民事執行法 第78条(代金の納付)
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- 売却許可決定が確定したときは、買受人は、裁判所書記官の定める期限までに代金を執行裁判所に納付しなければならない。
- 2.買受人が買受けの申出の保証として提供した金銭及び前条第一項の規定により納付した金銭は、代金に充てる。
- 3.買受人が第六十三条第二項第一号又は第六十八条の二第二項の保証を金銭の納付以外の方法で提供しているときは、執行裁判所は、最高裁判所規則で定めるところによりこれを換価し、その換価代金から換価に要した費用を控除したものを代金に充てる。この場合において、換価に要した費用は、買受人の負担とする。
- 4.買受人は、売却代金から配当又は弁済を受けるべき債権者であるときは、売却許可決定が確定するまでに執行裁判所に申し出て、配当又は弁済を受けるべき額を差し引いて代金を配当期日又は弁済金の交付の日に納付することができる。ただし、配当期日において、買受人の受けるべき配当の額について異議の申出があつたときは、買受人は、当該配当期日から一週間以内に、異議に係る部分に相当する金銭を納付しなければならない。
- 5.裁判所書記官は、特に必要があると認めるときは、第一項の期限を変更することができる。
- 6.第一項又は前項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
- 7.第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
この条文の基本情報
代金の納付とは何ですか?
定義代金の納付とは、民事執行法第78条に定められた規定で、「売却許可決定が確定したときは、買受人は、裁判所書記官の定める期限までに代金を執行裁判所に納付しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第78条(代金の納付)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第78条の条文原文は「売却許可決定が確定したときは、買受人は、裁判所書記官の定める期限までに代金を執行裁判所に納付しなければならない。」で始まります。
- 民事執行法第78条は第二目 強制競売に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第78条の前の条は民事執行法第77条です。
- 民事執行法第78条の次の条は民事執行法第79条です。
- 民事執行法第78条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第78条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第78条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/78
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法78条は、競売の売却許可決定が確定した買受人が、書記官の定める期限までに代金を執行裁判所へ全額納付する義務を定める。配当を受ける債権者は差引納付ができる。
Q · 競売で落札したら、代金はいつまでにどうやって払うの?
書記官が定める期限までに全額納付、債権者は差引納付が可能
民事執行法78条により、売却許可決定が確定すると、買受人は裁判所書記官が定める期限までに代金を執行裁判所へ納付しなければなりません。実務では確定からおよそ一か月、原則として全額を納めます。入札時の保証は代金に充てられます。売却代金から配当・弁済を受ける債権者である買受人は、確定までに申し出れば配当額を差し引いて納める『差引納付』ができます(4項)。期限までに納付しなければ売却許可決定は失効し、保証は没収されます(80条)。
解説
競売で気に入った中古マンションを落札した。ネットで見た相場より三割安い。だが喜ぶのはまだ早い。売却許可決定が確定すると、裁判所書記官があなたに代金納付の「期限」を通知する。この期限、通常は確定からおよそ一か月。しかも原則、全額を現金で執行裁判所に納める。住宅ローンのように「審査に一か月、実行はその後」では間に合わない。もし期限を一日でも過ぎれば、あなたが入札時に積んだ保証(買受可能価額の二割前後、数百万円になることも)は没収され、物件も手放すことになる(民事執行法80条)。逆に、あなたがその物件の抵当権者など配当を受ける債権者なら、代金から自分の取り分を差し引いて納める「差引納付」が使える(4項)。素人が現金をかき集めて走り回る横で、玄人は帳簿上の相殺で決済を終える。同じ落札でも、この一手を知っているかどうかで資金繰りがまるで違う。
法的な位置づけ
民事執行法78条は競売代金の納付を定める規定であり、売却許可決定が確定した買受人は、裁判所書記官が定める期限までに代金を執行裁判所へ納付する義務を負う。入札時の保証は代金に充当され、配当を受けるべき債権者たる買受人には配当額を控除して納める差引納付が認められる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.売却許可決定確定後の納付期限を確認 売却許可決定が確定したら、裁判所書記官が定める代金納付期限を確認する。実務では確定からおよそ一か月以内が目安。全額を執行裁判所に納める前提で資金スケジュールを逆算する
- 2.融資を使う場合は指定書の段取りを組む 現金一括が難しい場合、民事執行法82条2項の指定書制度に対応できる司法書士と金融機関を確保する。代金納付と抵当権設定登記を同日に走らせる段取りを納付期限より前に完成させる
- 3.配当を受ける債権者なら差引納付を申し出る 自分が売却代金から配当・弁済を受けるべき債権者なら、売却許可決定が確定する『前』に執行裁判所へ差引納付の申出書を提出する。確定後では申出できないため確定前が唯一のタイミング
- 4.配当異議への備えとして現金も別途用意 差引納付を予定していても、配当期日に配当額について異議が出れば、当該配当期日から一週間以内に異議に係る部分の現金を納付する必要がある。異議が予想される事件では差引だけに頼らず現金も確保する
- 5.書記官の処分に不服なら異議を申し立てる 納付期限やその変更に関する書記官の処分に不満がある場合、執行裁判所へ異議を申し立てる(6項)。明文の期間制限はないが速やかに行う
よくある質問 AI による整理
Q1競売の代金納付とは何ですか?
売却許可決定が確定した買受人が、裁判所書記官の定める期限までに代金を執行裁判所へ納付する手続きです。民事執行法78条が根拠で、原則全額を納めます。
Q2競売の代金納付期限はいつまでですか?
裁判所書記官が定めます(民事執行規則56条)。実務では売却許可決定の確定日からおよそ一か月以内が目安です。特に必要があれば書記官が変更できます(5項)。
Q3差引納付とは何ですか?
売却代金から配当・弁済を受ける債権者である買受人が、その額を差し引いて残額だけを納める方法です。売却許可決定が確定するまでに申し出る必要があります(4項)。
Q4競売代金を納付しないとどうなりますか?
売却許可決定が失効し、入札時の保証は没収され返還されません(民事執行法80条)。原則として同じ物件の再売却では買受人になれません。
Q5競売で所有権はいつ移りますか?
売却許可決定の確定時ではなく、買受人が代金を納付した時に移転します(民事執行法79条)。納付が終わるまでは所有者ではありません。
Q6保証を現金以外で提供した場合はどうなりますか?
執行裁判所が最高裁判所規則に従って換価し、換価費用を控除した代金に充当します。換価費用は買受人の負担です(3項)。
Q7競売の代金納付期限は変更できますか?
裁判所書記官が特に必要と認めるときは変更できます(5項)。書記官の処分に不服があれば執行裁判所へ異議を申し立てられます(6項)。
Q8差引納付で配当異議が出たらどうなりますか?
配当期日に買受人の受けるべき配当額について異議の申出があると、その配当期日から一週間以内に、異議に係る部分の金銭を別途納付しなければなりません(4項但書)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1競売物件ってローンで買えないんですか?現金一括じゃないと無理?
買えます。民事執行法82条2項の「指定書」制度を使えば、代金納付と同時に融資銀行の抵当権設定登記ができ、競売専用ローンが組めます。買受人と銀行が連名で申し出て、納付期限までに書類を揃えるのが条件です。実務のポイント:多くの個人が「競売=現金」と諦めるが、実務では競売ローンは普通に使われている。鍵は、この指定書の段取りに慣れた司法書士を入札前に確保できるか。ここを知る人と知らない人で、買える物件の幅が変わる
Q2落札した後にお金が用意できなかったら、保証金は返ってきますか?
返ってきません。代金を納付しないと売却許可決定は失効し、入札時の保証(買受可能価額の2割前後)は没収されます(民事執行法80条)。しかも同じ物件の再売却では原則あなたは買受人になれません。実務のポイント:この没収は違約罰的な性格で、事情を汲んで減額される類のものではない。だから玄人は札を入れる前に資金の裏付けを完全に固める。『とりあえず落札して後で考える』は数百万円を捨てる賭けになる
Q3自分が抵当権者なんですが、自分の担保物件を競売で買い戻せますか?
買えます。配当を受ける債権者が買受人になる場合、売却許可決定が確定するまでに申し出れば、配当額を差し引いた残額だけを納める『差引納付』ができます(民事執行法78条4項)。実務のポイント:ただし他の債権者から配当異議が出ると、その相当額を配当期日から1週間以内に現金で入れる必要がある(同項但書)。異議が予想される事件では、差引だけに頼らず現金も用意しておくのが実務の鉄則
間違えやすい点 AI による整理
- 「競売は安く買える」は知っていても、その安さの裏に「全額を短期間に現金で用意する」という資金の壁があることを甘く見ている人が多い。安値で手に入る代わりに、通常の売買では効く分割やローン実行の猶予が原則効かない。安さと資金負担はセットで来る
- 「落札したら自分の物」と考えているが、問いの立て方がずれている。所有権が移るのは代金を納付した瞬間(民事執行法79条)であって、売却許可決定が確定した時点ではない。納付が終わるまで、あなたはまだ「所有者」ではなく「所有者になる予定の人」に過ぎない
- 「保証金は払えなくなったら返してもらえる」と思っているなら危険だ。代金を納付しなければ売却許可決定は失効し、その保証は返還請求すらできず没収される(民事執行法80条)。しかも同じ物件の再売却では、原則あなたは買受人になれない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 78条:代金の納付(期限・充当・差引納付) | 79条:買受人が不動産を取得する時期 80条:代金不納付の効果(失効・保証没収) |
| 所有権・効果の発生時点 | 書記官の定める期限までに納付する義務 | 代金を納付した時に所有権移転 不納付なら売却許可決定が失効 |
| 当事者への影響 | 債権者買受人は差引納付で現金負担を軽減 | 納付完了までは所有者ではない 保証は没収され再売却で原則買受不可 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も拍定人(買受人)が期限内に価金を納付すべきこと、保証金の充当・没収を定める点で日本と同旨。
韓国も買受人が裁判所の定める期限までに代金を支払うべきことを定め、差引き(상계)的な支払方法も認められる点で日本と類似。
ドイツの強制競売法では Ersteher(買受人)が現金支払額(Bargebot)を配当期日に支払うのが原則で、日本の代金納付・差引納付の範型にあたる。
米国は連邦統一法典がなく州ごとに規律。競売の落札者が期日までに残代金を suppayする仕組みで、不払いなら手付金(deposit)没収・再売却となる点が機能的に対応。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし落札後、頼りにしていた融資が土壇場で下りなかったら、どうなる? 代金を納付できなければ売却許可決定は失効し、積んだ保証は戻らない。あなたに残された時間は、書記官が定めた納付期限まで、実務ではおよそ一か月。この一か月で数百万から数千万の現金を確定させられるかが全て
- あなたが抵当権者として自分の担保物件を競売で買い戻す側になった。売却許可決定が確定するまでに申し出れば、配当で戻ってくる分を差し引いて残額だけ納めればいい。現金の負担が一気に軽くなる。ただし確定後では手遅れだ
- 落札後、他の債権者から配当異議が出た。あなたは差引納付を予定していたのに、異議に係る部分の現金を、配当期日から一週間以内に別途納めなければならなくなる。差引だけを当てにしていると、この一週間で足元をすくわれる
- あなたが借金の担保に入れた自宅が競売にかけられ、落札された。買受人が代金を納付した瞬間、その家はもうあなたのものではない(民事執行法79条)。売却許可の確定時点ではなく、金が動いた瞬間に所有権は移る
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが一般の買受人(落札者)なら:1. 売却許可決定確定の前後で、書記官が定める納付期限(実務では確定から約一か月)を確認2. 融資を使うなら、民事執行法82条2項の指定書制度に対応できる司法書士と金融機関を、入札前に確保しておく3. 代金納付日に抵当権設定登記書類が全て揃うよう逆算して段取り4. 期限を過ぎれば保証没収+物件喪失(80条)なので、資金が固まらない不安があるなら書記官への期限変更の可否(5項)も早めに相談
訴えられた側:あなたが配当を受ける債権者で買受人でもあるなら:1. 売却許可決定が確定する「前」に、執行裁判所へ差引納付の申出を提出(4項、確定後は不可) 2. 配当期日または弁済金交付日に、配当額を差し引いた残額を納付3. 他の債権者から配当異議が出る可能性を織り込み、異議に係る部分の現金を別途用意(異議が出たら配当期日から1週間以内に納付、4項但書) 4. 書記官の期限に関する処分に不満があれば執行裁判所へ異議申立て(6項)
時効(請求できる期限):代金納付期限は裁判所書記官が定める(民事執行規則56条、実務では売却許可決定確定日から約1か月以内が目安。最新の運用をご確認ください)。差引納付の申出は「売却許可決定が確定するまで」。配当異議があった場合の相当額納付は「当該配当期日から1週間以内」。書記官の処分への異議申立て(6項)は明文の期間制限はないが速やかに
学説
通説:78条の代金納付義務と80条の失効・保証没収を一体として理解し、支払能力のない落札者による手続停滞を防ぐ制度趣旨とする。差引納付(4項)は配当を受ける債権者の現金負担を緩和する相殺的決済であり、確定前の申出を効力要件と解する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和54年(1979年) 新設:民事執行法の制定により、旧競売法および民事訴訟法中の強制執行規定を統合。代金納付の期限・充当・差引納付・書記官処分への異議を一条にまとめて整備した。
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