要点消費税法 39 条は、取引先の倒産などで売掛金が回収不能になった場合、その課税期間の消費税額から税込価額の 110 分の 7.8 を控除できると定める。書類の保存が要件となる。
Q · 取引先が倒産して売掛金が回収できなくなったら、払った消費税は取り戻せますか?
取り戻せます。貸倒れが確定した課税期間で控除します
消費税法 39 条により取り戻せます。更生計画認可の決定による切捨て、書面での債務免除、継続的取引の停止後一定期間の未回収など、施行令 59 条が定める貸倒れの事実が生じた課税期間に、回収不能となった税込価額に 110 分の 7.8(軽減税率は 108 分の 6.24)を乗じた額を、その期の課税標準額に対する消費税額から控除します。事実を証する書類の保存が適用要件であり、免税事業者は対象外です。後日その債権を回収したときは、回収した課税期間の消費税額に加算し直す義務があります。
あなたが商品を掛けで売り、請求書に消費税を上乗せした瞬間、その消費税はあなたが立て替えて国に納める運命になる。相手が代金を払おうが払うまいが、売上を計上した課税期間で消費税は確定する。ここに落とし穴がある。取引先が倒産し、売掛金 110 万円が丸ごと回収不能になったとき、多くの社長は「100 万円の商品と 10 万円の利益が消えた」と嘆く。だが本当はもう一つ失っている。その売上に対応して既に納めた消費税だ。消費税法 39 条は、この払い済みの消費税を取り戻す弁を用意している。更生計画の認可決定による切捨て、書面での債務免除、継続取引の停止後の長期未回収など、政令が定める貸倒れの事実が生じた課税期間に、税込価額の 110 分の 7.8(軽減税率なら 108 分の 6.24)を、その期の消費税額から直接差し引ける。知っている社長は損失を二段構えで回収し、知らない社長は消費税分をそのまま捨てる。
消費税法 39 条は貸倒れに係る消費税額の控除を定める規定であり、課税事業者が行った課税資産の譲渡等につき、政令が定める貸倒れの事実により税込価額の全部または一部を領収できなくなった場合に、その課税期間の課税標準額に対する消費税額から対応する消費税額を控除する仕組みを規律する。免税事業者は対象外であり、貸倒れの事実を証する書類の保存が適用要件となる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
売掛金が回収不能になったとき、その売上に対応して既に納めた消費税を、貸倒れが確定した課税期間の消費税額から差し引ける制度です。根拠は消費税法 39 条 1 項です。
別制度です。法人税は貸倒損失として所得を減らし、消費税は 39 条で税額から直接控除します。根拠条文も計算式も処理する期間の縛りも異なるため、片方だけの処理では消費税分を取りこぼします。
回収不能となった税込価額に 110 分の 7.8(軽減対象課税資産の譲渡等は 108 分の 6.24)を乗じます。税込 110 万円が焦げ付いた場合、国税分の控除額は約 7.8 万円です。
使えます。簡易課税(37 条)が代替するのは仕入れに係る消費税額の控除(30 条)であって、39 条の貸倒れ控除は別枠で適用できます。混同して控除を放棄する例が多い論点です。
税込価額の領収ができないことが確定した日の属する課税期間の確定申告で行います。申告期限はその課税期間末日の翌日から 2 月以内(45 条)です。翌期に回さないことが鉄則です。
39 条 4 項により、被相続人が行った課税資産の譲渡等の債権が相続後に回収不能となったときは、相続人が譲渡等を行ったものとみなして控除できます。合併・分割にも準用されます(6 項)。
違います。値引き・返品・割戻しは 38 条の売上げに係る対価の返還等の控除、回収不能は 39 条の貸倒れ控除です。要件も証拠書類も異なるので、どちらの事実かを先に確定させます。
できます。条文は税込価額の「全部又は一部」の領収不能を対象としており、更生計画で 8 割カットされた場合は、切り捨てられた部分に対応する消費税額のみを控除します。
取り戻せない。39 条は課税事業者が課税資産の譲渡等を行った場合の制度で、売上時点で消費税を納める義務がなかった免税事業者は、そもそも払っていない税を取り戻せない(9 条 1 項で対象外)。業界裏話ヒント:インボイス登録で課税事業者になった後の売上なら対象になる。登録の前後で貸倒れの扱いが逆転するので、いつの売上かを必ず確認する
一定の要件を満たせば可能。消費税法施行令 59 条は、継続的取引の相手との取引停止後 1 年以上経過(かつ弁済なし)などを貸倒れの事実に含める。ただし督促しても払わないだけでは足りず、政令の類型に当てはめる必要がある。業界裏話ヒント:書面で債務免除すれば、その時点で確実に貸倒れ事実が成立する。あいまいに待つより内容証明で免除通知を出す方が、控除のタイミングを自分で握れる
39 条 3 項で、回収した税込価額に対応する消費税を、回収した課税期間の課税標準額に対する消費税額に加算する義務がある。処理を怠れば過少申告となり、税務調査で指摘されれば加算税の対象。業界裏話ヒント:貸倒れ控除は取ったら終わりではなく、その後の回収まで追う制度だ。税務署は控除の履歴と後の入金を突き合わせてくるので、回収したら自分から加算する
39 条 2 項と財務省令(消費税法施行規則 18 条)により、貸倒れの事実を証する書類の保存が控除の要件になる。更生計画認可決定の通知、債務免除通知の控え、取引停止と未回収を示す帳簿など、事実の類型ごとに必要書類が変わる。業界裏話ヒント:書類がないと、貸倒れが本当でも控除は否認される(災害等やむを得ない事情を自分で証明した場合のみ例外)。起きた記憶ではなく、起きたことを紙で残すことが控除の生命線だ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 控除の対象 | 39 条:回収不能となった売上に対応する消費税額 | — |
| 簡易課税(37 条)との関係 | 簡易課税でも別途適用できる | — |
| 適用要件 | 施行令 59 条の貸倒れ事実 + 事実を証する書類の保存(2 項) | — |
| その後の巻き戻し | 後日回収したら回収期の消費税額に加算(3 項) | — |
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