要点消費税法35条の2は、控除が制限された居住用賃貸建物について、3年の調整期間内に課税賃貸用に転用又は譲渡した場合、割合に応じた消費税額を仕入税額に加算できると定める。
Q · 賃貸マンションの建物にかかった消費税、控除できないと言われたけど本当にもう戻らないの?
3年以内に店舗用へ転用か売却すれば、一部戻ります
消費税法35条の2により、第30条第10項で仕入税額控除を制限された居住用賃貸建物であっても、第三年度の課税期間の末日に建物を保有し、かつ調整期間中に住宅以外(店舗・事務所等)の貸付けに供していれば、課税賃貸割合を乗じた消費税額が仕入れに係る消費税額に加算されます。調整期間内に譲渡した場合は、課税譲渡等割合を乗じた額が譲渡した課税期間に加算されます。ただし第9条第1項本文により納税義務が免除される事業者は対象外で、戻るのは全額ではなく割合に応じた部分にとどまります。
賃貸用マンションを一棟建てた、あるいは買った。建物代金に乗っていた消費税を仕入税額控除で取り戻せると踏んでいたのに、令和2年10月以降は第30条第10項が居住用賃貸建物への控除を丸ごと封じている。ここで多くの人が「あの数百万円の消費税はもう戻らない」と肩を落とす。だが本条を知る者は違う動きをする。取得から3年目の課税期間の末日までに、その建物の一部でも店舗や事務所として貸せば(課税賃貸用)、あるいは調整期間中に売却すれば、封じられた仕入税額の一部が課税賃貸割合・課税譲渡等割合に応じて仕入税額に加算され、戻ってくる。3年間の調整期間という時限つきの救済窓口が、法律の中に静かに開いている。この窓口の存在を知っているかどうかで、消費税が部分的に戻るか、そのまま消えるかが分かれる。
消費税法第35条の2は、居住用賃貸建物に係る仕入税額控除の事後調整を定める規定である。第30条第10項により控除が制限された課税仕入れ等の税額について、調整期間内に当該建物を住宅の貸付け以外の用途に供した場合又は他の者に譲渡した場合に、課税賃貸割合又は課税譲渡等割合を乗じた金額を当該課税期間の仕入れに係る消費税額に加算する仕組みを規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物で、高額特定資産または調整対象自己建設高額資産に該当するものをいいます。取得時の客観的状況で判定されます。
居住用賃貸建物の仕入れ等の日の属する課税期間の開始の日から3年を経過する日の属する課税期間です(第3項)。取得日から3年ではなく課税期間単位で数える点に注意が必要です。
調整期間中に行った当該建物の貸付対価の合計額のうち、課税賃貸用に供した貸付けの対価の合計額が占める割合です。具体的な計算方法は政令(施行令53条の2)に定められています。
令和2年度税制改正で第30条第10項が新設され、令和2年10月1日以後に取得する居住用賃貸建物から仕入税額控除が制限されました。本条の調整はその救済として同時に設けられています。
第12条の4第1項の自己建設高額特定資産に該当する場合、仕入れ等の日は課税仕入れの日ではなく建設等が完了した日となります(第3項)。完了日の認定が調整期間の起点を左右します。
別表第二第十三号の住宅の貸付け以外の貸付けであれば課税賃貸用に該当し得ます。旅館業法上の営業として行う宿泊サービスは住宅の貸付けとは区別されますが、契約形態と実態で判定されます。
できません。第1項・第2項とも第9条第1項本文により消費税を納める義務が免除される事業者を明文で除外しています。調整期間中は課税事業者を維持しているかの確認が不可欠です。
転用型(第1項)は第三年度の課税期間の申告で、譲渡型(第2項)は譲渡をした課税期間の申告で仕入れに係る消費税額に加算します。加算後の金額がその課税期間の仕入控除税額とみなされます。
全額は無理でも、第35条の2で一部は戻せます。取得から3年目の課税期間末日までに住宅以外の用途(店舗・事務所)に貸すか、調整期間中に売却すれば、課税賃貸割合・課税譲渡等割合を乗じた消費税が仕入税額に加算されます。業界裏話ヒント:第30条第10項で封じられた瞬間に「終わった」と処理する税理士は多い。だが取得時点から3年の調整期間を使い切る出口設計を組めば部分還付の道が残る。末日を管理台帳に載せているかで差が出る
全体は戻りません。第35条の2第1項の課税賃貸割合は、調整期間中の貸付け対価総額に占める課税賃貸用の対価の割合で計算されます(第3項、計算方法は政令)。住宅部分が大きいほど割合は小さく、復活額も小さくなる。業界裏話ヒント:末日直前に形だけ課税用にしても、調整期間全体の対価比率で薄まるため効果は限定的。狙うなら早い段階から課税用の実績を積む方が割合は伸びる
来ます。第35条の2は相続人・合併法人・分割承継法人を当該事業者に含めると明記しています。前の代で第30条第10項の適用を受けた居住用賃貸建物を承継すれば、調整期間内の転用・売却による加算調整の義務も権利もあなたに移ります。業界裏話ヒント:相続で不動産を承継するとき、この消費税の調整期間が残っているかは見落とされやすい。承継直後に売却や用途変更を検討するなら、残調整期間の確認が節税と追徴の分かれ道になる(免税事業者になると対象外)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 消費税法 35条の2:制限された控除を割合に応じて回復させる救済 | — |
| 発動の要件 | 第三年度の課税期間の末日に保有+調整期間中の課税賃貸用への供用、又は調整期間内の譲渡 | — |
| 対象から外れる者 | 第9条第1項本文により納税義務が免除される事業者 | — |
| 時間的制約 | 調整期間(仕入れ等の日〜第三年度の課税期間の末日)という時限つき | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。