要点労働安全衛生法 80 条は、特別安全衛生改善計画の作成指示後に、厚生労働大臣が事業者へ安全衛生コンサルタントの診断受診を勧奨できると定める。罰則のない行政指導である。
Q · 国から安全コンサルタントの診断を勧められた。これは断れるの?
断れます。行政指導で直接の罰則はありません
労働安全衛生法 80 条の勧奨は行政指導であり、従わなくても直接の罰則はありません。ただし前提となる 78 条の特別安全衛生改善計画の作成指示そのものに従わず計画を作らなければ、企業名公表(78 条 5 項)の対象になります。診断を断ること単体より、計画プロセス全体から降りるリスクの方がはるかに大きく、断った事実は次の労災時に安全配慮義務違反を問う場面で会社に不利な記録として残ります。
工場や現場で重大な労災を繰り返した。すると厚生労働大臣から「特別安全衛生改善計画を作れ」という指示(労働安全衛生法 78 条)が届く。その次に控えているのがこの 80 条だ。大臣は「専門的な助言が必要」と判断すれば、あなたに労働安全コンサルタントまたは労働衛生コンサルタントの診断を受け、計画づくりについて彼らの意見を聴くよう勧奨できる。ここで多くの経営者が読み違える。「勧奨=任意だから無視していい」と。確かに法的には断れる。これは行政指導であって行政処分(役所があなたに直接下す具体的決定、例:許可取消や是正命令)ではなく、従わなくても直接の罰則はない。だが断った事実は記録に残り、次にまた労災が起きたとき、会社が安全配慮を尽くしたかを問う場面で被災者側や検察の手に渡る。さらに前提の 78 条指示そのものから降りれば企業名を公表されうる。勧奨は柔らかい言葉だが、その背後には公表という鞭が控えている。
労働安全衛生法 80 条は、安全衛生診断の勧奨を定める規定である。厚生労働大臣又は都道府県労働局長が特別安全衛生改善計画等の作成指示をした場合に、専門的助言が必要と認めるとき、事業者に対し労働安全コンサルタント又は労働衛生コンサルタントによる診断の受診と、計画作成についての意見聴取を勧奨できる旨を規定する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
勧奨自体は行政指導で罰則はありません。ただし前提の 78 条の計画作成指示に従わず計画を作らなければ、企業名公表(78 条 5 項)の対象になります。断った事実は心証として残ります。
コンサルタントは独立した民間専門家のため、診断内容や事業規模により費用は変動します。複数の専門家に見積もりを取り、自社の労災性質に合う範囲で依頼するのが実務的です。
80 条の勧奨拒否では公表されません。前提の 78 条の特別安全衛生改善計画の作成指示に従わない、または計画を実施しない場合に、78 条 5 項により企業名が公表され得ます。
事業者が作成します。重大労災を繰り返した事業者が厚生労働大臣の指示(78 条)を受けて作成し、労働者代表の意見を聴く必要があります。80 条はその作成を専門家が支援する仕組みです。
80 条の勧奨自体に法定の期限はありません。ただし前提の 78 条・79 条の計画作成・提出に行政が定める期限が付くため、勧奨に応じるなら診断はその期限内に終える必要があります。
重大労災の反復で 78 条の特別安全衛生改善計画の作成指示、80 条の診断勧奨、計画の実施、不履行なら企業名公表という段階的な行政対応(ラダー)が控えています。
独立した専門家の診断書・意見書は、後の民事訴訟で会社が安全配慮義務を尽くした証拠になります。取引先の安全監査や ESG 評価でも安全管理体制の裏付けとして機能します。
診断で得たコンサルタントの意見は、事業者が作成する特別安全衛生改善計画に反映し、計画として労働基準監督署・労働局へ提出する流れになります。診断書自体の提出義務は計画の根拠資料として扱われます。
断れます。本条(80 条)の勧奨は行政指導で、従わなくても直接の罰則はありません。ただし前提の 78 条の計画作成指示そのものに従わないと、企業名公表(78 条 5 項)の対象になります。業界裏話ヒント:診断を断ること単体より、計画プロセス全体から降りる方がはるかに危険です。労基署の担当者は「専門家の助言機会を会社が拒否した」という事実を心証として持ち続け、次の場面で厳しく出てくる。
両者は業務範囲が違います(81 条)。労働安全コンサルタントは機械、設備、作業方法などケガ系のリスク、労働衛生コンサルタントは化学物質、粉じん、健康障害など病気系のリスクが専門です。業界裏話ヒント:自社の労災がどちらの性質かで選ぶのが基本ですが、重大災害を繰り返す現場は両方の要素が絡むことが多い。費用を惜しんで片方だけにすると、見落とした側のリスクが次の事故になって返ってくる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 行為の性質 | 80 条:勧奨(行政指導・任意) | — |
| 主体 | 80 条:厚生労働大臣・都道府県労働局長 | — |
| 従わない場合の効果 | 80 条:罰則なし(任意の勧奨) | — |
| 内容 | 80 条:コンサルタント診断と意見聴取の勧め | — |
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