要点民事執行法 172 条は、代替執行ができない作為・不作為債務について、履行しない債務者に一定額の金銭を債権者へ支払わせる間接強制を定める。その金銭は債権者に帰属する。
Q · 裁判に勝ったのに相手が面会交流や競業避止の約束を守りません。どう従わせればいいの?
民事執行法 172 条の間接強制で「従うまで1日いくら」と課金できます
民事執行法 172 条は、本人がやるかやらないかを選ぶしかない作為・不作為債務について、履行しない債務者に「遅れた期間に応じて」または「期限内にやらなければ直ちに」一定額の金銭を債権者へ支払うよう命じる間接強制を定めます。この金銭は国庫ではなくあなた(債権者)に入り、相手が居直るほど積み上がります。決定前には相手方の審尋(3項)があり、決定には執行抗告(5項、告知から1週間)が可能で、金銭を払っても本来の義務は消えません(4項)。
裁判で勝った。相手は「子どもに月2回会わせよ」「競業するな」と命じられた。それでも相手は平然と無視する。ここで多くの人が「判決なんて紙切れだったのか」と絶望する。だが民事執行法172条は、その紙切れに牙を持たせる条文だ。金銭で払える債務でも、物を渡せば済む債務でもなく、「本人がやる/やらないしかない」種類の義務(作為・不作為債務)。これを相手にやらせる最後の手段が間接強制である。裁判所は「履行しないなら遅れた期間に応じて、あるいは期限内にやらなければ直ちに、一定額の金銭を債権者に支払え」と命じる。ここで見落としてはならないのは、その金銭が国庫ではなく、あなた(債権者)の懐に入るという点だ。過料や罰金とは違う。相手が居直るほど、あなたに積み上がっていく。義務を強制する圧力が、そのままあなたへの補償になる仕組みなのだ。
間接強制とは、作為又は不作為を目的とする債務で代替執行ができないものについて、執行裁判所が債務者に対し、履行の遅延期間に応じ又は一定期間内に履行しないときは直ちに、一定額の金銭を債権者に支払うよう命じることで履行を確保する強制執行の方法をいう。民事執行法 172 条が規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
履行しない債務者に、遅延期間に応じ又は期限内に履行しなければ直ちに一定額の金銭を債権者へ支払うよう命じ、心理的圧力で履行を促す強制執行の方法です(民事執行法 172 条)。
法律上の定額はなく、執行裁判所が債務者の資力と心理的圧力を考慮して裁量で決めます。面会交流では1回あたり数万円が一つの目安ですが、申立て内容次第で増減します。
申立手数料(収入印紙)と予納郵券が必要です。金額は申立ての区分により異なるため、申立て先の執行裁判所の窓口や裁判所ウェブサイトで最新額を確認してください。
直接強制は国家が直接実現、代替執行は第三者に代わりにやらせ費用を債務者へ請求します(民執 171)。間接強制は本人にしかできない作為・不作為債務に金銭圧力をかける方法です(172)。
裁判の告知を受けた日から1週間の不変期間内です(民執 172 条 5 項、10 条 2 項)。この期間を過ぎると決定を争えなくなるため、決定書が届いたら直ちに検討が必要です。
原則として第一審裁判所が執行裁判所となります(民執 172 条 6 項が準用する 171 条 2 項)。手元の債務名義を作成した裁判所を基準に確認してください。
確定した間接強制決定に基づく金銭債権として、債権者は債務者の預金・給与などを差し押さえられます。放置すれば履行遅延が続く限り金額は日々積み上がります。
事情の変更があれば、申立てにより執行裁判所が決定を変更できます(民執 172 条 2 項)。債権者は増額を、債務者は失職・病気等を理由に減額を求められます。
民事の義務不履行に警察は動きません。従わせるには、あなた自身が裁判所に間接強制などの執行を申し立てる必要があります(172条)。しかも命じられた金銭は国ではなく債権者であるあなたに入ります。業界裏話ヒント:多くの人が『判決=強制力』と誤解していますが、執行を申し立てない限り相手の行動は1円分も変わりません。別途の申立費用と手間がかかる。弁護士が『勝訴後こそ本番』と言うのは、この執行段階を知っているからです
できます。ただし最高裁は、面会の日時・頻度・引渡し方法などが条項で特定されていることを条件にしています(最決平成25.3.28、172条)。「月2回程度」といった曖昧な取り決めだと却下されえます。業界裏話ヒント:勝負は執行の段階ではなく、調停条項を作る瞬間にあります。具体化を渋る相手にそこで妥協すると、後で間接強制が使えなくなる。1回あたり数万円が一つの目安ですが、これも申立て次第で動きます
いいえ。172条4項の通り、金銭は履行を確保するための圧力であって、払っても本来の義務は残ります。しかも実損が支払額を超えれば、その超過分を別途損害賠償として請求されます。業界裏話ヒント:債務者が『金で解決した』と居直ることがありますが、債権者側は事情変更を理由に金額の増額を求める変更申立て(2項)で圧力を上げられます。資力のある相手ほど、高額設定が効いてくる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる債務 | 172 条:代替執行できない作為・不作為債務(本人しかできない義務) | — |
| 強制の方法 | 金銭を債権者へ支払わせる心理的圧力(間接強制) | — |
| 金銭の帰属 | 債権者に帰属し、居直るほど積み上がる | — |
| 手続の共通枠 | 相手方の審尋必須(3項)+執行抗告(5項) | — |
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