民事執行法 第70条(売却の許可又は不許可に関する意見の陳述)
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不動産の売却の許可又は不許可に関し利害関係を有する者は、次条各号に掲げる事由で自己の権利に影響のあるものについて、売却決定期日において意見を陳述することができる。
この条文の基本情報
売却の許可又は不許可に関する意見の陳述とは何ですか?
定義売却の許可又は不許可に関する意見の陳述とは、民事執行法第70条に定められた規定で、「不動産の売却の許可又は不許可に関し利害関係を有する者は、次条各号に掲げる事由で自己の権利に影響のあるものについて、売却決定期日において意見を陳述することができる…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第70条(売却の許可又は不許可に関する意見の陳述)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第70条の条文原文は「不動産の売却の許可又は不許可に関し利害関係を有する者は、次条各号に掲げる事由で自己の権利に影響のあるものについて、売却決定期日において意見を陳述することができる…」で始まります。
- 民事執行法第70条は第二目 強制競売に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第70条の前の条は民事執行法第69条です。
- 民事執行法第70条の次の条は民事執行法第71条です。
- 民事執行法第70条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第70条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第70条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/70
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法70条は、不動産競売の売却許可・不許可に利害関係を持つ者が、自己の権利に影響する法定事由について、売却決定期日に意見を陳述できると定める規定である。
Q · 競売で落札した物件が、あとから取り消されることってあるの?
あります。売却決定期日に法定事由が認められれば売却不許可になります
民事執行法70条により、売却の許可・不許可に利害関係を有する者は、71条各号の売却不許可事由のうち自己の権利に影響するものについて、売却決定期日に意見を陳述できます。裁判所がこれを容れれば売却不許可となります。ただし「落札額が安い」という感情論では足りず、売却基準価額の算定の誤りなど手続の重大な瑕疵を、条文の号を特定して主張する必要があります。期日を逃すと、次は告知から一週間以内の執行抗告(74条)に手段が切り替わります。
解説
競売で最高値をつけて不動産を落札した。もう自分のものだと思ったその瞬間、赤の他人が「待った」をかけられる日が、法律で一日だけ用意されている。それが売却決定期日だ。民事執行法70条は、その物件に利害関係を持つ者、たとえば債務者、所有者、抵当権者、賃借人、後順位債権者に、71条が定める売却不許可事由のうち自分の権利に響くものについて、裁判所の面前で意見を述べる権利を与える。ここで見落としてはならないのは、誰でも何でも言えるわけではないという点だ。「利害関係」があり、かつ「自己の権利に影響のある」事由に限られる。逆に言えば、この二つの鍵を握った者だけが、確定寸前の落札を揺さぶれる。あなたが競売で買う側でも、家を追われる側でも、この一日に何が起きるかを知っているかどうかで、立てる足場がまるで違ってくる。
法的な位置づけ
民事執行法70条は、不動産競売における意見陳述権を定める規定である。売却の許可・不許可に利害関係を有する者は、次条各号が掲げる売却不許可事由のうち、自己の権利に影響のあるものに限り、売却決定期日において意見を述べることができる。手続保障と手続の迅速な確定との均衡を図る規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分が利害関係人に当たるか確認 まず自分が「売却の許可・不許可に利害関係を有する者」に当たるかを確認する。債務者・所有者・抵当権者・賃借人・差押債権者などが該当し、無関係の第三者は意見を述べられない
- 2.71条各号から主張する事由を特定 民事執行法71条各号を精査し、自己の権利に影響する不許可事由(手続の重大な誤り、売却基準価額の算定の誤り、買受人の資格欠如など)を特定する。感情論ではなく「どの号のどの瑕疵か」を名指しする
- 3.売却決定期日に意見を陳述 売却決定期日に出頭し、特定した号を名指しして意見を陳述する。可能なら意見書と疎明資料を書面で添え、単なる不満を審理対象の異議へ格上げする
- 4.不許可が容れられなければ執行抗告を検討 意見が容れられず売却許可決定が出ても、その決定の告知から一週間以内に執行抗告(74条)を検討する。期限が短いため、期日前から抗告の準備をしておく
よくある質問 AI による整理
Q1売却決定期日とは何ですか?
裁判所が競売の売却を許可するか決める期日です。民事執行法70条により、利害関係人はこの期日に自己の権利に影響する事由について意見を陳述できます。
Q2競売の意見陳述は誰ができますか?
売却の許可・不許可に利害関係を有する者です。債務者、所有者、抵当権者、賃借人、差押債権者などが該当し、無関係の第三者は含まれません。
Q3売却不許可事由とは何ですか?
民事執行法71条各号が定める、売却を許可できない法定事由です。手続の重大な誤り、売却基準価額の算定の誤り、買受人の資格欠如などがあります。
Q4競売の意見陳述はいつまでにできますか?
売却決定期日の当日に限られます(民事執行法70条)。期日を過ぎると、告知から一週間以内の執行抗告(74条)に手段が切り替わります。
Q5競売の落札を止める方法はありますか?
売却決定期日に71条の不許可事由を号を特定して主張し、裁判所に認められれば売却不許可となります。単なる価格の不満では止まりません。
Q6執行抗告とは何ですか?
売却許可・不許可の決定に不服がある場合の上訴手段です。決定の告知から一週間以内に申し立てる必要があります(民事執行法74条・10条)。
Q7競売で自宅が売られるのを防ぐには?
任意売却で市場価格に近い金額で処分し競売自体を回避する方法が現実的です。意見陳述は手続の瑕疵がある場合の最後の抵抗手段です。
Q8後順位抵当権者も意見を述べられますか?
利害関係を有すれば可能です。ただし述べられるのは自己の権利に影響する事由に限られ、売却基準価額の算定の誤りなどを主張できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1競売で落札したのに、あとから取り消されることなんて本当にあるんですか?
あります。売却決定期日に利害関係人が71条の不許可事由(手続の重大な誤りなど)を主張し、裁判所が容れれば売却不許可となります(民事執行法70条・71条)。実務のポイント:実務では、占有者や債務者が引き延ばし目的で意見を述べるケースもあり、事由が法定要件に載らなければ通りません。買受人側は落札後こそ、相手が突きうる瑕疵を先回りで潰しておくのが定石です。
Q2自宅が競売にかけられました。落札額が安すぎる、と裁判所で訴えれば止められますか?
「安すぎる」という感情論だけでは止まりません。70条・71条が問うのは価格の高低ではなく、売却基準価額の算定など手続に重大な誤りがあったかです(71条各号)。実務のポイント:価格そのものを争うより、任意売却で市場価格に近い金額で処分し競売自体を回避する方が、実は債務者の手残りが増えることが多い。競売での意見陳述は最後の抵抗で、その前にやるべき手があります。
間違えやすい点 AI による整理
- 多くの人は「落札額が不当に安いから取り消せないか」と考える。だが問いの立て方が間違っている。70条・71条が問題にするのは価格の高低そのものではなく、売却基準価額の算定など手続に重大な誤りがあったか否かだ。「安い」と嘆くのではなく「算定過程のどこが法に反するか」を探すのが正しい入口である。
- 「意見を述べれば裁判所が聞いてくれる」ことは知っていても、その意見が71条各号の法定事由に該当しなければ一顧だにされない、という深刻さを見落としている。事情や心情をいくら並べても、条文の型に載らない主張は評価の対象にすらならない。
- 「利害関係人なら誰でも何でも言える」と思われがちだが、述べられるのは「自己の権利に影響のある」事由に限られる。他人の権利を害する瑕疵をいくら指摘しても、自分の権利に響かなければ、あなたの意見としては採り上げられない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手段の性質 | 民訴執行法70条:売却決定期日での意見陳述 | 民事執行法71条:売却不許可事由(主張の中身) 民事執行法74条:売却許可・不許可決定への執行抗告 |
| 行使のタイミング | 売却決定期日の当日 | 70条の意見陳述の内容として援用 決定の告知から一週間以内 |
| 主張できる者 | 売却許可・不許可に利害関係を有する者 | 同左(71条の事由を援用する者) 決定により不利益を受ける者 |
| 見落とした場合 | 期日を逃すと意見陳述の機会は原則消滅 | 法定事由に載らない主張は評価対象外 一週間を過ぎると決定が確定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は執行の方法・手続に対する『声明異議』で争う構造。日本の売却決定期日の意見陳述に近いが、期日一点に限定する点は日本の特徴
韓国も매각결정기일(売却決定期日)に利害関係人の陳述を認める。日本法を継受した執行法体系で構造が近似する
ドイツは強制競売法(ZVG)で Zuschlag(競落許可)をめぐる異議を規律。競落期日での主張構造は日本の母法的位置づけ
米国は裁判上の抵当権実行で sale confirmation hearing を経る。州ごとに手続が分かれ、日本のような統一的な期日構造ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あと少しで配当がゼロになる競売を、後順位抵当権者のあなたはただ眺めるしかないのか? 売却基準価額の算定に重大な誤りがあると見抜けば、売却決定期日で意見を述べ、71条を根拠に不許可を求める足場がある。動かなければ、決定が確定した瞬間に文句は一切言えなくなる。
- 住宅ローン滞納で自宅が競売に。売却決定期日まであと三日。この日を逃すと、手続の瑕疵を主張する正規の機会は原則として閉じる。ただし述べられるのは「自分の権利に影響する事由」に限られ、単なる「高すぎる・安すぎる」の感情論は門前払いだ。
- 競売で狙った物件をようやく最高価で落札した。だが売却決定期日に、元所有者が手続の誤りを突いてくることがある。買った側のあなたにとっても、この日は他人事ではない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず自分が「利害関係を有する者」に当たるか確認(債務者・所有者・抵当権者・賃借人・差押債権者など)。2. 71条各号を精査し、自己の権利に影響する不許可事由(手続の重大な誤り、売却基準価額算定の誤り、買受人の資格欠如など)を特定。3. 売却決定期日に出頭し、号を名指しして意見を陳述、可能なら書面と疎明資料を添える。4. 不許可が容れられなくても、決定の告知から一週間以内に執行抗告(74条)を検討する。
訴えられた側:1. 落札後も安心せず、売却決定期日までに他の利害関係人が主張しうる瑕疵(手続の誤り、資格の問題)を洗い出す。2. 自分の買受資格・保証提供・暴力団員でない旨の陳述など、71条の不許可事由に触れない体裁を固める。3. 相手が意見を述べてきたら、その事由が「相手自身の権利に影響する」ものか、法定事由に該当するかを反論の軸にする。4. 万一不許可となっても、告知から一週間以内に執行抗告で争える。
時効(請求できる期限):意見陳述は売却決定期日当日に限られる(民事執行法70条)。この期日を過ぎると、売却許可・不許可の決定に対しては告知の日から一週間以内の執行抗告(74条、民事執行法10条2項)へ手段が切り替わる。
学説
通説:70条の意見陳述は、迅速な手続の確定という執行法の要請と利害関係人の手続保障との調整として、売却決定期日という一点かつ71条の法定事由に限って認められると解される。事由が法定要件に載らない主張は評価の対象にならない。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和54年(1979年) 新設:民事執行法(昭和54年法律第4号)の制定に伴い新設。従前の競売法・旧民事訴訟法の強制執行規定を統合し、売却決定期日における利害関係人の意見陳述を明文化した
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