消費税法 第35条の2(居住用賃貸建物を課税賃貸用に供した場合等の仕入れに係る消費税額の調整)
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- 事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が、居住用賃貸建物に係る課税仕入れ等の税額について第三十条第十項の規定の適用を受けた場合において、当該事業者(相続により当該事業者の当該居住用賃貸建物に係る事業を承継した相続人、合併により当該事業を承継した合併法人及び分割により当該居住用賃貸建物に係る事業を承継した分割承継法人を含むものとし、これらの者のうち第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される者を除く。以下この項において同じ。)が第三年度の課税期間の末日において当該居住用賃貸建物を有しており、かつ、当該居住用賃貸建物の全部又は一部を当該居住用賃貸建物の仕入れ等の日から第三年度の課税期間の末日までの間(次項及び第三項において「調整期間」という。)に別表第二第十三号に掲げる住宅の貸付け以外の貸付けの用(第三項において「課税賃貸用」という。)に供したときは、当該有している居住用賃貸建物に係る課税仕入れ等の税額に課税賃貸割合を乗じて計算した金額に相当する消費税額を当該事業者の当該第三年度の課税期間の仕入れに係る消費税額に加算する。この場合において、当該加算をした後の金額を当該課税期間における仕入れに係る消費税額とみなす。
- 2.事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が、居住用賃貸建物に係る課税仕入れ等の税額について第三十条第十項の規定の適用を受けた場合において、当該事業者(相続により当該事業者の当該居住用賃貸建物に係る事業を承継した相続人、合併により当該事業を承継した合併法人及び分割により当該居住用賃貸建物に係る事業を承継した分割承継法人を含むものとし、これらの者のうち第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される者を除く。以下この項において同じ。)が当該居住用賃貸建物の全部又は一部を調整期間に他の者に譲渡したとき(当該居住用賃貸建物について第四条第五項の規定により資産の譲渡とみなされる場合を含む。)は、当該譲渡をした居住用賃貸建物に係る課税仕入れ等の税額に課税譲渡等割合を乗じて計算した金額に相当する消費税額を当該事業者の当該譲渡をした課税期間の仕入れに係る消費税額に加算する。この場合において、当該加算をした後の金額を当該課税期間における仕入れに係る消費税額とみなす。
- 3.第一項に規定する第三年度の課税期間とは、同項に規定する居住用賃貸建物の仕入れ等の日の属する課税期間の開始の日から三年を経過する日の属する課税期間をいい、同項に規定する居住用賃貸建物の仕入れ等の日とは、当該居住用賃貸建物の課税仕入れの日(当該居住用賃貸建物が第十二条の四第一項に規定する自己建設高額特定資産である場合にあつては、当該自己建設高額特定資産の同項に規定する建設等が完了した日)をいい、第一項に規定する課税賃貸割合とは、当該事業者が調整期間に行つた当該居住用賃貸建物の貸付けの対価の額(第二十八条第一項に規定する対価の額をいう。以下この項において同じ。)の合計額のうちに当該事業者が調整期間に行つた当該居住用賃貸建物の貸付け(課税賃貸用に供したものに限る。)の対価の額の合計額の占める割合として政令で定めるところにより計算した割合をいい、前項に規定する課税譲渡等割合とは、当該事業者が第一項に規定する居住用賃貸建物の仕入れ等の日から当該居住用賃貸建物を他の者に譲渡した日までの間(以下この項において「課税譲渡等調整期間」という。)に行つた当該居住用賃貸建物の貸付けの対価の額の合計額及び当該事業者が行つた当該居住用賃貸建物の譲渡の対価の額の合計額のうちに当該事業者が課税譲渡等調整期間に行つた当該居住用賃貸建物の貸付け(課税賃貸用に供したものに限る。)の対価の額の合計額及び当該事業者が行つた当該居住用賃貸建物の譲渡の対価の額の合計額の占める割合として政令で定めるところにより計算した割合をいう。
- 4.居住用賃貸建物について第十二条の四第二項の規定の適用を受ける場合における前三項の規定の適用その他これらの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
この条文の基本情報
居住用賃貸建物を課税賃貸用に供した場合等の仕入れに係る消費税額の調整とは何ですか?
定義居住用賃貸建物を課税賃貸用に供した場合等の仕入れに係る消費税額の調整とは、消費税法第35条の2に定められた規定で、「事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消費税法第35条の2(居住用賃貸建物を課税賃貸用に供した場合等の仕入れに係る消費税額の調整)は、日本の消費税法に含まれる条文です。
- 消費税法第35条の2の条文原文は「事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。」で始まります。
- 消費税法第35条の2は第三章 税額控除等に置かれています。
- 消費税法の公布日は昭和63年12月30日です。
- 消費税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 消費税法第35条の2の前の条は消費税法第35条です。
- 消費税法第35条の2の次の条は消費税法第36条です。
- 消費税法第35条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第35条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000108 - 本サイト収録
消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第35条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/363AC0000000108/35_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消費税法35条の2は、控除が制限された居住用賃貸建物について、3年の調整期間内に課税賃貸用に転用又は譲渡した場合、割合に応じた消費税額を仕入税額に加算できると定める。
Q · 賃貸マンションの建物にかかった消費税、控除できないと言われたけど本当にもう戻らないの?
3年以内に店舗用へ転用か売却すれば、一部戻ります
消費税法35条の2により、第30条第10項で仕入税額控除を制限された居住用賃貸建物であっても、第三年度の課税期間の末日に建物を保有し、かつ調整期間中に住宅以外(店舗・事務所等)の貸付けに供していれば、課税賃貸割合を乗じた消費税額が仕入れに係る消費税額に加算されます。調整期間内に譲渡した場合は、課税譲渡等割合を乗じた額が譲渡した課税期間に加算されます。ただし第9条第1項本文により納税義務が免除される事業者は対象外で、戻るのは全額ではなく割合に応じた部分にとどまります。
解説
賃貸用マンションを一棟建てた、あるいは買った。建物代金に乗っていた消費税を仕入税額控除で取り戻せると踏んでいたのに、令和2年10月以降は第30条第10項が居住用賃貸建物への控除を丸ごと封じている。ここで多くの人が「あの数百万円の消費税はもう戻らない」と肩を落とす。だが本条を知る者は違う動きをする。取得から3年目の課税期間の末日までに、その建物の一部でも店舗や事務所として貸せば(課税賃貸用)、あるいは調整期間中に売却すれば、封じられた仕入税額の一部が課税賃貸割合・課税譲渡等割合に応じて仕入税額に加算され、戻ってくる。3年間の調整期間という時限つきの救済窓口が、法律の中に静かに開いている。この窓口の存在を知っているかどうかで、消費税が部分的に戻るか、そのまま消えるかが分かれる。
法的な位置づけ
消費税法第35条の2は、居住用賃貸建物に係る仕入税額控除の事後調整を定める規定である。第30条第10項により控除が制限された課税仕入れ等の税額について、調整期間内に当該建物を住宅の貸付け以外の用途に供した場合又は他の者に譲渡した場合に、課税賃貸割合又は課税譲渡等割合を乗じた金額を当該課税期間の仕入れに係る消費税額に加算する仕組みを規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.居住用賃貸建物ごとに調整期間を台帳化する 取得した物件ごとに「仕入れ等の日」(自己建設高額特定資産なら建設等が完了した日)を確定し、その日の属する課税期間の開始日から3年を経過する日の属する課税期間の末日を算出して管理台帳に登録する。取得日から3年ではなく課税期間単位で数える
- 2.課税賃貸用への転用か調整期間内の譲渡かを選択する 末日までに一部でも店舗・事務所・倉庫等の住宅以外の貸付けに供する(第1項)か、調整期間内に譲渡する(第2項)かを比較検討する。第1項は末日時点で建物を保有していることが要件、第2項は譲渡した課税期間で加算される
- 3.割合計算の根拠となる対価の内訳を証憑で固める 調整期間中の貸付対価の合計額と、そのうち課税賃貸用に供した貸付けの対価の合計額を区分集計する。譲渡型なら課税譲渡等調整期間の貸付対価と譲渡対価も併せて集計し、施行令53条の2の計算方法に従って割合を算定する
- 4.課税事業者の地位を毎期確認する 第9条第1項本文により納税義務が免除される事業者は本条の対象外となるため、調整期間中に免税事業者へ転落していないかを課税期間ごとに確認する。必要なら課税事業者選択届出書の提出可否を検討する
- 5.第三年度の課税期間の申告で加算処理を行う 転用型は第三年度の課税期間、譲渡型は譲渡をした課税期間の消費税申告において、課税仕入れ等の税額に割合を乗じた金額を仕入れに係る消費税額に加算する。加算後の金額がその課税期間の仕入控除税額とみなされる
よくある質問 AI による整理
Q1居住用賃貸建物とは何ですか?
住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物で、高額特定資産または調整対象自己建設高額資産に該当するものをいいます。取得時の客観的状況で判定されます。
Q2第三年度の課税期間とは いつですか?
居住用賃貸建物の仕入れ等の日の属する課税期間の開始の日から3年を経過する日の属する課税期間です(第3項)。取得日から3年ではなく課税期間単位で数える点に注意が必要です。
Q3課税賃貸割合の計算方法は?
調整期間中に行った当該建物の貸付対価の合計額のうち、課税賃貸用に供した貸付けの対価の合計額が占める割合です。具体的な計算方法は政令(施行令53条の2)に定められています。
Q4居住用賃貸建物の消費税は いつから控除できなくなった?
令和2年度税制改正で第30条第10項が新設され、令和2年10月1日以後に取得する居住用賃貸建物から仕入税額控除が制限されました。本条の調整はその救済として同時に設けられています。
Q5自己建設高額特定資産の場合、起算日はどうなる?
第12条の4第1項の自己建設高額特定資産に該当する場合、仕入れ等の日は課税仕入れの日ではなく建設等が完了した日となります(第3項)。完了日の認定が調整期間の起点を左右します。
Q6民泊に使った場合は課税賃貸用になりますか?
別表第二第十三号の住宅の貸付け以外の貸付けであれば課税賃貸用に該当し得ます。旅館業法上の営業として行う宿泊サービスは住宅の貸付けとは区別されますが、契約形態と実態で判定されます。
Q7免税事業者になったら調整はできますか?
できません。第1項・第2項とも第9条第1項本文により消費税を納める義務が免除される事業者を明文で除外しています。調整期間中は課税事業者を維持しているかの確認が不可欠です。
Q8加算調整はいつの申告で行いますか?
転用型(第1項)は第三年度の課税期間の申告で、譲渡型(第2項)は譲渡をした課税期間の申告で仕入れに係る消費税額に加算します。加算後の金額がその課税期間の仕入控除税額とみなされます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1賃貸マンションの建物にかかった消費税、令和2年以降は本当に1円も戻らないんですか?
全額は無理でも、第35条の2で一部は戻せます。取得から3年目の課税期間末日までに住宅以外の用途(店舗・事務所)に貸すか、調整期間中に売却すれば、課税賃貸割合・課税譲渡等割合を乗じた消費税が仕入税額に加算されます。実務のポイント:第30条第10項で封じられた瞬間に「終わった」と処理する税理士は多い。だが取得時点から3年の調整期間を使い切る出口設計を組めば部分還付の道が残る。末日を管理台帳に載せているかで差が出る
Q21階だけ店舗に貸したら、建物全体の消費税が戻るんですか?
全体は戻りません。第35条の2第1項の課税賃貸割合は、調整期間中の貸付け対価総額に占める課税賃貸用の対価の割合で計算されます(第3項、計算方法は政令)。住宅部分が大きいほど割合は小さく、復活額も小さくなる。実務のポイント:末日直前に形だけ課税用にしても、調整期間全体の対価比率で薄まるため効果は限定的。狙うなら早い段階から課税用の実績を積む方が割合は伸びる
Q3相続で引き継いだ賃貸物件、前の持ち主の消費税調整もこっちに来るんですか?
来ます。第35条の2は相続人・合併法人・分割承継法人を当該事業者に含めると明記しています。前の代で第30条第10項の適用を受けた居住用賃貸建物を承継すれば、調整期間内の転用・売却による加算調整の義務も権利もあなたに移ります。実務のポイント:相続で不動産を承継するとき、この消費税の調整期間が残っているかは見落とされやすい。承継直後に売却や用途変更を検討するなら、残調整期間の確認が節税と追徴の分かれ道になる(免税事業者になると対象外)
間違えやすい点 AI による整理
- 「居住用賃貸建物の消費税は令和2年以降まったく戻らない」と思い込んでいる人が多いが、第35条の2は3年以内の課税賃貸用への転用・売却という条件つきで一部復活を認めている。ゼロか全部かではなく、割合を乗じた部分回復の道が残されている
- 調整期間が「3年」だと知っていても、その起算点の重さを見落としている。起算は取得日ではなく、居住用賃貸建物の仕入れ等の日の属する課税期間の開始の日から3年を経過する日の属する課税期間の末日。自己建設高額特定資産なら建設完了日が基準。3年という言葉の響きが油断を生み、期限管理を甘くする。1日過ぎれば復活の権利ごと消える
- 「少しでも課税用に貸せば全額戻る」という前提で電卓を叩いている人がいるが、その問いの立て方が誤っている。戻るのは全額ではなく課税賃貸割合を乗じた金額。住宅のまま貸した期間が長ければ割合は小さく、復活額はわずかにしかならない。問うべきは「戻るか」ではなく「調整期間のうちどの割合まで課税用の実績を積めるか」だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 消費税法35条の2:制限された控除を割合に応じて回復させる救済 | 消費税法30条10項:居住用賃貸建物の仕入税額控除を一律に制限 消費税法12条の4:高額特定資産・自己建設高額特定資産の定義と納税義務の特例 |
| 発動の要件 | 第三年度の課税期間の末日に保有+調整期間中の課税賃貸用への供用、又は調整期間内の譲渡 | 居住用賃貸建物に該当する課税仕入れ等を行ったこと 税抜1,000万円以上の資産の取得等(金額基準) |
| 対象から外れる者 | 第9条第1項本文により納税義務が免除される事業者 | 居住用賃貸建物に該当しない建物の取得者 金額基準未満の資産のみを取得した事業者 |
| 時間的制約 | 調整期間(仕入れ等の日〜第三年度の課税期間の末日)という時限つき | 取得時点で確定、時限なし 取得課税期間の翌課税期間から3年間の納税義務の継続 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾も免税用途に対応する進項税額の控除を認めず、兼営営業人については年度調整の仕組みを置く。ただし日本のような居住用賃貸建物に特化した3年の調整期間という限定的救済条文は持たない
韓国も免税事業用の減価償却資産を課税事業に転換した場合に仕入税額控除を認める特例を置く。経過年数に応じて控除額を逓減させる方式であり、割合方式を採る日本とは計算構造が異なる
ドイツは建物について10年という長期の調整期間を定め、用途の変動があった年ごとに按分して仕入税額を調整する。日本の3年・一括加算方式に比べ、期間が長くきめ細かい
フランスは不動産について20年の調整期間を設け、用途変更や譲渡の際に控除税額を年割で調整する。EU 付加価値税指令に沿った長期調整の典型例
米国は州レベルの sales tax が中心で前段階税額控除の仕組みを持たないため、居住用賃貸建物の仕入税額調整という論点自体が生じない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取得から3年目の課税期間の末日まであと数か月。あなたの賃貸マンションはずっと住宅として貸したまま。今から1室でも事務所用に切り替えれば課税賃貸割合が動き、封じられた消費税の一部が末日時点の保有を条件に戻る。この末日を1日でも過ぎたら、加算調整の権利そのものが消える
- もし、取得から2年目に建物を売却したらどうなる? 第2項が動く。仕入れ日から譲渡日までの貸付対価と譲渡対価から課税譲渡等割合を計算し、その分の消費税が売却した課税期間の仕入税額に加算される。売るタイミングを課税期間単位で設計できるかどうかで、戻る金額が変わる
- 親が建てた賃貸マンションを相続で引き継いだ。前の代で第30条第10項により控除が封じられていても、調整の義務と権利はあなたに承継される。相続人・合併法人・分割承継法人はこの条文の当事者だと本文に明記されている
- 1階をコンビニに貸した。それだけで住宅以外の貸付け、つまり課税賃貸用になる。控除復活の扉が開く
- 顧問先の賃貸物件を見ている税理士のあなた。まず確認すべきは、その事業者が免税に転落していないか。第9条第1項本文で納税義務が免除される事業者は、この救済の対象から明文で除外されている。課税事業者を維持しているかどうかが分岐点になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取得した居住用賃貸建物ごとに「仕入れ等の日」と「第三年度の課税期間の末日」を確定し、調整期間を管理台帳化する2. 復活を狙うなら、末日までに一部でも住宅以外(店舗・事務所・倉庫)の貸付け実績を作る、または調整期間内の売却を設計する3. 課税賃貸割合・課税譲渡等割合の計算根拠となる貸付対価・譲渡対価の内訳を証憑で固める4. 第9条の免税事業者に転落していないか毎期確認する。免税になると救済対象から外れる
訴えられた側:1. 課税賃貸割合・課税譲渡等割合の計算が政令(施行令)と基本通達に沿っているか再点検する。末日直前の形式的な転用は否認リスクが高い2. 課税用への転用実態を賃貸借契約と使用実態の客観証拠で示せるよう準備する3. 自己建設高額特定資産に該当する場合は、建設等が完了した日の認定という争点を意識する4. 更正処分に不服なら再調査の請求または審査請求(国税通則法)へ、期限管理を最優先にする
時効(請求できる期限):加算調整の判定は、居住用賃貸建物の仕入れ等の日の属する課税期間の開始の日から3年を経過する日の属する課税期間の末日が基準(第3項)。第2項の売却型は調整期間内の譲渡が要件。なお税務署の更正・決定は原則として法定申告期限から5年、偽りその他不正がある場合は7年(国税通則法70条。最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(消費税実務の一般的理解):第30条第10項による控除制限は非課税売上に対応する仕入税額を排除する課税中立性の要請に基づく原則であり、第35条の2はその原則を維持しつつ、事業実態が課税取引に振れた部分に限って控除を事後的に回復させる例外的救済と位置づけられる。割合計算という技術により、全額か零かの二者択一を避けた設計と解される。
実務上の留意説:調整期間の末日直前に形式的に一部を課税賃貸用へ切り替える手法は、課税賃貸割合が調整期間全体の対価比率で算定されるため効果が限定的であるうえ、実態を欠く場合には否認リスクを伴うとされる。早期から課税用の実績を積むか、譲渡時期を課税期間単位で設計する方が合理的と説かれる。
改正沿革 AI による整理
- 令和2年(2020年)税制改正 居住用賃貸建物への仕入税額控除を封じる第30条第10項の新設に合わせて本条を新設。金地金スキーム等による過大還付を防ぐ一方、3年の調整期間内に課税賃貸用へ供したり譲渡したりした場合に控除を回復する救済を設けた。令和2年10月1日以後に取得する居住用賃貸建物から適用
改正の年表
- 1.令和2年(2020年) 新設:令和2年度税制改正により、居住用賃貸建物への仕入税額控除を制限する第30条第10項の新設に合わせて本条を新設。金地金の売買等により課税売上割合を操作して建物の消費税還付を受ける手法を封じる一方、3年の調整期間内に課税賃貸用へ供し又は譲渡した場合の控除回復を規定した。令和2年10月1日以後に取得する居住用賃貸建物に適用。
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