要点特定商取引法 58 条の 2 は、業務提供誘引販売の勧誘で業者が不実告知をした場合、誤認して結んだ契約を取り消せると定める。期間は追認できる時から 1 年、契約から 5 年。
Q · クーリングオフの 20 日が過ぎたら、副業商法の契約はもう取り消せないの?
業者の嘘があれば、20 日を過ぎても取り消せます
特定商取引法 58 条の 2 は、業務提供誘引販売(いわゆる内職・副業商法)の勧誘で、業者が不実告知または故意の事実不告知をし、それによって誤認して契約したときは、申込みまたは承諾の意思表示を取り消せると定めます。クーリングオフ(58 条、20 日)とは別の制度で、行使期間は追認をすることができる時から 1 年、契約締結時から 5 年(9 条の 3 第 4 項の準用)。取り消せば代金の返還を請求でき、相手方が返すのは現に利益を受けている限度にとどまります。
「スマホで簡単、月 5 万円の副業」。その広告を信じて、あなたは教材やシステム利用権を数十万円で契約した。ところが約束された仕事は来ない、来ても報酬はスズメの涙。クーリングオフの 20 日はとっくに過ぎた。もう泣き寝入りしかないと思っているなら、それは違う。特定商取引に関する法律 58 条の 2 は、業者が勧誘の際に「必ず稼げる」と嘘をついた(不実告知)、あるいは「実はほとんど誰も稼げていない」という不利な事実をわざと隠した(故意の事実不告知)ことで、あなたが誤認して契約したのなら、その契約を取り消せると定めている。取り消せば代金は返ってくる。しかもあなたが返すのは「今、現に手元に残っている利益」だけでよい。クーリングオフが「理由を問わない 20 日限定の脱出口」なら、この取消権は「嘘さえ暴けば数年間有効な、もう一つの脱出口」だ。
特定商取引に関する法律 58 条の 2 は、業務提供誘引販売契約における誤認取消権を定める規定である。業務提供誘引販売業を行う者が勧誘に際し、52 条 1 項に違反して不実のことを告げ、または故意に事実を告げなかったことにより、相手方が誤認して申込みまたは承諾の意思表示をした場合に、その取消しを認める。効果および行使期間は 9 条の 3 第 2 項から第 5 項までを準用する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
仕事を提供して収入が得られると誘い、その仕事のために商品購入や登録料などの特定負担をさせる取引です。特定商取引法 51 条が定義し、内職商法・副業商法が典型例にあたります。
返金を求める道は二つあります。契約書面の受領から 20 日以内ならクーリングオフ(58 条)、期間経過後でも勧誘時に不実告知や故意の事実不告知があれば 58 条の 2 の取消しが使えます。
追認をすることができる時、つまり誤認に気付いた時から 1 年、契約締結時から 5 年です(58 条の 2 第 2 項が準用する 9 条の 3 第 4 項)。クーリングオフの 20 日とは別の時計で進みます。
取消しの意思表示は内容証明郵便で通知するのが確実です。いつ・どの内容を伝えたかが記録に残り、後の返金交渉や訴訟で意思表示の到達と時期を立証しやすくなります。
準用される 9 条の 3 第 2 項により、返還するのは現に利益を受けている限度です。使い切った教材や既に受けた役務の対価まで金銭で弁償する必要は原則ありません。
消費者ホットライン 188 は相談自体が無料です(通話料は別)。相談員によるあっせんで事業者との返金交渉が動くことも多く、取消しの通知と並行して使う価値があります。
内容証明が返送されても、発送記録は取消しの意思表示を試みた証拠として残ります。登記情報で本店所在地を確認しつつ、消費生活センターや弁護士に早めに相談してください。
概要書面は勧誘段階で、契約書面は契約締結時に交付が義務づけられる書面です(55 条)。契約書面の不交付や記載不備があると、クーリングオフの 20 日は進行しません。
無理とは限らない。クーリングオフ(58 条、20 日)が過ぎても、勧誘時に業者が嘘をついたり不利な事実を隠したりしていれば、58 条の 2 の取消権が別に使える。こちらは追認できる時から 1 年、契約から 5 年が期限だ。業界裏話ヒント:多くの被害者は 20 日を過ぎた時点で相談を諦めるが、弁護士や消費生活相談員は真っ先に「勧誘時に何と言われたか」を聞く。そこに嘘があれば、期間の壁は一気に崩れる
断定でなくても、客観的事実と食い違う説明や収益実態を隠した勧誘は、不実告知・故意の不告知(52 条)にあたりうる。「9 割が成功」と数字を出しながら実態が違えば典型例だ。業界裏話ヒント:業者側の営業マニュアルやセミナー動画が証拠の宝庫になる。相手が使った資料を保存・撮影しておくと、後で言った言わないの水掛け論を回避できる。契約前後の相手の発信をスクショで残すのが鉄則
そうはならない場合がある。個別クレジットで買った契約は、割賦販売法 35 条の 3 の 13 により、販売契約の取消しと連動してクレジット契約自体も取り消し、既に払った分の返還まで請求できる。業界裏話ヒント:クレジット会社は「販売店とは別会社だ」と主張しがちだが、特商法と割賦販売法の連動規定を持ち出すと態度が変わる。まず支払停止の抗弁(割賦販売法 30 条の 4)を通知して引き落としを止めるのが初動として効く
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|---|---|---|
| 使うための前提 | 58 条の 2:業者の不実告知・故意の事実不告知(52 条 1 項違反)と誤認が必要 | — |
| 行使できる期間 | 追認をすることができる時から 1 年、契約締結時から 5 年(9 条の 3 第 4 項の準用) | — |
| 返還の範囲 | 相手方の返還義務は現に利益を受けている限度(9 条の 3 第 2 項の準用) | — |
| 立証の重心 | 勧誘時の発言・資料と客観的実績のズレを示す証拠が要 | — |
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