要点不正競争防止法 5 条は、損害額の立証が困難な被害者のため、侵害者の利益額を損害と推定し(2 項)、使用料相当額の最低保証(3 項)を定める損害額算定規定である。
Q · 営業秘密や商品を真似されたとき、自分がいくら損したか証明できなくても賠償を請求できる?
できる。侵害者の利益額を損害と推定できる
不正競争防止法 5 条があります。2 項は侵害者がその侵害で得た利益額を被害者の損害と推定し、被害者が一円単位で損失を立証しなくても請求できる仕組みです。1 項は侵害者の販売数量に被害者の利益単価を乗じる逸失利益方式、3 項は売上減少を立証できなくても請求できる使用料相当額の最低保証です。事案の証拠状況に応じて最も有利なルートを選ぶことで、回収額が数倍変わります。
自社が何年もかけて築いたブランドを、そっくりな模倣品に横取りされた。営業秘密を持ち出した元社員が、それを競合先で使って商品を出した。怒りはある。だが裁判で「いくら損したか」を一円単位で立証しろと言われると、ほとんどの会社はそこで手が止まる。その壁を壊すのが不正競争防止法5条だ。この条文は三つの計算ルートを用意している。侵害者が売った数量にあなたの利益単価を掛ける逸失利益方式、侵害者が得た利益額をそのままあなたの損害と推定する方式、そして最低でも使用料相当額を払わせる方式。立証の重荷を被害者の肩から侵害者の肩へ移し替える、それがこの条文の正体だ。どのルートを選ぶかで取れる金額が数倍変わる。あなたが握っておくべき切り札は、三つ目のルートは売上の減少を一切証明できなくても請求できる最低保証だという点にある。
不正競争防止法 5 条は損害額の算定規定であり、不正競争により営業上の利益を侵害された者の損害賠償について、侵害品の譲渡数量に被害者の利益単価を乗じる方式、侵害者の利益額を損害と推定する方式、使用料相当額を損害とする方式の三つの算定方法を定める。立証困難な損害額の立証負担を侵害者側へ転換する機能を持つ。
AI 輔助整理,以條文原文為準
不正競争による損害賠償の額を算定するための規定です。逸失利益(1 項)、利益額の推定(2 項)、使用料相当額(3 項)の三つの計算方法を定め、被害者の立証負担を軽減します。
侵害者がその侵害で得た利益額を、被害者が受けた損害の額と推定する仕組みです(5 条 2 項)。被害者が自らの損失を一円単位で立証しなくても請求できるのが特徴です。
損害および加害者を知った時から 3 年、不正競争の時から 20 年で消滅します(民法 724 条)。営業秘密の継続的使用では起算点が争われるため、発覚したら速やかに証拠保全を行ってください。
侵害行為に対し受けるべき金銭の額、つまりライセンスしていたら得られたであろう対価を基準とします。5 条 4 項により、不正競争を前提とした合意額を考慮でき、通常の任意ライセンス料より高く設定されうります。
請求できます。商品形態の模倣(2 条 1 項 3 号)等に該当すれば、5 条 1 項・2 項で相手の販売数量や利益額を起点に賠償を計算できます。フリマやEC上の継続販売も対象となりえます。
覆せます。法律上の推定であり絶対ではありません。相手の売上のうち、相手自身のブランド力・営業努力・市場全体の伸びなど侵害以外の要因で売れた部分を立証すれば、推定額が減額されます(推定の一部覆滅)。
一律の相場はなく、選ぶ計算ルートと相手の利益規模で大きく変わります。相手の利益帳簿を 7 条の文書提出命令で開示させ、2 項の推定の土台にできるかが回収額を左右します。
保護対象が異なるだけで、損害額算定の三段構え(逸失利益・利益推定・使用料相当額)はほぼ同一構造です。特許法 102 条は特許権、不正競争防止法 5 条は営業秘密・商品表示・形態などを対象とします。
諦めるのは早い。5条2項は、侵害者がその侵害で得た利益額をあなたの損害と推定すると定めている。あなたが一円単位で損失を立証しなくても、相手の利益を起点に請求できる。さらに3項は使用料相当額という最低ラインを保証する。業界裏話ヒント:実務では損害論に入る前に7条の文書提出命令で相手の利益帳簿を出させるのが定石。この帳簿が出た瞬間に和解額が跳ね上がることが多く、ここを取りに行けるかで回収額が桁違いになる
自力で全部を把握する必要はない。不正競争防止法7条の書類提出命令や、計算のための鑑定(8条)を使い、裁判所を通じて相手の売上・原価・利益に関する書類を提出させられる。これが5条2項の推定の土台になる。業界裏話ヒント:相手は「営業秘密だから出せない」と抵抗することが多いが、インカメラ手続(裁判官だけが見る手続)で開示範囲を調整できる。出し渋り自体が裁判官の心証を悪くするため、提出命令の申立ては交渉カードとしても効く
5条3項は侵害行為に対し受けるべき金銭の額、つまりライセンスしていたら得られたであろう対価を損害とする。4項により、裁判所は不正競争を前提に当事者が合意したならば得られた対価を考慮できるため、通常の任意ライセンス料より高く設定されうる。業界裏話ヒント:違法に使われた以上、正規ライセンスより安く済ませるのはおかしいという発想が4項に込められている。さらに5項で、これを超える実損があれば上乗せ請求できる。使用料相当額は床であって天井ではない
覆せる余地はある。5条2項の推定は法律上の推定であって絶対ではない。相手の売上のうち、相手自身のブランド力・販売努力・市場全体の伸びなど、あなたの行為以外の要因で売れた部分を立証すれば、推定額は減額される(推定の一部覆滅)。1項なら相手の生産・提供能力を超える数量分の控除も主張できる。業界裏話ヒント:実務で効くのは「相手は自分の力でこれだけ売れた」という具体的な寄与度の立証。漠然と高すぎると言うだけでは通らず、要因ごとに数字で切り分けた側が減額を勝ち取る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 計算の起点 | 5 条 2 項:侵害者の利益額をそのまま損害と推定 | — |
| 立証の重荷 | 相手の利益額を示せば足り、被害者の損失立証は不要 | — |
| 覆滅・控除 | 推定の一部覆滅(相手の営業努力分等)で減額されうる | — |
| 向いている事案 | 相手の利益が大きく帳簿を押さえられる事案 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。