要点労働安全衛生法 122 条の 2 は、コンサルタント会の理事・監事・清算人が 87 条の届出を怠り又は検査を拒んだとき、その役員個人を 50 万円以下の過料に処すと定める。
Q · コンサルタント会の届出を忘れたら、過料は会が払うの?理事個人が払うの?
団体ではなく理事個人が 50 万円以下の過料を負います
労働安全衛生法 122 条の 2 の名宛人は、最初から「理事、監事又は清算人」という自然人です。同法 87 条 3 項の届出懈怠・虚偽届出、または 5 項の検査拒否があったとき、過料は団体ではなくその違反行為をした役員個人へ科されます。過料は前科を伴わない行政上の秩序罰で、地方裁判所が非訟事件手続で科します。ただし確定すれば強制執行の対象となり、財産を差し押さえられる点は罰金と変わりません。
「五十万円以下の過料」。この六文字を見て罰金の軽い版だと思ったなら、あなたは入口で一つ取り違えている。過料は刑罰ではない。前科もつかず、検察官が起訴することもなく、刑事裁判も開かれない。地方裁判所が非訟事件手続という別ルートで科す行政上の秩序罰だ。だが安心するのは早い。この条文が狙い撃ちにするのは「コンサルタント会」という組織そのものではなく、その理事・監事・清算人という生身の個人である。労働安全衛生法87条が定める届出を怠ったり、虚偽の届出をしたり、厚生労働大臣の検査を拒んだとき、責任は団体の金庫ではなく、あなた個人の財布へ直接落ちてくる。役員という肩書きにサインした瞬間、あなたは組織の事務的義務違反を、自分の名前で背負う立場へ移っている。
労働安全衛生法 122 条の 2 は、コンサルタント会の役員に対する過料を定める規定である。理事・監事・清算人が同法 87 条の届出・検査義務に違反した場合、団体ではなくその違反行為をした自然人を名宛人として 50 万円以下の過料を科す。過料は前科を伴わない行政上の秩序罰であり、刑罰たる罰金・科料とは系統を異にする。
過料は行政上の秩序罰で前科がつかず、地方裁判所が非訟事件手続で科します。科料は 1 万円未満の刑罰で前科がつきます。読みは同じ「かりょう」でも全く別系統です。
労働安全コンサルタント・労働衛生コンサルタントが業務の進歩改善のために設立する専門職団体です。法人格を持ち、厚生労働大臣の監督を受けます。
コンサルタント会の設立や役員変更等について厚生労働大臣に行う届出と、それに関する検査を定める規定です。122 条の 2 の過料はこの 87 条義務違反を対象とします。
本条は「50 万円以下」と定めます。是正の有無や帰責性に応じて裁判所が額を裁量で決めるため、必ず上限の 50 万円になるわけではありません。
違反行為をした時点で役員だった者が名宛人になるため、その後に辞任しても過去の届出懈怠の責任は消えません。在任中の違反は退任後も追及されます。
過料には刑事罰のような公訴時効はありません。違反状態が続く限り科罰手続が始まりうるため、届出を直ちに実行して違反状態を解消することが重要です。
過料は役員個人に科されるもので、会の財産から支払うべきものではありません。会の資産で肩代わりすると別の責任問題を生む余地があります。
略式手続で過料の裁判が出ても、期間内に異議を申し立てれば通常の手続へ移行できます(非訟事件手続法 122 条)。即確定ではありません。
つきません。罰金は刑罰で、検察官が起訴し刑事裁判で確定し前科になります。過料(122条の2)は行政上の秩序罰で、地方裁判所が非訟事件手続法120条に基づき科すもので、前科にはなりません。業界裏話ヒント:刑罰の『科料』(一万円未満)と行政罰の『過料』は読みが同じ『かりょう』でも全く別物です。実務では区別して『とがりょう』『あやまちりょう』と読み分けることもある。どちらの手続にいるかで、弁護士に頼むべきか否かまで変わってきます
条文の名宛人が最初から『理事、監事又は清算人』という自然人だからです(122条の2)。団体の事務懈怠を個人の責任に直結させることで、87条の届出・検査義務に対する監督の実効性を担保しています。業界裏話ヒント:これは特殊な仕組みではなく、会社法976条で株式会社の取締役が登記懈怠で過料を負うのと同じ発想です。法人の役員という椅子は、団体の手続ミスを個人名で引き受ける椅子だと理解しておくと、就任前の判断が変わります
確定する前に動く余地があります。裁判所は過料を科す前に当事者の意見を聴く機会を設けます(非訟事件手続法120条)。違反を是正し事情を陳述すれば、『五十万円以下』の裁量の中で減額されうる。業界裏話ヒント:略式手続で過料の裁判が出ても、期間内に異議を申し立てれば通常の手続に移行できます(非訟事件手続法122条)。『過料の裁判=即確定』ではなく、争うルートが残されていることを知っている人とそうでない人で、結末が分かれます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 前科の有無 | 過料(122 条の 2):前科はつかない | — |
| 科す手続・機関 | 地方裁判所が非訟事件手続で科す | — |
| 名宛人 | 理事・監事・清算人という自然人個人 | — |
| 支払いの強制力 | 確定すれば強制執行・差押えの対象 | — |
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