動物の愛護及び管理に関する法律 第32条(特定動物飼養者に対する措置命令等)
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都道府県知事は、特定動物飼養者が前条の規定に違反し、又は第二十七条第二項(第二十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定により付された条件に違反した場合において、特定動物による人の生命、身体又は財産に対する侵害の防止のため必要があると認めるときは、当該特定動物に係る飼養又は保管の方法の改善その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
この条文の基本情報
特定動物飼養者に対する措置命令等とは何ですか?
定義特定動物飼養者に対する措置命令等とは、動物の愛護及び管理に関する法律第32条に定められた規定で、「都道府県知事は、特定動物飼養者が前条の規定に違反し、又は第二十七条第二項(第二十八条第二項において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 動物の愛護及び管理に関する法律第32条(特定動物飼養者に対する措置命令等)は、日本の動物の愛護及び管理に関する法律に含まれる条文です。
- 動物の愛護及び管理に関する法律第32条の条文原文は「都道府県知事は、特定動物飼養者が前条の規定に違反し、又は第二十七条第二項(第二十八条第二項において準用する場合を含む。」で始まります。
- 動物の愛護及び管理に関する法律第32条は第五節 動物による人の生命等に対する侵害を防止するための措置に置かれています。
- 動物の愛護及び管理に関する法律の公布日は昭和48年10月1日です。
- 動物の愛護及び管理に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 動物の愛護及び管理に関する法律第32条の前の条は動物の愛護及び管理に関する法律第31条です。
- 動物の愛護及び管理に関する法律第32条の次の条は動物の愛護及び管理に関する法律第33条です。
- 動物の愛護及び管理に関する法律第32条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第32条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/348AC1000000105 - 本サイト収録
動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第32条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/348AC1000000105/32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点動物愛護管理法32条は、特定動物の飼い主が飼養基準や許可条件に違反し危険防止の必要があるとき、都道府県知事が飼い方の改善等を命じられると定める。
Q · 許可を取って危険な動物を飼っている隣人に、飼い方を改めさせることはできる?
できる。基準違反があれば知事が改善命令を出せる
動物愛護管理法32条により、特定動物飼養者が31条の飼養保管の方法や許可に付された条件に違反し、人の生命・身体・財産への侵害防止のため必要があるとき、都道府県知事は飼養方法の改善等を命じられます。実害の発生は要件ではありません。近隣住民は施錠不備などの事実を記録して保健所等に伝え、行政手続法36条の3に基づく処分等の求めをすることもできます。
解説
トラ、ワニ、ニシキヘビ、毒ヘビ。人に危害を加えるおそれがある動物は「特定動物」に指定されており、飼うには都道府県知事の許可が要る。ただ、許可を取れば話が終わるわけではない。檻の構造、施錠、マイクロチップ、定期点検といった飼い方の基準(31条)と、許可のときに付けられた条件(27条2項)を守り続ける義務が残る。どちらかが崩れ、人の命や体、財産に危険が及ぶおそれがあると知事が判断すれば、本条によって「飼い方を改めよ」という措置命令(役所が特定の人に直接出す、従う義務のある決定)が出る。ここで見落とされやすいのが、命令を出す判断材料は、近隣住民の通報から集まることが多いという点だ。隣家の爬虫類小屋の鍵が壊れたままになっているとき、あなたは保健所(政令市・中核市では市の担当部署)に違反の事実を伝え、命令を出すよう求めることができる。逆に飼い主の側から見ると、命令に違反した時点で刑事罰の対象になり、許可の取消しも視野に入る。行政指導の段階で動くかどうかが分かれ目になる。
法的な位置づけ
動物の愛護及び管理に関する法律第32条は、特定動物(人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがある動物として政令で定めるもの)の飼養者に対する措置命令を定める規定である。飼養保管方法の遵守義務違反又は許可条件違反があり、侵害防止の必要があるときに、都道府県知事が飼養方法の改善等を命ずる行政処分の根拠となる。
手順
- 1.危険な飼育状況を記録する 施錠の不備、ケージの破損、逃走の目撃などを、日付入りの写真・動画・メモで残す。「怖い」という印象ではなく、基準違反を示す具体的な事実を集める
- 2.所管窓口を確認する 都道府県の動物愛護センター・保健所、政令市・中核市であれば市の担当部署のうち、どこが許可と指導を担当しているかを自治体サイトで確認する
- 3.書面で事実を伝える 飼育場所、動物の種類(わかる範囲で)、確認した違反の事実、通学路の近さなど危険の具体性を書面にまとめ、記録を添えて窓口に提出する
- 4.行政が動かなければ処分等の求めを申し出る 行政手続法36条の3に基づき、申出人の氏名・住所、法令違反の事実、求める処分(本条の措置命令)、根拠条文、その理由を記載した申出書を提出する
- 5.実害が出たら損害賠償を検討する けがや財産被害が生じた場合は、民法718条(動物の占有者等の責任)に基づき飼い主に損害賠償を請求する。診断書や修理見積りなどを保全し、弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1特定動物とは何ですか?
人の生命・身体・財産に害を加えるおそれがある動物として政令で指定された動物です。トラ、ワニ、ニシキヘビ、毒ヘビなどが該当し、飼うには許可が必要です。
Q2特定動物はペットとして飼えますか?
令和元年(2019年)改正により、愛玩目的での特定動物の飼養は禁止されました。動物園や試験研究など、限られた目的での許可に限られます。
Q3特定動物の措置命令に違反するとどうなる?
罰則の対象になります(45条。最新の改正状況をご確認ください)。許可取消し(29条)の理由にもなりうるため、刑事と行政の両面から不利益を受けます。
Q4危険な動物の飼育はどこに通報すればいい?
都道府県の動物愛護センターや保健所が窓口です。政令市・中核市では市の担当部署が許可と指導を担当しているため、まず市のサイトで窓口を確認します。
Q5措置命令はどんなときに出される?
31条の飼養保管方法または許可条件への違反があり、人の生命・身体・財産への侵害防止のため必要があると知事が認めたときです。実害の発生は要件ではありません。
Q6措置命令の前に言い分を述べる機会はある?
措置命令は不利益処分なので、原則として行政手続法13条により弁明の機会が与えられます。通知書の期限までに、事実関係と改善状況を書面で出します。
Q7措置命令に納得できないときはどうする?
処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求をするか、処分を知った日から6か月以内に取消訴訟を起こすことを検討します。
Q8飼っている特定動物が逃げてけがをさせたら誰の責任?
民法718条により、動物の占有者が損害賠償責任を負います。種類と性質に従い相当の注意をもって管理したと立証できなければ、責任を免れません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1隣の人がヘビを飼っていて怖いんですけど、許可があったらもう何も言えないんですか?
言えます。許可を受けた後も、飼い主には31条の飼養保管基準と許可条件を守り続ける義務があり、違反して危険があれば知事は本条で改善命令を出せます。実務のポイント:通報の際は「怖い」という言い方ではなく、「施錠されていない」「ケージにすき間がある」など基準違反を示す事実を伝える方が効く。行政が動くかどうかは、要件に当てはまる事実がどれだけ揃っているかで決まる
Q2改善命令が来ましたが、これって前科になるんですか?
措置命令自体は行政処分であって刑罰ではないので、命令を受けただけで前科がつくことはありません。ただし、命令に違反すると45条の罰則の対象になります(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:命令違反は許可取消し(29条)の理由にもなりうるため、命令に従わない場合は刑事罰と許可取消しを同時に受ける可能性がある。命令の段階で改善報告を出しておけば、その後の行政の判断は大きく変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「許可を取っている飼い主なら安全管理は役所のお墨付きだ」と思われがちだが、許可は申請時点の施設と計画を審査したにすぎない。その後の鍵の故障、施設の老朽化、飼育数の増加は、立入検査か通報がなければ行政の目に入らない。許可があるから安心、という発想自体が本条の存在理由を見落としている
- 飼い主の側は「改善命令は注意を受けた程度のもの」と軽く見やすい。しかし措置命令は行政指導ではなく行政処分であり、命令に違反すれば刑事罰の対象になる(45条、最新の改正状況をご確認ください)。さらに許可の取消し(29条)の理由にもなりうる。お願いの段階と命令の段階では、法的な重さがまったく違う
- 近隣住民は「動物が逃げて実害が出てから訴えるしかない」と考えがちだが、本条の要件は実害の発生ではなく「侵害の防止のため必要がある」ことである。被害が起きる前の段階で行政が動ける設計になっているのに、通報がないせいでその機能が眠ったままになっているケースが少なくない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 措置の性質 | 32条:飼養方法の改善等を命ずる措置命令(行政処分) | 29条:特定動物飼養の許可の取消し(行政処分) 33条:報告徴収・立入検査(調査の権限) |
| 発動の要件 | 31条の基準違反または許可条件違反+侵害防止の必要 | 条文所定の取消事由に該当すること(要件は原文で要確認) 法の施行に必要な限度 |
| 飼い主への影響 | 飼育は続けられるが、改善義務を負う。違反は罰則の対象 | 許可に基づく飼育の継続そのものができなくなる 検査を受け入れる義務。違反発見の端緒になる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では攻撃性のある愛玩動物の管理を動物保護法が、保育類野生動物の飼養を野生動物保育法が規律する。日本のような「特定動物」の一律許可制と改善命令の二段構えとは制度の組み立てが異なる
韓国は野生動物の飼育規制と猛犬管理を別の法律で規律している。近年の改正で規制が強化された
ドイツでは危険動物の飼養規制は主に州の権限で、州ごとに許可制・届出制の違いがある
米国は州ごとの規制の差が大きく、大型ネコ科動物については連邦法で個人の飼育を制限している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 隣の家でワニを飼っていると知ったのは、庭の柵越しに水槽が見えたときだった。その水槽のふたは、どう見ても針金で縛ってあるだけだ。子どもの通学路はその家の前を通っている。このとき、市の動物愛護センターに電話一本で何を伝えれば、行政は動かざるをえなくなるのか?
- あなたは許可を取ってアミメニシキヘビを飼っている。引っ越しの片付けで忙しく、ケージの二重施錠を一時的に外していた。そこへ定期の立入検査(33条)が入り、職員がその場で写真を撮った。数週間後、「改善命令書」という封筒が届く。これを無視すれば、次は刑事罰と許可取消しが同時に迫ってくる
- 許可の条件に「繁殖させないこと」と書かれていたのを忘れ、ペアで飼っていたトカゲが産卵した。悪意はない。それでも条件違反は本条の入口になる
- 移動動物園の業者として、イベント会場で毒ヘビの展示をしている。週末のイベントまであと三日なのに、県から「展示ケースの構造が基準に適合していない」として措置命令の予告と弁明の機会の通知が来た。弁明書の提出期限はイベント前日だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 危険を感じる飼育状況(施錠の不備、ケージの破損、逃走の目撃)を日付入りの写真や動画、メモで記録する2. 都道府県の動物愛護センターや保健所(政令市・中核市では市の担当部署)に、具体的な事実を書面で伝える3. 行政が動かない場合は、行政手続法36条の3の「処分等の求め」として、措置命令を出すよう正式に申し出る4. 実害が出た場合は、民法718条(動物の占有者等の責任)に基づき飼い主に損害賠償を請求する
訴えられた側:1. 指摘された基準違反や条件違反を特定し、すぐに是正して写真付きの改善報告を出す2. 措置命令は不利益処分なので、事前に弁明の機会が与えられる(行政手続法13条)。期限内に事実関係と改善状況を書面で出す3. 命令の内容に不服があれば、審査請求か取消訴訟を検討する4. 命令に従わないまま放置しない。違反すれば刑事罰と許可取消しの両方のリスクを負う
時効(請求できる期限):命令に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。弁明書の提出期限は通知書に記載された日付に従う。命令で定められた改善期限を過ぎると罰則の対象になりうる
学説
通説(行政法):本条の措置命令は不利益処分であり、事前に弁明の機会の付与(行政手続法13条)を要する。要件の「必要があると認めるとき」には知事の一定の裁量が認められるが、比例原則による統制を受ける
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)改正(周辺規定) 特定動物の愛玩目的での飼養の禁止や交雑種の規制対象化など、特定動物制度の周辺規定が整備され、本条の命令の前提となる規制の範囲が変わった。本条の文言自体がいつどのように改正されたかは要検証
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 改正:特定動物の飼養について、自治体ごとの条例による規制から全国一律の許可制へ移行し、飼い主への命令の仕組みが整えられた。当時の条番号や文言と現行32条との対応は要検証
- 2.令和元年(2019年) 改正:特定動物の愛玩目的での飼養の禁止や交雑種の規制対象化など、周辺規定が整備された。本条の文言の変更の有無は要検証
- 動物の愛護及び管理に関する法律 第26条特定動物の飼養保管の許可制
- 動物の愛護及び管理に関する法律 第27条許可基準と条件付与(2項)
- 動物の愛護及び管理に関する法律 第31条飼養保管方法の遵守義務、本条の前提
- 動物の愛護及び管理に関する法律 第33条報告徴収と立入検査、違反発見の端緒
- 動物の愛護及び管理に関する法律 第45条措置命令違反の罰則(現行効力を要確認)
- 行政手続法 第13条不利益処分前の弁明の機会の付与
- 行政手続法 第36条の3住民による処分等の求めの手続
- 民法 第718条動物占有者の損害賠償責任
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