要点育児・介護休業法第52条の5は、育児・介護をめぐる労使紛争を、当事者の一方の申請だけで紛争調整委員会の調停にかけられる仕組みを定める。申請を理由とする不利益取扱いは禁止される。
Q · 育休明けに冷遇されたとき、裁判を起こさずに解決する方法はありますか?
都道府県労働局の調停を、会社の同意なく無料で申請できます
育児・介護休業法第52条の5により、育児休業・介護休業や短時間勤務などをめぐる労使紛争は、当事者の一方の申請だけで都道府県労働局長が紛争調整委員会に調停を委ねます。会社の同意は不要で、費用は無料、手続は非公開です。さらに第2項が第25条第2項を準用するため、調停を申請したことを理由とする解雇その他の不利益取扱いは禁止されます。まず労働局の雇用環境・均等部(室)に相談するところから始められます。
育児休業から戻ったら昇進ルートから外された、介護のための短時間勤務を申請したら遠回しに退職を勧められた。こうした会社とのトラブルを、裁判を起こさず、しかも無料で第三者に裁いてもらう道がある。それが本条の定める調停だ。都道府県労働局長が、専門家で構成される紛争調整委員会に調停を委ねる。あなたが押さえるべきは二点。第一に、調停は当事者の一方だけでも申請できる。会社の同意は要らない。仲裁と違い、相手が嫌がっても土俵に上げられる。第二に、本条二項が第二十五条二項を準用する結果、あなたが調停を申請したことを理由に、会社はあなたを解雇したり不利益に扱ったりできない。申し立てそのものが法律で守られている。多くの働く親や介護者は、この二つを知らないまま、泣き寝入りするか、いきなり高額な訴訟に踏み込むかの二択だと思い込んでいる。
育児・介護休業法第52条の5は、同法第52条の3所定の紛争について、当事者の双方または一方からの申請に基づき、都道府県労働局長が個別労働関係紛争解決促進法上の紛争調整委員会に調停を委任する手続を定める規定である。第2項は第25条第2項を準用し、調停申請を理由とする不利益取扱いを禁止する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
都道府県労働局に置かれる中立の専門家組織で、労使紛争のあっせん・調停を行います。個別労働関係紛争解決促進法第6条第1項が設置根拠で、弁護士や大学教授などで構成されます。
都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談し、調停申請書を提出します。相手方(会社)の同意は不要で、費用は無料です。育児・介護をめぐる紛争であることが対象要件です。
不要です。第52条の5第1項は「当事者の双方又は一方から」の申請で足りると定めています。会社が嫌がっても、労働者ひとりの申請で手続を起動できます。
育児休業の取得を理由とする降格は、育児・介護休業法上の不利益取扱いの禁止に反し違法となり得ます。まず証拠を確保し、労働局の調停で救済を求める道があります。
都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。育児・介護に加え、マタハラ(均等法)やパワハラ(労働施策総合推進法)の紛争も同じ紛争調整委員会が扱います。
調停の申請自体に法定の期限はありません。ただし解雇無効や損害賠償など背景の請求には時効等の限界があるため、不利益を知った時点から早く動くのが安全です。
どちらも紛争調整委員会が行うADRですが、あっせんは当事者の話合いを促す簡易な手続、調停はより踏み込んで調停委員が解決案(調停案)を提示する点が異なります。
調停は打ち切られますが、そこで会社が示した事実や言い分は記録に残り、その後の労働審判・訴訟の足場になります。改めて裁判所での手続に進むことができます。
申請の事実は会社に伝わりますが、本条第二項が準用する第二十五条二項により、調停を申請したことを理由とする解雇その他の不利益取扱いは禁止されています。違反すれば会社が新たな法的責任を負います。業界裏話ヒント:労働局は会社に対し、報復が法律で禁じられていることを明示的に伝えます。人事担当者ほどこの禁止を理解しているので、調停申請後にあからさまな報復に出る会社は実は多くない。恐れて申請をためらう方が、結果的に損をする
調停委員が示す解決案に法的拘束力はなく、双方が受諾して初めて和解として成立します。代わりに無料・非公開で、数か月という短期間で終わるのが利点です。業界裏話ヒント:強制力がない=無意味、ではない。調停の場で会社が示した事実や言い分は記録に残り、不成立後に訴訟へ進んだとき有力な証拠になる。調停は解決の場であると同時に、相手の手札を引き出す偵察の場でもある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 第52条の5:調停を紛争調整委員会に委任する手続と申請者保護 | — |
| 起動のきっかけ | 当事者の一方の申請+労働局長が必要と認めること | — |
| 第三者の関与 | 都道府県労働局長+紛争調整委員会(中立の専門家) | — |
| 申請者の保護 | 第25条第2項準用で申請を理由とする不利益取扱いを禁止 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。
以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。