要点労働者派遣法30条の3は、派遣元に対し派遣先の正社員との不合理な待遇差を禁じる規定。基本給・賞与・手当ごとに均衡待遇を求め、職務も異動範囲も同一なら均等待遇が義務となる。
Q · 派遣でも正社員と同じボーナスや手当をもらえるんですか?
不合理な差は禁止されるが、職務や責任の差は反映される
労働者派遣法30条の3により、派遣元は基本給・賞与・手当ごとに、派遣先の正社員との不合理な待遇差を設けてはなりません(第1項=均衡待遇)。職務も配置転換の範囲も正社員と完全に同一なら、正当な理由なく不利に扱うことも禁じられます(第2項=均等待遇)。ただし「全員一律で同額」ではなく、職務内容・責任・異動範囲の客観的な違いに応じた差は適法に残ります。義務を負うのは派遣先ではなく、あなたの雇い主である派遣元事業主です。
同じ職場で、隣の正社員と同じ仕事をしている。なのにボーナスは出ない、交通費も食堂も使えない。派遣だから仕方ない、そう諦めてきたなら、2020年4月にルールが変わったことを知っておくべきだ。労働者派遣法30条の3は、派遣元事業主に対し、基本給・賞与・手当・福利厚生のひとつひとつについて、派遣先の正社員との間に『不合理な待遇差』を設けることを禁じた。ポイントは二つ。第1項は、仕事の内容や責任の重さ、配置転換の範囲などを考慮して、釣り合いの取れない差を禁じる『均衡待遇』。第2項は、仕事も人事異動の範囲も正社員と完全に同じ派遣労働者には、正当な理由なく不利に扱うことを禁じる『均等待遇』だ。注意すべきは、比べる相手があなたの雇い主(派遣元)ではなく、あなたが働いている『派遣先』の正社員だという点。この一点が、派遣の待遇問題をふつうのパート問題と決定的に分けている。
労働者派遣法30条の3は派遣労働者の均衡待遇および均等待遇を定める規定であり、派遣元事業主に対し、基本給・賞与その他の待遇のそれぞれについて、派遣先に雇用される通常の労働者との間に不合理と認められる相違を設けることを禁じる。比較対象は雇用主たる派遣元ではなく、就業先たる派遣先の通常の労働者である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
均衡待遇(30条の3第1項)は職務や責任の差を考慮して不合理な差だけを禁じる相対的な規制です。均等待遇(第2項)は職務も異動範囲も正社員と完全に同一なら、正当な理由のない不利な扱いを一切禁じる絶対的な規制です。
比較対象は雇い主である派遣元の社員ではなく、あなたが実際に働いている派遣先の通常の労働者(正社員)です。この点が派遣の同一労働同一賃金をパート問題と分ける核心です。
派遣先の正社員と直接比較して待遇を均衡・均等にする原則的な方式です。これに対し労使協定方式(30条の4)は、派遣先正社員ではなく統計上の一般賃金水準と比べる代替方式で、約9割の派遣会社が後者を選んでいます。
同一労働同一賃金ガイドライン(告示430号)は通勤手当を原則として同一に支給すべきとします。正社員のみ支給で派遣には不支給という差は、正当な理由がなければ是正対象になりえます。
退職金も30条の3の対象です。労使協定方式では一般賃金に退職金相当分を含めて時給に上乗せしている場合があります。明細の内訳を確認し、含まれていなければ説明を求める価値があります。
労使協定は本人へ周知される建前なので、派遣元に協定書の開示を求められます。就業条件明示書や雇用契約書にも方式の記載があることが多く、賃金の決まり方を確認する出発点になります。
都道府県労働局の需給調整事業部門に無料・匿名で相談できます。行政指導につながれば派遣元は企業名公表を避けるため是正に動きます。派遣ユニオンなど個人加盟の労働組合も選択肢です。
働き方改革関連法により、2020年4月1日から本格施行されました。それ以前は派遣元への配慮義務にとどまっていましたが、不合理な待遇の禁止という強い義務へ全面改正されました。
制度上はそうです。30条の3は賞与も『不合理な差を設けてはならない』対象に明記し、同一労働同一賃金ガイドライン(平成30年厚労省告示430号)は賞与を貢献度に応じて支給すべきとします。ただし全員一律ではなく、職務や責任の差は反映されます。業界裏話ヒント:多くの派遣会社は労使協定方式を採り、賞与相当分を時給に上乗せして『支給済み』と整理しています。明細の時給が同業の派遣より高めなら、賞与がそこに溶け込んでいる可能性がある。まず賃金の内訳を確認するのが先です
労使協定方式(30条の4)は、派遣先正社員と比べる代わりに、厚労省が毎年出す職種別の一般賃金水準以上を労使協定で保障する仕組みです。必ずしも不利ではなく、派遣先が変わっても賃金が乱高下しない利点があります。業界裏話ヒント:協定方式でも、教育訓練と一部の福利厚生(食堂・更衣室など)は派遣先正社員と均等にする義務が残ります。『協定方式だから』と全部を諦める必要はない。協定書は本人へ周知される建前なので、見せてほしいと求める権利があります
求められます。31条の2は、派遣労働者から求めがあれば、派遣元は正社員との待遇差の内容と理由を説明する義務を負うと定めます。しかも説明を求めたことを理由に不利益な取扱いをすることは禁止されています。業界裏話ヒント:口頭で曖昧に流されたら、書面での回答を求めてください。書面が出ない、または説明が不合理なら、それ自体が労働局への相談材料になる。説明義務違反は行政指導の対象で、会社は公表を嫌って動きます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 比較対象 | 30条の3:派遣先の通常の労働者(正社員)と直接比較 | — |
| 義務を負う者 | 派遣元事業主 | — |
| 規制の型 | 均衡待遇(第1項)+均等待遇(第2項)の二段構え | — |
| 適用される労働者 | 派遣労働者 | — |
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