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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月9日読了 7 分7 分7 分

民事執行法 第77条(最高価買受申出人又は買受人のための保全処分等)

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  1. 執行裁判所は、債務者又は不動産の占有者が、価格減少行為等(不動産の価格を減少させ、又は不動産の引渡しを困難にする行為をいう。以下この項において同じ。)をし、又は価格減少行為等をするおそれがあるときは、最高価買受申出人又は買受人の申立てにより、引渡命令の執行までの間、その買受けの申出の額(金銭により第六十六条の保証を提供した場合にあつては、当該保証の額を控除した額)に相当する金銭を納付させ、又は代金を納付させて、次に掲げる保全処分又は公示保全処分を命ずることができる。
  2. 一債務者又は不動産の占有者に対し、価格減少行為等を禁止し、又は一定の行為をすることを命ずる保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)
  3. 二次に掲げる事項を内容とする保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)
  4. 一当該価格減少行為等をし、又はそのおそれがある者に対し、不動産に対する占有を解いて執行官に引き渡すことを命ずること。
  5. 二執行官に不動産の保管をさせること。
  6. 三次に掲げる事項を内容とする保全処分及び公示保全処分
  7. 一前号イ及びロに掲げる事項
  8. 二前号イに規定する者に対し、不動産の占有の移転を禁止することを命じ、及び不動産の使用を許すこと。
  9. 2.第五十五条第二項(第一号に係る部分に限る。)の規定は前項第二号又は第三号に掲げる保全処分について、同条第二項(第二号に係る部分に限る。)の規定は前項に掲げる保全処分について、同条第三項、第四項本文及び第五項の規定は前項の規定による決定について、同条第六項の規定は前項の申立て又はこの項において準用する同条第五項の申立てについての裁判について、同条第七項の規定はこの項において準用する同条第五項の規定による決定について、同条第八項及び第九項並びに第五十五条の二の規定は前項第二号又は第三号に掲げる保全処分を命ずる決定について準用する。

この条文の基本情報

最高価買受申出人又は買受人のための保全処分等とは何ですか?

定義最高価買受申出人又は買受人のための保全処分等とは、民事執行法第77条に定められた規定で、「執行裁判所は、債務者又は不動産の占有者が、価格減少行為等(不動産の価格を減少させ、又は不動産の引渡しを困難にする行為をいう。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事執行法第77条(最高価買受申出人又は買受人のための保全処分等)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
  2. 民事執行法第77条の条文原文は「執行裁判所は、債務者又は不動産の占有者が、価格減少行為等(不動産の価格を減少させ、又は不動産の引渡しを困難にする行為をいう。」で始まります。
  3. 民事執行法第77条は第二目 強制競売に置かれています。
  4. 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
  5. 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事執行法第77条の前の条は民事執行法第76条です。
  7. 民事執行法第77条の次の条は民事執行法第78条です。
  8. 民事執行法第77条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第77条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004
  • 本サイト収録民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第77条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/77

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事執行法77条は、競売の落札者が占有者による価格減少行為を禁止する保全処分を申し立てられると定める。買受申出額相当の金銭納付が条件で、引渡命令の執行までの間に効力が及ぶ。

Q · 競売で落札したのに前の住人がまだ住んでいて、物件を壊されそう。引渡しまで手も足も出ないの?

申し立てれば、占有者の破壊行為を裁判所命令で止められる

民事執行法77条により、競売の最高価買受申出人または買受人は、債務者や占有者が物件の価値を下げたり引渡しを困難にする「価格減少行為等」をし、またはそのおそれがあるとき、執行裁判所に禁止命令などの保全処分を申し立てられます。買受申出額に相当する金銭(または代金)の納付が条件で、引渡命令の執行までの間に効力が及びます。必要なら裁判所の命令を物件に掲示する公示保全処分も併せて打て、占有移転による妨害も防げます。守られるのを待つのではなく、自分から申し立てて初めてこの盾は発動します。

解説

競売で不動産を落札した。だが、その瞬間からあなたの物件になるわけではない。所有権が移るのは代金を納めた時、実際に鍵を受け取れるのは引渡命令が執行された後だ。この落札から引渡しまでの数か月こそ、競売最大の危険地帯である。まだ住んでいる元所有者や占有者が、腹いせにエアコンや給湯器を外して持ち去る、壁を壊す、あるいは第三者を住まわせて引渡しを妨害する。放っておけば、せっかく安く落札した旨味は物件の劣化と紛争で消える。民事執行法77条は、この空白期間にあなた(最高価買受申出人または買受人)が使える盾だ。買受申出額に相当する金銭を納めれば、執行裁判所に対し、占有者の価格減少行為の禁止を命じる保全処分を申し立てられる。裁判所の禁止命令を物件に掲示する公示保全処分まで打てる。守られるのを待つのではなく、自分から申し立てて初めて、この盾は発動する。

法的な位置づけ

民事執行法77条は、不動産競売における買受人保護の保全処分を定める規定である。最高価買受申出人または買受人が、債務者・占有者の価格減少行為等に対し、買受申出額に相当する金銭を納付して、価格減少行為の禁止命令や公示保全処分を執行裁判所に申し立てることを認める。効力は引渡命令の執行までの空白期間に及ぶ。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.入札前に現況調査報告書で占有状況を確認 執行官の現況調査報告書(いわゆる3点セット)を精読し、占有者と債務者を特定する。占有リスクを織り込んだ上で落札額を決め、価格だけで飛びつかない
  2. 2.価格減少行為またはそのおそれの証拠を集める 室内の写真、持ち去りの目撃、占有者の SNS 書き込みなど、価格減少行為等が起きた事実または起きるおそれを示す証拠を保全する
  3. 3.執行裁判所に77条の保全処分を申し立てる 価格減少行為の禁止命令を申し立てる。占有移転のおそれがあれば、命令を物件に掲示する公示保全処分も併せて申し立てる
  4. 4.買受申出額に相当する金銭または代金を納付する 申立ての条件として、買受申出額(66条の保証を提供した場合はその額を控除した額)に相当する金銭、または代金を納付する
  5. 5.引渡命令(83条)を並行して申し立てる 保全処分で空白期間を埋めつつ、原則として代金納付から6か月以内に引渡命令を申し立て、執行官による明渡しへ進める(最新の期間要件は要確認)

よくある質問 AI による整理

Q1競売物件の保全処分とは何ですか?

落札から引渡しまでの空白期間に、占有者が物件を壊したり持ち去るのを裁判所命令で禁止する制度です。民事執行法77条が根拠で、価格減少行為の禁止命令や公示保全処分を申し立てられます。

Q2民事執行法77条はいつ申し立てられますか?

代金納付前の最高価買受申出人の段階から、引渡命令の執行までの間に申し立てられます。落札直後の一番危ない時期から手を打てる点が実務上の要点です。

Q3価格減少行為とは何を指しますか?

不動産の価格を減少させ、または引渡しを困難にする行為です。給湯器やキッチンの持ち去り、壁の破壊、第三者を住まわせる占有移転などが典型例で、そのおそれの段階でも対象になります。

Q4公示保全処分にはどんな効果がありますか?

裁判所の禁止命令を物件に掲示する処分で、占有者への心理的抑止力が大きいほか、占有を第三者に移転して逃げるのを防ぎ、後の引渡命令の効力を承継者にも及ばせます。

Q5落札後に占有者が物件を壊したらどうすればいいですか?

自力で追い出すのは違法です。77条の保全処分で破壊を止め、引渡命令(83条)で執行官による明渡しを求めます。壊された分は損害賠償や器物損壊罪の対象にもなります。

Q6引渡命令と保全処分はどう違いますか?

保全処分(77条)は引渡しまでの間に物件価値を守る予防措置、引渡命令(83条)は占有そのものを取得して明け渡させる手続です。両者は並行して進めるのが実務の定石です。

Q7保全処分の申立てにいくらお金がかかりますか?

買受申出額に相当する金銭(66条の保証を提供した場合はその額を控除した額)の納付が条件です。物件を守る先行投資であり、壊れた価値は事後の賠償では回収困難です。

Q8占有者がいる競売物件は避けるべきですか?

必ずしもそうではありません。占有リスクを77条で潰せると知れば、他の入札者が避ける占有者あり物件を安く落札する戦略も成り立ちます。現況調査報告書の精読が前提です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1競売で落札したのに、まだ人が住んでいます。勝手に鍵を替えて追い出していいですか?

だめだ。自力救済は禁止で、勝手に立ち入れば住居侵入罪、荷物を出せば器物損壊などのリスクを負う。占有を得るには引渡命令(民事執行法83条)を取り、執行官による強制執行で明け渡させる。それまでに壊されそうなら77条の保全処分で先に止める。実務のポイント:執行官の現況調査報告書には占有者の氏名や占有状況が載っている。入札前にこれを読み込んで占有リスクを織り込む人と、価格だけ見て飛びつく人とで、落札後の地獄が分かれる

Q2保全処分を申し立てるお金を納めるのがもったいない。実際に壊されてから損害賠償すればいいのでは?

壊れた物件の価値は元に戻らないし、占有者が無資力なら賠償判決を取っても回収できない。だから77条は事前の禁止命令と公示による抑止を本命に据えている。納付は買受申出額相当(66条の保証を控除)で、無駄金ではなく物件を守る先行投資だ。実務のポイント:公示保全処分の掲示は心理的な抑止力が絶大で、裁判所名の入った張り紙があるだけで占有者が「もう手を出せない」と観念することが多い。物理的に何かを止めるより、掲示一枚が効く

間違えやすい点 AI による整理

  • 「落札したのだから物件は自分のもの、勝手にされて当然守られる」と考えがちだが、その問いの立て方自体が誤っている。所有権が移るのは代金納付の時、占有を得るのは引渡命令の執行後だ。その間、あなたは所有者ですらなく、法は自動では動かない。自分から申し立てて初めて保全処分という盾が発動する。守られる立場だと思い込んだ瞬間に、後手に回る
  • 「保全処分は代金を全額払ってからでないと使えない」と思われがちだが、実は最高価買受申出人の段階(まだ代金未納)でも、買受申出額に相当する金銭を納めれば申し立てられる。落札直後の一番危ない時期から手が打てる
  • 占有者が「ただ出て行かないだけ」の問題だと軽く見ている人が多いが、深刻度が桁違いだ。プロの占有者が絡めば引渡しが年単位で遅れ、その間の家賃相当損害と物件の劣化で、安く落札したはずの旨味は消し飛ぶ。「居座り」は退去問題ではなく、投資判断そのものを狂わせる資産毀損である
比較の観点この条文ほかの条文
適用の段階77条:落札後(買受申出人・買受人の段階)〜引渡命令執行まで55条:売却前(差押え後・売却実施前)
83条:代金納付後(占有取得の局面)
目的落札後の価格減少行為の防止・抑止売却前の価格減少行為の防止(対の規定)
占有そのものの取得・明渡しの実現
納付・費用要件買受申出額相当の金銭(66条の保証を控除)または代金の納付申立債権者による担保提供等
代金納付が前提
手段の内容禁止命令+公示保全処分(占有移転にも対応可)禁止命令+公示保全処分(77条の準用元)
執行官による強制的な明渡執行

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
強制執行法第99条

台湾は執行裁判所(法院)による点交手続で落札者に不動産を引き渡す。占有排除の局面で日本の引渡命令+保全処分に近い機能を果たす。

韓国
민사집행법 제136조

韓国は부동산 인도명령(不動産引渡命令)で落札者の占有取得を図る。妨害行為への保全的対応も執行手続内に設けられている。

ドイツ
ZVG(Zwangsversteigerungsgesetz)§ 93 ff.

ドイツは強制競売法により Zuschlag(競落)で所有権が移転し、落札者は競落決定を債務名義として引渡し・明渡しを求める。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 競売で戸建てを落札。内見できないまま落札額を決めたら、元所有者がシステムキッチン、給湯器、作り付けの棚まで外して業者に運び出させようとしている。77条で価格減少行為の禁止命令を申し立て、持ち去りを止める。この一手を知らない落札者は、引渡しを受けたときスケルトンになった室内を前に絶句する
  • もし落札後に占有者が「立退料を出せ」と居座り始めたら、どうする? 引渡命令が出て執行官が動くまでには時間がかかる。その空白の間に室内を荒らされる前に、77条の保全処分を今すぐ申し立てられる。残置物が消え、内装が壊されるまで、猶予は数日しかないかもしれない
  • 元所有者として競売にかけられた自宅にまだ住んでいるあなた。明渡しの腹いせに壁を壊せば、価格減少行為として禁止命令の対象になるだけでなく、器物損壊罪と損害賠償が待つ。その一撃が、あなた自身を刑事と民事の二重の被告席に座らせる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 占有状況を確認:入札段階で執行官の現況調査報告書(いわゆる3点セット)を精読し、占有者と債務者を特定する2. 価格減少行為またはそのおそれの証拠を集める:室内の写真、持ち去りの目撃、占有者の書き込みなど3. 執行裁判所に77条の保全処分を申し立てる。占有移転のおそれがあれば公示保全処分も併せて検討4. 買受申出額に相当する金銭、または代金を納付する(申立ての条件) 5. 引渡命令(83条)の申立てと並行して進め、引渡しまでの空白を埋める

訴えられた側:1. 自分の占有権原(賃借権など)が法的に正当か冷静に確認する2. 正当な権原があっても価格減少行為は禁止命令と損害賠償、器物損壊罪の対象、絶対に手を出さない3. 引渡命令が出る前に立退きの条件や残置物の扱いを協議し、任意退去の余地を残す4. 正当な占有権原があると考えるなら、引渡命令に対する執行抗告で争う道がある

時効(請求できる期限):77条の保全処分は条文上「引渡命令の執行までの間」に申し立て・効力が及ぶ。特定の消滅時効はないが、価格減少行為が実際に行われれば別途損害賠償請求権が生じ、その消滅時効(民法724条、不法行為は損害と加害者を知った時から3年)が動く。引渡命令の申立ては原則として代金納付から6か月以内(民事執行法83条2項、最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:77条は、価格減少行為等という害が明確な場合に対象を限定し、買受申出額相当の金銭納付を条件とし、55条の手続保障を準用することで、買受人保護(競売の信頼性)と占有者の地位尊重(過剰執行の抑制)の均衡を図った規定と理解される。

改正沿革 AI による整理

  • 平成15年(2003年)担保・執行法制改正 占有屋等による執行妨害への対策として、買受人のための保全処分を大幅に強化。価格減少行為の概念を整理し、公示保全処分の仕組みや、占有が移転されても効力が及ぶ相手方不特定の保全処分の枠組みを整備した

改正の年表

  1. 1.昭和54年(1979年) 新設:民事執行法の制定に伴い、旧民事訴訟法・競売法から執行手続を一元化。買受人のための保全処分の枠組みが整備された。
  2. 2.平成15年(2003年) 改正:担保・執行法制改正。占有屋等による執行妨害への対策として買受人のための保全処分を大幅に強化。価格減少行為の概念を整理し、公示保全処分や相手方不特定の保全処分(占有移転に効力が及ぶ枠組み)を整備した。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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