要点消費税法 28 条は、消費税の課税標準を「対価の額」と定める規定。ただし法人が役員へ著しく低い価額で資産を譲渡した場合は、時価を対価の額とみなして課税される。
Q · 会社の車を役員が安く買い取ったら、消費税はいくらで計算されるの?
実際の売買額ではなく、時価で課税されることがあります
消費税法 28 条 1 項は課税標準を「対価の額」と定めますが、ただし書により、法人が役員に資産を譲渡し、その対価の額が譲渡時の資産の価額に比べて著しく低いときは、その価額(時価)を対価の額とみなします。さらに同条 3 項は、個人事業者の自家消費と法人から役員への贈与についても、その時点の資産の価額に相当する金額を対価の額とみなします。つまり、実際に受け取った金額が安くてもゼロでも、時価ベースで消費税が課される場面があります。
レジで払う消費税は、商品の値段に単純に10%を掛けただけ、そう思っていないだろうか。その計算の出発点、つまり税をかける土台の金額を定めるのが消費税法28条だ。課税標準は「対価の額」であり、そこに消費税自身は含めない(税の上に税はかけない)。ここまでは素直だ。問題はただし書きから始まる。あなたがオーナー社長で、会社所有の車や不動産を自分(役員)に相場よりぐっと安く売ったとする。28条1項ただし書は、その安い値段ではなく「時価」で売ったものとみなして消費税を計算し直す。さらに個人事業主が店の在庫を自分で消費した場合(家事消費)も、法人が役員に資産をタダで渡した場合も、時価で売ったものとみなされる(3項、みなし譲渡)。輸入品なら関税を上乗せした額が土台になる(4項)。つまり「いくらで売買したか」ではなく「法律がいくらとみなすか」で税額が決まる場面が、ここに埋まっている。
消費税法 28 条は、消費税の課税標準の算定方法を定める規定である。課税資産の譲渡等については対価の額を課税標準とし、消費税額及び地方消費税額に相当する額は含まない。法人から役員への著しい低額譲渡、個人事業者の自家消費及び法人から役員への贈与は時価によるものとみなされ、保税地域から引き取られる課税貨物については関税等を加算した金額が課税標準となる。
消費税を計算する土台となる金額です。消費税法 28 条 1 項により、課税資産の譲渡等の対価の額とされ、消費税額と地方消費税額に相当する額は含みません。
含まれません。28 条 1 項が、対価として収受すべき金額から消費税額及び地方消費税額に相当する額を除くと明記しています。税の上に税を課さない趣旨です。
28 条に固定のパーセンテージ基準はありません。実務では所得税の時価 2 分の 1 基準が類推されることもありますが解釈は分かれ、時価との乖離の合理性で判断されます。
個人事業者が棚卸資産等を家事消費したとき、法人が役員に資産を贈与したときです。28 条 3 項により、その時点の資産の価額に相当する金額が対価とみなされます。
28 条 4 項により、関税定率法に準じて算出した課税価格に、消費税以外の消費税等の額と関税の額を加算した金額が課税標準になります。
更正・決定の期間制限は原則として法定申告期限から 5 年、偽りその他不正の行為があれば 7 年です(国税通則法 70 条)。名義変更の日付が起点になります。
事業として対価を得て行う譲渡が対象のため、事業者でない個人同士の売買は課税されません。ただし反復継続して事業と評価される規模なら納税義務者になり得ます。
不足税額の本税に加え、過少申告加算税や延滞税が課されます。税務調査の通知前に自主的に修正申告すれば、加算税が軽減される場合があります。
28条1項ただし書が、法人から役員への「著しく低い」価額の譲渡を、時価で売ったものとみなすからです。売った会社側の消費税課税標準が時価に引き直され、同時に法人税では役員給与・賞与、買った側では所得税も問題になります。業界裏話ヒント:税務署がこの規定を持ち出すのは、決算期末や廃業時の資産の名義付け替えを調査で見つけたときが典型。取引の「日付」と「価格の根拠資料」が残っているかで、追徴の成否が分かれる
建前としては、個人事業主の家事消費は28条3項・4条5項のみなし譲渡に当たり、時価相当額が課税対象です。所得税でも自家消費は収入に計上します(所得税法39条)。ただし少額なら実務上は概算計上で処理されることが多い。業界裏話ヒント:酒・食品・アパレルなど「自分でも使える在庫」を持つ業種は調査で必ず家事消費を見られる。仕入れは全部経費、消費はゼロ申告、という帳簿は真っ先に疑われる
電気通信利用役務のうち事業者向けのものは、支払った国内事業者側が納税義務を負う「リバースチャージ」の対象で、28条2項がその課税標準(支払対価の額)を定めます。ただし課税売上割合95%以上の事業者は当分の間、申告不要とされています。業界裏話ヒント:この制度を知らずに海外SaaSや広告費を仕入税額控除だけしていると、調査で課税標準の計上漏れを指摘される。「払った側が納税者」という発想の転換が要る。(最新の改正状況をご確認ください)
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| 条文の役割 | 消費税法 28 条:税額計算の土台となる課税標準(対価の額・時価)を決める | — |
| 金額が動く要因 | 実際の対価か、時価によるみなし評価か(1 項ただし書・3 項) | — |
| 税務調査での争点 | 役員への低額譲渡・自家消費の時価評価の合理性 | — |
| 納税者の防御手段 | 第三者査定書・中古相場資料による時価の立証 | — |
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