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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月9日読了 8 分8 分8 分

民事執行法 第190条(動産競売の要件)

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  1. 動産を目的とする担保権の実行としての競売(以下「動産競売」という。)は、次に掲げる場合に限り、開始する。
  2. 一債権者が執行官に対し当該動産を提出した場合
  3. 二債権者が執行官に対し当該動産の占有者が差押えを承諾することを証する文書を提出した場合
  4. 三債権者が執行官に対し次項の許可の決定書の謄本を提出し、かつ、第百九十二条において準用する第百二十三条第二項の規定による捜索に先立つて又はこれと同時に当該許可の決定が債務者に送達された場合
  5. 2.執行裁判所は、担保権の存在を証する文書を提出した債権者の申立てがあつたときは、当該担保権についての動産競売の開始を許可することができる。ただし、当該動産が第百二十三条第二項に規定する場所又は容器にない場合は、この限りでない。
  6. 3.前項の許可の決定は、債務者に送達しなければならない。
  7. 4.第二項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

この条文の基本情報

動産競売の要件とは何ですか?

定義動産競売の要件とは、民事執行法第190条に定められた規定で、「動産を目的とする担保権の実行としての競売(以下「動産競売」という。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事執行法第190条(動産競売の要件)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
  2. 民事執行法第190条の条文原文は「動産を目的とする担保権の実行としての競売(以下「動産競売」という。」で始まります。
  3. 民事執行法第190条は第三章に置かれています。
  4. 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
  5. 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事執行法第190条の前の条は民事執行法第189条です。
  7. 民事執行法第190条の次の条は民事執行法第191条です。
  8. 民事執行法第190条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第190条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004
  • 本サイト収録民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第190条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/190

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事執行法190条は、動産競売が開始できるのは、動産の提出、占有者の承諾文書の提出、執行裁判所の開始許可の決定書の謄本提出の三つの場合に限られると定める。

Q · 代金を払わない取引先の倉庫にある「自分が売った商品」を、相手の同意なしに差し押さえられますか?

同意がなくても、裁判所の開始許可があれば差し押さえられます

民事執行法190条1項は、動産競売が開始する場合を三つに限定します。動産を執行官に提出した場合、占有者が差押えを承諾する文書を提出した場合、そして2項の開始許可の決定書の謄本を提出し、その決定が債務者に送達された場合です。2003年改正で新設された第三の許可ルートにより、動産売買の先取特権者などは、担保権の存在を証する文書(契約書・納品書・請求書等)を執行裁判所に提出して開始許可を得れば、相手の同意がなくても執行官による捜索・差押えを実現できます。

解説

商品を掛けで納品した直後、代金が入る前に取引先が倒れた。倉庫にはあなたが売った商品がそのまま積まれている。多くの経営者はここで「一般債権者として破産配当の数パーセントを待つしかない」と諦める。だが民法321条はあなたに動産売買の先取特権という担保権を与えており、民事執行法190条はそれを換金する三つの入口を定める。かつては、その動産を執行官に提出する、占有者が差押えを承諾する文書を出す、この二つしか道がなく、商品を相手に握られた売主は事実上詰んでいた。そこで2003年改正が第三の道を開いた。担保権の存在を証する文書(契約書、納品書、請求書)を執行裁判所に出して開始許可の決定をもらえば、執行官が相手の倉庫を捜索して差し押さえられる。あなたが握るべきは、この許可決定という鍵の存在そのものだ。

法的な位置づけ

民事執行法190条は、動産を目的とする担保権の実行としての競売(動産競売)の開始要件を定める規定である。開始が認められるのは、債権者が執行官に当該動産を提出した場合、占有者が差押えを承諾することを証する文書を提出した場合、および執行裁判所の開始許可の決定書の謄本を提出し当該決定が債務者に送達された場合の三類型に限られる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.目的動産が原形のまま相手の占有下にあるか確認 売った動産が転売・加工されていないか、相手の営業所や倉庫(民事執行法123条2項の場所)にあるかを最優先で確認する。第三取得者に引き渡されていれば先取特権は消滅する(民法333条)ため、この確認が成否を決める
  2. 2.担保権の存在を証する文書を揃える 売買契約書、注文書、注文請書、納品書、受領書、請求書を時系列で束ね、「その動産を売り、代金が未払いである」ことが書面だけで読み取れる状態にする。債務名義は不要だが、書面審査に耐える構成が必要
  3. 3.執行裁判所に動産競売開始許可を申し立てる 民事執行法190条2項に基づき、担保権の存在を証する文書を提出して開始許可を申し立てる。対象動産の所在場所を特定して記載し、123条2項の場所または容器にあることを明らかにする
  4. 4.許可決定書の謄本を執行官に提出し、送達を確認 許可決定が出たら決定書の謄本を執行官に提出する。190条1項3号により、192条で準用する123条2項の捜索に先立って、または同時に許可決定が債務者へ送達されていなければ競売は開始しない
  5. 5.執行官の捜索・差押えに立ち会い、換価まで進める 執行官が債務者の営業所等を捜索して差し押さえる。以後は192条により動産執行の規定が準用され、売却・配当へ進む。破産や民事再生が並行する場合は、別除権としての手続外行使や別除権協定の可否を弁護士と検討する

よくある質問 AI による整理

Q1動産競売とは何ですか?

動産を目的とする担保権を実行して換価する手続です。民事執行法190条が開始要件を定め、動産の提出・占有者の承諾文書・裁判所の開始許可の三つの入口があります。

Q2動産売買の先取特権とは?

売った動産の代金債権について、その動産から優先弁済を受けられる法定担保権です。民法321条が根拠で、実行手続は民事執行法190条によります。契約書がなくても法律上当然に発生します。

Q3動産競売の開始許可はどうやって取るのですか?

担保権の存在を証する文書を添えて執行裁判所に申し立てます(190条2項)。許可決定が出たら決定書の謄本を執行官に提出し、捜索に先立つか同時に決定が債務者へ送達される必要があります。

Q4担保権の存在を証する文書とは何ですか?

売買契約書、注文書、納品書、請求書など、その動産を売って代金債権が残っている事実を示す書面です。判決のような債務名義までは不要で、書面審査で足りる点が特徴です。

Q5取引先の倉庫にある商品を差し押さえできますか?

できる場合があります。ただし190条2項但書により、対象動産が123条2項の場所(債務者の住居・営業所等)または容器にないときは許可できません。第三者の倉庫に移されると届かないことがあります。

Q6動産競売の開始許可に不服があるときは?

執行抗告ができます(190条4項)。期間は決定の告知を受けた日から1週間の不変期間です(民事執行法10条2項)。決定書を受け取ったらすぐ動く必要があります。

Q7先取特権はいつ消滅しますか?

目的動産が第三取得者に引き渡されると追及できなくなります(民法333条)。転売や加工で別物になった時点で武器が消えるため、モノが相手の手元に原形で残っているかが分岐点です。

Q8破産手続が始まったら動産競売はできませんか?

先取特権は別除権(破産法65条)にあたり、破産手続の外で行使できます。一般債権者として配当を待つ立場とは異なり、190条による換価を選べます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1取引先が倒産しそうです。売った商品を引き揚げたいのですが、勝手に持って行っていいですか?

自力で持ち去れば窃盗や自力救済禁止に触れます。正規のルートは民事執行法190条2項の開始許可を取り、執行官に差し押さえてもらうこと。承諾がなくても許可で進められます。実務のポイント:現場では「動産売買先取特権に基づく引揚げ合意書」を相手と交わして任意に引き取る実務が広く使われる。ただし破産直前だと否認リスク(破産法160条以下)があるので、タイミングと書面の作り方で明暗が分かれる

Q2許可の決定が出れば、必ず商品を差し押さえられますか?

確実ではありません。190条2項但書で、対象動産が123条2項の場所(債務者の住居・営業所等)または容器にない場合は許可できません。相手が第三者の倉庫に移すと届かないことがある。実務のポイント:だからこそ申立ては『モノがどこにあるか』を押さえた段階で一気に出す。実務では取引実態から所在を特定してから許可申立てに踏み切るのが定石

Q3破産手続が始まったら、もう先取特権は使えないんですよね?

逆です。動産売買先取特権は破産法上の別除権(破産法2条9項、65条)にあたり、破産手続の外で190条により行使できます。配当を待つ一般債権者とは立場が違う。実務のポイント:管財人は別除権者に『別除権協定』で受戻し(一定額の支払いと引換えに担保解除)を提案してくることが多い。競売より高く早く回収できる場合があるので、いきなり競売せず協定交渉のカードも握っておく

間違えやすい点 AI による整理

  • 「代金を払ってもらえないなら、とにかく破産手続で並ぶしかない」と思われがちだが、動産売買の先取特権を持つ売主は別除権者(破産法65条)として、破産手続の外で190条により商品を換価できる。並ぶ列そのものが違う
  • 「相手が差押えに同意してくれるか」を気にする人が多いが、問いの立て方が古い。2003年改正後は、相手の同意は三つある入口の一つにすぎない。同意ゼロでも、担保権を証する文書で裁判所の開始許可を取れば差押えは始まる
  • 先取特権があることは知っていても、その賞味期限を軽く見ている人が多い。目的物が第三者に引き渡されれば先取特権は消える(民法333条)。相手が商品を転売・加工した瞬間、あなたの武器は消滅する。存在ではなく、失う速さこそが問題だ
比較の観点この条文ほかの条文
対象と手続の性質民執190条:動産を目的とする担保権の実行(動産競売)の開始要件民執181条:不動産担保権の実行開始のための文書提出主義
民執193条:担保権に基づく物上代位(債権の差押え)
開始に必要なもの動産の提出/占有者の承諾文書/開始許可決定書の謄本+債務者への送達担保権の登記に関する登記事項証明書等の法定文書
担保権の存在を証する文書+差押命令の申立て
相手の同意の要否2003年改正で新設された許可ルート(1項3号・2項)により同意不要不要(登記により担保権の存在が公示されている)
不要(目的債権の第三債務者に差押命令が送達される)
使えなくなる典型場面動産が123条2項の場所・容器にない、第三取得者へ引渡し済み(民法333条)登記がない、または既に抹消されている
目的債権が譲渡され対抗要件を備えられた後

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
強制執行法第45条以下・動產擔保交易法第17条

台湾民法には動産売買先取特権の制度がなく、動産担保は登記型の動産抵押(動産担保取引法)が中心。担保権者は目的物を取り戻したうえで拍売する構造で、日本の190条2項のような裁判所の開始許可を介した捜索・差押えとは設計思想が異なる

韓国
민사집행법 제271조

韓国も「目的物の提出」または「占有者の差押承諾」を開始要件とし、日本の2003年改正前の構造に近い。担保権を証する文書による裁判所の開始許可という第三のルートは置かれていない

ドイツ
BGB § 1228, § 1233・ZPO § 808 ff.

ドイツは占有質を原則とし、質権者は自ら私的競売(Pfandverkauf)で換価できるため、裁判所の開始許可という関門を要しない。非占有担保は所有権留保・譲渡担保で処理され、実行も私的実行が中心

アメリカ
UCC Article 9 §§ 9-609, 9-610

米国は担保権者が平穏を害しない限り自力で担保物を回収(self-help repossession)でき、商業的に合理的な方法で処分できる。裁判所の許可を経る日本と比べ、実行の入口が大幅に低い

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 納品先が民事再生を申し立てたと連絡が来た。あなたが先週納めた原材料はまだ相手の工場にある。この商品が第三者に転売されたり他の材料と混ざって加工されれば、先取特権は追及できなくなる(民法333条)。動けるのはモノがモノのまま相手の手元にある今だけだとしたら、あなたは何時間以内に動く?
  • あなたが機械部品の卸で、得意先の支払いが二か月滞っている。督促しても「もう少し待って」の一点張り。ここで担保権の存在を証する文書を揃えて開始許可を申し立てれば、執行官が相手の倉庫に踏み込む。相手が任意の承諾を絶対にしない場面でこそ、190条2項の許可ルートが効く
  • あなたが仕入れ側で、資金繰りに詰まって代金を止めている。ある朝、執行官が許可決定書を持って倉庫に現れる。承諾していないのに差押えが始まるのは、この許可制度のせいだ
  • リースや動産担保融資で相手の商品在庫に質権や譲渡担保を取っていたが、相手が弁済を止めた。相手が商品を引き渡さず承諾もしないなら、190条の提出ルートも承諾ルートも使えない。担保権を証する文書で許可を取りにいく判断が分かれ目になる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 目的物の特定と現存確認:あなたが売った動産が相手の占有下に元のまま残っているか(民法333条、転売・加工で消滅)を最優先で確認2. 担保権を証する文書を集める:売買契約書、注文書、納品書、請求書で「その物を売った」事実を紙で固める3. 執行裁判所に190条2項の開始許可を申し立て、許可決定書の謄本を執行官に提出4. 相手への送達と執行官の捜索・差押えを転売される前に間に合わせる。破産・民事再生が絡むなら別除権として手続外行使できるかを弁護士と確認

訴えられた側:1. 執行官が許可決定書を持って現れたら、まず被担保債権が実在し弁済期にあるか、対象動産が本当にその売買の目的物かを確認2. 先取特権が既に消滅していないか主張:第三者に引き渡し済み、または加工で別物になっていれば追及不可(民法333条) 3. 二重弁済や既払いがあれば証拠を提示4. 開始許可の決定に不服なら執行抗告(190条4項)で争う。期間が短いので決定書受領後ただちに動く

時効(請求できる期限):開始許可の決定に対する執行抗告は、決定の告知を受けた日から1週間の不変期間内(民事執行法10条2項)。実体面では、目的物が第三取得者に引き渡されると先取特権自体が消滅する(民法333条)ため、法定の時効より『引渡し前』という事実上の期限が先に来る

学説

通説:190条1項1号・2号は債権者が目的物を事実上支配しているか、占有者の協力が得られる場面を前提とするため、占有を伴わない動産売買先取特権者には機能不全であった。3号・2項の許可制度はこの空白を埋める立法的手当てと理解されている

手続保障論:同意なき差押えを認める代償として、本条は書面審査による裁判所の関与、債務者への決定の送達(3項)、執行抗告(4項)という三重の防御装置を置く。実体判断は事後の執行異議・請求異議に委ねる構造が採られている

実務的理解:2項但書により対象動産が123条2項の場所・容器にあることが要件となるため、申立て前の所在特定が成否を分ける。実務では取引実態から搬入先を絞り込み、転売・加工の前に一気に申立てるのが定石とされる

改正沿革 AI による整理

  • 平成15年(2003年)担保・執行法制改正 従来は動産の提出(1項1号)と占有者の承諾文書(同2号)のみが動産競売の開始要件だったところ、担保権の存在を証する文書に基づく執行裁判所の開始許可制度(1項3号・2項から4項)を新設。占有を持たない動産売買先取特権者等が、相手の同意なしに担保権を実行できる道を開いた

改正の年表

  1. 1.昭和54年(1979年) 新設:民事執行法制定により、旧競売法と旧民事訴訟法の強制執行編を統合。担保権実行としての動産競売の開始要件を190条に置き、動産の提出と占有者の承諾文書の二類型を定めた
  2. 2.平成15年(2003年) 改正:担保・執行法制の改正により、担保権の存在を証する文書に基づく執行裁判所の開始許可制度(1項3号・2項から4項)を新設。占有を持たない動産売買先取特権者等が、相手方の同意なしに担保権を実行できる第三の入口を開いた

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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