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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月9日読了 8 分8 分8 分

民事執行法 第82条(代金納付による登記の嘱託)

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  1. 買受人が代金を納付したときは、裁判所書記官は、次に掲げる登記及び登記の抹消を嘱託しなければならない。
  2. 一買受人の取得した権利の移転の登記
  3. 二売却により消滅した権利又は売却により効力を失つた権利の取得若しくは仮処分に係る登記の抹消
  4. 三差押え又は仮差押えの登記の抹消
  5. 2.買受人及び買受人から不動産の上に抵当権の設定を受けようとする者が、最高裁判所規則で定めるところにより、代金の納付の時までに申出をしたときは、前項の規定による嘱託は、登記の申請の代理を業とすることができる者で申出人の指定するものに嘱託情報を提供して登記所に提供させる方法によつてしなければならない。この場合において、申出人の指定する者は、遅滞なく、その嘱託情報を登記所に提供しなければならない。
  6. 3.第一項の規定による嘱託をするには、その嘱託情報と併せて売却許可決定があつたことを証する情報を提供しなければならない。
  7. 4.第一項の規定による嘱託に要する登録免許税その他の費用は、買受人の負担とする。

この条文の基本情報

代金納付による登記の嘱託とは何ですか?

定義代金納付による登記の嘱託とは、民事執行法第82条に定められた規定で、「買受人が代金を納付したときは、裁判所書記官は、次に掲げる登記及び登記の抹消を嘱託しなければならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事執行法第82条(代金納付による登記の嘱託)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
  2. 民事執行法第82条の条文原文は「買受人が代金を納付したときは、裁判所書記官は、次に掲げる登記及び登記の抹消を嘱託しなければならない。」で始まります。
  3. 民事執行法第82条は第二目 強制競売に置かれています。
  4. 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
  5. 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事執行法第82条の前の条は民事執行法第81条です。
  7. 民事執行法第82条の次の条は民事執行法第83条です。
  8. 民事執行法第82条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第82条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004
  • 本サイト収録民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第82条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/82

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事執行法82条は、買受人が代金を納付したとき、裁判所書記官が権利移転登記と消滅した権利・差押え登記の抹消を職権で嘱託すると定める。その登録免許税は買受人の負担となる。

Q · 競売で落札したら、登記は自分で司法書士に頼まないといけないの?

不要。書記官が職権で嘱託するが費用は落札者負担

民事執行法82条1項により、買受人が代金を納付すると、裁判所書記官が職権で所有権移転登記、売却で消滅した権利の抹消登記、差押え・仮差押え登記の抹消を法務局へ嘱託します。売主の協力や実印は不要です。ただし4項により、登録免許税その他の費用は買受人の負担です。融資を利用する場合は2項の申出を代金納付時までに行い、指定した司法書士経由で移転登記と抵当権設定登記を同時に申請します。

解説

競売で不動産を落札し、代金を振り込んだ。その瞬間、あなたは何もしなくていい。裁判所書記官が法務局に対して、あなたへの所有権移転登記、消えた抵当権や仮処分の抹消、差押登記の抹消を、まとめて職権で嘱託する。通常の不動産売買なら司法書士に頼んで自分で申請する登記が、競売では公的機関から自動的に飛ぶ。ここに競売不動産の本当の価値がある。売主が協力しなくても、前所有者が行方不明でも、あなたの名義は確実に入る。ただし4項を見落とすな。登録免許税その他の費用は買受人負担である。落札価格に加えて、移転登記分だけでなく、抹消する権利の件数ぶんの登録免許税が上乗せされる。抵当権が5本、差押えが3本ぶら下がった物件なら、抹消件数分の費用があなたの財布から出ていく。入札額を決める前に、登記簿の権利の本数を数えているかどうかで、実質取得価格が変わる。

法的な位置づけ

民事執行法82条は、不動産競売において代金納付があった場合の登記嘱託を定める規定である。裁判所書記官が職権で、買受人の取得した権利の移転登記、売却により消滅した権利および効力を失った仮処分等に係る登記の抹消、差押え・仮差押え登記の抹消を登記所に嘱託し、その費用は買受人が負担する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.入札前に登記事項証明書で権利の本数と不動産の個数を数える 抹消される抵当権・根抵当権・仮差押え・差押えの本数と、土地の筆数・建物の棟数を掛け合わせて抹消登録免許税を概算する。移転登記分の登録免許税(固定資産評価額基準、軽減措置の適用状況は最新の税制をご確認ください)も加算し、入札上限額から差し引く
  2. 2.融資利用なら売却許可決定確定後すぐ銀行と司法書士を確保 82条2項の申出には、抵当権の設定を受ける金融機関と、嘱託情報の提供を受ける司法書士の指定が必要である。競売案件の同時決済に慣れた司法書士を先に押さえ、その日程から代金納付日を逆算する
  3. 3.代金納付の時までに2項の申出書を提出 最高裁判所規則(民事執行規則)が定める方式で、買受人と金融機関が連名で執行裁判所に申出をする。期限は「代金の納付の時まで」であり、これを過ぎると嘱託は裁判所から登記所へ直送され、同時決済ができなくなる
  4. 4.代金を納付し、同時に登録免許税相当額を用意 書記官の定める納付期限までに代金を納付する。あわせて4項の登録免許税その他の費用を納める。納付の瞬間に所有権が移転し(79条)、引渡命令の申立期間6か月の起算も始まる
  5. 5.登記完了後に消えるべき権利が消えたか照合 嘱託による登記完了後、新たに登記事項証明書を取得し、移転登記の記載と、抹消対象だった権利がすべて消えているかを1件ずつ突き合わせる。嘱託漏れがあれば執行裁判所の書記官に申し出て追完を求める
  6. 6.占有者対応は登記完了を待たずに開始 所有権は納付時に移転しているため、引渡命令(83条)の申立ては登記完了前でも可能である。申立期限は代金納付から6か月(短期賃貸借の対象等では9か月)であり、登記完了を待つほど期限が減る

よくある質問 AI による整理

Q1民事執行法82条とは何ですか?

不動産競売で代金納付があった場合に、裁判所書記官が所有権移転登記と消滅した権利・差押え登記の抹消を職権で法務局に嘱託する手続を定めた条文です。費用は買受人負担です。

Q2競売の登記はいつ完了しますか?

代金納付後、書記官が嘱託情報を登記所へ提供し、法務局の処理を経て完了します。実務上は納付から数日〜2週間程度が目安ですが、管轄法務局の混雑状況で変動します。

Q3競売物件の登録免許税は誰が払うのですか?

民事執行法82条4項により買受人の負担です。移転登記分だけでなく、抹消する権利の件数と不動産の個数に応じた抹消登録免許税も上乗せされます。

Q4競売物件をローンで買えますか?

買えます。82条2項により、買受人と抵当権の設定を受ける金融機関が代金納付時までに申出をすれば、指定した司法書士が移転登記と抵当権設定登記を同時に申請できます。

Q5競売で所有権はいつ移転しますか?

代金を納付した時点です(民事執行法79条)。82条の登記はその公示にすぎず、登記完了を待たずに買受人は所有者として扱われます。

Q6落札した物件の抵当権が消えないのはなぜ?

82条1項2号の抹消対象は「売却により消滅した権利」に限られるためです。買受人が引き受ける権利は物件明細書に記載され、登記簿に残り続けます。

Q7代金納付の期限はいつまでですか?

売却許可決定確定後に裁判所書記官が定める日で、実務上おおむね1か月以内です(民事執行法78条)。納付できなければ保証金は返還されません。

Q8競売の登記嘱託に不服があるときはどうする?

嘱託自体を単独で争う手段はありません。争うなら売却許可決定に対する執行抗告を、決定の告知から1週間以内に申し立てる必要があります(民事執行法74条)。

この条文についての質問 AI による整理

Q1競売で買ったら、登記は自分で司法書士に頼まなくていいんですか?

1項により裁判所書記官が職権で嘱託するので、通常の売買のように自分で申請する必要はない。ただし融資を使う場合は2項の申出をして司法書士を指定する必要がある。実務のポイント:現金購入なら司法書士報酬はゼロで済むが、登録免許税だけは4項で自己負担。裁判所から納付通知が来る前に、収入印紙代を用意しておかないと嘱託が滞る

Q2落札したのに、登記簿にまだ古い抵当権が残っているんですけど

売却で消滅しない権利は抹消嘱託の対象外である(1項2号は『売却により消滅した権利』に限る)。最先順位の賃借権や、買受人が引き受ける旨が物件明細書に記載された権利は残る。実務のポイント:抹消漏れか引受権利かの判別は、三点セットの物件明細書『買受人が負担することとなる他人の権利』欄で確定する。単なる嘱託漏れであれば執行裁判所の書記官に申し出れば追完される

Q3ローンで競売物件を買いたいのですが、名義がないと銀行が貸してくれないのでは?

その詰みを解くのが2項である。買受人と抵当権設定を受ける金融機関が代金納付時までに申出をすれば、嘱託情報が指定司法書士に渡り、移転登記と抵当権設定登記を同時に法務局へ提出できる。実務のポイント:申出の様式と提出先は民事執行規則で定まっており、銀行によっては競売案件の同時決済に慣れていない担当者もいる。競売専門の司法書士を先に押さえてから銀行に持ち込むと話が早い

間違えやすい点 AI による整理

  • 「競売で買えば登記は全部きれいになる」と理解されているが、消えるのは『売却により消滅した権利』だけである。買受人が引き受けなければならない権利、たとえば最先順位の賃借権や、売却で消えない地役権、抵当権に対抗できる用益権は抹消嘱託の対象外で登記簿に残り続ける。三点セット(物件明細書)の「買受人が負担することとなる他人の権利」欄を読まずに入札すると、消えると思っていた権利を背負う
  • 登録免許税が買受人負担であることは多くの人が4項を読めば知る。だが深刻度を見誤っている。抹消の登録免許税は「不動産1個につき1,000円」であり、土地が5筆、建物が1棟なら1件の抵当権抹消でも6,000円、それが権利の本数分だけ積み上がる。加えて移転登記の登録免許税は固定資産評価額の2%(土地は軽減措置あり、最新の改正状況をご確認ください)。地方の広い土地付き物件では、この積算が数十万円規模になることがある
  • 「登記が済んでいないから、まだ自分のものではない」と考えて占有者への交渉を先送りする落札者がいる。だが問いの立て方が誤っている。所有権の移転時期は代金納付時であり(民事執行法79条)、82条の登記はその公示にすぎない。納付した瞬間からあなたは所有者であり、引渡命令(同法83条)の申立期間も納付日から起算される。登記完了を待っている間に、6か月の申立期限が減っていく
比較の観点この条文ほかの条文
条文が担う場面民執82条:代金納付後の登記嘱託(権利の公示)民執79条:代金納付時に所有権が移転(権利の帰属)
民執83条:引渡命令(占有の回復)
誰が動くか裁判所書記官が職権で嘱託(買受人の申請不要)誰の行為も不要、納付という事実で当然に移転
買受人が自ら執行裁判所に申立て
時期・期限代金納付後ただちに。2項の申出は納付の時まで代金納付の時(78条の納付期限内)
代金納付から6か月以内(一定の場合9か月)
費用負担登録免許税その他の費用は買受人負担(4項)費用負担の規定なし(代金そのもの)
申立手数料・執行費用は買受人が予納

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
強制執行法第97条・第98条

台湾は執行法院が「権利移転証書」を発給し、拍定人はその時点で所有権を取得する。抵当権等の負担は原則として消滅し、登記は権利移転証書を添えて申請または嘱託する。日本の82条と同じく公的機関が名義変更を牽引する構造だが、証書発給という一段階を挟む点が異なる

韓国
민사집행법 제144조(매각대금 지급 뒤의 조치)

韓国も代金納付後に法院事務官等が所有権移転登記と消滅権利の抹消登記を嘱託する。費用が買受人負担である点、融資利用時の同時処理の実務が発達している点も日本と類似する

ドイツ
ZVG § 90・§ 91・§ 130

ドイツは Zuschlagsbeschluss(競落決定)により所有権が移転し、消滅する権利は § 91で定まる。裁判所が登記所へ職権で通知し登記が実行される点で日本82条の原型に近い

アメリカ
各州 foreclosure sale(Sheriff's Deed / Trustee's Deed)

米国は州法により judicial / non-judicial foreclosure が分かれ、売却後に Sheriff's Deed 等が交付され買主が自ら record する。裁判所書記官が職権で登記所を動かす日本型の嘱託制度は存在しない

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 落札した築古アパートに、抵当権4本、根抵当権2本、仮差押え1本、差押え2本が付いていた。すべて売却で消える。だが4項により、抹消の登録免許税は全部あなた持ち。不動産1個につき1,000円の抹消登録免許税と、土地・建物・区分建物の個数を掛け合わせた金額が、入札のとき計算に入っていたか
  • 住宅ローンを組んで競売物件を買いたい。だが代金納付前に登記名義はまだ前所有者、抵当権を設定させてくれる担保がない。金融機関は貸せない。この詰みを解くのが2項である。買受人と融資銀行が代金納付までに申出をすれば、嘱託情報は申出人が指定した司法書士に渡り、その司法書士が移転登記と銀行の抵当権設定登記を同時に法務局へ持ち込む。ローンで競売物件を買う人は、全員この条文の上に立っている
  • もし、代金納付の申出を出し忘れたまま納付日を迎えたらどうなる? 2項の申出は「代金の納付の時までに」が期限である。過ぎれば嘱託は裁判所から法務局へ直送され、司法書士経由の同時決済はできない。融資が空中分解し、代金納付できなければ保証金は没収(民事執行法80条)。たった一枚の申出書の提出漏れで、数百万円が飛ぶ
  • 前の所有者だったあなたのもとに、ある日、登記簿謄本が届く。自分の名義がすでに消え、見知らぬ他人が所有者になっている。あなたのハンコは一度も押していない。それが82条1項である。売却許可決定が確定し代金が納付された時点で、所有権はすでに移っている。登記はその追認にすぎない
  • 落札から代金納付まで、期限は通常1か月以内(民事執行法78条)。この間に融資の本審査、2項の申出、司法書士の選任、火災保険の手配をすべて終える必要がある。日程を逆算していない落札者は、この1か月で必ず慌てる

取るべき行動

被害を受けた側:買受人の立場:1. 入札前に登記事項証明書と物件明細書を取得し、抹消される権利の本数と不動産の個数から登録免許税を概算(4項の自己負担分) 2. 融資を使うなら、売却許可決定確定後ただちに銀行と司法書士を確保し、2項の申出書を代金納付時までに提出3. 代金納付と同時に所有権は移転(79条)、引渡命令の申立期限は納付日から6か月(83条2項)なので、占有者対応は登記完了を待たずに開始4. 嘱託後に登記が完了したら、登記事項証明書で消えるべき権利がすべて消えているか照合

訴えられた側:前所有者・担保権者の立場:1. 代金納付後の嘱託そのものは執行手続の一部であり、これ単独を争う手段はない。争うなら売却許可決定に対する執行抗告(74条)を、決定の告知から1週間以内に出す2. 配当に不服があるなら、配当期日で異議を述べ、配当異議の訴え(90条)を1週間以内に提起3. 手続そのものを止めたいなら、請求異議の訴え・執行文付与に対する異議と併せて執行停止の裁判を得るのが唯一の道。代金納付が完了すると原則として買受人の所有権取得は覆らない

時効(請求できる期限):2項の申出は代金納付の時まで。代金納付期限は売却許可決定確定後、裁判所書記官が定める日(実務上おおむね1か月以内、民事執行法78条)。売却許可決定への執行抗告は告知から1週間(同74条)。引渡命令の申立ては代金納付から6か月以内、短期賃貸借の対象等では9か月(同83条2項)

学説

通説(消除主義の徹底):82条1項2号の抹消嘱託は、民事執行法59条が定める売却による権利消滅の帰結を登記面で実現するものであり、抹消の対象は「売却により消滅した権利」に限られる。買受人が引き受ける用益権等は嘱託の対象外として登記簿に残る

通説(登記の性質):所有権移転の効力は代金納付時に生じ(79条)、82条の嘱託登記は権利変動の公示・対抗要件具備の手続にすぎない。したがって登記未了でも買受人は所有者として引渡命令の申立て等をなしうる

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和54年(1979年) 新設:民事執行法の制定により、旧民事訴訟法の強制執行編および競売法に分散していた競売手続を統合。代金納付後の登記嘱託を82条として整理した
  2. 2.平成10年代(2000年代) 改正:不動産登記のオンライン化に伴い、条文の文言が「登記済証」等の書面前提から「嘱託情報」「情報の提供」へと改められ、2項の指定資格者経由による嘱託情報提供の枠組みが整備された(施行時期の詳細は e-Gov の改正沿革をご確認ください)

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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