要点民事執行法 77 条は、競売の落札者が占有者による価格減少行為を禁止する保全処分を申し立てられると定める。買受申出額相当の金銭納付が条件で、引渡命令の執行までの間に効力が及ぶ。
Q · 競売で落札したのに前の住人がまだ住んでいて、物件を壊されそう。引渡しまで手も足も出ないの?
申し立てれば、占有者の破壊行為を裁判所命令で止められる
民事執行法 77 条により、競売の最高価買受申出人または買受人は、債務者や占有者が物件の価値を下げたり引渡しを困難にする「価格減少行為等」をし、またはそのおそれがあるとき、執行裁判所に禁止命令などの保全処分を申し立てられます。買受申出額に相当する金銭(または代金)の納付が条件で、引渡命令の執行までの間に効力が及びます。必要なら裁判所の命令を物件に掲示する公示保全処分も併せて打て、占有移転による妨害も防げます。守られるのを待つのではなく、自分から申し立てて初めてこの盾は発動します。
競売で不動産を落札した。だが、その瞬間からあなたの物件になるわけではない。所有権が移るのは代金を納めた時、実際に鍵を受け取れるのは引渡命令が執行された後だ。この落札から引渡しまでの数か月こそ、競売最大の危険地帯である。まだ住んでいる元所有者や占有者が、腹いせにエアコンや給湯器を外して持ち去る、壁を壊す、あるいは第三者を住まわせて引渡しを妨害する。放っておけば、せっかく安く落札した旨味は物件の劣化と紛争で消える。民事執行法77条は、この空白期間にあなた(最高価買受申出人または買受人)が使える盾だ。買受申出額に相当する金銭を納めれば、執行裁判所に対し、占有者の価格減少行為の禁止を命じる保全処分を申し立てられる。裁判所の禁止命令を物件に掲示する公示保全処分まで打てる。守られるのを待つのではなく、自分から申し立てて初めて、この盾は発動する。
民事執行法 77 条は、不動産競売における買受人保護の保全処分を定める規定である。最高価買受申出人または買受人が、債務者・占有者の価格減少行為等に対し、買受申出額に相当する金銭を納付して、価格減少行為の禁止命令や公示保全処分を執行裁判所に申し立てることを認める。効力は引渡命令の執行までの空白期間に及ぶ。
AI 輔助整理,以條文原文為準
落札から引渡しまでの空白期間に、占有者が物件を壊したり持ち去るのを裁判所命令で禁止する制度です。民事執行法 77 条が根拠で、価格減少行為の禁止命令や公示保全処分を申し立てられます。
代金納付前の最高価買受申出人の段階から、引渡命令の執行までの間に申し立てられます。落札直後の一番危ない時期から手を打てる点が実務上の要点です。
不動産の価格を減少させ、または引渡しを困難にする行為です。給湯器やキッチンの持ち去り、壁の破壊、第三者を住まわせる占有移転などが典型例で、そのおそれの段階でも対象になります。
裁判所の禁止命令を物件に掲示する処分で、占有者への心理的抑止力が大きいほか、占有を第三者に移転して逃げるのを防ぎ、後の引渡命令の効力を承継者にも及ばせます。
自力で追い出すのは違法です。77 条の保全処分で破壊を止め、引渡命令(83 条)で執行官による明渡しを求めます。壊された分は損害賠償や器物損壊罪の対象にもなります。
保全処分(77 条)は引渡しまでの間に物件価値を守る予防措置、引渡命令(83 条)は占有そのものを取得して明け渡させる手続です。両者は並行して進めるのが実務の定石です。
買受申出額に相当する金銭(66 条の保証を提供した場合はその額を控除した額)の納付が条件です。物件を守る先行投資であり、壊れた価値は事後の賠償では回収困難です。
必ずしもそうではありません。占有リスクを 77 条で潰せると知れば、他の入札者が避ける占有者あり物件を安く落札する戦略も成り立ちます。現況調査報告書の精読が前提です。
だめだ。自力救済は禁止で、勝手に立ち入れば住居侵入罪、荷物を出せば器物損壊などのリスクを負う。占有を得るには引渡命令(民事執行法83条)を取り、執行官による強制執行で明け渡させる。それまでに壊されそうなら77条の保全処分で先に止める。業界裏話ヒント:執行官の現況調査報告書には占有者の氏名や占有状況が載っている。入札前にこれを読み込んで占有リスクを織り込む人と、価格だけ見て飛びつく人とで、落札後の地獄が分かれる
壊れた物件の価値は元に戻らないし、占有者が無資力なら賠償判決を取っても回収できない。だから77条は事前の禁止命令と公示による抑止を本命に据えている。納付は買受申出額相当(66条の保証を控除)で、無駄金ではなく物件を守る先行投資だ。業界裏話ヒント:公示保全処分の掲示は心理的な抑止力が絶大で、裁判所名の入った張り紙があるだけで占有者が「もう手を出せない」と観念することが多い。物理的に何かを止めるより、掲示一枚が効く
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用の段階 | 77 条:落札後(買受申出人・買受人の段階)〜引渡命令執行まで | — |
| 目的 | 落札後の価格減少行為の防止・抑止 | — |
| 納付・費用要件 | 買受申出額相当の金銭(66 条の保証を控除)または代金の納付 | — |
| 手段の内容 | 禁止命令+公示保全処分(占有移転にも対応可) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。