前章第二節第二款及び第百八十一条から第百八十四条までの規定は、船舶を目的とする担保権の実行としての競売について準用する。この場合において、第百十五条第三項中「執行力のある債務名義の正本を提示し、かつ、同項に規定する事由を疎明しなければ」とあるのは「同項に規定する事由を疎明し、かつ、担保権の登記(仮登記を除く。)がされている場合を除き、第百八十九条において準用する第百八十一条第一項(第一号を除く。)、第二項若しくは第三項の規定により提出すべき文書を提示し、又はこれらの規定により提出すべき電磁的記録を提出しなければ」と、第百八十一条第一項第二号ハ中「一般の先取特権」とあるのは「先取特権」と読み替えるものとする。
要点民事執行法189条は、船舶を目的とする担保権の実行としての競売に、船舶執行と担保権実行の規定を準用する。担保権の登記があれば申立時の提出書類が軽減される。
Q · 給料が未払いのまま船会社が行き詰まったら、その船を競売にかけられますか?
はい、船そのものを競売にかけて回収できます
民事執行法189条により、船舶を目的とする担保権(船舶抵当権や船舶先取特権)は、担保権の実行としての競売によって実現できます。勝訴判決などの債務名義は不要で、準用される181条に従い、担保権の登記に関する書類または担保権の存在を証明する文書等を提出すれば手続を開始できます。さらに準用される115条により、裁判所が船舶国籍証書等を取り上げ、船を出港させない措置を取ることも可能です。
外国航路の貨物船に半年乗り組んだのに給料が未払いのまま、船会社が資金繰りに行き詰まった。あなたに残された手は、泣き寝入りではない。その船そのものを競売にかけ、売却代金から給料を回収できる。民事執行法189条は、船を目的とする担保権(銀行がつける船舶抵当権や、船員給料・救助料に自動発生する船舶先取特権)を実行するための競売手続を定める。陸の不動産を抵当競売するのと同じ発想を、海に浮かぶ船に持ち込む条文だ。鍵は登記の有無にある。抵当権のように登記があれば提出書類が大幅に軽くなり、登記のない先取特権は、その存在を証明する文書を自分で用意しないと手続が始まらない。さらに船舶執行では、裁判所が船舶国籍証書を取り上げ、船を出港させない措置まで取れる。逃げる船を港に縛りつける、それがこの手続の隠れた威力だ。
民事執行法189条は、船舶を目的とする担保権の実行としての競売に関する準用規定である。船舶に対する強制執行の規定(前章第二節第二款)および担保権実行の開始要件等を定める181条から184条までを準用し、115条3項については、執行力のある債務名義の正本の提示に代えて、担保権の登記または担保権の存在を証明する文書等の提示を求める読替えを行う。
AI 輔助整理,以條文原文為準
船舶を目的とする担保権(船舶抵当権・船舶先取特権)を実行し、船を売却して代金から弁済を受ける手続です。民事執行法189条が準用の枠組みを定めています。
189条が準用する船舶執行の規定により、船舶の所在地を管轄する地方裁判所が執行裁判所となります。船が今どの港にいるかで申立先が変わります。
裁判所が船舶国籍証書等を取り上げ、船を法的に出港できなくする措置です。189条が準用する115条に基づき、担保の対象が海外へ消えるのを防ぎます。
登記された日本船舶については船舶登記の制度があり、抵当権も登記により公示されます。登記があると189条の競売申立時の提出書類が軽くなります。
受けられません。条文は「担保権の登記(仮登記を除く。)」と明記しており、仮登記のままでは担保権の存在を証明する文書等の提示が別途必要になります。
船舶国籍証書等が取り上げられると、事実上運航できなくなります。運航停止による損害が拡大するため、船主側は早期の弁済や手続の停止を検討する必要があります。
189条が準用する183条により、担保権の不存在を証明する文書の提出や弁済等により、競売手続の停止・取消しを求める道があります。
条文は提出すべき文書の提示に加え「電磁的記録を提出」する場合を明記しており、電子的な方法による提出が想定されています。実務運用は裁判所にご確認ください。
担保権の実行としての競売は、勝訴判決などの債務名義を必要としません。189条が準用する181条により、担保権の登記に関する書類や担保権の存在を証明する文書を提出すれば手続を始められます。業界裏話ヒント:だからこそ船舶抵当権は「登記」まで済ませておくことが決定的に効きます。登記があれば提出書類が軽くなり(読み替え後の115条3項)、いざというとき最短で船を押さえられる。契約時に登記を怠った担保は、実行局面で必ず足を引っ張ります
優先します。船員の雇用契約に基づく債権は船舶先取特権として、船舶抵当権に優先して弁済を受けられます(商法842条・847条、最新の改正状況をご確認ください)。189条の競売手続の中で、この優先順位に従って配当されます。業界裏話ヒント:船舶金融の与信では、抵当権の順位より上に見えない先取特権が常に割り込みうる。銀行が船への融資を陸の不動産より慎重に審査する本当の理由が、この優先順位にあります
日本国内に所在する船舶であれば、外国船籍でも担保権実行としての競売の対象になりえます。189条・181条以下の手続に従い、まず船が港にいる間に船舶国籍証書等を押さえること(準用115条)が要になります。業界裏話ヒント:外国船を相手にする場合、船はいつ出港するか分かりません。海事事件に強い弁護士は、船が入港した情報をつかんだ瞬間に動く。申立ての速さそのものが回収の可否を決めます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象財産 | 民執 189 条:船舶を目的とする担保権の実行としての競売 | — |
| 手続開始に必要なもの | 担保権の登記に関する書類または担保権の存在を証明する文書等(債務名義は不要) | — |
| 対象物を逃がさない手段 | 準用 115 条による船舶国籍証書等の取上げ(物理的に出港不能) | — |
| 優先順位で注意すべき点 | 船舶先取特権が船舶抵当権に優先しうる(商法の規定、現行効力を要確認) | — |
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