要点不正競争防止法 18 条は、国際商取引で営業上の不正の利益を得る目的で外国公務員等に賄賂を供与・申込み・約束する行為を禁止する。国有企業職員も対象で、円滑化支払いの例外はない。
Q · 海外で現地の役人に「心づけ」を渡すのは、日本の法律でも問題になるの?
原則として日本法で処罰される。少額でも例外なし
不正競争防止法 18 条により、国際的な商取引で営業上の不正の利益を得る目的で外国公務員等に金銭その他の利益を供与・申込み・約束する行為は禁止されます。米国 FCPA にある少額の円滑化支払いの例外は日本法にありません。さらに令和5年(2023年)改正で属人主義が導入され、日本国民が海外で行った贈賄も日本国内で処罰できるようになりました。外国公務員等には外国政府の役人だけでなく、外国政府が議決権の過半を握る国有企業の職員や国際機関の職員も含まれます。
海外でのビジネスには現地のやり方がある、税関や役所を動かすための「心づけ」は必要経費だ。そう信じて海外事業を回してきたなら、不正競争防止法18条はあなたの足元を崩す。本条は、外国の公務員に対し、国際的な商取引で営業上の不正な利益を得る目的で金銭その他の利益を供与すること、その申込みや約束をすることを正面から禁じる。しかも令和5年(2023年)の改正で、日本人が海外で行った贈賄も日本国内で処罰できるようになった(属人主義)。さらに見落としがちなのが「外国公務員等」の広さだ。外国政府の役人だけでなく、外国政府が議決権の過半を握る国有企業の職員、国際機関の職員までが含まれる。外国の国有銀行の担当者に渡したキックバックも、本条の射程に入る。米国のFCPAにある少額の円滑化支払いの例外も、日本法には存在しない。
不正競争防止法 18 条は、外国公務員等に対する贈賄を禁止する規定である。国際的な商取引において営業上の不正の利益を得る目的で、外国公務員等に職務に関する行為をさせる等のために金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をする行為を対象とする。外国公務員等の範囲には外国政府職員、外国政府が支配する国有企業の職員、国際機関職員が含まれる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
国際的な商取引で営業上の不正の利益を得る目的で外国公務員等に賄賂を供与する行為を処罰する罪です。不正競争防止法 18 条が禁止し、21 条が罰則を定めます。
違法です。米国 FCPA には通関促進などのための少額の円滑化支払いの例外がありますが、日本の不正競争防止法 18 条には例外がありません。少額でも該当します。
なり得ます。外国政府が議決権の過半を握る国有企業の職員は 18 条 2 項三号の「外国公務員等」に含まれ、見返りを伴う供与は贈賄に該当します。
21 条が自然人への懲役・罰金、22 条が法人両罰規定で会社本体への罰金を定めます。令和5年改正で罰則は大幅に引き上げられました。具体額は最新の改正状況をご確認ください。
令和5年(2023年)改正で国民の国外犯処罰(属人主義)が導入され、施行は令和6年(2024年)4月1日です。日本国民が海外で行った贈賄も日本で処罰できます。
外国政府・地方公共団体の公務員、外国政府が支配する国有企業の職員、国際機関の職員、これらから事務を委任された者まで含まれます。
両罰規定(22 条)により、行為者の所属する法人にも罰金が科され得ます。第三者経由でも賄賂転用を認識・黙認していれば該当します。
刑事罰金のほか、入札参加資格の停止、レピュテーション毀損、米英など外国当局の並行制裁が生じ得ます。M&A では承継リスクにもなります。
ダメです。不正競争防止法18条には「現地の慣習だから」という抗弁も、米国FCPAのような少額の円滑化支払いの例外もありません。慣行として根付いていても、営業上の不正の利益を得る目的での供与は犯罪です。業界裏話ヒント:弁護士は『現地慣習』を理由にした支払いを最も危険視します。慣習を盾に常態化した支払いほど記録が残り、後の調査で芋づる式に立件される。慣習だから安全ではなく、慣習だからこそ証拠が積み上がっている
問われ得ます。コミッションが賄賂に回ると認識・黙認していれば、第三者を介した供与として18条に該当し、会社も両罰規定(不正競争防止法22条)で罰金を科されます。業界裏話ヒント:当局は『不自然に高額なコミッション』『業務実態のないコンサル料』を真っ先に疑います。エージェント契約に反贈賄条項と監査権を入れ、実際に監査した記録を残しているかどうかで、会社が相当の注意を尽くしたと言えるかが分かれる
一般に、早期の自主申告・社内処分・再発防止策の構築は、起訴判断と量刑で有利な情状として評価されます。隠蔽は発覚時の打撃を倍化させ、関与者の責任も重くします。業界裏話ヒント:日本の事案は米英当局の調査と並行することが多く、外国当局には司法取引やリニエンシー的な制度があります。日本国内だけ見て黙っていると、海外で先に叩かれて挟み撃ちになる。グローバルに同時進行で対応方針を決めるのが実務の鉄則
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる公務員 | 不競法 18 条:外国公務員等(国有企業職員・国際機関職員を含む) | — |
| 円滑化支払い(少額)の例外 | 例外なし。少額でも該当 | — |
| 域外適用・属人主義 | 令和5年改正で属人主義導入(日本国民の国外犯を処罰) | — |
| 法人処罰 | 22 条の両罰規定で会社にも罰金 | — |
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