要点消費税法 35 条は、非課税業務用に仕入れた調整対象固定資産を 3 年以内に課税業務用へ転用した場合、調整対象税額の全額・3 分の 2・3 分の 1 を仕入れに係る消費税額へ加算できると定める。
Q · 非課税用に買った高額な設備を、あとから課税事業に使い始めたら、諦めた消費税は戻ってきますか?
取得から 3 年以内の転用なら戻る。1 年ごとに全額→3 分の 2→3 分の 1 と減額
消費税法 35 条により、調整対象固定資産(税抜 100 万円以上)を非課税業務用として仕入税額控除ゼロで取得した後、課税仕入れ等の日から 3 年以内に課税業務用へ転用すれば、調整対象税額を仕入れに係る消費税額に加算できます。加算額は転用日が取得日から 1 年以内なら全額、1 年超 2 年以内なら 3 分の 2、2 年超 3 年以内なら 3 分の 1。3 年を過ぎた転用には加算調整の余地がなく、免税事業者(消費税法 9 条 1 項)も適用対象外です。
住宅用の賃貸マンションを建てた大家のあなたは、建築費にかかった消費税を「家賃は非課税だから控除できない」と諦め、数百万円を経費の海に沈めた。ところが2年後、空室を店舗やオフィスとして貸し出すことにした。ここで多くの人が見落とすのが消費税法35条だ。税抜100万円以上の固定資産(調整対象固定資産)を、非課税業務用として仕入れて仕入税額控除をゼロにした後、3年以内に課税業務用へ転用すれば、諦めたはずの消費税が仕入税額控除として戻ってくる。しかも戻る額は転用の時期で決まる。取得から1年以内なら全額、1年超2年以内なら3分の2、2年超3年以内なら3分の1。3年を1日でも過ぎれば、戻る額はゼロだ。あなたの数百万円が、転用日をいつにするかで生き死にする。
消費税法 35 条は、非課税業務用として仕入れに係る消費税額がないこととした調整対象固定資産を、課税仕入れ等の日から 3 年以内に課税業務用へ転用した場合の仕入税額の加算調整を定める規定である。加算額は転用日が取得日から 1 年以内なら調整対象税額の全額、1 年超 2 年以内なら 3 分の 2、2 年超 3 年以内なら 3 分の 1 とされる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
税抜 100 万円以上の棚卸資産以外の資産で、建物・機械・車両・器具備品・無形固定資産などが該当します。消費税法 2 条 1 項 16 号と施行令 5 条が範囲を定めています。
決算日ではなく、その資産の課税仕入れの日・特定課税仕入れの日、または保税地域からの引取りの日が起算点です。取得日から 3 年以内に転用したかで判定します。
転用日が取得日から 1 年以内なら調整対象税額の全額、1 年超 2 年以内なら 3 分の 2、2 年超 3 年以内なら 3 分の 1 が加算されます。3 年超はゼロです。
使えません。消費税法 9 条 1 項本文で納税義務が免除される事業者は 35 条の適用対象から除かれます。承継した相続人が免税事業者の場合も同様に適用外です。
建物が調整対象固定資産に該当し、非課税業務用として控除ゼロとしていたなら、取得から 3 年以内の課税業務用転用で 35 条の加算調整が可能です。
34 条は課税業務用から非課税業務用への転用で控除税額を減算する規定、35 条はその逆方向で加算する規定です。割合の階段(全額・3 分の 2・3 分の 1)は共通です。
転用して課税業務の用に供した日の属する課税期間の消費税申告で、仕入れに係る消費税額に加算します。加算後の金額がその課税期間の控除税額とみなされます。
35 条は個別対応方式で「その他の資産の譲渡等にのみ要するもの」とした資産の転用が前提です。共通用への変更や課税売上割合の変動は 33 条の領域になり、事実認定が争点になります。
その通りで、逆は消費税法34条です。課税業務用として仕入税額控除を取った調整対象固定資産を3年以内に非課税業務用へ転用すると、控除した税額を同じ3分の2・3分の1の割合で減算、つまり返さねばなりません。35条と34条は表裏一体です。業界裏話ヒント:税務調査官は34条の減算漏れ(追徴できる方)は必ず突いてきますが、35条の加算漏れ(納税者が得する方)はまず指摘しません。有利な調整は自分で気づくしかない
決算日ではなく、その資産の課税仕入れの日(取得日)が起算点です。取得日から1年以内の転用なら全額、1年超2年以内なら3分の2、2年超3年以内なら3分の1が戻ります(消費税法35条各号)。加算は転用した日の属する課税期間の申告で行います。業界裏話ヒント:この取得日基準を決算期と混同して1年区切りを取り違えると、本来全額戻るはずが3分の2になる。転用を検討するなら、まず取得日から何ヶ月経ったかをカレンダーで数えるのが先決
戻せます。消費税法35条は括弧書きで、相続で事業を承継した相続人、合併した合併法人、分割した分割承継法人まで対象に含めています。ただし承継した人が9条1項の免税事業者だと適用外です。業界裏話ヒント:相続直後は消費税の調整規定まで気が回らないもの。だが被相続人が非課税用に買った高額資産を相続人が課税用に使い始めれば、取得日から3年以内という条件で回収窓は生きている。相続財産の棚卸し時に取得日を必ず確認する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 転用の方向 | 35 条:非課税業務用 → 課税業務用(納税者に有利) | — |
| 調整の向き | 仕入れに係る消費税額に加算 | — |
| 期間・起算点 | 課税仕入れ等の日から 3 年以内の転用 | — |
| 割合の階段 | 1 年以内=全額/1 年超 2 年以内=3 分の 2/2 年超 3 年以内=3 分の 1 | — |
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