消費税法 第18条(小規模事業者等に係る資産の譲渡等の時期等の特例)
クイックジャンプ
- 個人事業者で所得税法第六十七条第一項又は第二項(小規模事業者等の収入及び費用の帰属時期)の規定の適用を受ける者の資産の譲渡等及び課税仕入れを行つた時期は、その資産の譲渡等に係る対価の額を収入した日及びその課税仕入れに係る費用の額を支出した日とすることができる。
- 2.前項の規定の適用を受けようとする事業者は、第四十五条第一項の規定による申告書にその旨を付記するものとする。
- 3.前項に定めるもののほか、第一項の規定の適用を受ける個人事業者がその適用を受けないこととなつた場合の資産の譲渡等及び課税仕入れを行つた時期の特例その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
この条文の基本情報
小規模事業者等に係る資産の譲渡等の時期等の特例とは何ですか?
定義小規模事業者等に係る資産の譲渡等の時期等の特例とは、消費税法第18条に定められた規定で、「個人事業者で所得税法第六十七条第一項又は第二項(小規模事業者等の収入及び費用の帰属時期)の規定の適用を受ける者の資産の譲渡等及び課税仕入れを行つた時期は、その資…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消費税法第18条(小規模事業者等に係る資産の譲渡等の時期等の特例)は、日本の消費税法に含まれる条文です。
- 消費税法第18条の条文原文は「個人事業者で所得税法第六十七条第一項又は第二項(小規模事業者等の収入及び費用の帰属時期)の規定の適用を受ける者の資産の譲渡等及び課税仕入れを行つた時期は、その資…」で始まります。
- 消費税法第18条は第一章 総則に置かれています。
- 消費税法の公布日は昭和63年12月30日です。
- 消費税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 消費税法第18条の前の条は消費税法第17条です。
- 消費税法第18条の次の条は消費税法第19条です。
- 消費税法第18条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第18条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000108 - 本サイト収録
消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第18条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/363AC0000000108/18
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消費税法18条は、所得税で現金主義を選んだ個人事業者に限り、売上と仕入れの計上時期を入金日・支払日にできる特例。確定申告書への付記が適用要件で、税額の総額は変わらない。
Q · まだ入金されていない売上にも、消費税を先に納めないといけないの?
所得税で現金主義を選び、申告書に付記した個人事業者は入金日まで先送りできます
消費税は原則として発生主義で、対価を受け取っていなくても資産の譲渡等をした時点で課税されます。ただし消費税法18条により、所得税法67条の現金主義の適用を受ける個人事業者は、売上を収入した日、仕入れを支出した日で計上できます。適用には確定申告書への付記が必要で(2項)、付記がなければ帳簿が現金主義でも原則どおり発生主義で扱われます。税額の総額は変わらず、変わるのはどの課税期間に載せるかだけです。
解説
年末ぎりぎりに大口の仕事を納品した。だが入金は年明け。それでも通常の発生主義では、まだ一円も受け取っていない売上の消費税を、その年の分として先に納めることになる。消費税法18条は、この順番を引っくり返せる個人事業主を定めている。所得税で「現金主義」(所得税法67条、前々年と前年の事業所得+不動産所得の合計が300万円以下の小規模事業者向け)を選んでいる人は、消費税でも資産の譲渡等(売上)と課税仕入れ(仕入れ)の時期を、実際に金を受け取った日、支払った日で計算してよい。押さえるべきは、これが税額そのものを減らす制度ではなく、納めるタイミングを実際の資金の動きに合わせる制度だという点。資金繰りの苦しい零細事業者にとって、入金前の税負担を後ろへずらせるかどうかは死活問題になる。ただし自動では適用されない。確定申告書にその旨を付記して初めて効く(2項)。
法的な位置づけ
消費税法第18条は、資産の譲渡等および課税仕入れの計上時期に関する特例規定である。所得税法第67条第1項または第2項の適用を受ける個人事業者に限り、発生主義に代えて、対価を収入した日および費用を支出した日を基準とする現金主義による計上を認める。適用は確定申告書への付記を要件とし、適用を受けなくなった場合の時期の調整は政令に委ねられている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.所得税で現金主義が使えるか所得要件を確認 前々年分の不動産所得と事業所得の合計(青色事業専従者給与等を必要経費に算入しないで計算した金額)が300万円以下かを確認する。ここを外れると消費税18条の入口に立てない
- 2.所得税の現金主義の届出書を3月15日までに提出 適用しようとする年の3月15日まで(1月16日以後の新規開業は開業日から2か月以内)に、所轄税務署へ現金主義による所得計算の特例を受ける旨の届出書を提出する。この届出が消費税18条の前提になる
- 3.消費税の確定申告書に18条の特例を受ける旨を付記 消費税は自動で現金主義にならない。その課税期間の確定申告書(個人事業者は翌年3月31日期限)に、18条1項の適用を受ける旨を付記する。この一行がないと、計算だけ現金主義でも発生主義で否認され得る
- 4.売上は入金日、仕入れは支払日で記帳し証憑を日付順に整理 通帳・決済明細の入出金日を基準に計上し、請求日ベースの資料と混在させない。仕入税額控除にはインボイス等の保存要件(30条)が別途かかるため、日付基準と保存書類の両方を揃える
- 5.所得要件を外れる年は、発生主義への復帰調整を前年のうちに設計 300万円の枠を超えると翌年から発生主義に戻る。期をまたぐ売上と仕入れの処理は消費税法施行令40条が定めており、放置すると二重計上か計上漏れになる。超える前年のうちに顧問税理士と転換処理を詰める
よくある質問 AI による整理
Q1消費税の現金主義とは?
売上を入金した日、仕入れを支払った日で計上する方式です。消費税法18条により、所得税法67条の現金主義の適用を受ける個人事業者だけが選べます。
Q2現金主義の届出はいつまでに出す?
所得税の現金主義は、適用しようとする年の3月15日までに届出書を提出します。1月16日以後の新規開業なら開業日から2か月以内です。
Q3消費税法18条の付記はどこに書く?
消費税の確定申告書(45条1項の申告書)に、18条1項の適用を受ける旨を付記します。帳簿を現金主義にするだけでは要件を満たしません。
Q4法人でも消費税の現金主義は使える?
使えません。18条は「個人事業者」に限定されています。法人は資本金や売上規模にかかわらず、原則どおり発生主義で計上します。
Q5現金主義の300万円はどう判定する?
所得税法施行令上、前々年分の不動産所得と事業所得の合計(青色事業専従者給与等を必要経費に算入しないで計算した金額)が300万円以下かで判定します。最新の要件は国税庁の公表資料でご確認ください。
Q6簡易課税と現金主義は併用できる?
別制度なので同時に検討できます。簡易課税(37条)は税額の計算方法、現金主義(18条)は計上の時期を定めるもので、規律している場面が違います。
Q7現金主義でも帳簿や請求書の保存は必要?
必要です。18条は計上時期の特例にすぎず、仕入税額控除の要件(30条の帳簿・請求書等の保存、インボイスの保存)は別途そのまま適用されます。
Q8現金主義でも消費税の申告期限は同じ?
同じです。個人事業者の消費税の確定申告期限は課税期間の翌年3月31日で、現金主義を選んでも延びません。付記はこの期限内の申告で行います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1現金主義にすると、払う消費税って安くなるんですか?
安くなりません。18条の現金主義特例が変えるのは計上の「時期」だけで、納める税額の総額は同じです。入金していない売上を翌期に回せるので、資金繰りは楽になりますが、いずれ入金した課税期間で必ず計上します。実務のポイント:税額を実際に圧縮したいなら別制度の簡易課税(37条)やインボイスの2割特例を検討する話で、現金主義とは目的が違う。税理士は当然使い分けるが、聞かれない限り「これは減税ではない」とわざわざ強調しない
Q2所得税で現金主義を選んでるんですが、消費税も自動で現金主義になりますよね?
なりません。消費税で現金主義を使うには、その課税期間の確定申告書に18条の特例を受ける旨を付記する必要があります(2項)。付記を忘れると、計算だけ現金主義でも税務署からは発生主義で否認され得ます。実務のポイント:所得税は現金主義、消費税は付記漏れで発生主義、というねじれは調査官が最も見つけやすいパターン。付記の有無は申告書一枚で確認できるので、狙われやすい。所得税と消費税は必ずセットで足並みをそろえる
Q3去年まで300万円以下だったけど今年超えそう。来年からどうなりますか?
翌年からは所得税の現金主義が使えなくなり、消費税も発生主義に戻ります。その転換の際、期をまたぐ売上と仕入れをどう処理するかは施行令40条が定めており、放置すると二重計上か計上漏れが起きます(3項の政令委任)。実務のポイント:この転換調整は自分でやると間違えやすい典型例で、超えた年の申告で表面化する。超える前年のうちに顧問税理士へ「来年から発生主義に戻る前提の調整」を頼んでおくと、追徴の芽を先に摘める
間違えやすい点 AI による整理
- 現金主義の存在は所得税で知っていても、消費税の計上時期まで自動で連動すると思い込んでいる人が多い。実際は別建てで、消費税側は確定申告書への付記(2項)をしなければ発生主義のまま。片方だけ現金主義という不整合は、税務調査で真っ先に突かれる急所になる
- 「現金主義にすれば消費税が安くなるのか」という問いそのものがずれている。この特例は納める総額を一円も変えない。動かせるのは計上の時期、つまりどの課税期間に載せるかだけ。減税ツールではなく資金繰りのタイミング調整ツールだと理解を組み替えないと、期待外れに終わる
- 現金主義は「簡易課税」(消費税法37条)と混同されがちだが、まったくの別物。簡易課税は税額の計算方法、現金主義(18条)は計上の時期。両者は同時に検討できるのに、片方しか知らずに選択肢を狭めている個人事業主は少なくない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 18条:計上の時期を入金日・支払日へずらす(資金繰り調整) | 37条:みなし仕入率で税額計算を簡略化(計算方法) 9条:小規模事業者の納税義務そのものを免除 |
| 税額への影響 | 総額は変わらない。動くのは計上する課税期間だけ | 実額の仕入税額控除と差が出て、税額が増減する 納税義務がなく、消費税の申告・納付が生じない |
| 適用要件 | 所得税法67条の現金主義の適用+確定申告書への付記(2項) | 基準期間の課税売上高5,000万円以下+事前の選択届出書 基準期間の課税売上高1,000万円以下(課税事業者を選択していないこと) |
| 対象者 | 個人事業者に限定(法人は不可) | 法人・個人事業者のいずれも対象 法人・個人事業者のいずれも対象 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は所得税側で小規模営利事業に現金収付制を認め、営業税側は小規模営業人を査定課徴とする。日本のように営業税の計上時期を個別に選択させる建付けではない
中国は納税義務発生時間を「販売代金を収受した日または代金請求の証憑を取得した日」とし、条文上すでに一部現金主義的な構成を採る。小規模納税人には低率の徴収率が別途適用される
ドイツは一定の売上規模以下の事業者や自由業者について、税務署の許可により受領対価基準(Ist-Versteuerung)を認める。法人格の有無ではなく売上規模と業種で線を引く点が日本と異なる
フランスは役務提供について原則として encaissement(入金)基準で TVA が発生し、物品販売は引渡基準。事業者の選択ではなく取引類型で基準が分かれる
連邦レベルに付加価値税は存在せず、所得課税で現金主義の使用可否が売上規模により制限される。州売上税の申告基準(cash / accrual)は州法ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 年末に納品したのに、入金は翌年2月。この売上の消費税、翌年3月末の申告で当年分として先に納めるしかないのか? 現金主義特例を使っていれば、実際に入金した翌年の課税期間へ回せる。手元に金が入る前に税だけ出ていく、その順番を変えられる
- 現金主義で計算していたが、確定申告書に18条特例の付記をしていなかった。税務調査で「付記なし=特例の適用なし」と指摘され、発生主義で全部やり直し、追徴。付記一行の有無が、計算全体の正否を分ける
- 前々年も前年も300万円以下だったのが、今年は超えそう。来年からは特例が使えず発生主義に戻る。期をまたぐ売上と仕入れの調整(施行令40条)を怠ると、丸ごと計上漏れか二重計上が起きる。超える前年のうちに顧問税理士と転換処理を詰める、残り時間は数か月
- インボイス制度のために渋々課税事業者になったフリーランス。取引先の入金サイトが長く、常に資金繰りがカツカツ。300万円以下なら、この現金主義特例で入金前の消費税負担を後ろ倒しにできる。所得税だけの話と思っていた現金主義が、消費税の資金繰りにも効いてくる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず所得税で現金主義が使えるか確認:前々年と前年の事業所得+不動産所得の合計が300万円以下か(最新の要件をご確認ください)。2. 使えるなら、適用しようとする年の3月15日までに所得税の現金主義の届出書を税務署へ。3. 消費税は自動では現金主義にならない。その課税期間の確定申告書(個人事業者は翌年3月31日期限)に18条の特例を受ける旨を付記する(2項)。4. 売上は入金日、仕入れは支払日で計上し、証憑を日付ベースで整理しておく。
訴えられた側:1. 確定申告書に18条特例の付記があるか確認。付記があれば現金主義での計算は正当、堂々と主張する。2. 付記がないまま現金主義で計算していた場合、原則は発生主義で再計算される。過去の申告書と帳簿の計上日基準を突き合わせ、一貫していたかを整理。3. 所得税は現金主義、消費税は発生主義といった不整合があれば、修正申告と追徴の範囲を顧問税理士と試算し、過少申告加算税を最小化する動きを取る。
時効(請求できる期限):所得税の現金主義の届出は適用しようとする年の3月15日まで(新規開業は開業日から2か月以内)。消費税はその課税期間の確定申告書(個人事業者は翌年3月31日期限)への付記が要件で、期限内申告での付記が起算点。特定の消滅時効ではなく、申告期限という手続的期限が効力の分かれ目になる(最新の申告期限をご確認ください)。
学説
実務通説:18条2項の付記は特例適用の手続要件と解されており、帳簿上は現金主義で計算していても、確定申告書に付記がなければ原則どおり発生主義で計算されると扱われる。所得税の現金主義選択と消費税の付記は、同一年度でそろえる必要がある
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和63年(1988年) 新設:消費税法(昭和63年法律第108号)の制定に伴い新設。所得税法67条の現金主義を選択する小規模個人事業者について、消費税でも収入日・支出日基準の計上を認める特例として設けられた
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める