要点消費税法 38 条の 2 は、特定課税仕入れの対価の返還等を受けた場合、返還額の 7.8% をその期の消費税額から控除すると定める。控除には明細を記録した帳簿の保存が必要である。
Q · 海外ベンダーから広告費や出演料の返金を受けたとき、リバースチャージで納めた消費税はどうなるの?
帳簿に明細があれば返還額の 7.8% を控除できます
消費税法 38 条の 2 第 1 項により、特定課税仕入れにつき値引き・割戻しで対価の返還等を受けた場合、返還を受けた日の属する課税期間の課税標準額に対する消費税額から、返還額に 7.8%(国税分)を乗じた消費税額を控除します。ただし第 2 項により、返還額の明細を記録した帳簿を保存していない場合は控除できません。災害その他やむを得ない事情を事業者自身が証明したときのみ例外が認められます。相続・合併・分割で事業を承継した場合は、承継者自身の対価の返還等とみなして同じ処理をします(第 3 項・第 4 項)。
海外のクラウド広告や海外タレントの国内招聘、その代金をあなたの会社が払うとき、消費税を「売った側」ではなく「あなた自身」が申告して納める仕組みがある。リバースチャージ方式だ。第38条の2は、その特定課税仕入れについて、後から値引きやリベート、買掛金の減額を受けたときの精算ルールである。返還を受けた課税期間の消費税額から、返還された金額に7.8%を掛けた額を差し引く。要点は、これが自動では効かないこと。第2項が「帳簿に金額の明細を記録し保存していなければ控除を認めない」と釘を刺している。災害等のやむを得ない事情を自分で証明できない限り、記録漏れは即、控除の否認につながる。相続や合併で事業を引き継いだ場合も、引き継いだ側の取引とみなして同じ処理をする。海外取引を扱う経理担当なら、この一条を知らずに帳簿を作ると、正しく納めた税を取り戻せなくなる。
消費税法 38 条の 2 は、特定課税仕入れに係る対価の返還等についての消費税額控除を定める規定である。リバースチャージ方式により役務の受領者が納税義務を負う取引について、値引き・割戻し・買掛金その他の債務の減額を受けた場合、返還額に 100 分の 7.8 を乗じた消費税額を、返還を受けた日の属する課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除する。控除の適用には返還額の明細を記録した帳簿の保存を要する。
国内の事業者が受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」および「特定役務の提供」で、消費税法 5 条により役務を受けた側が納税義務を負う課税仕入れをいいます。海外事業者からの BtoB 配信広告やクラウド、外国タレントの国内興行が典型です。
消費税法 38 条の 2 第 1 項により、返還を受けた金額または減額された債務の額に 100 分の 7.8 を乗じた額を控除します。7.8% は国税分の税率で、地方消費税分は別途計算します。
返還または債務の減額を受けた日の属する課税期間です。仕入れを行った期に遡って修正するのではなく、返還を受けた期の課税標準額に対する消費税額から控除します。期ずれは修正申告の原因になります。
できません。消費税法 38 条の 2 第 2 項は、返還額の明細を記録した帳簿を保存しない場合、その部分の消費税額について第 1 項を適用しないと定めています。証拠書類ではなく帳簿の保存が要件です。
使えません。第 1 項は消費税法 9 条 1 項本文により納税義務が免除される事業者を明文で除外しています。そもそも特定課税仕入れの納税義務を負わないため、対価の返還等の控除も生じません。
第 4 項により、合併法人が被合併法人の特定課税仕入れにつき対価の返還等を受けた場合、分割承継法人が分割法人の分について受けた場合も、第 3 項を準用して承継者自身の返還として処理します。
返還を受けた金額の明細が要件であり、実務上は相手方、年月日、取引内容、返還金額を記録します。記録・保存に関する具体的事項は第 5 項により政令に委任されています。
38 条は自社が売上げに係る対価の返還等をした場合の控除、38 条の 2 は自社が特定課税仕入れについて対価の返還等を受けた場合の控除です。売る側の調整か、リバースチャージで買う側が納めた税の調整かが分かれ目です。
対象になるのは「事業者向け電気通信利用役務の提供」に限られます(消費税法5条、4条)。広告配信の多くはこれに該当し、あなた自身が納税義務者になります。値引きを受ければ第38条の2で精算します。業界裏話ヒント:ただし課税売上割合95%以上の課税期間は、平成27年改正附則により当分の間リバースチャージの適用がありません。多くの一般事業会社は実際には申告不要で、この経過措置を知らずに二重に悩むケースが多い
第2項により、明細を記録した帳簿を保存していない返還額の消費税額は控除できません。ただし災害その他やむを得ない事情を自分で証明できれば例外です(第2項ただし書)。業界裏話ヒント:「やむを得ない事情」のハードルは実務上かなり高く、単なる失念や多忙は認められません。だからこそ、後から言い訳するより、返金が確定した時点で即記録する運用が唯一の安全策になります
第3項により、被相続人が行った特定課税仕入れの対価返還は、承継したあなたが受けたものとみなして処理します。合併・分割で事業を承継した法人も第4項で同様です。業界裏話ヒント:相続・合併の局面では、承継前後の帳簿の連続性が調査で必ず見られます。前任者の記録が不十分だと、あなたの代で控除が否認される。事業承継のデューデリでは、消費税の対価返還の帳簿まで確認するのがプロの目線です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 誰の側の調整か | 消費税法 38 条の 2:自社が特定課税仕入れにつき対価の返還等を「受けた」側 | — |
| 控除の対象税額 | 返還額 × 100 分の 7.8 を課税標準額に対する消費税額から控除 | — |
| 帳簿要件 | 返還額の明細を記録した帳簿の保存が控除の絶対条件(第 2 項) | — |
| 承継の扱い | 相続・合併・分割の承継者が受けたものとみなす(第 3 項・第 4 項) | — |
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