消費税法 第32条(仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例)
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- 事業者が、国内において行つた課税仕入れ(第三十条第一項の規定の適用を受けたものに限る。以下この条において同じ。)又は特定課税仕入れにつき、返品をし、又は値引き若しくは割戻しを受けたことにより、当該課税仕入れに係る支払対価の額若しくは当該特定課税仕入れに係る支払対価の額(同項に規定する特定課税仕入れに係る支払対価の額をいう。以下この項において同じ。)の全部若しくは一部の返還又は当該課税仕入れに係る支払対価の額若しくは当該特定課税仕入れに係る支払対価の額に係る買掛金その他の債務の額の全部若しくは一部の減額(以下この条において「仕入れに係る対価の返還等」という。)を受けた場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を当該仕入れに係る対価の返還等を受けた日の属する課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額とみなして、第三十条第一項(同条第二項の規定の適用がある場合には、同項の規定を含む。)の規定を適用する。
- 一当該事業者の当該課税期間における第三十条第一項の規定により控除される課税仕入れ等の税額の合計額(以下この章において「仕入れに係る消費税額」という。)の計算につき同条第二項の規定の適用がない場合当該課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額から当該課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額(当該課税仕入れに係る支払対価の額につき返還を受けた金額又は当該減額を受けた債務の額に百十分の七・八(当該仕入れに係る対価の返還等が他の者から受けた軽減対象課税資産の譲渡等に係るものである場合には、百八分の六・二四)を乗じて算出した金額及び当該特定課税仕入れに係る支払対価の額につき返還を受けた金額又は当該減額を受けた債務の額に百分の七・八を乗じて算出した金額をいう。以下この項及び次項において同じ。)の合計額を控除した残額
- 二当該事業者が当該課税期間における仕入れに係る消費税額を第三十条第二項第一号に定める方法により計算する場合イに掲げる金額にロに掲げる金額を加算した金額
- 一第三十条第二項第一号イに掲げる金額から課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつき当該課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額を控除した残額
- 二第三十条第二項第一号ロに掲げる金額から課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等(同号に規定するその他の資産の譲渡等をいう。第四項第二号ロにおいて同じ。)に共通して要する課税仕入れにつき当該課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額に同条第二項第一号ロに規定する課税売上割合を乗じて計算した金額(同条第三項本文の規定の適用がある場合には、同項に規定する承認に係る割合を用いて計算した金額。第四項第二号ロにおいて同じ。)を控除した残額
- 三当該事業者が当該課税期間における仕入れに係る消費税額を第三十条第二項第二号に定める方法により計算する場合同号に規定する課税仕入れ等の税額の合計額に同号に規定する課税売上割合(以下この号及び第四項第三号において「課税売上割合」という。)を乗じて計算した金額から当該課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額を控除した残額
- 2.前項の規定により仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額を当該仕入れに係る対価の返還等を受けた日の属する課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額から控除して控除しきれない金額があるときは、当該控除しきれない金額を課税資産の譲渡等に係る消費税額とみなして政令で定めるところにより当該課税期間の課税標準額に対する消費税額に加算する。
- 3.相続により被相続人の事業を承継した相続人が被相続人により行われた課税仕入れ又は特定課税仕入れにつき仕入れに係る対価の返還等を受けた場合には、その相続人が行つた課税仕入れ又は特定課税仕入れにつき仕入れに係る対価の返還等を受けたものとみなして、前二項の規定を適用する。
- 4.事業者が、保税地域からの引取りに係る課税貨物(第三十条第一項に規定する保税地域からの引取りに係る課税貨物をいう。以下この条及び第三十六条において同じ。)に係る消費税額の全部又は一部につき、他の法律の規定により、還付を受ける場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を当該還付を受ける日の属する課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額とみなして、第三十条第一項(同条第二項の規定の適用がある場合には、同項の規定を含む。)の規定を適用する。
- 一当該事業者の当該課税期間における仕入れに係る消費税額の計算につき第三十条第二項の規定の適用がない場合当該課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額(当該課税期間において第一項第一号の規定の適用がある場合には、同号に定める残額)から保税地域からの引取りに係る課税貨物につき当該課税期間において還付を受ける消費税額(附帯税の額に相当する額を除く。以下この条において同じ。)の合計額を控除した残額
- 二当該事業者が当該課税期間における仕入れに係る消費税額を第三十条第二項第一号に定める方法により計算する場合イに掲げる金額にロに掲げる金額を加算した金額
- 一第三十条第二項第一号イに掲げる金額(当該課税期間において第一項第二号イの規定の適用がある場合には、同号イに掲げる残額)から課税資産の譲渡等にのみ要する課税貨物につき当該課税期間において還付を受ける消費税額の合計額を控除した残額
- 二第三十条第二項第一号ロに掲げる金額(当該課税期間において第一項第二号ロの規定の適用がある場合には、同号ロに掲げる残額)から課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税貨物につき当該課税期間において還付を受ける消費税額の合計額に同条第二項第一号ロに規定する課税売上割合を乗じて計算した金額を控除した残額
- 三当該事業者が当該課税期間における仕入れに係る消費税額を第三十条第二項第二号に定める方法により計算する場合同号に規定する課税仕入れ等の税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額(当該課税期間において第一項第三号の規定の適用がある場合には、同号に定める残額)から課税貨物につき当該課税期間において還付を受ける消費税額の合計額に当該課税売上割合を乗じて計算した金額を控除した残額
- 5.前項の規定により、還付を受ける消費税額の合計額を当該還付を受ける日の属する課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額から控除して控除しきれない金額があるときは、当該控除しきれない金額を課税資産の譲渡等に係る消費税額とみなして政令で定めるところにより当該課税期間の課税標準額に対する消費税額に加算する。
- 6.相続により被相続人の事業を承継した相続人が被相続人による保税地域からの引取りに係る課税貨物に係る消費税額の全部又は一部につき、他の法律の規定により、還付を受ける場合には、その相続人による保税地域からの引取りに係る課税貨物に係る消費税額の全部又は一部につき還付を受けるものとみなして、前二項の規定を適用する。
- 7.第三項の規定は、合併により事業を承継した合併法人が被合併法人により行われた課税仕入れ若しくは特定課税仕入れにつき仕入れに係る対価の返還等を受けた場合又は分割により事業を承継した分割承継法人が分割法人により行われた課税仕入れ若しくは特定課税仕入れにつき仕入れに係る対価の返還等を受けた場合について、前項の規定は、合併により事業を承継した合併法人が被合併法人による保税地域からの引取りに係る課税貨物に係る消費税額の還付を受ける場合又は分割により事業を承継した分割承継法人が分割法人による保税地域からの引取りに係る課税貨物に係る消費税額の還付を受ける場合について、それぞれ準用する。
- 8.第一項第一号に規定する仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の計算の細目に関し必要な事項は、政令で定める。
この条文の基本情報
仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例とは何ですか?
定義仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例とは、消費税法第32条に定められた規定で、「事業者が、国内において行つた課税仕入れ(第三十条第一項の規定の適用を受けたものに限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消費税法第32条(仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例)は、日本の消費税法に含まれる条文です。
- 消費税法第32条の条文原文は「事業者が、国内において行つた課税仕入れ(第三十条第一項の規定の適用を受けたものに限る。」で始まります。
- 消費税法第32条は第三章 税額控除等に置かれています。
- 消費税法の公布日は昭和63年12月30日です。
- 消費税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 消費税法第32条の前の条は消費税法第31条です。
- 消費税法第32条の次の条は消費税法第33条です。
- 消費税法第32条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第32条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000108 - 本サイト収録
消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第32条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/363AC0000000108/32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消費税法32条は、課税仕入れにつき返品・値引き・割戻しを受けた場合、返還等を受けた日の属する課税期間の仕入税額控除を減額すると定める。控除しきれない額は課税標準額の消費税額に加算する。
Q · 仕入先から年間リベートをもらったら、消費税は何かしないといけないの?
その期の仕入税額控除を減らす必要があります
消費税法32条1項により、課税仕入れについて返品・値引き・割戻しを受けた場合、その返還等を受けた日の属する課税期間の課税仕入れ等の税額から、対応する消費税額を控除します。標準税率なら110分の7.8、軽減対象なら108分の6.24で計算します。控除しきれない金額があれば、課税標準額に対する消費税額に加算されます(2項)。過去の仕入期に遡って修正するのではなく、リベートを受け取った期で調整する点が要点です。
解説
期末が近づき、仕入先のメーカーから「販売奨励金」や「仕入割戻し」の名目でまとまった金額が振り込まれる。あなたはそれを雑収入あたりで受けて申告を締めていないだろうか。消費税法32条は、その入金を見逃さない。商品を仕入れたとき、あなたは支払った消費税を「仕入税額控除」として納税額から差し引いている。ところが後からリベートや返品で仕入代金の一部が戻ってくれば、実際に負担した消費税はその分だけ減る。だから戻った分に対応する消費税額を、控除から取り消さなければならない。しかも戻り分が控除しきれなければ、逆に納税額へ加算される(2項)。軽減税率の食品なら108分の6.24、標準税率なら110分の7.8で計算式が分かれる。この調整漏れは税務調査で最も指摘されやすい論点の一つだ。処理を一つ怠るたびに、追徴の本税と加算税が静かに積み上がっていく。
法的な位置づけ
消費税法32条は仕入れに係る対価の返還等の調整を定める規定であり、課税仕入れ又は特定課税仕入れにつき返品・値引き・割戻しを受けた事業者が、返還等を受けた日の属する課税期間の課税仕入れ等の税額から、対応する消費税額を控除する旨を規定する。仕入税額控除の本則である同法30条に対する事後調整の特則として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.入金の性質を仕入割戻しか役務対価かで切り分ける 仕入先からの入金明細と契約書・請求書を突き合わせ、仕入代金の値引き・割戻しの性質か、販促役務など別個の課税仕入れの対価かを判定する。前者なら32条の調整対象、後者なら30条の課税仕入れとして処理が真逆になる
- 2.税率区分ごとに返還等を受けた金額を集計する 課税期間ごとに、標準税率対象(110分の7.8)、軽減対象課税資産(108分の6.24)、特定課税仕入れ(100分の7.8)に区分して返還等の金額を集計する。食品と非食品が混在するリベートは按分根拠を書面で残す
- 3.採用している控除方式に合わせて調整額を計算する 全額控除なら1項1号、個別対応方式なら1項2号、一括比例配分方式なら1項3号の算式を適用する。一括比例配分方式では返還に係る消費税額にも同じ課税売上割合を乗じる。控除しきれない額が出れば2項の加算を検討する
- 4.過年度の漏れがあれば事前通知前に修正申告する 過去の課税期間で調整漏れが判明した場合、期ごとに修正申告書を作成する。税務調査の事前通知が届く前に自主的に提出すれば過少申告加算税は課されない(国税通則法65条、最新の改正状況をご確認ください)。延滞税は納付日まで発生し続けるため、早期納付が負担を抑える
- 5.再発防止として入金科目と税区分の運用を固定する 仕入割戻し専用の勘定科目と税区分を設定し、雑収入への安易な計上を止める。取引開始時の契約書段階で「仕入値引き」か「販促役務の対価」かを明記させ、経理側が判定に迷わない運用へ落とす
よくある質問 AI による整理
Q1仕入れに係る対価の返還等とは何ですか?
課税仕入れについての返品、値引き、割戻しにより、支払対価の返還や買掛金の減額を受けることをいいます。消費税法32条1項が定義しており、仕入税額控除の減額対象となります。
Q2仕入割戻しの消費税はいつの期に調整しますか?
返還等を受けた日の属する課税期間で調整します(32条1項)。元の仕入れを行った過去の課税期間に遡って修正するのではない点が実務上の間違えやすいポイントです。
Q3仕入値引きの消費税額はどう計算しますか?
返還を受けた金額に、標準税率対象なら110分の7.8、軽減対象課税資産なら108分の6.24を乗じて算出します。特定課税仕入れは100分の7.8です(32条1項1号)。
Q4控除しきれないリベートが出たらどうなりますか?
控除しきれない金額は課税資産の譲渡等に係る消費税額とみなされ、政令の定めにより課税標準額に対する消費税額へ加算されます(32条2項)。納税額が増える方向に働きます。
Q5相続で事業を継いだ場合の仕入割戻しは誰が調整しますか?
被相続人が行った課税仕入れに係る返還等を相続人が受けた場合、相続人自身が行った課税仕入れの返還等とみなして調整します(32条3項)。相続後の入金でも対象です。
Q6合併や分割でも仕入対価の返還等の調整は引き継がれますか?
引き継がれます。32条7項が3項および6項を準用し、合併法人・分割承継法人が被合併法人・分割法人の課税仕入れに係る返還等を受けた場合も同様に調整します。
Q7輸入品の消費税が還付されたときも調整が必要ですか?
必要です。保税地域からの引取りに係る課税貨物の消費税額が他の法律により還付された場合、還付を受ける日の属する課税期間の課税仕入れ等の税額から控除します(32条4項)。
Q8軽減税率と標準税率が混ざったリベートはどう処理しますか?
税率区分ごとに按分し、軽減対象課税資産の譲渡等に係る部分は108分の6.24、その他は110分の7.8で別々に計算します。一括して10%で処理すると計算誤りになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1仕入割戻しをもらったのに消費税の処理をしてませんでした。バレますか?
税務調査では仕入先側への反面調査で突き合わされるため、まず把握されると考えた方がよい。仕入割戻しの調整漏れ(32条1項)は消費税の過少申告となり、本税に過少申告加算税と延滞税が加わる。放置期間が長いほど積み上がる。実務のポイント:調査の事前通知が来る前に自主的に修正申告すれば過少申告加算税は課されない(国税通則法65条)。気づいた時点で動くかどうかで、最終的な負担が数十万円変わる(最新の改正状況をご確認ください)
Q2販売奨励金とリベートって、消費税では同じ扱いですか?
名目ではなく実質で判断する。仕入代金の値引き・割戻しの性質なら32条で仕入税額控除を減額し、別個の役務(販促サービス)の対価なら逆に課税仕入れとして控除の対象になる。処理は真逆だ。実務のポイント:契約書に「販促役務の対価」と明記されているかどうかで税務署の見方が変わる。同じ金額でも書面の文言一つで扱いが逆転し、経理担当者が最も間違えるのがまさにここだ
Q3個別対応方式で課税売上割合を掛けてるんですが、リベートも割合を掛けるんですか?
掛ける。32条1項3号は、返還を受けた消費税額にも同じ課税売上割合を乗じて調整すると定める。本来の仕入控除を割合按分しているなら、その取消しも同じ割合で行うのが筋だ。実務のポイント:一括比例配分方式(1項2号)と個別対応方式(1項3号)では調整式そのものが違い、どちらを採用しているかで金額が変わる。方式選択には2年間の継続適用縛りがあるので、リベートの多い事業者は方式選択の段階から逆算する
間違えやすい点 AI による整理
- 「リベートは収入なのだから売上に足せばいい」と考える人が多いが、問いの立て方そのものが違う。仕入に対するリベートは“売上”の問題ではなく“仕入税額控除の減額”の問題だ。収益計上の話と消費税の話を混同した瞬間、法人税は合っていても消費税だけが過少申告になる
- 仕入割戻しを調整すべきことは知っていても、その“深刻度”を見誤っている人が多い。これは単なる計上ミスではなく消費税の過少申告そのものであり、過少申告加算税と延滞税、悪質と判断されれば重加算税(35%)まで跳ね上がる。「後で直せばいい」で済む水準の話ではない
- 「値引きを受けた期ではなく、元の仕入をした期を修正するのだろう」と思いがちだが、32条は“返還等を受けた日の属する課税期間”で調整すると定める。過去に遡って元の申告を直すのではなく、リベートを受け取ったその期の控除を減らす。起点を間違えると、直す必要のない期をいじって二重に混乱する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 調整の方向 | 消費税法32条:仕入側の返還等で仕入税額控除を減額 | 消費税法38条:売上側の対価返還で売上に係る消費税額を減額 消費税法39条:貸倒れで売上に係る消費税額を減額 |
| 発動する事実 | 返品・値引き・割戻しを受けた(買掛金の減額を含む) | 返品を受け・値引き・割戻しをした(売掛金の減額を含む) 売掛金等が回収不能となった |
| 帰属する課税期間 | 返還等を受けた日の属する課税期間 | 対価の返還等をした日の属する課税期間 貸倒れの事実が生じた日の属する課税期間 |
| 控除しきれない場合 | 課税標準額に対する消費税額へ加算(2項) | 翌期以降への繰越しではなく還付・充当の対象として処理 回収時に再び課税(39条3項の戻し入れ) |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾も進貨退出・折讓が生じた当期の進項税額から控除減額する構造で、返還を受けた期で調整する点が日本32条と同一の設計思想
韓国は수정세금계산서(修正税金計算書)の発行を通じて매입세액を調整する運用で、証憑主義がより強く、書類発行が調整の前提になる点が日本と異なる
中国は「進項税額転出」という概念で仕入税額を戻す。専用発票の赤字発票(红字发票)発行手続と連動する点が特徴
ドイツは課税標準の変更が生じた期に売手の税額と買手の仕入税額控除を対称的に修正する。EU 付加価値税指令の枠内で日本32条と38条を一本の条文に統合した構造
フランスも対価の減額に伴い請求書の修正を経て控除税額を修正する。付加価値税の発祥国として EU 指令の原型を形成した
米国は連邦レベルの付加価値税を持たず、州の小売売上税ではリベートは売上値引きとして扱われる。仕入税額控除という概念自体が存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 決算期末、主要仕入先から「年間仕入割戻し」として300万円が入金。あなたは売上側の雑収入で処理して申告を締めた。翌年の税務調査で「仕入税額控除の減額漏れ」を指摘され、本税に過少申告加算税と延滞税が上乗せされる。名目を収益扱いにしたことが、消費税の過少申告に直結していた
- もし開業以来3年間、受け取った仕入割戻しを一度も消費税で調整していなかったら? 税務署の更正は原則5年、不正があれば7年まで遡れる。毎年積もった調整漏れが、ある日一枚の更正通知にまとまって襲いかかる
- 食品卸のあなたに、標準税率品と軽減税率品をまとめたリベートが入る。税率ごとに按分しなければ計算が狂う。一括で10%処理すれば、それ自体が誤りになる
- 個人事業を営んでいた親が急逝し、あなたが事業を継いだ。親が生前に仕入れた商品のリベートが、相続後のあなたの口座に入金される。これも32条3項であなたの調整対象になる。準確定申告と本年分の申告、二つの期限が同時に迫ってくる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 過去の仕入割戻し・返品・値引きの入金記録を、課税期間ごとに洗い出す2. 標準税率(110分の7.8)と軽減税率(108分の6.24)を区分し、各期で減額すべき消費税額を再計算する3. 控除しきれない分が出れば、課税標準額への加算(2項)が必要かを確認4. 税務調査の事前通知が届く前に、期ごとの修正申告書を作成して自主的に提出する。通知前なら過少申告加算税を避けられる
訴えられた側:1. 指摘された入金が本当に「仕入れに係る対価の返還等」か、それとも別個の役務対価かを、契約書・請求書で反証する2. 該当するなら、税率区分と課税期間の帰属が調査官の計算と一致しているか検証3. 課税売上割合の適用方法(個別対応方式か一括比例配分方式か)が正しいか確認4. 争って引き延ばすより、早期に修正した方が延滞税を止められるケースが多い。加算税の軽減要件も並行して詰める
時効(請求できる期限):調整は「仕入れに係る対価の返還等を受けた日の属する課税期間」で行う(32条1項)、これが起算点。税務署の更正・決定は法定申告期限から原則5年、偽りその他不正の行為があれば7年(国税通則法70条)。修正申告を税務調査の事前通知前に提出すれば過少申告加算税は課されない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
実務通説(実質判断):販売奨励金や協賛金の名目であっても、仕入代金の値引き・割戻しの実質を有すれば32条の対価の返還等として仕入税額控除を減額し、独立した役務提供の対価であれば30条の課税仕入れとして扱うという二分法が実務上の通説として定着している。
調整期間に関する通説:32条は元の課税仕入れが属する課税期間への遡及修正を求めず、返還等を受けた日の属する課税期間で一括調整する構造を採る。厳密な期間対応より事務負担の軽減を優先した立法上の割り切りと理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和63年(1988年) 新設:消費税法(昭和63年法律第108号)の制定に伴い、仕入税額控除の事後調整規定として新設。多段階累積排除型の付加価値税において、実負担額と控除額を一致させる技術規定として位置づけられた
- 2.平成27年(2015年)前後 改正:国境を越えた役務の提供に係る課税見直しに伴い、特定課税仕入れ(リバースチャージ方式)に係る対価の返還等が調整対象として明文化された(現行効力を要確認)
- 3.令和元年(2019年) 改正:税率10%への引上げと軽減税率制度の導入に伴い、控除税額の割戻し率が110分の7.8および108分の6.24の二本立てとなり、税率区分ごとの計算が必要となった
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