消費税法 第17条(工事の請負に係る資産の譲渡等の時期の特例)
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- 事業者が所得税法第六十六条第一項(工事の請負に係る収入及び費用の帰属時期)又は法人税法第六十三条第一項(工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度の特例)に規定する長期大規模工事(以下この条において「長期大規模工事」という。)の請負に係る契約に基づき資産の譲渡等を行う場合には、当該長期大規模工事の目的物のうちこれらの規定に規定する工事進行基準の方法により計算した収入金額又は収益の額に係る部分については、当該事業者は、これらの規定によりその収入金額が総収入金額に算入されたそれぞれの年の十二月三十一日の属する課税期間又はその収益の額が益金の額に算入されたそれぞれの事業年度終了の日の属する課税期間において、資産の譲渡等を行つたものとすることができる。
- 2.事業者が所得税法第六十六条第二項又は法人税法第六十三条第二項に規定する工事(以下この条において「工事」という。)の請負に係る契約に基づき資産の譲渡等を行う場合において、当該事業者がこれらの規定の適用を受けるためその工事の請負に係る対価の額につきこれらの規定に規定する工事進行基準の方法により経理することとしているときは、当該工事の目的物のうち当該方法により経理した収入金額又は収益の額に係る部分については、当該事業者は、これらの規定によりその収入金額が総収入金額に算入されたそれぞれの年の十二月三十一日の属する課税期間又はその収益の額が益金の額に算入されたそれぞれの事業年度終了の日の属する課税期間において、資産の譲渡等を行つたものとすることができる。ただし、所得税法第六十六条第二項ただし書又は法人税法第六十三条第二項ただし書に規定する場合に該当することとなつた場合は、所得税法第六十六条第二項ただし書に規定する経理しなかつた年の十二月三十一日の属する課税期間以後の課税期間又は法人税法第六十三条第二項ただし書に規定する経理しなかつた決算に係る事業年度終了の日の属する課税期間以後の課税期間については、この限りでない。
- 3.第一項又は前項本文の規定の適用を受けた事業者が第一項の長期大規模工事又は前項の工事の目的物の引渡しを行つた場合には、当該長期大規模工事又は工事の請負に係る資産の譲渡等のうち、その着手の日の属する課税期間から当該引渡しの日の属する課税期間の直前の課税期間までの各課税期間においてこれらの規定により資産の譲渡等を行つたものとされた部分については、同日の属する課税期間においては資産の譲渡等がなかつたものとして、当該部分に係る対価の額の合計額を当該長期大規模工事又は工事の請負に係る対価の額から控除する。
- 4.前三項の規定の適用を受けようとする事業者は、第四十五条第一項の規定による申告書にその旨を付記するものとする。
- 5.前項に定めるもののほか、第一項若しくは第二項の規定の適用を受ける個人事業者が死亡した場合、これらの規定の適用を受ける法人が合併により消滅した場合又はこれらの規定の適用を受ける法人が分割により長期大規模工事若しくは工事に係る事業を分割承継法人に承継させた場合における長期大規模工事又は工事に係る資産の譲渡等の時期の特例その他第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
この条文の基本情報
工事の請負に係る資産の譲渡等の時期の特例とは何ですか?
定義工事の請負に係る資産の譲渡等の時期の特例とは、消費税法第17条に定められた規定で、「事業者が所得税法第六十六条第一項(工事の請負に係る収入及び費用の帰属時期)又は法人税法第六十三条第一項(工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度の特例)に規定…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消費税法第17条(工事の請負に係る資産の譲渡等の時期の特例)は、日本の消費税法に含まれる条文です。
- 消費税法第17条の条文原文は「事業者が所得税法第六十六条第一項(工事の請負に係る収入及び費用の帰属時期)又は法人税法第六十三条第一項(工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度の特例)に規定…」で始まります。
- 消費税法第17条は第一章 総則に置かれています。
- 消費税法の公布日は昭和63年12月30日です。
- 消費税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 消費税法第17条の前の条は消費税法第16条です。
- 消費税法第17条の次の条は消費税法第18条です。
- 消費税法第17条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第17条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000108 - 本サイト収録
消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第17条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/363AC0000000108/17
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消費税法17条は、長期大規模工事などの請負について、工事進行基準で計算した部分を各課税期間に資産の譲渡等があったものとできる特例。適用には確定申告書への付記が必要。
Q · 何年もかかる大型工事の消費税は、引き渡したときにまとめて納めるしかないの?
引渡し時一括か、工事の進み具合で分散か、事業者が選べます
消費税法17条により、長期大規模工事や工事進行基準で経理する工事の請負では、進捗に応じて計算した収入金額・収益の額に対応する部分を、その計上年度末が属する各課税期間の資産の譲渡等として計上できます。法人税法63条1項・所得税法66条1項では長期大規模工事について進行基準が強制されますが、消費税では「することができる」規定にとどまり選択制です。適用するには45条1項の確定申告書に付記する必要があり、引渡しの課税期間では既計上分を対価の額から控除します(17条3項)。
解説
ビルやプラント、橋梁のような何年もかかる大型工事。その代金にかかる消費税を、いつ国に納めるのか。多くの経理担当は「引渡しのとき一括」と考えるが、消費税法17条はもう一つの道を開いている。工事の進み具合に応じて資産の譲渡等が起きたものとみなし、消費税を各課税期間へ分散できる(工事進行基準、工事の完成度に比例して収益を計上する会計手法)。ここに玄人しか知らない非対称がある。請負金額が一定額以上の長期大規模工事は、法人税・所得税では工事進行基準が強制されるのに、消費税では条文が「することができる」と書く、つまりあなたの選択なのだ。分散すれば納税も分散し資金繰りが平準化する。引渡し時に一括計上すれば、その課税期間の消費税負担が跳ね上がる。契約書のどこにも書かれないこの一つの選択が、数年にわたる会社のキャッシュフローを左右する。
法的な位置づけ
消費税法17条は、資産の譲渡等の時期に関する特例規定であり、長期大規模工事および工事進行基準の方法により経理する工事の請負に係る対価のうち、当該方法で計算した収入金額または収益の額に対応する部分について、その計上年度末が属する各課税期間に資産の譲渡等があったものとすることを認める。引渡しの課税期間では既計上分を対価の額から控除し、二重計上を防ぐ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
よくある質問 AI による整理
Q1工事進行基準とは何ですか?
工事の完成度に応じて収入や収益を各期に配分して計上する会計・税務の方法です。所得税法66条・法人税法63条が定義し、消費税法17条はその計算結果を借用して資産の譲渡等の時期を決めます。
Q2長期大規模工事の要件は?
所得税法66条1項・法人税法63条1項が定める工期と請負金額の要件を満たす工事です。要件を満たすと法人税・所得税では進行基準が強制されますが、消費税法17条1項では選択にとどまります。
Q3消費税法17条の特例を使うには何が必要?
45条1項の確定申告書にその旨を付記することが要件です(17条4項)。付記を忘れると、その課税期間について特例を選ぶ権利が事実上失われます。決算確定前に申告方針を固めるのが実務の勘所です。
Q4進行基準で計上したら引渡し時に二重課税されませんか?
されません。17条3項が、着手の課税期間から引渡し直前の課税期間までに計上済みの部分について、引渡しの課税期間では資産の譲渡等がなかったものとし、その合計額を対価の額から控除します。
Q5個人事業者が工事の途中で死亡したらどうなりますか?
17条5項が、個人事業者の死亡、法人の合併消滅、分割承継の場合の資産の譲渡等の時期の特例を政令に委任しています。承継のルールは消費税法施行令を確認する必要があります。
Q6会社分割で工事を引き継いだ場合の消費税は?
分割承継法人が長期大規模工事または工事に係る事業を承継した場合の時期の特例は、17条5項の委任を受けた政令が定めます。分割契約書の税務条項を作る前に承継ルールの確認が必要です。
Q7消費税法16条との違いは?
16条はリース譲渡(延払基準)の時期の特例、17条は工事の請負に係る進行基準の特例です。どちらも原則である引渡し基準を修正する姉妹規定ですが、対象取引と借用する会計方法が異なります。
Q8一般の工事でも進行基準は使えますか?
使えます。17条2項は、所得税法66条2項・法人税法63条2項の工事について、進行基準の方法で経理していることを前提に特例の適用を認めます。ただし経理をやめた年以後の課税期間は適用外です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1工事の消費税って、完成して引き渡したときにまとめて払うんじゃないんですか?
原則はそのとおりで、資産の譲渡等の時期は引渡し時が基本です。ただし消費税法17条により、工事の進み具合に応じて各課税期間へ分散する進行基準も選べます。実務のポイント:請負金額が大きい長期大規模工事は、法人税・所得税では進行基準が強制されるのに、消費税だけは「することができる」規定なので選択制です。多くの経理は法人税の処理にそのまま揃えてしまい、消費税で引渡し一括を選ぶ余地があること自体に気付いていません
Q2途中で消費税率が上がったら、長い工事はどっちの税率になるんですか?
税率改定に合わせた経過措置があり、指定日より前に締結した工事の請負契約は、引渡しが増税後でも旧税率が適用される場合があります。17条の進行基準で計上する課税期間の取り方と、この経過措置がかみ合うかが焦点です。実務のポイント:契約日と指定日の前後関係を一日単位で確認するのが実務の勘所。契約書の日付一つで税率差分の負担が変わるため、増税アナウンスが出た時点で駆け込み契約の是非を検討する会社は多い(最新の改正状況をご確認ください)
Q3一度進行基準を選んだら、途中でやめられないんですか?
一般の工事(17条2項)については、工事進行基準の方法で経理することを前提に特例が使えるため、その経理をやめた年以後の課税期間からは特例が適用されなくなります(17条2項ただし書)。実務のポイント:法人税・所得税側で進行基準経理を継続しているかどうかが消費税の可否をそのまま決めるので、税目をバラバラに動かすと足元をすくわれます。会計方針の変更を決める前に、消費税の計上時期への波及まで一度に検討するのが実務の作法です
間違えやすい点 AI による整理
- 「工事の消費税はいつ払うのが正解か」と一つの正解を探しがちだが、問いの立て方そのものが誤っている。17条は正解を一つに定めず、引渡し一括か進行基準による分散かを事業者に選ばせる規定だ。探すべきは唯一の正解ではなく、自社の資金繰りと税率環境に有利な選択である
- 長期大規模工事で工事進行基準が「強制」だと知っている人は多い。だがその強制は法人税・所得税の帰属時期の話であって、消費税では17条により選択にとどまる。この一段の深さを知らないと、消費税まで機械的に進行基準へ揃えてしまい、本来選べたはずの余地を自ら捨てることになる
- 進行基準で毎期消費税を計上したら、引渡しの課税期間にもう一度工事全体へ課税されて二重取りされるのでは、と不安に思うかもしれない。実際は17条3項が、過年度に計上済みの部分を引渡し期の対価の額から控除し、二重計上をきちんと防いでいる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる取引 | 17条:長期大規模工事・工事進行基準で経理する工事の請負 | 16条:リース譲渡(延払基準で経理するもの) 18条:小規模事業者の現金主義による課税 |
| 計上時期をずらす基準 | 工事の進捗に応じて計算した収入金額・収益の額 | 賦払金の支払期日など延払基準による部分 現実の対価の収受・支払の時期 |
| 適用の手続要件 | 45条1項の確定申告書への付記(17条4項) | 延払基準の方法により経理していること 所得税法上の現金主義の適用を受けていること |
| 引渡し・完了時の調整 | 既計上分を対価の額から控除し二重計上を防止(17条3項) | 残額の計上により最終的に全額が課税対象 収受ベースで完結し期間帰属の調整は生じにくい |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は請負工事業について、契約に定める各期の請求時に統一発票を発行する扱いとし、証憑発行時期の規律を通じて実質的に期間配分を実現する。選択制ではなく証憑ルールで固定される点が日本と異なる
韓国は完成度基準支給条件付・中間支給条件付供給について、各代金の受領約定日を供給時期とする。会計基準の借用ではなく契約上の支払期日を基準とする点で、日本の借用型とは技術が異なる
ドイツは経済的に区分可能な部分給付(Teilleistung)と前受金(Anzahlung)に着目して税の成立時期を段階化する。所得課税の会計方法を借用する日本と異なり、付加価値税自体の給付概念で処理する
米国には連邦付加価値税がなく、長期請負契約の percentage-of-completion method は連邦所得税の帰属時期ルールとして機能する。間接税は州売上税であり、建設役務の課税可否自体が州により分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 請負金額12億円のプラント建設、工期は3年。法人税では工事進行基準が強制されるが、消費税も同じ扱いにしていいのか? 消費税法17条は「することができる」規定、つまり引渡し時の一括計上も選べる。この分岐を経理が意識していないと、資金繰りに最も有利な道を無自覚に捨てている
- 確定申告書の提出まであと5日。17条の特例は申告書への付記が要件だ(17条4項)。付記を忘れれば、この課税期間は選択の権利ごと消える。方針を今日固めるしかない
- 消費税率が上がる直前に着工した長期工事で、引渡しは増税後。指定日より前に契約していれば旧税率が使える経過措置があり、進行基準でどの課税期間に計上するかの取り方が、税率差の負担に直結する(最新の改正状況をご確認ください)
- 工事の途中で建設部門を会社分割し子会社へ移す。まだ計上していない工事分の消費税を、分割承継法人がいつ、どう引き継ぐのか。17条5項が政令に委ねており、その承継ルールを読まないと分割契約書の税務条項に穴が開く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 手元の工事が長期大規模工事(一定の請負金額・工期の要件を満たすもの)か、一般の工事かを、所得税法66条・法人税法63条の定義で確認する2. 引渡し一括計上と進行基準分散の二案で、各課税期間の納税額と資金繰りをシミュレーションする3. 税率改定をまたぐ工事は、契約日と指定日の前後、引渡し予定日を並べて経過措置の適用可否を確認する4. 選ぶと決めたら45条の確定申告書に付記する(17条4項)。付記漏れはその期の選択権喪失に直結するので、申告方針は決算確定前に固める
訴えられた側:1. 税務調査で計上時期を否認された場合、自社が付記した選択(進行基準か引渡し一括か)と、法人税・所得税での帰属時期の処理が整合しているかを突き合わせる2. 17条3項の引渡し期における控除計算が正しく行われ、二重計上や計上漏れがないかを検証する3. 更正処分に不服があれば、処分を知った日から3か月以内に税務署長への再調査の請求または国税不服審判所への審査請求を検討する4. 争点が計算方法の解釈に及ぶ場合、税理士とともに通達・質疑応答事例の裏付けを固めてから対応する
時効(請求できる期限):選択適用の意思表示は、その課税期間の確定申告書(45条1項)への付記が期限であり、法定申告期限(法人は原則課税期間終了後2か月、個人事業者は翌年3月31日)が実務上のリミット。申告後の是正は原則として法定申告期限から5年以内の更正の請求による。税務署長による更正の除斥期間は通常5年、偽りその他不正がある場合は7年(最新の改正状況をご確認ください)
学説
条文構造からの整理(実務上の一般的理解):17条は独自の進捗判定基準を持たず、所得税法66条・法人税法63条の工事進行基準の計算結果をそのまま借用する参照型の特例である。したがって所得税・法人税側の経理方針が変われば消費税の計上時期も連動し、税目ごとに方針を分断できない構造になっている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和63年(1988年) 新設:消費税法(昭和63年法律第108号)の制定に伴い、資産の譲渡等の時期の特例のひとつとして工事の請負に係る規定が置かれた。翌平成元年(1989年)4月1日から消費税が施行されている。
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