民事執行法 第173条
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- 第百六十八条第一項、第百六十九条第一項、第百七十条第一項及び第百七十一条第一項に規定する強制執行は、それぞれ第百六十八条から第百七十一条までの規定により行うほか、債権者の申立てがあるときは、執行裁判所が前条第一項に規定する方法により行う。この場合においては、同条第二項から第五項までの規定を準用する。
- 2.前項の執行裁判所は、第三十三条第二項各号(第一号の二、第一号の三及び第四号を除く。)に掲げる債務名義の区分に応じ、それぞれ当該債務名義についての執行文付与の訴えの管轄裁判所とする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第173条は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第173条の条文原文は「第百六十八条第一項、第百六十九条第一項、第百七十条第一項及び第百七十一条第一項に規定する強制執行は、それぞれ第百六十八条から第百七十一条までの規定により行うほか…」で始まります。
- 民事執行法第173条は第二章 強制執行に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第173条の前の条は民事執行法第172条です。
- 民事執行法第173条の次の条は民事執行法第174条です。
- 民事執行法第173条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第173条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第173条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/173
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法173条は、明渡し・引渡し・代替執行の対象となる強制執行を、債権者の申立てにより間接強制の方法でも行えると定める。従わない一日ごとに間接強制金が課される。
Q · 勝訴して明渡しの判決を得たのに相手が出て行かない。執行官に頼む以外に方法はないの?
間接強制を選べる。居座る一日ごとに相手から金を取れる
民事執行法173条により、明渡し・引渡し・代替執行の対象となる強制執行は、債権者が申し立てれば間接強制の方法でも行えます。間接強制とは、相手が従わない一日ごとに一定額の金銭(間接強制金)を課し、その金は債権者に支払われる仕組みです。2003年の改正までは間接強制は補充的手段でしたが、現在は相手のタイプに応じて物理的執行と金銭的圧力のどちらで攻めるかを債権者が選べます。資力や収入のある相手ほど間接強制が刺さります。
解説
勝訴判決を手にした。だが相手はマンションを明け渡さない。弁護士に相談すると「執行官に断行を申し立てましょう、ただし執行官費用と運搬・保管費用はいったんあなたが立て替えます」と言われ、見積もりは数十万円。ここで多くの人は二度目の出費に肩を落とす。知っておくべきなのが民事執行法173条だ。この条文は、本来なら執行官が物理的に取り立てる明渡し・引渡し(168〜170条)や、他人に代わりにやらせる代替執行(171条)について、債権者が申し立てれば、代わりに間接強制の方法を選べると定める。間接強制とは、相手が従わない一日ごとに一定額の金銭(間接強制金)を課し、その金はあなたに支払われる仕組みだ。2003年の改正までは間接強制は最後の手段でしかなかった。今は、相手のタイプを見て、物理的執行と金銭的圧力のどちらで攻めるかをあなたが選べる。
法的な位置づけ
民事執行法173条は、間接強制の適用範囲を拡張する規定である。本来は執行官による直接強制(168〜170条)や代替執行(171条)で実現される引渡し・明渡し等の債務について、債権者の申立てにより執行裁判所が間接強制の方法で執行できるものとし、172条の規定を準用する。方法選択の主導権を債権者に与える点に特色がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.債務名義と対象債務を確認 判決・和解調書等の債務名義を確認し、対象が168〜171条の引渡し・明渡し・代替執行に当たるかを特定する。173条の間接強制が使える範囲かを見極める
- 2.相手の資力・収入源を調査 事業収入や給与など継続的な収入があれば間接強制が有効、無資力なら直接強制の方が確実。方法選択はほぼこの一点で決まるため、財産開示手続や第三者からの情報取得手続も活用する
- 3.執行裁判所に間接強制を申し立てる 173条2項の執行裁判所(対象債務名義の執行文付与の訴えの管轄裁判所)に、間接強制金の日額と起算点を明示して申し立てる
- 4.直接強制と比較し二段構えを取る 直接強制の費用見積もりと間接強制金の累積額を比較する。まず間接強制で圧力をかけ、それでも従わなければ直接強制へ移行する運用も可能
よくある質問 AI による整理
Q1間接強制とは何ですか?
相手が義務に従わない一日ごとに一定額の金銭(間接強制金)を課し、心理的・経済的に履行を促す執行方法です。民事執行法172条・173条が根拠です。
Q2間接強制金の相場はいくらですか?
法律に固定額の定めはなく、執行裁判所が債務の内容・債務者の資力・不履行による損害を考慮して決めます。明渡しでは日額数千円〜数万円の例が見られます。
Q3間接強制の申立ては誰にするの?
執行裁判所に申し立てます。173条2項により、対象の債務名義について執行文付与の訴えの管轄裁判所が執行裁判所となります。
Q4明渡しの強制執行の費用は誰が払う?
直接強制(断行)では執行官費用・運搬費・保管費を債権者がいったん立て替えます。最終的に債務者へ求償できますが、回収できない場合もあります。
Q5間接強制は明渡しにも使えますか?
使えます。173条により168条の不動産明渡しも間接強制の対象になりました。2003年改正前は直接強制が原則でした。
Q6間接強制の決定に不服がある場合は?
決定の告知を受けた日から1週間の不変期間内に執行抗告ができます(民事執行法10条2項)。債務名義自体を争うなら請求異議の訴え(35条)です。
Q7間接強制金を払えば明け渡さなくていい?
いいえ。間接強制金は履行を促す圧力であり、明渡し義務そのものは消えません。履行するまで金額は累積し続けます。
Q8知的財産の差止判決にも間接強制は使えますか?
使えます。侵害行為の停止という不作為・作為債務は代替執行や間接強制の対象になり、違反の一日ごとに金銭的圧力をかけられます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1間接強制金って、払われた分は自分がもらえるんですか?それとも国に取られる?
間接強制金は債権者であるあなたに支払われます(民事執行法172条・173条)。国庫に入る過料とは違います。ただし本来の債務(物件の明渡しそのもの)が果たされれば、そこで金額の累積は止まります。実務のポイント:間接強制金は履行を促す圧力であって損害賠償そのものではないため、別途、実際の損害賠償請求も並行できる場合がある。二重取りに見えて法的には別物として整理できることを、相手は意外と知らない
Q2相手にお金がなかったら、間接強制しても意味ないのでは?
そのとおりで、無資力の相手には金銭的圧力が効きにくく、その場合は執行官による直接強制の方が確実です。逆に事業収入や給与のある相手には間接強制が刺さります(民事執行法173条)。実務のポイント:弁護士は着手前に相手の資力・収入源を調べ、資力があれば間接強制、なければ直接強制と使い分ける。この見極めを飛ばして直接強制の高い費用を先に立て替えてしまうのが典型的な失敗パターン
Q3直接強制と間接強制、両方使えますか?
173条は債権者の選択を認めており、まず間接強制で圧力をかけ、それでも従わなければ直接強制へ移行する運用も可能です。順序や併用の細部は事案により、実務上の運用に幅があります(最新の運用をご確認ください)。実務のポイント:間接強制の決定を先に取っておくと、相手が「このままだと毎日金が増える」と理解し、断行の前に自主的に動くことが多い。決定を見せ札に使うのが実務の勘所
間違えやすい点 AI による整理
- 「明渡しや引渡しの執行は執行官が物理的にやる一択」と思われているが、173条により債権者は間接強制を選べる。方法選択の主導権は債権者の側にある
- 「どうやって相手を追い出すか」を問う前に、そもそも「相手に資力があるか」を問うべきだ。方法選択はほぼこの一点で決まる。資力を見ずに執行方法を選ぶ、その問いの立て方そのものが間違っている
- 間接強制が使えること自体は知っていても、間接強制金があなた自身に支払われること、そして本来の損害賠償と並行できる可能性まで知る人は少ない。「使える」と「どこまで取れるか」の間には大きな差がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 実現方法 | 173条 間接強制:日額の金銭で心理的・経済的に圧力 | 168条 直接強制:執行官が物理的に明け渡し 171条 代替執行:第三者が代わりに実施し費用を債務者負担 |
| 初期費用の立替え | 間接強制金は債務者→債権者、立替えは小さい | 執行官費用・運搬費・保管費を債権者が立替え 解体・実施費用を債権者が立替え |
| 有効な相手 | 資力・収入のある相手に刺さる | 無資力でも結果を物理的に実現できる 代替可能な作為債務に有効 |
| 対象債務 | 168〜171条の引渡し・明渡し・代替執行 | 不動産等の引渡し・明渡し 代替的作為債務 |
他国ではどう定めているか 5 か国
不可代替の作為債務につき怠金を課す間接強制を定める。金銭的圧力で履行を促す点で日本と同旨。
間接強制(간접강제)を規定し、不履行の一日ごとに金銭を課す点で日本の172・173条と類似する。
非代替的作為の強制に Zwangsgeld / Zwangshaft を用いる。間接強制の母法的存在で、日本が継受した源流の一つ。
裁判所が履行遅滞に対し日額の制裁金を科す制度。間接強制の起源の一つで、金銭が原則として債権者に帰属する点も日本と共通。
裁判所侮辱として coercive fine(強制的制裁金)を科し履行を強制する。制度枠組みは異なるが機能は間接強制に近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 滞納テナントが判決後も居座る。執行官の断行見積もりは執行官費用に運搬費と倉庫代を足して50万円超。だがテナントは店舗を営み日々売上がある。ここで間接強制に切り替え、退去まで日額2万円を課すと、テナントは費用のかかる強制退去を待たず自主退去を選んだ
- もし相手が引き渡すべき動産をどこかに隠していたら? 執行官が現地へ行っても物が無ければ直接強制は空振りに終わる。173条で間接強制に切り替えれば、隠している限り毎日金が積み上がり、相手は出さざるを得なくなる
- 建物収去土地明渡しの判決を得た。代替執行なら解体業者を手配して費用を立て替える。間接強制なら相手自身に壊させる圧力をかける。どちらが安く早いかを見比べる
- あなたが明渡しを命じられた側だとする。間接強制の決定が出れば、履行しない一日ごとに金が膨らむ。異議を申し立てられる期間は限られ、動かなければ数週間で数十万円の債務が本来の負担に上乗せされる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 債務名義(判決・和解調書等)を確認し、対象が168〜171条の引渡し・明渡し・代替執行かを特定2. 相手の資力・収入源を調査、事業収入や給与があれば間接強制が有効3. 執行裁判所(173条2項=執行文付与の訴えの管轄裁判所)に間接強制を申し立て、日額と起算点を明示4. 直接強制の費用見積もりと比較し、安く早い方を選ぶ、必要なら間接強制で圧力をかけてから直接強制へ移る二段構えも取れる
訴えられた側:1. 間接強制の決定が届いたら、まず履行が本当に不可能か検討、履行すれば累積は止まる2. 債務名義の効力や履行内容に争いがあれば請求異議の訴え(民事執行法35条)や執行抗告を検討、期間制限に注意3. 日額が過大なら、事情変更を理由に減額・取消しの申立てが可能な場合がある4. 放置は最悪手、動かない一日ごとに債務が膨らむ
時効(請求できる期限):間接強制自体に固有の時効はないが、前提となる債務名義に基づく請求権は消滅時効にかかる(確定判決で確定した権利は10年、民法169条)。間接強制の決定に対する執行抗告は、決定の告知を受けた日から1週間の不変期間内(民事執行法10条2項)
学説
通説:2003年改正により間接強制の補充性は緩和され、173条の対象債務については債権者が直接強制・代替執行と間接強制を選択できるとするのが一般的理解。ただし間接強制金の額や事情変更による減額で債務者への過度な圧迫を抑える均衡が保たれる。
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)担保・執行法制の改正 間接強制の補充性の原則を緩和し、本条により引渡し・明渡し・代替執行の対象債務についても、債権者の選択で間接強制を利用できるようにした
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 改正:担保・執行法制の改正により間接強制の補充性の原則を緩和。173条で引渡し・明渡し・代替執行の対象債務についても、債権者の選択で間接強制を利用できるようにした。
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