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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月9日読了 7 分7 分7 分

民事執行法 第115条(船舶執行の申立て前の船舶国籍証書等の引渡命令)

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  1. 船舶執行の申立て前に船舶国籍証書等を取り上げなければ船舶執行が著しく困難となるおそれがあるときは、その船舶の船籍の所在地(船籍のない船舶にあつては、最高裁判所の指定する地)を管轄する地方裁判所は、申立てにより、債務者に対し、船舶国籍証書等を執行官に引き渡すべき旨を命ずることができる。急迫の事情があるときは、船舶の所在地を管轄する地方裁判所も、この命令を発することができる。
  2. 2.前項の規定による裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。
  3. 3.第一項の申立てをするには、執行力のある債務名義の正本を提示し、かつ、同項に規定する事由を疎明しなければならない。
  4. 4.執行官は、船舶国籍証書等の引渡しを受けた日から五日以内に債権者が船舶執行の申立てをしたことを証する文書を提出しないときは、その船舶国籍証書等を債務者に返還しなければならない。
  5. 5.第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
  6. 6.前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
  7. 7.第五十五条第八項から第十項までの規定は、第一項の規定による決定について準用する。

この条文の基本情報

船舶執行の申立て前の船舶国籍証書等の引渡命令とは何ですか?

定義船舶執行の申立て前の船舶国籍証書等の引渡命令とは、民事執行法第115条に定められた規定で、「船舶執行の申立て前に船舶国籍証書等を取り上げなければ船舶執行が著しく困難となるおそれがあるときは、その船舶の船籍の所在地(船籍のない船舶にあつては、最高裁判所の…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事執行法第115条(船舶執行の申立て前の船舶国籍証書等の引渡命令)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
  2. 民事執行法第115条の条文原文は「船舶執行の申立て前に船舶国籍証書等を取り上げなければ船舶執行が著しく困難となるおそれがあるときは、その船舶の船籍の所在地(船籍のない船舶にあつては、最高裁判所の…」で始まります。
  3. 民事執行法第115条は第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行に置かれています。
  4. 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
  5. 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事執行法第115条の前の条は民事執行法第114条です。
  7. 民事執行法第115条の次の条は民事執行法第116条です。
  8. 民事執行法第115条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第115条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004
  • 本サイト収録民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第115条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/115

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事執行法115条は、船舶執行の申立て前でも裁判所が船舶国籍証書等の引渡しを命じられると定める。引渡しから五日以内に本執行を申し立てないと証書は返還される。

Q · 船で商売する相手にお金を貸したのですが、船が出港する前に押さえられますか?

船舶執行の申立て前でも国籍証書を押さえ出港を止められます

はい。民事執行法115条により、船舶執行の正式な申立て前でも、裁判所に船舶国籍証書等の引渡命令を申し立てられます。日本船籍の船は国籍証書がないと適法に航行できないため、証書を執行官へ引き渡させることで船を港に固定できます。口頭弁論を経ず、債務者に気付かれる前に発令できるのが特徴です。ただし引渡しから五日以内に船舶執行の本申立てをしないと、証書は債務者へ返還されます(4項)。即時抗告はできますが執行停止の効力はありません(6項)。

解説

債務者は総トン数五百トンの貨物船を一隻持っている。だが判決を取って差押えの手続を始めようとした矢先、その船は次の航海で外国の港へ出てしまう。港を出た船は、事実上あなたの手の届かない場所へ消える。ここで効くのが民事執行法115条だ。船舶執行の正式な申立てをする前でも、裁判所に申し立てれば、債務者に対し「船舶国籍証書等を執行官に引き渡せ」と命じてもらえる。日本船籍の船は、この国籍証書がなければ適法に航行できない。つまり紙一枚を押さえるだけで、その船は港に釘付けになる。しかも口頭弁論を経ずに、債務者に知られる前に発令できる。ただし引渡しから五日以内に本執行の申立てをしないと、証書は債務者へ返される。この五日の導火線を知っているかどうかで、回収できるかどうかが分かれる。

法的な位置づけ

民事執行法115条は船舶国籍証書等引渡命令を定める規定であり、船舶執行の申立て前でも、取り上げなければ執行が著しく困難となるおそれがあるとき、裁判所が債務者に対し船舶国籍証書等を執行官へ引き渡すよう命じられる旨を規定する。国籍証書を欠く日本船籍船は適法航行ができず、船を港に固定する保全的機能を果たす。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.対象船の停泊港と船籍所在地を確認する 回収対象の船が現在どの港に停泊しているか、船籍がどこかを確認する。原則は船籍所在地の地方裁判所だが、急迫の事情があれば船が現にいる港の地方裁判所でも申し立てられる(1項)。出港予定時刻から逆算して動く
  2. 2.債務名義正本と疎明資料を揃える 執行力のある債務名義の正本を用意し、「国籍証書を取り上げなければ船舶執行が著しく困難になるおそれ」を裏づける資料(出港予定・過去の航行履歴など)を疎明として準備する(3項)
  3. 3.口頭弁論を経ずに引渡命令を申し立てる 管轄地方裁判所に船舶国籍証書等引渡命令を申し立てる。口頭弁論なしで発令されるため(2項)、債務者に察知される前にスピード勝負で進める
  4. 4.引渡し後、五日以内に本執行を申し立てる 執行官が国籍証書等の引渡しを受けたら、その日から五日以内に船舶執行の本申立てを行い、その証明文書を執行官へ提出する。怠ると証書は債務者へ返還される(4項)

よくある質問 AI による整理

Q1船舶国籍証書等引渡命令とは何ですか?

船舶執行の申立て前に、債務者へ船舶国籍証書等を執行官へ引き渡すよう命じる保全的手続です。国籍証書を欠く日本船籍船は航行できず、船を港に固定できます(民執115条)。

Q2船舶国籍証書引渡命令 五日 とはどういう意味ですか?

執行官が国籍証書等の引渡しを受けた日から五日以内に、債権者が船舶執行を申し立てた証明文書を出さないと、証書は債務者へ返還されます(民執115条4項)。

Q3船舶国籍証書引渡命令に口頭弁論は必要ですか?

不要です。民執115条2項により口頭弁論を経ずに発令できます。債務者に知られる前にスピードで押さえるのが実務の要点です。

Q4船舶国籍証書引渡命令はどこの裁判所に申し立てますか?

原則は船籍所在地を管轄する地方裁判所です。急迫の事情があるときは、船が現にいる船舶所在地の地方裁判所でも発令できます(民執115条1項)。

Q5小型船やボートでも国籍証書引渡命令は使えますか?

使えません。船舶執行は原則として総トン数二十トン以上の船舶が対象で、それ未満は動産執行になります(民執112条)。

Q6船舶国籍証書引渡命令の即時抗告に執行停止効はありますか?

ありません。決定に対し即時抗告はできますが(5項)、その抗告に執行停止の効力はなく(6項)、抗告中も船は港にとどまります。

Q7船舶国籍証書引渡命令の申立てに必要な書類は何ですか?

執行力のある債務名義の正本の提示と、取り上げないと執行が著しく困難になる事由の疎明が必要です(民執115条3項)。

Q8船が営業上どうしても航行しないと困る場合はどうなりますか?

本執行段階で航行の許可を申し立てる道があります(民執116条)。営業継続の必要と債権保全の均衡を裁判所が判断します。

この条文についての質問 AI による整理

Q1船を差し押さえたいんですが、いきなり港の船を押さえられるんですか?

はい。正式な船舶執行の申立て前でも、115条により裁判所に国籍証書等の引渡命令を申し立てられます。日本船籍の船は国籍証書がないと適法航行できないため、これで港に固定できます。ただし引渡しから五日以内に本執行を申し立てないと返還されます(4項)。実務のポイント:この命令は口頭弁論を経ずに、債務者に知られる前に出せるのが肝。通知が届いてからでは船が出港してしまう。だから申立ては密かに、かつ船が停泊している間に一気に進めるのが実務の鉄則

Q2総トン数が小さいボートでも、この手続でいけますか?

いいえ。船舶執行の対象は原則として総トン数二十トン以上の船舶に限られ、それ未満の小型船舶は動産執行の対象になります(民事執行法112条)。手続の枠組みが根本的に変わり、国籍証書引渡命令は使えません。実務のポイント:二十トンという境界を知らずに「船だから船舶執行」と申し立てると、対象外で却下される。小型船・プレジャーボートは動産扱い。まず対象船かどうかの確認が出発点(最新の対象範囲は要確認)

Q3船の国籍証書を取り上げたのに、相手が抗告してきました。船は動いてしまいますか?

動きません。即時抗告はできますが(5項)、その抗告に執行停止の効力はありません(6項)。抗告審の結論が出るまで、船は国籍証書を欠いた状態のまま港にとどまります。実務のポイント:債務者側が「抗告したから執行は止まる」と誤解して船を動かそうとすると、無国籍証書での航行になりかねない。債権者側は抗告されても慌てず、五日以内の本執行申立てという本丸の期限だけを死守すればよい

間違えやすい点 AI による整理

  • 「船を差し押さえるには、まず船舶執行を申し立てて競売手続を始めないといけない」と思われがちだが、115条は逆。正式な申立ての前に、先に国籍証書だけを押さえておける。順序が普通の執行と逆転している
  • 国籍証書を押さえれば安心、と思うと足元をすくわれる。押さえた後、五日以内に本執行を申し立てなければ証書は債務者に返還される(4項)。制度の入口だけ知っていて出口(五日の期限)を知らないと、せっかくの一手が無に帰す
  • 「抗告されたら執行は止まるはず」という前提そのものが誤り。即時抗告はできるが執行停止の効力はない(6項)。債務者から見れば争える手段に見えて、実際には船を止める効力は抗告中も続く
比較の観点この条文ほかの条文
位置づけ・タイミング民執115条:船舶執行の申立て前の保全的な国籍証書引渡命令民執114条:開始決定と同時の国籍証書等の取上げ・提出命令
民執116条:本執行段階での営業上の航行許可
口頭弁論経ずに発令可(2項)船舶執行開始決定の手続による
利害関係人の審尋等を経て判断
期限・帰趨引渡しから五日以内に本執行を申し立てないと返還(4項)船舶執行手続の進行に従う
許可が出れば一時的に航行可能

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
強制執行法 第114條以下

台湾も船舶に対する強制執行を不動産執行に準じて規律し、船舶国籍証書等の収取により船の航行を止める仕組みを持つ

韓国
민사집행법 제174조 이하

韓国も船舶執行を独立の類型として規定し、国籍証書等の押収により船を港に留める点で日本と類似

ドイツ
ZPO § 931(Schiffsarrest)

ドイツは船舶に対する仮差押えの執行として国旗掲揚証書等の押収・監守を規定。保全段階で船を固定する構造が近い

アメリカ
Supplemental Admiralty Rule C(Arrest of Vessels)

米国は海事法上の対物訴訟(in rem)で船舶そのものを arrest し、Marshal が占有する。手続の系譜は英米海事法だが『船を押さえて出港させない』効果は共通

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、あなたが貸したお金を返さない相手が一隻の船で商売をしていたら? 通常の差押えを準備している間に船は次の航海で港を出る。115条を使えば、正式な船舶執行の申立て前に、その船の国籍証書を執行官へ引き渡させ、出港そのものを止められる
  • あなたが海運業を営む債務者の側だとする。ある朝、執行官が現れ、船の国籍証書を持っていった。抗告はできる(5項)が、抗告しても執行は止まらない(6項)。そして債権者が五日以内に本執行を申し立てなければ、証書は返ってくる。反撃の鍵はこの五日の期限にある
  • 残された時間は五日。執行官が国籍証書を取り上げてから、債権者が船舶執行の本申立てを出すまでの猶予。これを一日でも過ぎれば、証書は債務者に戻り、船は再び動き出す(4項)

取るべき行動

被害を受けた側:1. 対象船が停泊している港と船籍所在地を確認、どちらの地方裁判所に申し立てるか決める(急迫なら船舶所在地でも可、1項) 2. 執行力のある債務名義の正本を用意し、「取り上げないと執行が著しく困難になる」事由を疎明する資料を揃える(3項) 3. 口頭弁論なしで発令されるため、債務者に察知される前にスピード勝負4. 引渡し後は必ず五日以内に船舶執行の本申立てを行い、その証明文書を執行官へ提出する(4項)、これを怠ると証書は返還される

訴えられた側:1. 執行官が国籍証書を取り上げても即時抗告できる(5項)、ただし抗告に執行停止効はない(6項)ので船はすぐには動かせない2. 反撃の本命は「五日ルール」、債権者が期限内に本執行を申し立てなければ証書は戻る(4項)、期限管理を厳密に3. 疎明の不十分さ(執行が著しく困難になるおそれの有無)を争点にする4. 営業上どうしても航行が必要なら、本執行段階で航行の許可(民事執行法116条)を申し立てる道を検討

時効(請求できる期限):引渡命令自体に固有の時効はない。ただし執行官が船舶国籍証書等の引渡しを受けた日から五日以内に、債権者が船舶執行の本申立てをした証明文書を提出しないと、証書は債務者へ返還される(4項)。即時抗告は決定の告知から一週間以内(民事執行法10条2項)

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和54年(1979年) 新設:民事執行法の制定に伴い、旧競売法・旧民事訴訟法下の船舶執行手続を再編。船舶執行の実効性確保のため、申立て前の船舶国籍証書等引渡命令を整備

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民事執行法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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