民事執行法 第167条の16(扶養義務等に係る定期金債権を請求する場合の特例)
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債権者が第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において、その一部に不履行があるときは、第三十条第一項の規定にかかわらず、当該定期金債権のうち六月以内に確定期限が到来するものについても、前条第一項に規定する方法による強制執行を開始することができる。
この条文の基本情報
扶養義務等に係る定期金債権を請求する場合の特例とは何ですか?
定義扶養義務等に係る定期金債権を請求する場合の特例とは、民事執行法第167条の16に定められた規定で、「債権者が第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において、その一部に不履行があるときは、第三十条第一項の規定にかか…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第167条の16(扶養義務等に係る定期金債権を請求する場合の特例)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第167条の16の条文原文は「債権者が第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において、その一部に不履行があるときは、第三十条第一項の規定にかか…」で始まります。
- 民事執行法第167条の16は第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第167条の16の前の条は民事執行法第167条の15です。
- 民事執行法第167条の16の次の条は民事執行法第167条の17です。
- 民事執行法第167条の16には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第167条の16 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第167条の16(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/167_16
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法167条の16は、養育費等の定期金債権に一部不履行があるとき、6か月以内に確定期限が到来する将来分についても間接強制を開始できると定める特例である。
Q · 養育費が一度滞ったら、まだ期限が来ていない将来分まで請求できるの?
はい、6か月以内に期限が来る将来分まで間接強制できます
民事執行法167条の16により、養育費等の定期金債権に一部でも不履行があれば、第30条1項の「確定期限到来分しか執行できない」という原則の例外として、6か月以内に確定期限が到来する将来分についても間接強制(167条の15)を開始できます。特に相手が自営業やフリーランスで給料の差押えが難しい場合に有効で、間接強制金という別ルートの圧力を将来分まで先回りしてかけられます。前提として債務名義(調停調書・審判・執行認諾文言付公正証書など)が必要です。
解説
離婚して子どもを引き取った側が直面する現実がある。養育費の取り決めをしても、支払いはある月から突然止まる。日本の養育費受給率が2割台にとどまるのは、泣き寝入りが常態になっているからだ。167条の16は、その泣き寝入りを崩す一本だ。相手が一度でも滞納すれば、本来なら期限が到来した分しか執行できない(30条1項)ところ、まだ期限の来ていない先6か月分についても、間接強制(払わなければ制裁金が上乗せされる圧力をかける方法、167条の15)を開始できる。特に効くのは、相手が自営業やフリーランスで給料の差押えができない場合だ。差押える給料がなくても、間接強制金という別の圧力弁を、しかも将来分まで先回りして開けられる。あなたが毎月裁判所に通い直す必要はない。
法的な位置づけ
民事執行法167条の16は、扶養義務等に係る確定期限の定めのある定期金債権について、その一部に不履行がある場合、6か月以内に確定期限が到来する将来分に限り、間接強制の方法による強制執行の開始を認める特例規定である。確定期限の到来を執行開始要件とする第30条1項の例外を構成する。
よくある質問 AI による整理
Q1養育費の間接強制とは何ですか?
払わない相手に「払わなければ1日いくら」の制裁金を課して心理的圧力をかける執行方法です。民事執行法167条の15が扶養義務等に導入し、167条の16が将来6か月分への拡張を認めます。
Q2民事執行法167条の16はいつ適用されますか?
養育費等の確定期限付き定期金債権に一部でも不履行が生じた時点です。全額まとまって滞るのを待つ必要はなく、一度の滞納が将来6か月分の間接強制の引き金になります。
Q3間接強制と給料差押えはどちらが有利ですか?
給与所得者なら151条の2の直接差押えが将来分すべてを対象にでき有利です。自営業など差押える給料がない相手には167条の16の間接強制が有効で、両者は併用もできます。
Q4間接強制金の金額はどう決まりますか?
裁判所が義務者の資力・不履行の態様・不払額などを考慮して1日あたりまたは1回あたりの額を定めます。支払能力があるのに払わない相手ほど高めに圧力をかけられる傾向があります。
Q5養育費請求権の時効は何年ですか?
個々の定期金は原則5年(民法166条1項1号)、確定判決や調停調書等で確定した分は10年(民法169条)です。放置すると古い分から順に時効消滅していきます。
Q6間接強制の申立てにかかる費用はどのくらいですか?
申立手数料の収入印紙と郵便切手が中心で、金額は比較的低廉です。弁護士に依頼する場合は別途着手金等がかかりますが、回収見込みと相手の資力を見て判断します。
Q7養育費が払われないとき最初にすべきことは何ですか?
まず債務名義(調停調書・審判書・執行認諾文言付公正証書)の有無を確認します。なければ家庭裁判所の養育費請求調停か公正証書作成が先で、これがないと間接強制は使えません。
Q8第三者からの情報取得手続とは何ですか?
裁判所を通じて相手の勤務先や預貯金口座などの財産情報を取得できる手続です。2019年の民事執行法改正で拡充され、差押え対象を特定して執行につなげやすくなりました。
この条文についての質問 AI による整理
Q1元夫が自営業で給料を差し押さえられません。養育費、諦めるしかないですか?
諦める必要はありません。給料差押えが難しい相手にこそ間接強制が効きます。裁判所が『払わなければ1日いくら』の制裁金を命じ、167条の16で将来6か月分まで対象にできます。実務のポイント:間接強制金は義務者の心理的圧力を狙うもので、支払能力があるのに払わない相手ほど効く。逆に本当に無資力だと制裁金も回収困難なので、まず相手の資力を見極める。2019年改正の第三者からの情報取得手続で、相手の勤務先や預貯金を裁判所経由で調べられるようになった(最新の運用をご確認ください)
Q2取り決めは口約束だけなんですが、間接強制はできますか?
できません。間接強制を含む強制執行には債務名義(調停調書・審判書・執行認諾文言付きの公正証書など)が必須です(民事執行法22条)。口約束や単なる念書では執行できません。実務のポイント:離婚時に養育費を公正証書にしておくかどうかが、数年後に間接強制という武器を持てるかを分ける。作成費用は数万円だが、これを惜しんだ人が後で泣く。すでに口約束だけなら、今からでも家庭裁判所の養育費請求調停で債務名義を作れる
Q3将来の分まで請求できるなら、残り全部の養育費を一気に取り立てられますか?
間接強制では将来6か月分までです(167条の16)。全部は取れません。ただし給料差押えなどの直接執行なら、151条の2で将来分すべてを対象にできます。実務のポイント:この二つは併用できる。相手にサラリーマンとしての給料があれば151条の2で将来分を丸ごと差し押さえ、自営収入しかなければ167条の16の間接強制で将来6か月分ずつ圧力をかける。相手の収入形態を見て武器を使い分けるのが実務家の発想
間違えやすい点 AI による整理
- 『養育費が払われないなら、毎月その分を請求し続けるしかない』と考えている人が多い。だが問いの立て方が間違っている。一度の不履行を起点に、将来分をまとめて執行対象にできる制度が用意されている。毎月請求という発想そのものが、制度を知らない人の思い込みだ
- 『間接強制は将来分すべてに使える』と思うと足をすくわれる。間接強制の将来分は6か月以内に期限が来るものに限られる(167条の16)。給料差押えなど直接執行なら151条の2で将来分すべてが対象になるが、間接強制は圧力が強い分、将来分が6か月に絞られている。どちらの武器を使うかで射程が変わる
- あなたから見れば『一度くらいの遅れ』でも、法律から見れば『一部不履行』という執行開始の引き金だ。この落差を知らない義務者は、軽い気持ちの一度の滞納が、将来6か月分の間接強制を呼び込むことに気づかない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 執行の方法 | 167条の16:間接強制(制裁金の圧力)の将来分特例 | 151条の2:直接強制(差押え)の将来分特例 167条の15:扶養義務等への間接強制の導入規定 |
| 将来分の射程 | 6か月以内に確定期限が到来するものに限定 | 将来の定期金債権すべてが対象 (間接強制を認める前提規定) |
| 特に有効な相手 | 自営業・フリーランス等、差押える給料がない相手 | 給与所得者(勤務先が判明している相手) 扶養義務等の債務名義を持つ債権者一般 |
| 開始の引き金 | 一部不履行(30条1項の原則の例外) | 一部不履行(30条1項の原則の例外) 債務名義に基づく執行の一般要件 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も扶養費(養育費)の将来分について、家事事件法で一括の給付命令を認め、履行しない相手に怠金(間接強制)を課す枠組みを持つ
韓国は養育費履行確保のための特別法を整備し、家事訴訟法の履行命令や制裁を組み合わせて回収を支援する。専門支援機関による運用面の後押しが手厚い
ドイツは将来の反復給付についてあらかじめ訴えを提起でき(§ 258)、扶養債権には差押えの優先枠(§ 850d)を認めるなど、扶養債権の実効的回収を制度的に優遇する
米国は所得源泉徴収命令(income withholding order)を中心に、州際でも UIFSA により養育費を強制的に回収する仕組みを持つ。不払いには法廷侮辱(contempt)による制裁もある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 元夫が自営業で、給料の差押えができない。養育費が3か月滞った。間接強制を申し立てれば、裁判所が『払わなければ1日いくらの制裁金』を命じ、しかも167条の16で先6か月分までまとめて対象にできる。相手は毎月の督促ではなく、放置するほど膨らむ制裁金の恐怖に直面する
- もし相手が『来月から払う』と口約束して、また滞ったら? もう一度ゼロから手続をやり直す必要はない。一部でも不履行があった時点で、将来6か月分まで一括で執行を開始できる。次に振込が止まった瞬間から動ける
- あなたが養育費を払う側で、事業の資金繰りが厳しく一度払い遅れた。相手はまだ期限の来ていない先6か月分まで間接強制の対象にできる。『今月分だけ』の問題では済まなくなる
- 友人が離婚調停で養育費を取り決めて安心していたが、相手が半年で支払いを止めた。あなたはこの条文を教えられる。調停調書や公正証書があれば、間接強制で将来6か月分まで先回りできる、と
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず債務名義を確認:調停調書・審判書・執行認諾文言付き公正証書があるか。なければ間接強制は使えないので、家庭裁判所の養育費請求調停か公正証書作成が先2. 一部でも不履行が生じた時点で、裁判所に間接強制を申し立てる。167条の16で将来6か月分まで対象にできる3. 相手が自営業で給料差押えが難しいほど間接強制は有効4. 将来分すべてを狙うなら、151条の2による給料等の直接差押えも並行して検討する
訴えられた側:1. 一度の滞納でも将来6か月分の間接強制を招くと理解し、資金繰りが厳しいなら滞納する前に減額(事情変更)の調停を申し立てる2. すでに間接強制を申し立てられたら、支払能力の実情を疎明し、制裁金額の相当性を争う3. 収入減など事情変更があれば養育費自体の減額を家庭裁判所に申し立て、執行の前提を崩す4. 感情的な支払拒否は制裁金を膨らませるだけ、早期の履行か協議が最も損失が小さい
時効(請求できる期限):間接強制の申立て自体に固有の期限はないが、対象にできる将来分は『6か月以内に確定期限が到来するもの』に限られる(167条の16)。前提として一部不履行が生じていることが要件。個々の養育費請求権の消滅時効は5年(民法166条1項1号)、確定判決・調停調書等で確定した分は10年(民法169条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条は扶養債権者の実効的救済のため将来分の間接強制を認めつつ、間接強制が制裁金による強い心理的圧力手段であることを踏まえ、射程を『6か月以内に確定期限が到来するもの』に限定したものと理解される。将来分すべてを対象とする直接強制(151条の2)との均衡を図る趣旨とされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)民事執行法改正 扶養義務等の履行確保強化のため新設。金銭債権では原則認められない間接強制を扶養義務等に導入した167条の15と合わせ、将来の定期金債権についても6か月以内に期限到来分の間接強制を開始できる特例を創設した(施行 平成17年(2005年)4月1日)
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:扶養義務等の履行確保強化を目的とする民事執行法改正で新設。金銭債権では原則認められない間接強制を扶養義務等に導入した167条の15と合わせ、将来の定期金債権について6か月以内に確定期限が到来する分の間接強制開始を認める特例を創設した(施行 平成17年(2005年)4月1日)。
- 民事執行法 第30条確定期限到来を執行開始要件とする原則規定
- 民事執行法 第151条の2直接強制における将来定期金債権執行の特例
- 民事執行法 第167条の15扶養義務等の金銭債権に間接強制を認める前条
- 民事執行法 第172条間接強制及び間接強制金の一般規定
- 民法 第766条離婚後の子の監護費用(養育費)の実体的根拠
- 民法 第877条親族間扶養義務の実体的発生根拠
- 家事事件手続法 第289条履行勧告による代替的な履行確保手段(現行効力を要確認)
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