国は、前二条の規定による有害性の調査の適切な実施に資するため、化学物質について、有害性の調査を実施する施設の整備、資料の提供その他必要な援助に努めるほか、自ら有害性の調査を実施するよう努めるものとする。
要点労働安全衛生法 58 条は、新規化学物質の有害性調査について、国に施設整備・資料提供・自ら調査する努力義務を課す。調査負担を事業者だけに負わせない規定である。
Q · 新しい化学物質の有害性調査って、全部自分の会社で費用を負担しないといけないの?
国の援助制度があり、全額自己負担とは限りません
労働安全衛生法 58 条は、新規化学物質の有害性調査(57 条の 3)の負担を事業者だけに負わせず、国に施設整備・資料提供・自ら調査する努力義務を課しています。厚生労働省の職場のあんぜんサイトや GHS 分類結果には既調査物質のデータが公開され、同種物質の情報を活用できる余地があります。努力義務なので国に強制はできませんが、試験を発注する前に公的資源を確認するだけで、調査コストの設計が大きく変わります。
新しい化学物質を製造または輸入しようとすると、その有害性を自分で調査して国に届け出る義務が課される(前二条、つまり第57条の3・第57条の4)。変異原性試験ひとつで数百万円、専門の試験施設も要る。資力の限られた中小の化学メーカーやスタートアップにとっては、これだけで開発を断念しかねない重さだ。ところが多くの担当者が見落としているのがこの第58条。国は、その調査が適切に行われるよう、調査用施設の整備、資料の提供、その他必要な援助に努め、さらに自ら有害性調査を実施するよう努める、と定めている。つまり、有害性調査の負担はあなたの会社が丸ごと背負うものとは限らない。国(実務上は厚生労働省や独立行政法人労働者健康安全機構の労働安全衛生総合研究所など)が蓄積したデータや施設にアクセスできる余地がある。努力義務だから国に強制はできないが、使える公的資源があると知っているかどうかで、試験発注のコスト設計が根本から変わる。
労働安全衛生法 58 条は、新規化学物質の有害性調査に関する国の援助等を定める規定である。前二条による事業者の調査義務を前提に、国が調査施設の整備、資料の提供その他必要な援助に努め、かつ自ら有害性調査を実施する努力義務を負う旨を規定する。規制と支援を一体化する責任分担の枠組みを構成する。
新たに製造・輸入する化学物質について、変異原性試験などで有害性を調べる手続です。労働安全衛生法 57 条の 3 が事業者に実施義務を課し、58 条が国の援助を定めています。
国が調査施設の整備、資料の提供その他必要な援助に努め、さらに自ら有害性調査を実施するよう努める、という努力義務です。罰則はありませんが施策の根拠規定となります。
試験項目や物質により大きく異なり、一式で数百万円規模になることもあります。専門の試験施設が必要なため、中小企業には重い負担となる場合があります(最新の見積りをご確認ください)。
同種・類似物質のデータが公的に公開されていれば、活用できる余地があります。職場のあんぜんサイトや GHS 分類結果を試験発注前に確認するのが実務の定石です。
独立行政法人労働者健康安全機構の研究所で、労働災害防止のための調査研究を行います。58 条のような国の調査・資料提供の努力義務を支える公的基盤の一つです。
厚生労働省が運営するサイトで、化学物質の GHS 分類結果やモデル SDS を検索できます。物質名や CAS 番号で既調査データの有無を確認できます。
化審法は環境・一般国民の健康保護を目的とし、安衛法は職場の労働者保護を目的とします。同じ新規物質でも両法の届出・調査が並行して必要な場合があります。
違反しても罰則はなく履行を強制できませんが、国の予算措置や公的研究機関の設置・運営を方向づける施策の根拠として機能します。無意味な訓示規定ではありません。
原則として、新規化学物質を製造・輸入する事業者に有害性調査(変異原性試験など)の実施義務があります(第57条の3)。ただし第58条で国に施設整備・資料提供・自ら調査する努力義務があり、既存データを活用できる余地があります。業界裏話ヒント:厚生労働省の職場のあんぜんサイトやGHS分類結果には既調査物質のデータが公開されており、同種・類似物質のデータがあれば一から試験をやり直さずに済むことがある。試験会社に発注する前に、まずここを当たるのが実務の定石です(最新の公表状況をご確認ください)
努力義務といい、違反しても罰則はなく、国に具体的援助を法的に強制することもできません。ただし国の施策の根拠規定として機能し、予算措置や公的研究機関の設置・運営を方向づけます。業界裏話ヒント:努力義務は無意味な訓示ではなく、行政が予算や人員を割く正当化根拠になる。労働安全衛生総合研究所のような公的試験研究機関が実在し、データを蓄積・公開しているのは、この種の規定が制度の背骨になっているから。使える公的資源として認識しておくと得をします
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 義務を負う主体 | 58 条:国(厚生労働省・公的研究機関) | — |
| 義務の性質 | 58 条:努力義務(援助・自ら調査) | — |
| 内容 | 58 条:施設整備・資料提供・自ら調査 | — |
| 違反時の効果 | 58 条:罰則なし(努力義務) | — |
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