水質汚濁防止法 第34条
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法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前四条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 水質汚濁防止法第34条は、日本の水質汚濁防止法に含まれる条文です。
- 水質汚濁防止法第34条の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前四条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対…」で始まります。
- 水質汚濁防止法第34条は第六章 罰則に置かれています。
- 水質汚濁防止法の公布日は昭和45年12月25日です。
- 水質汚濁防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 水質汚濁防止法第34条の前の条は水質汚濁防止法第33条です。
- 水質汚濁防止法第34条の次の条は水質汚濁防止法第35条です。
- 水質汚濁防止法第34条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第34条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000138 - 本サイト収録
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第34条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/345AC0000000138/34
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点水質汚濁防止法34条は両罰規定で、従業者が業務に関し30条から33条の違反をすると、行為者に加え法人・事業主にも各本条の罰金刑を科す。
Q · 従業員が工場の排水基準を破ったら、会社も刑事罰を受けるの?
会社も罰金刑。上限は各本条と同額
水質汚濁防止法34条により、従業者が業務に関して30条から33条の違反をした場合、行為者本人に加えて法人や個人事業主にも各本条の罰金刑が科されます。法人重課はなく、排水基準違反なら上限50万円、改善命令違反なら上限100万円です。判例上、両罰規定は事業主の選任・監督上の過失を推定するものとされ、会社側が注意を尽くしたことを証明すれば免責の余地があります。
解説
排水口から基準を超える汚水が流れた。刑事責任を負うのは、バルブを開けた現場の作業員だけではない。本条は両罰規定(実際に違反した人と、その人を雇う会社や事業主の両方を処罰する仕組み)であり、30条から33条の違反を従業者が業務として行えば、行為者本人とは別に、法人や個人事業主にも各条と同じ罰金刑が科される。会社が刑事被告人になるのである。見落とされやすい点が二つある。第一に、会社の罰金の上限は各本条と同額で、排水基準違反なら50万円、改善命令違反なら100万円にとどまる。廃棄物処理法のような億単位の法人重課はない。だから経営陣は「罰金で済む」と軽く見がちだが、実際の損害は起訴報道、取引先の監査、許認可への影響のほうがはるかに大きい。第二に、判例上、両罰規定は事業主の選任・監督上の過失を推定するもの(事業主側が注意を尽くしたと証明すれば免責される)と解されている。つまり勝負を決めるのは、事故が起きる前に社内で残してきた記録である。
法的な位置づけ
水質汚濁防止法34条は、法人の代表者または法人もしくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その業務に関して同法30条から33条の違反行為をした場合に、行為者を罰するほか、その法人または人に対しても各本条に定める罰金刑を科すことを規定する両罰規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1両罰規定とは何ですか?
違反行為をした従業者本人と、その者を使用する法人・事業主の両方を処罰する仕組みです。水質汚濁防止法では34条がこれにあたります。
Q2水質汚濁防止法の罰則は何条ですか?
罰則は30条から33条に置かれ、34条がそれらの違反について法人・事業主にも罰金刑を科す両罰規定になっています。
Q3排水基準違反の罰金はいくらですか?
排水基準違反(31条)は上限50万円の罰金です。34条により会社にも同じ上限の罰金刑が科されます。
Q4両罰規定で会社が免責されることはありますか?
判例は事業主の過失を推定する規定と解しており、選任・監督に注意を尽くしたことを会社側が証明できれば免責の余地があります。
Q5個人事業主にも両罰規定は適用されますか?
適用されます。条文は「法人又は人」と定めており、個人経営の工場や旅館の事業主も罰金刑の対象になります。
Q6水質汚濁防止法違反の時効は何年ですか?
30条から33条の罪の公訴時効はいずれも3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。法人に科す罰金刑も同じです。
Q7下請け業者の違反でも元請けの会社は処罰されますか?
下請けが元請けの「従業者」にあたるかは、指揮監督関係の実態で判断されます。契約形式だけで結論は決まりません。
Q8法人が罰金刑を受けると前科になりますか?
法人の罰金刑も刑事処分の前歴として残り、入札参加資格審査や取引先の法令遵守調査で問題になることがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社長が知らなかったら、会社は罰金を払わなくていいんですか?
知らなかったというだけでは免れない。判例は両罰規定を、事業主の選任・監督上の過失を推定する規定と解しており、会社の側が注意を尽くしたことを証明する必要がある(本条、最判昭和40.3.26)。実務のポイント:実際に免責が認められた例は多くない。効くのは口頭の説明ではなく、日付入りの研修記録や是正指示の書面である
Q2会社の罰金って、個人と比べて重くなるんですか?
本法では重くならない。本条は「各本条の罰金刑」を科すと定めているので、排水基準違反(31条)なら上限50万円、命令違反(30条)なら上限100万円で、個人と同じ額である。実務のポイント:廃棄物処理法の不法投棄には法人に最高3億円の重課がある。そのため排水と廃棄物のどちらとして扱われるかで、会社の負うリスクが桁違いに変わる。廃液をどう処理するかの判断は、法務の判断でもある
間違えやすい点 AI による整理
- 「従業員が勝手にやったことだから、会社は無関係」と思われがちだが逆である。判例(最大判昭和32.11.27、最判昭和40.3.26)は両罰規定を事業主の過失推定と位置づけている。会社側が選任・監督に注意を尽くしたことを証明できなければ、罰金刑は会社にも科される
- 罰金50万円や100万円という数字を見て、コストとして払えば済むと考える経営者は多い。この深刻さを見誤っている。前科(法人の罰金刑)は入札資格の審査、取引先のESG調査、金融機関の与信で問われる。さらに人の健康被害が生じれば、19条の無過失責任による民事賠償が別の軌道で走り出す。本当の損失は罰金の桁ではない
- 現場の担当者は「会社の指示に従っただけ」と考えるが、法律から見ればまず処罰されるのは行為者本人である。本条は行為者の処罰を前提にし、そのうえで会社にも罰金を科す仕組みである。上司の口頭指示は、あなたの刑事責任を消してくれない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰対象 | 34条:業務主である法人・個人事業主 | 30条:改善命令等に違反した行為者 31条:排水基準等に違反した行為者 |
| 法定刑 | 各本条の罰金刑のみ(拘禁刑なし) | 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(過失犯は別に規定) |
| 責任の根拠 | 従業者の選任・監督上の過失(判例上推定) | 行政命令に従わなかった行為そのもの 基準を超える排出水の排出行為そのもの |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も行為者と法人・自然人の双方を処罰する両罰規定を置く。日本と同じく行政刑法上の立法技術として用いられている
韓国の両罰規定は、業務主が相当の注意と監督を怠らなかった場合の免責を条文で明記するのが一般的
ドイツは法人の刑事責任を認めず、団体には秩序違反法上の過料(Verbandsgeldbuße)を科す仕組みをとる
米国は respondeat superior 法理により、従業員の職務上の違反について法人の刑事責任を広く認める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 深夜シフトの工場で、ベテラン社員がタンク洗浄水を「いつものこと」として雨水側溝に流していた。本人は略式起訴、翌朝には会社名入りで地方紙に載る。社長は「自分は何も知らなかった」と言うが、それだけでは会社の罰金は免れない
- あなたは食品工場の環境担当者である。月1回の水質測定で、BODが排水基準をわずかに超えていた。上司からは「次回の数値でならせばいい」と言われる。記録を書き換えたり測定を先送りしたりすれば、それ自体が14条違反の火種になり、33条、34条を通じて会社全体の問題になる
- 県の立入検査があと3日後に迫っている。過去2年分の排水測定記録に欠けている月がある。今からできるのは、事実どおりの記録と是正計画をそろえることだけで、欠けた月を埋め戻すことではない
- もし下請けの清掃業者が、あなたの会社の敷地内で廃液を排水溝に捨てていたらどうなるか。業者があなたの会社の「従業者」にあたるかどうかは、指揮監督関係の実態で判断される。契約書の名義だけでは線は引けない
- 旅館の厨房と大浴場からの排水も、規模によっては特定施設に該当する。自分の業種は「工場」ではないから関係ないと思っていた経営者ほど、届出漏れのまま運営している
取るべき行動
被害を受けた側:1. 河川の変色、異臭、魚の死骸などは、日時と場所が分かる写真や動画で即日記録する2. 都道府県または政令市の水質担当課に通報し、立入検査を求める3. 違反が疑われる場合は刑事訴訟法239条に基づき告発でき、本条によって事業者の法人自体も処罰の対象になる4. 健康被害があれば19条(無過失責任)で事業者に賠償を請求できる。漁業被害などは民法709条で請求する
訴えられた側:1. 違反を把握したら直ちに排出を止め、自治体へ自主報告する。隠すと悪質性の評価が上がる2. 規程、研修記録、測定の二重チェック体制など、過去の監督を示す資料を改変せずにそのまま保全する。これが本条で免責を主張する唯一の足場になる3. 行為者である社員と会社では利害が対立しうるため、弁護人を分けるかどうかを早めに検討する4. 再発防止策を具体的に文書化し、起訴・不起訴の判断や量刑の資料として提出する
時効(請求できる期限):30条から33条の罪の公訴時効は、いずれも犯罪行為が終わった時から3年(刑事訴訟法250条2項6号。法人に科す罰金刑も3年)。継続的な排出は、排出が終わった時点から起算されると解される。健康被害の民事賠償は、損害と加害者を知った時から5年(民法724条の2、最新の改正状況をご確認ください)
学説
過失推定説(判例):業務主処罰の根拠を従業者の選任・監督上の過失に求め、その過失を推定する。業務主が注意を尽くしたことを証明すれば免責される。最高裁判例が採用する立場。
無過失責任説:業務主は従業者の違反について過失の有無を問わず責任を負うとする古い見解。責任主義に反するとして、現在は支持されていない。
純過失説:業務主の過失を推定せず、検察官が業務主の過失を立証すべきとする見解。責任主義を徹底する立場だが、判例は採用していない。
- 水質汚濁防止法 第30条改善命令等違反の罰則、法人罰金の基準
- 水質汚濁防止法 第31条排水基準違反の罰則(過失犯を含む)
- 水質汚濁防止法 第12条排水基準遵守義務、最頻出の違反類型
- 水質汚濁防止法 第14条排出水の測定・記録義務
- 水質汚濁防止法 第19条健康被害の無過失賠償責任
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第32条法人重課型両罰規定との対比
- 刑法 第8条他の法令の罪への刑法総則適用
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