化学物質、化学物質を含有する製剤その他の物を製造し、又は取り扱う設備で政令で定めるものの改造その他の厚生労働省令で定める作業に係る仕事の注文者は、当該物について、当該仕事に係る請負人の労働者の労働災害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
要点労働安全衛生法 31 条の 2 は、化学設備の改造等を発注する注文者に、請負人の労働者の労災防止のため、残留物質の危険情報を作業前に文書で交付する義務を課す。
Q · 化学設備の改造やタンク清掃を下請けに出すとき、発注元は何をしなければならないの?
残留物質の危険情報を作業前に文書で渡す義務がある
労働安全衛生法 31 条の 2 により、化学物質を製造・取り扱う設備で政令が定めるものの改造等の作業を発注する注文者は、請負人の労働者の労働災害を防ぐため必要な措置を講じなければなりません。中心は、残留物質の名称・危険有害性・作業上の注意・事故時の措置を記した文書を作業前に交付する義務です(安衛則 662 条の 4)。義務違反は刑事責任(安衛法 119 条)、労災、発注元への損害賠償(民法 709 条・715 条)の引き金になります。
配管やタンクの内部に何が残っているか、清掃や改造に入るあなたは知らない。だが、その仕事を発注した工場は知っている。どんな化学物質を、どれだけ、どんな危険性で扱っていたかを。労働安全衛生法 31 条の 2 は、この情報の落差を放置させない。化学物質を製造・取り扱う設備で政令が定めるものの改造その他の作業を外部に発注する者は、その物質について、請負人の労働者の労働災害を防ぐため必要な措置を講じなければならない。中身は抽象論ではない。物質の名称・危険有害性・作業上の注意・事故時の措置を記した文書を、作業前に下請けへ交付する具体的義務だ(安衛則 662 条の 4)。なぜこの条文が生まれたか。残留した硫化水素や有機溶剤を知らずにタンクへ入った下請け作業員が、次々と倒れ命を落とす事故が現実に起きたからだ。あなたが「言われた通り」入る前に、発注元が何を渡しておくべきだったかを、この一条が先に決めている。
労働安全衛生法 31 条の 2 は、化学物質等を製造または取り扱う設備で政令が定めるものの改造その他厚生労働省令が定める作業を外部に発注する注文者に対し、請負人の労働者の労働災害を防止するため必要な措置を講じる義務を課す規定である。措置の中核は、対象物の危険有害情報を記した文書の作業前交付であり、情報の非対称を是正する点に特徴がある。
AI 輔助整理,以條文原文為準
化学設備の改造等を外部発注する注文者に、請負人の労働者の労働災害防止のため必要な措置(残留物質情報の文書交付など)を義務づける規定です。
安衛法 119 条により刑事処罰の対象となり得ます。あわせて労災認定や、民法 709 条・715 条による発注元への損害賠償責任も生じ得ます。
現場で雇う請負会社だけでなく、残留物質情報を渡さなかった発注元も 31 条の 2 違反として直接の責任当事者になり得ます。
作業を開始する前に交付する必要があります。作業が始まってからの口頭説明では「必要な措置」を尽くしたと評価されにくいです。
発注元の 31 条の 2 違反(情報文書の不交付など)が認められれば、所属会社経由の補償とは別に、民法 709 条・715 条で賠償を組み立てられます。
発注元へ書面(メール可)で交付を求め、出ないなら作業に入らず自社の安全衛生責任者へ報告します。請求記録は事故後の証拠にもなります。
労働安全衛生法施行令 9 条の 3 が定める化学設備等です。改造その他の作業の範囲も厚生労働省令(安衛則)で具体化されています。
対象設備・作業に該当する場合、注文者が必要な措置(情報文書交付など)を講じないこと自体が 31 条の 2 違反となり、罰則の対象になり得ます。
発注元には物質情報を文書で渡す義務があります(安衛法 31 条の 2、具体化は安衛則 662 条の 4)。だから『口頭では困るので文書をください』と書面で求めて構いません。出ないまま危険な作業に入る必要はありません。業界裏話ヒント:この交付請求をメールで一通残すだけで、もし事故が起きたとき『発注元は義務を知りながら渡さなかった』証拠になります。現場では言いにくい一言ですが、これを送れる下請けと送れない下請けで、事故後に取れる賠償がまるで違ってきます
いいえ。文書交付は『必要な措置』の中心ですが、それで義務がすべて尽きるとは限りません。残留物質の除去や換気の確保まで発注者側で手当てすべき事案もあり、措置が不十分なら民法 709 条・715 条の賠償責任が残ります。業界裏話ヒント:発注元は『文書は渡した』を盾にしがちですが、争点は『その文書で作業員が実際に危険を回避できたか』です。専門用語だらけで現場が読めない文書は、渡しても措置を尽くしたと評価されないことがある。中身の実効性まで見るのがプロの視点です
情報提供が核ですが、それだけとは限りません。対象設備や作業は政令・省令で具体的に定められ(労働安全衛生法施行令 9 条の 3、安衛則 662 条の 4 ほか)、事案によっては作業上の注意事項の周知や事故時の措置の指示まで含みます。業界裏話ヒント:厚生労働省の通達やガイドラインが『必要な措置』の中身を細かく示しています。条文本体だけ読んで『情報を渡せば終わり』と判断すると、監督署の調査で足りないと指摘される。条文の下にぶら下がる通達まで読む人が、本当に守れている人です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 義務の主体 | 31 条の 2:化学設備の改造等を発注する注文者 | — |
| 措置の中核 | 残留化学物質の危険情報文書の作業前交付(安衛則 662 条の 4) | — |
| 守る対象 | 請負人の労働者(化学物質による労働災害) | — |
| 違反時の責任 | 安衛法 119 条の刑事責任 + 民法 709・715 条の賠償 | — |
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