質汚濁防止法第31条の前の条は水質汚濁防止法第30条です。
- 水質汚濁防止法第31条の次の条は水質汚濁防止法第32条です。
- 水質汚濁防止法第31条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第31条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000138 - 本サイト収録
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第31条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/345AC0000000138/31
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点水質汚濁防止法31条は、排水基準に違反する排出をした者を6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処すと定める。過失でも3月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金となる。
Q · 工場の排水が一度だけ排水基準を超えたら、それだけで犯罪になるの?
はい。改善命令がなくても一回の違反で犯罪が成立します
水質汚濁防止法31条1項1号は、12条1項(排水基準の遵守義務)に違反した者を6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処すと定めています。改善命令を経ずに処罰できる「直罰制」であり、過失による違反も同条2項で3月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金の対象です。さらに34条の両罰規定により、行為者とあわせて法人にも罰金刑が科されます。
解説
排水基準を一度でも超えた瞬間、それは役所からの注意で済む話ではなく、刑事罰の対象になる。水質汚濁防止法は「直罰制」を採っている。多くの行政法規では、まず改善命令(役所があなたに直接出す是正の指示)が出て、それにも従わなかったときに初めて刑罰が動く。だが本条1項1号は違う。特定事業場(工場、めっき工場、一定規模以上の旅館や飲食店の厨房など、政令で指定された汚水を出す施設を持つ事業場)が排水口から基準に適合しない水を出せば、命令がなくても6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象になる。さらに2項は「うっかり」も罰する。中和装置の点検を怠った、薬品の投入量を間違えた。そうした過失だけでも3月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金である。加えて34条の両罰規定(違反した従業員本人と会社の両方を罰する規定)により、現場担当者だけでなく会社にも罰金が科される。排水口の測定値は、会社と担当者の前科に直結している。
法的な位置づけ
水質汚濁防止法31条は、同法の罰則規定の一つであり、特定事業場からの排水基準違反の排出(12条1項違反)、事故時の応急措置命令(14条の2第4項)および緊急時の命令(18条)への違反を、行政命令を前提とせず直接処罰する旨を定める。故意犯のほか、排水基準違反については過失犯も処罰対象とする。
よくある質問 AI による整理
Q1水質汚濁防止法の直罰制とは?
改善命令などの行政処分を経ずに、排水基準違反そのものを刑罰の対象とする仕組みです。水質汚濁防止法31条1項1号が根拠です。
Q2排水基準違反の罰金はいくら?
故意なら6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金、過失なら3月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金です(水質汚濁防止法31条)。
Q3排水基準違反の時効はいつまで?
31条の罪は長期5年未満の拘禁刑又は罰金にあたるため、公訴時効は犯罪行為が終わった時から3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。
Q4排水基準違反で会社も罰せられる?
はい。34条の両罰規定により、従業者が違反すれば行為者本人に加えて法人にも罰金刑が科されます。
Q5水質汚濁防止法違反で前科はつく?
罰金刑でも刑事罰であり、確定すれば前科となります。法人にも刑事処罰の記録が残り、入札参加資格などに影響しうる点に注意が必要です。
Q6排水事故の届出をしないとどうなる?
14条の2に基づく応急措置命令が出され、それに違反すると31条1項2号により6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象となります。
Q7旅館も水質汚濁防止法の対象?
厨房や入浴施設が政令で定める特定施設に該当し、公共用水域に排水していれば特定事業場として規制対象になりえます。
Q8排水基準違反は告発できる?
犯罪が成立していれば、誰でも捜査機関に告発できます(刑事訴訟法239条1項)。証拠として当日の写真や試料が重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1基準を超えたのが一回だけでも、本当に罰せられるんですか?
法的には一回で成立する。12条1項は基準に適合しない排出水の排出そのものを禁じており、違反すれば本条1項1号の対象になる。実務上は行政指導から入ることが多いが、それは法律が猶予しているのではなく、運用上の判断にすぎない。実務のポイント:告発のきっかけになりやすいのは、数値の高さよりも隠蔽である。測定記録を改ざんした事実が見つかった瞬間、当局は「指導で済む案件」とは見なくなる
Q2現場の担当者のミスなのに、なんで会社まで罰金を払うんですか?
34条の両罰規定により、従業者が本条の違反をすれば、行為者本人とあわせて法人にも罰金刑が科される。判例は、事業主に選任・監督上の過失があると推定し、事業主の側で注意を尽くしたことを証明すれば免責されうるという立場をとる(最判昭和40.3.26)。実務のポイント:免責の反証に使えるのは、日々の点検簿、教育の記録、設備更新の稟議書くらいしかない。事故が起きてから整えても手遅れである
間違えやすい点 AI による整理
- 「まず行政指導、次に改善命令、それでも直さなければ罰則」という順番を想定している事業者は多い。だが排水基準違反は直罰である。実務上はいきなり告発されることは少ないとしても、法的には最初の一回で犯罪が成立している。改善命令は刑罰の前提条件ではなく、13条違反という別の、より重い罪(30条)を生む追加の仕組みである
- 罰金50万円以下と聞いて「払えば済む額」と考えるなら、この罪の重さを見誤っている。法人に罰金刑が確定すれば、両罰規定により会社にも刑事処罰の記録が残り、自治体によっては入札の指名停止の対象になりうる。取引先の環境監査、報道、金融機関の評価にも影響する。本当のコストは罰金額の何倍にもなる
- 「うちは下水道につないでいるから水質汚濁防止法は関係ない」という発想は、問いの立て方そのものがずれている。問うべきは「規制されるかどうか」ではなく「どの法律の直罰に服するか」である。公共用水域へ排出すれば本法、終末処理場のある下水道へ流せば下水道法の規制に移り、下水道法にも基準違反への直罰規定がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰対象となる行為 | 31条:排水基準違反の排出、事故時措置命令・緊急時命令への違反 | 30条:改善命令・一時停止命令等への違反 34条:行為者に加え法人・事業主も罰する両罰規定 |
| 行政命令の前提 | 排水基準違反(1項1号)は命令不要の直罰 | 命令が出され、それに違反したことが前提 31条・30条等の違反行為が前提 |
| 法定刑 | 6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(過失は3月以下・30万円以下) | 31条より重い法定刑(段階構造の上位) 法人・事業主には各本条の罰金刑 |
| 過失犯の処罰 | 排水基準違反の過失犯を2項で処罰 | 過失犯の規定なし 事業主側に選任・監督上の過失が推定される(判例) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では放流水標準の超過は原則として行政罰(過料)で対応し、刑事罰は有害健康物質の基準超過や停止命令違反などに限定される。日本の直罰制より刑事化の範囲が狭い
ドイツは水域汚染を刑法典本体で処罰し、過失犯も処罰対象とする。行政法規ではなく刑法典に置く点が日本と異なる
米国は過失(negligent violation)と故意(knowing violation)を区別して刑事罰を科し、故意犯には高額の罰金と拘禁刑を定める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 夜勤の担当者が、中和槽の pH 計の校正を三か月怠っていたらどうなるか? 誰にも悪意はない。それでも排水が基準を外れていれば、2項の過失犯が成立しうる。「知らなかった」は故意を否定する理由にはなっても、過失まで消してはくれない
- あなたは地方の老舗旅館を継いだ二代目。厨房や入浴施設の排水は、規模によっては政令上の特定施設に当たる。温泉由来のほう素やふっ素には期限付きの暫定排水基準が設けられ、見直しが続いてきた。先代のやり方のまま流し続けると、暫定基準が切れた日から違反状態になる(最新の改正状況をご確認ください)
- めっき工場で配管が破れ、六価クロムを含む水が側溝へ流れ出した。残された時間は数時間しかない。14条の2第1項は「直ちに」応急の措置を講じ、「速やかに」知事へ届け出ることを求める。対応が遅れて応急措置命令(同条4項)が出され、それにも従わなければ、本条1項2号の罪が上乗せされる
- 川に魚が大量に浮いた。漁協の組合員であるあなたが上流の工場を疑ったとき、刑事告発という選択肢がある。基準を超えていれば、行政処分を待たずに犯罪が成立しているからだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 異常な排水や魚の死骸を見つけたら、日時と場所が分かる写真や動画を撮り、可能なら清潔な容器で試料を確保する2. 都道府県(政令市)の環境部局に通報し、22条に基づく立入検査を求める3. 漁業や農業に被害が出ていれば被害額を記録し、民法709条による損害賠償や公害紛争処理法の調停を検討する。有害物質で人の生命・身体が害された場合は、本法19条の無過失責任も使える4. 悪質な場合は警察・検察への告発を検討する
訴えられた側:1. 基準超過が分かったら、排出の停止と原因の特定を最優先にし、社内記録には絶対に手を加えない2. 事故の場合は14条の2に従い、応急の措置と知事への届出を即日行う3. 刑事手続に進みそうなら早めに弁護士へ相談する。故意(1項)か過失(2項)かで法定刑が変わるため、点検記録や薬品の発注記録で経緯を立証する4. 再発防止策を文書にまとめ、情状と会社の立場を守る
時効(請求できる期限):本条1項・2項の罪は、いずれも長期5年未満の拘禁刑又は罰金にあたるため、公訴時効は犯罪行為が終わった時から3年(刑事訴訟法250条2項6号)。事故時は14条の2により「直ちに」応急の措置、「速やかに」知事への届出が求められる
学説
通説:排水基準違反の直罰制は、流出した汚染水が回収不能であるという環境被害の不可逆性に対応するものであり、事前に是正機会を与える一般の行政刑罰とは異なる例外的な構造として正当化される。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部を改正する法律に伴う改正。法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた
改正の年表
- 1.昭和45年(1970年) 新設:いわゆる公害国会で水質汚濁防止法が制定され、排水基準違反に対する直罰規定が設けられた
- 2.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(令和7年(2025年)6月1日施行)
- 水質汚濁防止法 第12条排水基準遵守義務、1項1号の禁止規範
- 水質汚濁防止法 第14条の2事故時の応急措置と措置命令
- 水質汚濁防止法 第18条緊急時の排出削減等の命令
- 水質汚濁防止法 第30条改善命令違反へのより重い罰則
- 水質汚濁防止法 第34条両罰規定、法人への罰金刑
- 人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律 第2条健康に危険を生じさせた故意の排出の加重処罰
- 人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律 第3条業務上過失による公害犯罪の処罰
- 下水道法 第12条の2下水道へ排除する場合の水質規制(現行効力を要確認)
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