要点不正競争防止法19条は、普通名称の使用、自己氏名の善意使用、周知化前からの先使用、善意取得した営業秘密の使用などを、差止・損害賠償の適用除外と定める規定である。
Q · 大企業から商標が紛らわしいと警告が来たら、屋号を下ろすしかないの?
先に使っていたなら先使用で守られる場合があります
不正競争防止法19条1項4号により、相手の商品等表示が周知になる前から、不正の目的なく同一・類似の表示を使っていた場合、差止や損害賠償の対象外となります(著名表示は5号)。決め手は『相手が有名になる前から使っていた』ことを開業届・請求書・日付入り広告などの客観証拠で示せるかどうかです。先使用が認められても、相手は19条2項により混同を防ぐ表示を付けるよう請求できます。なお自己の氏名の善意使用は2号で守られます。
地方で30年続く食堂が、自分の苗字を掲げて商売してきた。ある日、同名の全国チェーンから「商品等表示が紛らわしい、看板を下ろせ」という内容証明が届く。普通なら廃業を覚悟する。だが不正競争防止法19条を知っていれば、形勢は逆転しうる。この条文は、不正競争の強力な武器である差止請求(3条)、損害賠償(4条)、さらに刑事罰までを「適用しない」場面を列挙した除外規定だ。普通名称をありふれた方法で使う行為、自己の氏名を不正の目的でなく使う行為、そして相手が有名になる前から同じ表示を使っていた先使用。これらに当たれば、相手が大企業でも止められない。あなたが守られるかどうかは、いつから使っていたかの客観証拠と、不正の目的がなかったことを示せるかにかかっている。網に捕まったと早合点する前に、避難口がどこにあるかを確認することだ。
不正競争防止法19条は、同法3条から15条、21条及び22条が定める差止・損害賠償・刑事罰等の規定を、一定の行為類型については適用しないと定める適用除外規定である。普通名称等を普通に用いる行為、不正の目的によらない自己氏名の使用、相手の周知・著名化前からの先使用、善意・無重過失で取引により取得した営業秘密の使用などが列挙される。
差止(3条)・損害賠償(4条)・刑事罰などを適用しない場面を列挙した適用除外規定です。普通名称、善意の自己氏名使用、先使用、善意取得の営業秘密などが対象になります。
相手の商品等表示が周知(著名表示は5号)になる前から、同一・類似の表示を不正の目的なく使っていたことが要件です。使用開始時期を客観証拠で示せるかが鍵になります。
できません。普通名称等を普通に用いられる方法で使う行為は19条1項1号で適用除外となり、不正競争に当たりません。一般的な言葉を選んだだけで止められることはありません。
不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいいます。便乗・フリーライドの意図があると、自己氏名や先使用の適用除外が外れます。
19条2項に基づき、自己氏名使用者や先使用者に対し、相手が自分の商品・営業との混同を防ぐ適当な表示を付けるよう求める請求です。除外側にも一定の配慮義務を課します。
違法ではありません。19条1項10号により、技術的制限手段の試験・研究のために用いる装置やプログラムの提供などは、不正競争の適用除外とされています。
まず相手が有名になった時期と自分の使用開始時期を時系列で整理します。先に使っていた証拠があれば19条1項4号の先使用で守られ、廃業せず共存交渉に持ち込めます。
19条です。1項各号で普通名称、自己氏名、先使用、善意取得の営業秘密、研究目的などを列挙し、2項で混同防止表示の請求を定めています。
不正の目的がなく自分の氏名を使っているなら、19条1項2号の適用除外で差止や損害賠償の対象外になります。ただし19条2項で相手から「混同を防ぐ表示を付けろ」と請求される可能性があります。業界裏話ヒント:ここでの分かれ目は『本名そのものか、有名店に寄せた装飾を加えていないか』です。書体やロゴを相手にわざと似せると『不正の目的』を疑われ、除外が外れる。氏名は守られても、似せた飾りは捨てるのが安全策です
止められません。相手の商品等表示が周知になる前から同一・類似の表示を不正の目的でなく使っていたなら、19条1項4号(著名表示の場合は5号)の先使用で守られます。業界裏話ヒント:勝敗は『先に使っていた事実』ではなく『先に使っていたと証明できるか』で決まります。記憶や常連客の証言だけでは弱い。開業届、最初の納品書、日付の残る広告やSNS投稿を、紛争が起きる前から残しておくことが効きます
取得した時にそれが不正に開示・取得されたものだと知らず、かつ知らないことに重大な過失がなければ、取引で得た権原の範囲内で使用・開示でき、19条1項7号で守られます。業界裏話ヒント:危険なのは『途中で気づいた後』です。最初は善意でも、警告書などで不正を知った後に範囲を超えて使い続けると保護が崩れる。気づいた時点で使用の範囲と方法を文書で見直し、権原内に留めた記録を残すことが防御線になります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる権利・行為 | 不競法19条:差止・損害賠償・刑事罰の適用除外(表示・営業秘密ほか) | — |
| 保護の前提 | 相手表示の周知・著名化前から不正の目的なく使用(先使用の場合) | — |
| 対抗できる相手 | 不正競争を主張する者(無登録の周知・著名表示主体など) | — |
| 混同防止表示の負担 | 19条2項で混同防止表示を請求されうる | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。