要点消費税法33条は、調整対象固定資産について3年間の通算課税売上割合が著しく変動した場合、第三年度の課税期間で仕入税額控除を加算または減算して精算することを定める。
Q · 建物や機械を買った期に消費税が還付されたのに、3年後にもう一度計算し直すって本当ですか?
本当です。3年目に通算割合で精算し、追加控除か返上になります
消費税法33条により、税抜100万円以上の調整対象固定資産を比例配分法で控除した場合、第三年度の課税期間(仕入れ等の課税期間の開始の日から3年を経過する日の属する課税期間)の末日にその資産を保有していれば、通算課税売上割合と仕入れ等の課税期間の課税売上割合を比較します。変動率50%以上かつ変動差5%以上(消費税法施行令53条)で著しく増加していれば追加控除、著しく減少していれば控除額を返上します。簡易課税や2割特例の期間は調整対象外です。
3,000万円の機械や1億円の賃貸ビルを買った期、あなたの会社は仕入れにかかった消費税を控除し、場合によっては多額の還付を受ける。だがそこで使われる課税売上割合は「その一期だけの数字」にすぎない。消費税法33条は、調整対象固定資産(税抜100万円以上の固定資産)について、購入から3年間を通算した課税売上割合が購入時の割合に対して著しく変動したとき、3年目の課税期間で控除額を精算せよと命じる。割合が上がっていれば追加で控除でき、下がっていれば控除しすぎた分を取り上げられる。つまり初年度の還付は暫定であって、あなたの申告は3年後にもう一度清算される。この仕組みを知らずに大きな設備投資をすると、忘れた頃に税務署から精算の呼び出しが来る。逆に知っていれば、割合が伸びた事業者は取り戻せる控除を取りに行ける。
消費税法33条は、調整対象固定資産(税抜100万円以上の固定資産)に係る仕入税額控除の事後調整を定める規定である。比例配分法により控除した事業者が第三年度の課税期間の末日に当該資産を保有し、通算課税売上割合が仕入れ等の課税期間の課税売上割合に対して著しく変動した場合、その差額に相当する消費税額を当該課税期間の仕入れに係る消費税額に加算し、または控除する。
棚卸資産以外の建物、機械装置、車両、工具器具備品、ソフトウェア等の資産で、一の取引の単位につき税抜価額が100万円以上のものです(消費税法2条1項16号、施行令5条)。不動産に限りません。
仕入れ等の課税期間の開始の日から3年を経過する日の属する課税期間です(消費税法33条2項)。事業年度が1年なら、購入した期を含めて3期目が該当します。
仕入れ等の課税期間から第三年度の課税期間までの各課税期間に適用されるべき課税売上割合を、政令の定めるところにより通算して算出します。各期の割合を単純平均するものではありません。
第三年度の課税期間の末日に当該資産を保有していない場合、33条の調整は行われません。保有要件を欠くためです。ただし譲渡自体は課税資産の譲渡等として課税されます。
対象です。33条1項は相続人、合併法人、分割承継法人を含めて規定しており、承継した調整対象固定資産の3年清算義務も引き継がれます。免税事業者である者は除かれます。
控除しきれない金額は課税資産の譲渡等に係る消費税額とみなされ、第三年度の課税期間の課税標準額に対する消費税額に加算されます(消費税法33条3項)。結果として納付税額が増えます。
令和2年度改正で居住用賃貸建物は取得時の仕入税額控除が原則制限され(消費税法30条10項)、控除が生じない場合は33条の調整も働きません。最新の改正状況をご確認ください。
一の取引の単位(通常は1組または1式)ごとに、税抜きの支払対価の額で判定します。同種の資産を複数購入しても、取引単位あたり100万円未満なら対象外です。
消費税は本来その課税期間ごとに計算しますが、固定資産は何年も使い続けるので、購入した一期だけの課税売上割合で控除を確定させると実態とずれます。33条は3年間を通算した割合で清算し直す仕組みです。業界裏話ヒント:この清算があるからこそ、初年度に割合を人為的に吊り上げて満額還付を取る手法が横行しました。あなたの初年度の還付は、税務署から見れば「3年後に検証する仮払い」だと理解しておくと動きが変わります
感覚ではなく数式で決まっています。消費税法施行令53条で、通算課税売上割合が購入時の割合に対して変動率50%以上、かつ変動差5%以上のときに「著しい変動」と扱われます。両方を同時に満たす必要があります。業界裏話ヒント:この二重の閾値を知らずに「少し動いたから調整が要る」と過剰に身構える人がいますが、片方だけでは発動しません。逆に、投資前にこの数字を把握していれば、どこまで割合が動くと清算が起きるかを事前にシミュレートできます
その課税期間について簡易課税や2割特例を使っていれば、33条の調整計算は原則不要です。調整は本則課税で比例配分法により控除した場合の話だからです。業界裏話ヒント:ただし高額な調整対象固定資産を本則課税で取得すると、消費税法9条7項・37条3項により、以後一定期間は免税事業者にも簡易課税にも戻れない縛りがかかります。「簡易にすれば逃げられる」と単純に考えて設備を入れると、選択の自由自体を数年間失うことがあります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 調整の引き金 | 消費税法33条:3年間の通算課税売上割合が著しく変動したこと | — |
| 判定のタイミング | 第三年度の課税期間の末日(1回のみの清算) | — |
| 税額への効果 | 増加なら加算(追加控除)、減少なら減算(控除の返上)の双方向 | — |
| 前提となる控除方法 | 比例配分法により控除した場合(全額控除された場合を含む) | — |
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