要点特定商取引法 58 条の 16 は、訪問購入で物品を売却した者が、契約書面の受領日から 8 日以内であれば書面又は電磁的記録で契約を解除できると定める。第三者にも対抗できる。
Q · 家に来た業者に金や着物を売ってしまった。もうキャンセルはできないの?
契約書面を受け取った日から 8 日以内なら無条件で解除できます
特定商取引法 58 条の 16 により、訪問購入で物品を売却した申込者等は、58 条の 8 の契約書面を受領した日から起算して 8 日以内であれば、書面又は電磁的記録による通知で申込みの撤回又は契約解除ができます。通知は発した時に効力が生じるため(第 2 項)、8 日目の消印でも間に合います。購入業者は損害賠償・違約金を請求できず(第 4 項)、代金返還に要する費用と利息も業者負担です(第 5 項)。既に第三者へ転売されていても、その第三者が善意無過失でない限り、解除を対抗して取り戻しを主張できます(第 3 項)。
「金製品やご不要な着物はありませんか」と突然自宅に来た業者に、亡くなった親の指輪や古いネックレスを相場よりずっと安く買い取られてしまった。その場では押し切られて売ったが、あとで後悔している。この状況で、あなたには 8 日間の逆転カードがある。特定商取引法 58 条の 16、訪問購入のクーリング・オフだ。業者があなたの家に来て物品を買い取る取引では、契約書面を受け取った日から 8 日以内なら、書面か電磁的記録で一方的に契約を解除できる。理由は要らない。業者は損害賠償も違約金も一切請求できず(第 4 項)、返金にかかる費用と利息まで業者持ちだ(第 5 項)。さらに強力なのが第 3 項。あなたが売った品が既に第三者へ転売されていても、その第三者が善意無過失でない限り、解除をもって取り戻しを主張できる。金や宝石はすぐ溶かされる。だから引渡しを拒める権利(58 条の 15)と組み合わせて初めて、この 8 日間が本当の武器になる。
特定商取引法 58 条の 16 は、訪問購入における申込みの撤回等(クーリング・オフ)を定める規定であり、営業所等以外の場所で物品の売買契約の申込みをし又はこれを締結した申込者等が、書面又は電磁的記録により無条件で申込みの撤回又は契約の解除をできる旨を規定する。行使期間は書面受領日から起算して 8 日間であり、これに反する申込者等に不利な特約は無効となる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
購入業者が営業所等以外の場所、つまり自宅や職場などに出向いて消費者から物品を買い取る取引をいいます。売る側が消費者、買う側が業者という点が訪問販売と逆です。
8 日間です。58 条の 8 の契約書面(先に 58 条の 7 の申込書面を受領していればその書面)を受領した日から起算します。訪問販売と同じ 8 日ですが、起算点は書面受領日です。
契約日、業者名、買い取られた品物、代金額を記載し「売買契約を解除します」と明記します。書面又は電磁的記録が要件で、内容証明郵便+配達証明にすれば発信日の証拠が残ります。
できます。58 条の 15 により、クーリング・オフ期間中は物品の引渡しを拒めます。渡さなければ溶解や転売を防げるため、8 日間の解除権が実際に機能します。
原則できませんが、業者が解除に関し不実を告げたり威迫して妨害した場合(58 条の 10 違反)は期間が進行しません。正しい内容の再交付書面を受領した日から改めて 8 日間です。
買取行為自体は違法ではありませんが、売却を求めていない者への不招請勧誘(58 条の 6)や不実告知・威迫(58 条の 10)は禁止され、行政処分や罰則の対象になります。
自動車、書籍、有価証券、CD・DVD・ゲームソフト等は政令で適用除外とされています。除外品目は改正されることがあるため、最新の政令をご確認ください。
電磁的記録による通知も第 1 項で認められています。ただし到達や内容の証明が課題になるため、実務では内容証明郵便との併用が安全です。
嘘です。58 条の 16 のクーリング・オフに、代金授受や品物の引渡しが済んだかどうかは関係ありません。8 日以内なら書面一本で解除でき、返金費用と利息は業者負担(第 5 項)、品が転売済みでも第三者が善意無過失でなければ取り戻せます(第 3 項)。業界裏話ヒント:悪質業者は「引渡し済み=もう終わり」と思わせて 8 日をやり過ごそうとする。だが渡す前に引渡しを拒めた(58 条の 15)ことを知る消費者はほぼいない。渡す前に一言「期間中は渡しません」と言えるかどうかで、勝負は最初についている
いいえ、対象は「物品」全般で、貴金属に限りません。着物、ブランド品、書画骨董、時計、アクセサリーなど幅広く含み、自宅や職場など営業所以外の場所で業者に買い取られた取引が該当します(58 条の 4 の訪問購入の定義)。業界裏話ヒント:一部の物品(自動車、書籍、有価証券、CD・DVD・ゲームソフト等)は政令で適用除外されている。自分のケースが対象か迷ったら、まず除外品目に入っていないかを確認するのが実務の第一歩(最新の政令の除外品目をご確認ください)
解除権者は契約した本人(申込者等)ですが、本人の意思に基づき家族が代理・補助して手続を進めることは可能です。8 日という短さが最大の壁なので、気付いた瞬間に本人名義で通知を出すのが安全です。業界裏話ヒント:押し買い被害は高齢者に集中し、家族が気付くのは書面の日付が過ぎた頃が多い。だが不実告知・威迫があれば期間は進行していないので、諦める前に「どう説明されて売ったのか」を本人から聞き取ることが、期間延長(58 条の 16 第 1 項但書)の糸口になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 誰が誰に何をする取引か | 58 条の 16:業者が消費者から物品を買い取る(訪問購入) | — |
| 行使期間と起算点 | 契約書面(58 条の 8)受領日から 8 日間、妨害があれば再交付書面受領日から 8 日 | — |
| 第三者への効力 | 解除を第三者に対抗できる(第 3 項)。ただし第三者が善意無過失なら不可 | — |
| 業者側の負担 | 損害賠償・違約金の請求不可(第 4 項)、返金費用と利息も業者負担(第 5 項) | — |
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