要点労働安全衛生法 96 条の 2 は、厚生労働大臣が重大な労災について労働者健康安全機構に原因調査と立入検査を行わせることができると定める。機構の立入検査には 91 条が準用される。
Q · 労災事故のあと、監督署じゃない『機構の人』が調査に来たけど、これって何?
国の専門機関による法定の災害原因調査です
労働安全衛生法 96 条の 2 により、厚生労働大臣は重大な労災について独立行政法人労働者健康安全機構に原因調査と立入検査を行わせることができます。来訪するのは公務員の労働基準監督官ではなく機構の職員ですが、91 条 3 項の準用で身分証の提示義務があり、91 条 4 項の準用で『犯罪捜査のためではない』とされます。ただし正当な理由のない拒否・妨害は 120 条の罰則対象になりえます。
工場で同僚が機械に巻き込まれて亡くなった、建設現場で足場が崩落して複数人が倒れた。そんな重大事故の後、現場に来るのは所轄の労働基準監督署だけではない。労働安全衛生法 96 条の 2 は、厚生労働大臣が事故の規模や状況から必要と判断したとき、独立行政法人労働者健康安全機構という国の専門機関に、原因調査と立入検査を行わせることができると定めている。つまり、災害が大きいほど、現場には科学的な専門調査チームがもう一本乗り込んでくる。あなたが事業者なら、この調査でまとめられる報告書が、後の業務上過失致死の刑事責任、労災認定、再発防止の行政指導、そのすべての土台になることを知っておくべきだ。あなたが遺族なら、なぜ事故が起きたのかという真相が、この機構の調査で初めて形になることがある。監督署の通常調査とは別ルートで、もう一本の調査線が静かに動いている。
労働安全衛生法 96 条の 2 は、重大な労働災害が発生した場合における災害原因調査の特則を定める規定である。厚生労働大臣は、災害の規模その他の状況から必要と認めるとき、独立行政法人労働者健康安全機構に原因調査および当該調査に係る立入検査を行わせることができ、機構の立入検査には身分証提示義務等を定める 91 条 3 項・4 項が準用される。
労災の原因調査や労働者の健康確保を担う国の独立行政法人です。労働安全衛生法 96 条の 2 により、厚生労働大臣の判断で重大労災の専門調査と立入検査を行います。
通常は所轄の労働基準監督署が行いますが、重大災害では 96 条の 2 に基づき、これに加えて労働者健康安全機構の専門チームが原因調査を行うことがあります。
拒否できません。大臣の指示に基づく法定の立入検査であり、正当な理由のない拒否・妨害は労働安全衛生法 120 条で罰金の対象になりえます。
厚生労働大臣が、労働災害の規模その他の状況から判断して必要があると認めたときに、機構へ原因調査や立入検査を行わせる形で適用されます。
報告は厚生労働大臣に対して行われます。第三者は情報公開請求により開示を求められる場合があり、遺族や被災者が事故原因を知る手がかりになります。
行政上の立入検査のため令状は不要です。ただし 91 条 4 項の準用で『犯罪捜査のために認められたものではない』と明記されています。
報告書は建前上は刑事の証拠ではありませんが、実務上は業務上過失致死などの刑事立件の端緒になりえます。説明の場には弁護士同席が安全です。
96 条の 2 第 4 項により、機構は立入検査の結果を厚生労働大臣に報告しなければなりません。その内容が後の行政指導や再発防止策の土台になります。
労働者健康安全機構という国の専門調査機関の職員で、厚生労働大臣の指示に基づき 96 条の 2 で立入検査の権限を与えられています。91 条 3 項の準用で身分証の提示義務があるので、まず提示を求めてください。正当な理由なく拒否・妨害すると 120 条で罰金の対象になりえます。業界裏話ヒント:この検査は 91 条 4 項の準用で『犯罪捜査のためではない』と明記されています。つまり集めた資料がそのまま刑事の証拠になる建前ではない。とはいえ報告書の内容が後の刑事立件の端緒になることは実務上あるので、説明の場には弁護士の同席が安全です。
重大な労災では、所轄監督署の調査に加えて、96 条の 2 に基づき機構が専門的な原因調査を行うことがあります。その結果は厚生労働大臣に報告され(同条 4 項)、後の労災認定や民事の損害賠償で決定的な証拠になりえます。業界裏話ヒント:遺族はこの報告書を受け身で待つしかないと思いがちですが、情報公開請求で開示を求める道があります。事業者側が先に内容を把握して対応を固める前に、遺族側も同じ情報へアクセスしておくと、示談や訴訟での交渉力がまるで変わります。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 調査・検査の主体 | 96 条の 2:機構(厚生労働大臣の指示による) | — |
| 発動の要件 | 災害の規模その他の状況から大臣が必要と認めること | — |
| 手続的保護 | 91 条 3 項・4 項を準用(身分証提示・犯罪捜査目的の否定) | — |
| 拒否・妨害の効果 | 120 条の罰則対象になりうる | — |
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