要点労働安全衛生法 66 条の 7 は、健康診断で特に健康保持が必要と認められた労働者に、事業者が医師・保健師による保健指導を行う努力義務を定める。罰則はないが安全配慮義務と結びつく。
Q · 健康診断で異常が出ても、会社が何もしないのは違法じゃないの?
単独では違法でないが安全配慮義務と結びつき責任化する
労働安全衛生法 66 条の 7 は、健診で特に健康保持が必要と認められた労働者への保健指導を「努力義務」とします。66 条の 7 単独では罰則も直接の違法もありません。しかし医師等からの意見聴取(66 条の 4)や就業上の措置(66 条の 5)まで含めて何も対応せず、労働者が健康を害した場合、保健指導の放置は労働契約法 5 条の安全配慮義務違反の有力な証拠になります。罰則ゼロの努力義務が、損害賠償請求の入口に化けるのです。
健康診断の結果用紙に「要再検査」「要精密検査」と印字されていたのに、机の引き出しに突っ込んだまま忘れていないか。労働安全衛生法 66条の7は、健康診断の結果、特に健康の保持に努める必要があると認められた労働者に対し、事業者は医師または保健師による保健指導(プロが個別に生活習慣や受診を助言する仕組み)を行うよう努めなければならないと定める。「努めなければならない」、つまり努力義務だ。だから多くの事業者は「やらなくても罰則はない」と読み、労働者の側も「会社のお節介」と受け流す。ここに落とし穴がある。この努力義務は単独では牙を持たないが、労働契約法5条の安全配慮義務(会社が労働者の生命・健康を守るべき法的義務)と結びついた瞬間、牙が生える。健診で異常を把握しながら保健指導も就業上の措置も取らず、その労働者が過労死や健康悪化に至れば、本条の不履行が安全配慮義務違反の有力な証拠になる。罰則ゼロの努力義務が、損害賠償請求のパイプラインの入口に化けるのだ。
労働安全衛生法 66 条の 7 は、健康診断の結果として特に健康の保持に努める必要があると認められた労働者に対し、事業者が医師または保健師による保健指導を行うよう努める義務を定める規定である。罰則を伴わない努力義務であり、健康診断の実施義務(66 条)および就業上の措置(66 条の 5)と一連の健康管理制度を構成する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
医師または保健師が、健診結果で要注意とされた労働者に対し、生活習慣の改善や受診を個別に助言する仕組みです。労働安全衛生法 66 条の 7 が事業者の努力義務として定めています。
保健指導は労働安全衛生法 66 条の 7 に基づく職場の健康管理、特定保健指導は高齢者医療確保法に基づくメタボ対策です。根拠法も実施主体も異なります。
従業員 50 人未満の事業場でも、地域産業保健センターを無料で利用して保健指導を受けられます。「産業医がいない」は対応しない理由になりません。
労働安全衛生規則により、健康診断個人票は 5 年間の保存義務があります。会社が「記録がない」と言えば、ないこと自体が会社に不利に働きます。
法律上の明文義務はありませんが、健康管理は事業者の責務であり、就業時間中の実施や賃金の取扱いは社内規程・労使協議で定めるのが一般的です。
労働者側も 66 条の 7 第 2 項で利用の努力義務を負います。拒否しても罰則はありませんが、後の損害賠償で過失相殺の材料にされる可能性があります。
健康診断の実施費用は事業者負担が原則とされ、その後の保健指導も事業者が実施体制を整えます。再検査・精密検査の自己受診費用は別途の問題です。
身体面の健診は 66 条の 7 ですが、心理面はストレスチェック制度(66 条の 10)が別途規律します。両者は地続きの職場健康管理制度です。
罰則はありません。66条の7第2項は労働者にも「保健指導を利用して健康保持に努める」という努力義務を課すだけで、強制ではないからです。業界裏話ヒント:ただし放置には別の代償があります。後で過労などで倒れ安全配慮義務違反を主張するとき、自分が指導や受診に応じなかった事実は過失相殺の材料にされ、受け取れる賠償が減ります。再検査に行った・行かなかった、その記録こそが将来の自分を守る
66条の7単独では「違法」と言い切れません。努力義務だからです。ただし医師等からの意見聴取(66条の4)や就業上の措置(66条の5)まで含めて何もしない状態は、安全配慮義務違反の評価対象になります。業界裏話ヒント:従業員50人以上の事業場には産業医の選任義務があり、産業医に保健指導をさせる仕組みがあります。50人未満でも地域産業保健センターを無料で使えるので、会社が「うちには産業医がいない」と言うのは対応しない理由になりません
大いに関係します。健診結果に異常があったのに保健指導も就業上の措置も取らず放置していた事実は、安全配慮義務違反(労働契約法5条)の核心的な証拠になります。業界裏話ヒント:訴訟前に証拠保全(民事訴訟法234条)で会社の健診記録と労働時間記録を押さえる手があります。健康診断個人票には5年間の保存義務(労働安全衛生規則)があるので、会社が「記録がない」と言えば、ないこと自体が会社に不利に働きます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 義務の性質 | 66 条の 7:保健指導を行う努力義務(罰則なし) | — |
| 対象とタイミング | 健診後、特に健康保持が必要と認められた労働者への個別指導 | — |
| 実施主体 | 医師または保健師 | — |
| 安全配慮義務との関係 | 放置が安全配慮義務違反の有力証拠になる導火線 | — |
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