消費税法 第31条(非課税資産の輸出等を行つた場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例)
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- 事業者が国内において第六条第一項の規定により消費税を課さないこととされる資産の譲渡等(以下この項において「非課税資産の譲渡等」という。)のうち第七条第一項各号に掲げる資産の譲渡等(以下この項及び次項において「輸出取引等」という。)に該当するものを行つた場合において、当該非課税資産の譲渡等が輸出取引等に該当するものであることにつき、財務省令で定めるところにより証明がされたときは、当該非課税資産の譲渡等のうち当該証明がされたものは、課税資産の譲渡等に係る輸出取引等に該当するものとみなして、前条の規定を適用する。
- 2.事業者が、国内以外の地域における資産の譲渡等又は自己の使用のため、資産を輸出した場合において、当該資産が輸出されたことにつき財務省令で定めるところにより証明がされたときは、当該資産の輸出のうち当該証明がされたものは、課税資産の譲渡等に係る輸出取引等に該当するものとみなして、前条の規定を適用する。
- 3.前二項の場合における前条第二項に規定する課税売上割合の計算の方法その他同条の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
この条文の基本情報
非課税資産の輸出等を行つた場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例とは何ですか?
定義非課税資産の輸出等を行つた場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例とは、消費税法第31条に定められた規定で、「事業者が国内において第六条第一項の規定により消費税を課さないこととされる資産の譲渡等(以下この項において「非課税資産の譲渡等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消費税法第31条(非課税資産の輸出等を行つた場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例)は、日本の消費税法に含まれる条文です。
- 消費税法第31条の条文原文は「事業者が国内において第六条第一項の規定により消費税を課さないこととされる資産の譲渡等(以下この項において「非課税資産の譲渡等」という。」で始まります。
- 消費税法第31条は第三章 税額控除等に置かれています。
- 消費税法の公布日は昭和63年12月30日です。
- 消費税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 消費税法第31条の前の条は消費税法第30条です。
- 消費税法第31条の次の条は消費税法第32条です。
- 消費税法第31条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第31条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000108 - 本サイト収録
消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第31条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/363AC0000000108/31
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消費税法31条は、非課税資産の輸出等について財務省令所定の証明がされた場合、課税資産の輸出取引等とみなして仕入税額控除を認める規定。証明がなければ適用されない。
Q · 海外向けの非課税の売上でも、消費税の仕入控除は取り戻せるんですか?
証明書類があれば、非課税の輸出でも仕入控除は戻ります
消費税法31条1項は、非課税資産の譲渡等のうち輸出取引等(同法7条1項各号)に該当するものについて財務省令所定の証明がされた場合、これを課税資産の譲渡等に係る輸出取引等とみなし、仕入税額控除(同法30条)を適用すると定めます。同条2項は、国内以外の地域での譲渡等または自己の使用のために資産を輸出した場合も、証明があれば同じ扱いとします。結果として課税売上割合が押し上げられ、削られていた控除が回復します。証明がなければこの特例は適用されず、単なる非課税売上として控除を減らすだけになります。
解説
消費税の申告で、多くの事業者が毎年取りこぼしている還付がある。仕組みはこうだ。有価証券や金銭債権のように、譲渡しても消費税がかからない「非課税資産」がある。この非課税売上があると課税売上割合が下がり、その分だけ仕入税額控除が削られる。ところが、その非課税資産を海外の相手に譲渡した、あるいは自社の海外拠点へ資産を輸出した場合、消費税法31条は財務省令で定める証明があることを条件に、それを「課税資産の輸出取引」とみなす。すると課税売上割合が押し上げられ、削られていた控除が丸ごと戻ってくる。逆に言えば、証明書類を揃えられなければこの還付はゼロ。あなたの会社が海外と取引しているなら、経理が31条を使えているかどうかで、毎期の納税額が数十万円単位で変わる。
法的な位置づけ
消費税法31条は、非課税資産の輸出等に係る仕入税額控除の特例を定める規定である。非課税資産の譲渡等のうち輸出取引等に該当するものにつき財務省令所定の証明がされたときは、課税資産の譲渡等に係る輸出取引等とみなされ、課税売上割合の計算上も課税売上として扱われる。国内以外の地域における譲渡等または自己の使用のための資産の輸出も、同条2項により同様に取り扱われる。
よくある質問 AI による整理
Q1非課税資産の輸出等とは?
有価証券や金銭債権など消費税法6条1項の非課税資産の譲渡等のうち、同法7条1項各号の輸出取引等に該当するものを指します。証明がされれば31条1項で課税輸出とみなされます。
Q2課税売上割合とは?
総売上高に占める課税資産の譲渡等の対価の割合で、仕入税額控除の計算に使います。非課税売上が増えると割合が下がり控除額が減りますが、31条の適用があると割合が押し上げられます。
Q3消費税法31条と7条の違いは?
7条は課税資産の輸出を免税とする規定、31条は本来非課税である資産の輸出等を課税輸出と「みなす」規定です。どちらも仕入税額控除を確保する点で機能は共通しますが、対象資産が異なります。
Q4消費税の更正の請求はいつまでできますか?
国税通則法23条により、原則として法定申告期限から5年以内です。31条の適用漏れで控除を取りこぼしていた場合も、この期間内であれば是正を求められます。
Q5非課税売上が多いと消費税は不利になりますか?
不利になります。非課税売上は課税売上割合を下げ、その分だけ仕入税額控除が制限されるためです。金融・証券・不動産など非課税売上の大きい業種ほど影響が大きくなります。
Q6個別対応方式と一括比例配分方式はどちらが有利?
事業の仕入構成によって変わります。課税売上にのみ対応する仕入が多ければ個別対応方式が有利になりやすい一方、区分管理の事務負担は重くなります。31条の適用有無も結論を左右します。
Q7消費税法31条3項の政令とは何ですか?
31条1項・2項を適用する場合の課税売上割合の計算方法などを定める委任規定で、消費税法施行令51条がこれを受けています。証明の方法は財務省令(施行規則)が定めます。
Q8輸出の証明ができないとどうなりますか?
31条のみなし規定が適用されず、単なる非課税売上として課税売上割合を下げるだけになります。税務調査で証明を提示できなければ、既に受けた控除が否認される可能性もあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1非課税の売上なのに、なぜ消費税が戻ってくるんですか?
消費税は、非課税売上があるとその分だけ仕入控除が制限される仕組みで、制限の度合いを決めるのが課税売上割合です。31条は、一定の非課税輸出を課税輸出とみなして割合を押し上げ、削られた控除を回復させます(30条・31条)。実務のポイント:控除計算には個別対応方式と一括比例配分方式があり、どちらを選ぶかで戻る額が変わる。非課税売上の大きい会社ほど、方式選択と31条適用を組み合わせる価値が大きい
Q2証明書類って具体的に何を、いつまで保存すればいいんですか?
輸出の事実を証する書類、典型的には税関の輸出許可書や契約書、送り状などです。財務省令で定める証明で、帳簿とともに原則7年間保存する必要があります(31条、消費税法施行規則)。実務のポイント:申告時に書類の提出は求められませんが、税務調査で提示できないと控除は一発否認されます。『非課税だから証明はいらない』が最も多い誤解で、証明のない非課税輸出はただ控除を削るだけになる
Q3うちは輸出はしていないけど、海外拠点に物を送ることはある。関係ありますか?
関係します。31条2項は、資産を海外拠点での使用や自己の使用のために輸出した場合も、証明があれば課税輸出とみなします。売買でなくても対象です。実務のポイント:海外子会社への設備移設や現地での自己使用のための輸出は、売上が立たないため経理が見落としやすい典型例です。輸出の証明を残しておけば、その資産に関わる国内仕入の消費税を控除に取り込める
間違えやすい点 AI による整理
- 非課税売上は消費税と無縁で仕入控除には影響しないと思われがちだが、実際は逆。非課税売上があるほど課税売上割合が下がり、控除できる仕入税額が減る。31条は、その目減りを一定の輸出について取り戻す救済規定だ
- 課税売上割合が下がること自体は知っていても、その下げ幅が本業の納税額に直結する深刻さを見落としている人が多い。金融・不動産のように非課税売上の大きい業種では、割合が数%動くだけで年間数百万円の控除差になる
- 「非課税だから証明書類はいらない」という前提そのものが誤り。31条の適用は財務省令が定める証明が絶対条件で、証明できない非課税輸出は、みなし課税の恩恵を受けられず、ただの非課税売上として控除を削るだけになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる取引 | 31条:非課税資産の輸出等、および自己の使用のための資産の輸出 | 7条:課税資産の譲渡等のうち輸出取引等 30条:課税仕入れ等一般 |
| 法的効果 | 31条:課税資産の譲渡等に係る輸出取引等と「みなす」 | 7条:消費税を免除(免税=ゼロ税率) 30条:課税仕入れ等の税額を控除 |
| 課税売上割合への影響 | 31条:分子・分母ともに課税資産の譲渡等として算入され割合が上がる | 7条:免税売上として分子・分母に算入され割合が上がる 30条:割合の適用を受ける側(結果を受ける規定) |
| 適用の絶対条件 | 31条:財務省令で定める方法による輸出の証明 | 7条:財務省令で定める方法による輸出の証明(7条2項) 30条:帳簿および請求書等(適格請求書)の保存 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は輸出貨物・輸出関連役務に零税率を適用し、進項税額の控除・還付を認める。免税(非課税)取引は進項控除が制限されるという構造は日本と同じで、輸出書類による証明が求められる点も共通する。
韓国は輸出する財貨に零税率を適用し、매입세액(仕入税額)の控除を維持する。면세(免税=非課税)取引は仕入税額控除が遮断されるため、輸出関連の非課税取引をどう扱うかという構造的課題は日本と共通する。
ドイツでは金融取引等は § 4 Nr. 8により非課税とされ、原則として前段階税額控除が排除される。しかし § 15 Abs. 3は、役務の相手方が共同体域外に所在する場合等に控除を維持すると定めており、日本の31条と機能的に極めて近い。
米国には連邦レベルの付加価値税がなく、州の小売売上税が中心である。売上税は最終消費段階で一回課税する構造のため、前段階税額控除と課税売上割合という日本型の論点自体が生じない。州外・国外向け販売は課税標準から除外される。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 製造業のあなたが、国内で使っていた機械を海外子会社の工場へ移設した。売買ではないから課税売上には立たない。だが31条2項は、輸出の証明さえあれば、これを課税資産の輸出とみなす。移設に関わる国内仕入の消費税が、控除対象に復活する。使っていない特例を知らずに毎期見送ってきたなら、その差額は静かに積み上がっている
- もし証券会社が非居住者に有価証券を売却したら、その売上は非課税なのに、関連する国内経費の消費税は取り戻せるのか。答えは31条1項にある。輸出取引等に該当する旨を財務省令の定めで証明できれば、課税輸出とみなされて控除できる。証明がなければ、非課税売上としてただ控除を削るだけになる
- 税務調査の通知が届いた。過去の海外向け非課税取引について、輸出許可書や契約書の提示を求められている。あと3週間で証明書類を揃えられなければ、これまで受けてきた仕入控除が否認され、追徴課税と延滞税が待っている
- 越境ECで海外顧客に販売を続けてきた。だが輸出の証明書類を保存していなかった。調査で控除を否認され、還付どころか納付に転じた
取るべき行動
被害を受けた側:1. 海外向けの取引を洗い出す。非居住者への有価証券・金銭債権の譲渡、海外拠点への資産の輸出(自己使用を含む)が対象になりうる。2. 輸出許可書・契約書・送り状など、輸出の事実を証する書類を確保し7年保存する。3. 確定申告で課税売上割合に反映させ、個別対応方式か一括比例配分方式か有利な方を選ぶ(30条2項)。4. 過去分で取りこぼしがあれば、法定申告期限から5年以内なら更正の請求で取り戻せる。まず税理士に31条適用の可否を確認する
訴えられた側:1. 否認の理由が『証明書類の不備』か『そもそも輸出取引等に当たらない』かを切り分ける。2. 前者なら、取引先・通関業者・金融機関から輸出許可書や契約書を再取得できないか当たる。3. 後者なら、当該取引が7条1項各号の輸出取引等に該当する法的根拠を組み立てる。4. 更正処分に不服なら、通知を受けた日の翌日から3月以内に再調査の請求または審査請求(国税通則法)。まず税理士・税務に強い弁護士へ相談する
時効(請求できる期限):消費税の確定申告期限(法人は課税期間終了日の翌日から2月、個人は翌年3月31日)までに申告へ反映する。証明書類は帳簿等とともに原則7年保存。控除の取りこぼしは、法定申告期限から5年以内であれば更正の請求(国税通則法23条)で是正できる。起算点は各課税期間の法定申告期限の翌日
学説
通説(仕向地主義に基づく理解):消費税は消費地で課税するという仕向地主義に立つため、輸出される財貨には自国の消費税を残さないのが原則である。非課税取引は本来仕入税額控除を遮断するが、31条は海外向けの非課税取引に限って控除を回復させ、国際的な中立性を確保する調整規定と解される。証明要件は、国内非課税取引を輸出と偽装する濫用を防ぐための手続的関所と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和63年(1988年) 新設:消費税法(昭和63年法律第108号)の制定に伴い新設。欧州型付加価値税の仕向地主義を踏まえ、非課税資産の輸出等および自己の使用のための資産の輸出について、証明を条件に仕入税額控除を確保する特例として置かれた(施行は平成元年4月1日)。
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