要点消費税法32条は、課税仕入れにつき返品・値引き・割戻しを受けた場合、返還等を受けた日の属する課税期間の仕入税額控除を減額すると定める。控除しきれない額は課税標準額の消費税額に加算する。
Q · 仕入先から年間リベートをもらったら、消費税は何かしないといけないの?
その期の仕入税額控除を減らす必要があります
消費税法32条1項により、課税仕入れについて返品・値引き・割戻しを受けた場合、その返還等を受けた日の属する課税期間の課税仕入れ等の税額から、対応する消費税額を控除します。標準税率なら110分の7.8、軽減対象なら108分の6.24で計算します。控除しきれない金額があれば、課税標準額に対する消費税額に加算されます(2項)。過去の仕入期に遡って修正するのではなく、リベートを受け取った期で調整する点が要点です。
期末が近づき、仕入先のメーカーから「販売奨励金」や「仕入割戻し」の名目でまとまった金額が振り込まれる。あなたはそれを雑収入あたりで受けて申告を締めていないだろうか。消費税法32条は、その入金を見逃さない。商品を仕入れたとき、あなたは支払った消費税を「仕入税額控除」として納税額から差し引いている。ところが後からリベートや返品で仕入代金の一部が戻ってくれば、実際に負担した消費税はその分だけ減る。だから戻った分に対応する消費税額を、控除から取り消さなければならない。しかも戻り分が控除しきれなければ、逆に納税額へ加算される(2項)。軽減税率の食品なら108分の6.24、標準税率なら110分の7.8で計算式が分かれる。この調整漏れは税務調査で最も指摘されやすい論点の一つだ。処理を一つ怠るたびに、追徴の本税と加算税が静かに積み上がっていく。
消費税法32条は仕入れに係る対価の返還等の調整を定める規定であり、課税仕入れ又は特定課税仕入れにつき返品・値引き・割戻しを受けた事業者が、返還等を受けた日の属する課税期間の課税仕入れ等の税額から、対応する消費税額を控除する旨を規定する。仕入税額控除の本則である同法30条に対する事後調整の特則として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
課税仕入れについての返品、値引き、割戻しにより、支払対価の返還や買掛金の減額を受けることをいいます。消費税法32条1項が定義しており、仕入税額控除の減額対象となります。
返還等を受けた日の属する課税期間で調整します(32条1項)。元の仕入れを行った過去の課税期間に遡って修正するのではない点が実務上の間違えやすいポイントです。
返還を受けた金額に、標準税率対象なら110分の7.8、軽減対象課税資産なら108分の6.24を乗じて算出します。特定課税仕入れは100分の7.8です(32条1項1号)。
控除しきれない金額は課税資産の譲渡等に係る消費税額とみなされ、政令の定めにより課税標準額に対する消費税額へ加算されます(32条2項)。納税額が増える方向に働きます。
被相続人が行った課税仕入れに係る返還等を相続人が受けた場合、相続人自身が行った課税仕入れの返還等とみなして調整します(32条3項)。相続後の入金でも対象です。
引き継がれます。32条7項が3項および6項を準用し、合併法人・分割承継法人が被合併法人・分割法人の課税仕入れに係る返還等を受けた場合も同様に調整します。
必要です。保税地域からの引取りに係る課税貨物の消費税額が他の法律により還付された場合、還付を受ける日の属する課税期間の課税仕入れ等の税額から控除します(32条4項)。
税率区分ごとに按分し、軽減対象課税資産の譲渡等に係る部分は108分の6.24、その他は110分の7.8で別々に計算します。一括して10%で処理すると計算誤りになります。
税務調査では仕入先側への反面調査で突き合わされるため、まず把握されると考えた方がよい。仕入割戻しの調整漏れ(32条1項)は消費税の過少申告となり、本税に過少申告加算税と延滞税が加わる。放置期間が長いほど積み上がる。業界裏話ヒント:調査の事前通知が来る前に自主的に修正申告すれば過少申告加算税は課されない(国税通則法65条)。気づいた時点で動くかどうかで、最終的な負担が数十万円変わる(最新の改正状況をご確認ください)
名目ではなく実質で判断する。仕入代金の値引き・割戻しの性質なら32条で仕入税額控除を減額し、別個の役務(販促サービス)の対価なら逆に課税仕入れとして控除の対象になる。処理は真逆だ。業界裏話ヒント:契約書に「販促役務の対価」と明記されているかどうかで税務署の見方が変わる。同じ金額でも書面の文言一つで扱いが逆転し、経理担当者が最も間違えるのがまさにここだ
掛ける。32条1項3号は、返還を受けた消費税額にも同じ課税売上割合を乗じて調整すると定める。本来の仕入控除を割合按分しているなら、その取消しも同じ割合で行うのが筋だ。業界裏話ヒント:一括比例配分方式(1項2号)と個別対応方式(1項3号)では調整式そのものが違い、どちらを採用しているかで金額が変わる。方式選択には2年間の継続適用縛りがあるので、リベートの多い事業者は方式選択の段階から逆算する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 調整の方向 | 消費税法32条:仕入側の返還等で仕入税額控除を減額 | — |
| 発動する事実 | 返品・値引き・割戻しを受けた(買掛金の減額を含む) | — |
| 帰属する課税期間 | 返還等を受けた日の属する課税期間 | — |
| 控除しきれない場合 | 課税標準額に対する消費税額へ加算(2項) | — |
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