債権者が第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において、その一部に不履行があるときは、第三十条第一項の規定にかかわらず、当該定期金債権のうち六月以内に確定期限が到来するものについても、前条第一項に規定する方法による強制執行を開始することができる。
要点民事執行法 167 条の 16 は、養育費等の定期金債権に一部不履行があるとき、6 か月以内に確定期限が到来する将来分についても間接強制を開始できると定める特例である。
Q · 養育費が一度滞ったら、まだ期限が来ていない将来分まで請求できるの?
はい、6 か月以内に期限が来る将来分まで間接強制できます
民事執行法 167 条の 16 により、養育費等の定期金債権に一部でも不履行があれば、第 30 条 1 項の「確定期限到来分しか執行できない」という原則の例外として、6 か月以内に確定期限が到来する将来分についても間接強制(167 条の 15)を開始できます。特に相手が自営業やフリーランスで給料の差押えが難しい場合に有効で、間接強制金という別ルートの圧力を将来分まで先回りしてかけられます。前提として債務名義(調停調書・審判・執行認諾文言付公正証書など)が必要です。
離婚して子どもを引き取った側が直面する現実がある。養育費の取り決めをしても、支払いはある月から突然止まる。日本の養育費受給率が2割台にとどまるのは、泣き寝入りが常態になっているからだ。167条の16は、その泣き寝入りを崩す一本だ。相手が一度でも滞納すれば、本来なら期限が到来した分しか執行できない(30条1項)ところ、まだ期限の来ていない先6か月分についても、間接強制(払わなければ制裁金が上乗せされる圧力をかける方法、167条の15)を開始できる。特に効くのは、相手が自営業やフリーランスで給料の差押えができない場合だ。差押える給料がなくても、間接強制金という別の圧力弁を、しかも将来分まで先回りして開けられる。あなたが毎月裁判所に通い直す必要はない。
民事執行法 167 条の 16 は、扶養義務等に係る確定期限の定めのある定期金債権について、その一部に不履行がある場合、6 か月以内に確定期限が到来する将来分に限り、間接強制の方法による強制執行の開始を認める特例規定である。確定期限の到来を執行開始要件とする第 30 条 1 項の例外を構成する。
払わない相手に「払わなければ 1 日いくら」の制裁金を課して心理的圧力をかける執行方法です。民事執行法 167 条の 15 が扶養義務等に導入し、167 条の 16 が将来 6 か月分への拡張を認めます。
養育費等の確定期限付き定期金債権に一部でも不履行が生じた時点です。全額まとまって滞るのを待つ必要はなく、一度の滞納が将来 6 か月分の間接強制の引き金になります。
給与所得者なら 151 条の 2 の直接差押えが将来分すべてを対象にでき有利です。自営業など差押える給料がない相手には 167 条の 16 の間接強制が有効で、両者は併用もできます。
裁判所が義務者の資力・不履行の態様・不払額などを考慮して 1 日あたりまたは 1 回あたりの額を定めます。支払能力があるのに払わない相手ほど高めに圧力をかけられる傾向があります。
個々の定期金は原則 5 年(民法 166 条 1 項 1 号)、確定判決や調停調書等で確定した分は 10 年(民法 169 条)です。放置すると古い分から順に時効消滅していきます。
申立手数料の収入印紙と郵便切手が中心で、金額は比較的低廉です。弁護士に依頼する場合は別途着手金等がかかりますが、回収見込みと相手の資力を見て判断します。
まず債務名義(調停調書・審判書・執行認諾文言付公正証書)の有無を確認します。なければ家庭裁判所の養育費請求調停か公正証書作成が先で、これがないと間接強制は使えません。
裁判所を通じて相手の勤務先や預貯金口座などの財産情報を取得できる手続です。2019 年の民事執行法改正で拡充され、差押え対象を特定して執行につなげやすくなりました。
諦める必要はありません。給料差押えが難しい相手にこそ間接強制が効きます。裁判所が『払わなければ1日いくら』の制裁金を命じ、167条の16で将来6か月分まで対象にできます。業界裏話ヒント:間接強制金は義務者の心理的圧力を狙うもので、支払能力があるのに払わない相手ほど効く。逆に本当に無資力だと制裁金も回収困難なので、まず相手の資力を見極める。2019年改正の第三者からの情報取得手続で、相手の勤務先や預貯金を裁判所経由で調べられるようになった(最新の運用をご確認ください)
できません。間接強制を含む強制執行には債務名義(調停調書・審判書・執行認諾文言付きの公正証書など)が必須です(民事執行法22条)。口約束や単なる念書では執行できません。業界裏話ヒント:離婚時に養育費を公正証書にしておくかどうかが、数年後に間接強制という武器を持てるかを分ける。作成費用は数万円だが、これを惜しんだ人が後で泣く。すでに口約束だけなら、今からでも家庭裁判所の養育費請求調停で債務名義を作れる
間接強制では将来6か月分までです(167条の16)。全部は取れません。ただし給料差押えなどの直接執行なら、151条の2で将来分すべてを対象にできます。業界裏話ヒント:この二つは併用できる。相手にサラリーマンとしての給料があれば151条の2で将来分を丸ごと差し押さえ、自営収入しかなければ167条の16の間接強制で将来6か月分ずつ圧力をかける。相手の収入形態を見て武器を使い分けるのが実務家の発想
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 執行の方法 | 167 条の 16:間接強制(制裁金の圧力)の将来分特例 | — |
| 将来分の射程 | 6 か月以内に確定期限が到来するものに限定 | — |
| 特に有効な相手 | 自営業・フリーランス等、差押える給料がない相手 | — |
| 開始の引き金 | 一部不履行(30 条 1 項の原則の例外) | — |
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