受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月16日読了 8 分8 分8 分

不正競争防止法 第2条(定義)

クイックジャンプ
  1. この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。
  2. 一他人の商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するものをいう。以下同じ。)として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供して、他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為
  3. 二自己の商品等表示として他人の著名な商品等表示と同一若しくは類似のものを使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供する行為
  4. 三他人の商品の形態(当該商品の機能を確保するために不可欠な形態を除く。)を模倣した商品を譲渡し、貸し渡し、譲渡若しくは貸渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為
  5. 四窃取、詐欺、強迫その他の不正の手段により営業秘密を取得する行為(以下「営業秘密不正取得行為」という。)又は営業秘密不正取得行為により取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為(秘密を保持しつつ特定の者に示すことを含む。次号から第九号まで、第十九条第一項第七号、第二十一条及び附則第四条第一号において同じ。)
  6. 五その営業秘密について営業秘密不正取得行為が介在したことを知って、若しくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得し、又はその取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為
  7. 六その取得した後にその営業秘密について営業秘密不正取得行為が介在したことを知って、又は重大な過失により知らないでその取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為
  8. 七営業秘密を保有する事業者(以下「営業秘密保有者」という。)からその営業秘密を示された場合において、不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、その営業秘密を使用し、又は開示する行為
  9. 八その営業秘密について営業秘密不正開示行為(前号に規定する場合において同号に規定する目的でその営業秘密を開示する行為又は秘密を守る法律上の義務に違反してその営業秘密を開示する行為をいう。以下同じ。)であること若しくはその営業秘密について営業秘密不正開示行為が介在したことを知って、若しくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得し、又はその取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為
  10. 九その取得した後にその営業秘密について営業秘密不正開示行為があったこと若しくはその営業秘密について営業秘密不正開示行為が介在したことを知って、又は重大な過失により知らないでその取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為
  11. 十第四号から前号までに掲げる行為(技術上の秘密(営業秘密のうち、技術上の情報であるものをいう。以下同じ。)を使用する行為に限る。以下この号において「不正使用行為」という。)により生じた物を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為(当該物を譲り受けた者(その譲り受けた時に当該物が不正使用行為により生じた物であることを知らず、かつ、知らないことにつき重大な過失がない者に限る。)が当該物を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為を除く。)
  12. 十一窃取、詐欺、強迫その他の不正の手段により限定提供データを取得する行為(以下「限定提供データ不正取得行為」という。)又は限定提供データ不正取得行為により取得した限定提供データを使用し、若しくは開示する行為
  13. 十二その限定提供データについて限定提供データ不正取得行為が介在したことを知って限定提供データを取得し、又はその取得した限定提供データを使用し、若しくは開示する行為
  14. 十三その取得した後にその限定提供データについて限定提供データ不正取得行為が介在したことを知ってその取得した限定提供データを開示する行為
  15. 十四限定提供データを保有する事業者(以下「限定提供データ保有者」という。)からその限定提供データを示された場合において、不正の利益を得る目的で、又はその限定提供データ保有者に損害を加える目的で、その限定提供データを使用する行為(その限定提供データの管理に係る任務に違反して行うものに限る。)又は開示する行為
  16. 十五その限定提供データについて限定提供データ不正開示行為(前号に規定する場合において同号に規定する目的でその限定提供データを開示する行為をいう。以下同じ。)であること若しくはその限定提供データについて限定提供データ不正開示行為が介在したことを知って限定提供データを取得し、又はその取得した限定提供データを使用し、若しくは開示する行為
  17. 十六その取得した後にその限定提供データについて限定提供データ不正開示行為があったこと又はその限定提供データについて限定提供データ不正開示行為が介在したことを知ってその取得した限定提供データを開示する行為
  18. 十七営業上用いられている技術的制限手段(他人が特定の者以外の者に影像若しくは音の視聴、プログラムの実行若しくは情報(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録されたものに限る。以下この号、次号及び第八項において同じ。)の処理又は影像、音、プログラムその他の情報の記録をさせないために用いているものを除く。)により制限されている影像若しくは音の視聴、プログラムの実行若しくは情報の処理又は影像、音、プログラムその他の情報の記録(以下この号において「影像の視聴等」という。)を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能を有する装置(当該装置を組み込んだ機器及び当該装置の部品一式であって容易に組み立てることができるものを含む。)、当該機能を有するプログラム(当該プログラムが他のプログラムと組み合わされたものを含む。)若しくは指令符号(電子計算機に対する指令であって、当該指令のみによって一の結果を得ることができるものをいう。次号において同じ。)を記録した記録媒体若しくは記憶した機器を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、若しくは輸入し、若しくは当該機能を有するプログラム若しくは指令符号を電気通信回線を通じて提供する行為(当該装置又は当該プログラムが当該機能以外の機能を併せて有する場合にあっては、影像の視聴等を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする用途に供するために行うものに限る。)又は影像の視聴等を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする役務を提供する行為
  19. 十八他人が特定の者以外の者に影像若しくは音の視聴、プログラムの実行若しくは情報の処理又は影像、音、プログラムその他の情報の記録をさせないために営業上用いている技術的制限手段により制限されている影像若しくは音の視聴、プログラムの実行若しくは情報の処理又は影像、音、プログラムその他の情報の記録(以下この号において「影像の視聴等」という。)を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能を有する装置(当該装置を組み込んだ機器及び当該装置の部品一式であって容易に組み立てることができるものを含む。)、当該機能を有するプログラム(当該プログラムが他のプログラムと組み合わされたものを含む。)若しくは指令符号を記録した記録媒体若しくは記憶した機器を当該特定の者以外の者に譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、若しくは輸入し、若しくは当該機能を有するプログラム若しくは指令符号を電気通信回線を通じて提供する行為(当該装置又は当該プログラムが当該機能以外の機能を併せて有する場合にあっては、影像の視聴等を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする用途に供するために行うものに限る。)又は影像の視聴等を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする役務を提供する行為
  20. 十九不正の利益を得る目的で、又は他人に損害を加える目的で、他人の特定商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章その他の商品又は役務を表示するものをいう。)と同一若しくは類似のドメイン名を使用する権利を取得し、若しくは保有し、又はそのドメイン名を使用する行為
  21. 二十商品若しくは役務若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信にその商品の原産地、品質、内容、製造方法、用途若しくは数量若しくはその役務の質、内容、用途若しくは数量について誤認させるような表示をし、又はその表示をした商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供し、若しくはその表示をして役務を提供する行為
  22. 二十一競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為
  23. 二十二パリ条約(商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第四条第一項第二号に規定するパリ条約をいう。)の同盟国、世界貿易機関の加盟国又は商標法条約の締約国において商標に関する権利(商標権に相当する権利に限る。以下この号において単に「権利」という。)を有する者の代理人若しくは代表者又はその行為の日前一年以内に代理人若しくは代表者であった者が、正当な理由がないのに、その権利を有する者の承諾を得ないでその権利に係る商標と同一若しくは類似の商標をその権利に係る商品若しくは役務と同一若しくは類似の商品若しくは役務に使用し、又は当該商標を使用したその権利に係る商品と同一若しくは類似の商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供し、若しくは当該商標を使用してその権利に係る役務と同一若しくは類似の役務を提供する行為
  24. 2.この法律において「商標」とは、商標法第二条第一項に規定する商標をいう。
  25. 3.この法律において「標章」とは、商標法第二条第一項に規定する標章をいう。
  26. 4.この法律において「商品の形態」とは、需要者が通常の用法に従った使用に際して知覚によって認識することができる商品の外部及び内部の形状並びにその形状に結合した模様、色彩、光沢及び質感をいう。
  27. 5.この法律において「模倣する」とは、他人の商品の形態に依拠して、これと実質的に同一の形態の商品を作り出すことをいう。
  28. 6.この法律において「営業秘密」とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう。
  29. 7.この法律において「限定提供データ」とは、業として特定の者に提供する情報として電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他人の知覚によっては認識することができない方法をいう。次項において同じ。)により相当量蓄積され、及び管理されている技術上又は営業上の情報(営業秘密を除く。)をいう。
  30. 8.この法律において「技術的制限手段」とは、電磁的方法により影像若しくは音の視聴、プログラムの実行若しくは情報の処理又は影像、音、プログラムその他の情報の記録を制限する手段であって、視聴等機器(影像若しくは音の視聴、プログラムの実行若しくは情報の処理又は影像、音、プログラムその他の情報の記録のために用いられる機器をいう。以下この項において同じ。)が特定の反応をする信号を記録媒体に記録し、若しくは送信する方式又は視聴等機器が特定の変換を必要とするよう影像、音、プログラムその他の情報を変換して記録媒体に記録し、若しくは送信する方式によるものをいう。
  31. 9.この法律において「プログラム」とは、電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。
  32. 10.この法律において「ドメイン名」とは、インターネットにおいて、個々の電子計算機を識別するために割り当てられる番号、記号又は文字の組合せに対応する文字、番号、記号その他の符号又はこれらの結合をいう。
  33. 11.この法律にいう「物」には、プログラムを含むものとする。

この条文の基本情報

定義とは何ですか?

定義定義とは、不正競争防止法第2条に定められた規定で、「この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 不正競争防止法第2条(定義)は、日本の不正競争防止法に含まれる条文です。
  2. 不正競争防止法第2条の条文原文は「この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。」で始まります。
  3. 不正競争防止法第2条は第一章 総則に置かれています。
  4. 不正競争防止法の公布日は平成5年5月19日です。
  5. 不正競争防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月16日時点では廃止情報はありません。
  6. 不正競争防止法第2条の前の条は不正競争防止法第1条です。
  7. 不正競争防止法第2条の次の条は不正競争防止法第3条です。
  8. 不正競争防止法第2条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第2条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/405AC0000000047
  • 本サイト収録不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第2条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月16日)https://lawplayer.com/jp/article/405AC0000000047/2
裁判例 3件に引用されています

関連度の高い3件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点不正競争防止法2条は「不正競争」を22類型に限定列挙する定義規定。周知表示混同・商品形態模倣・営業秘密侵害などが該当し、登録がなくても差止と損害賠償を請求できる。

Q · 登録商標も意匠登録もないのに、商品をパクられたら何もできないの?

22類型に当たれば登録なしで差止と賠償を請求できます

そうとは限りません。不正競争防止法2条1項は不正競争を22類型に限定列挙しており、商品形態のデッドコピー(3号、発売から3年)、周知表示の混同(1号)、著名表示の冒用(2号)、営業秘密の侵害(4〜10号)などは、商標登録も意匠登録もなくても差止(3条)と損害賠償(4条)を請求できます。ただし限定列挙なので、22類型のどれにも当たらない一般的な模倣には本法は使えません。まず自分のケースがどの号に当たるかを特定することが第一歩です。

解説

登録商標も特許もない。だから模倣されても泣き寝入りするしかない。多くの個人事業主や中小企業がそう思い込んでいる。だが不正競争防止法 第2条は、まったく別の地図を広げてみせる。この条文は「不正競争」を22の類型に分けて列挙する。周知表示の混同(1号)、著名表示へのただ乗り(2号)、商品形態のデッドコピー(3号、発売から3年)、営業秘密の持ち出しや使用(4号から10号)、ビッグデータの盗用(11号から16号、限定提供データ)、コピーガードの解除装置の販売(17号、18号)、ドメイン名の不正取得(19号)、品質の誤認表示(20号)、競合への虚偽の信用毀損(21号)。どれも、登録という手続を一切踏んでいなくても、周知性や秘密管理という条件さえ満たせば、相手の行為を止める差止(3条)と損害賠償(4条)を請求できる。あなたが持っていないと思っていた武器は、市場に出した瞬間からすでに手の中にあった。

法的な位置づけ

不正競争防止法2条1項は「不正競争」を22類型に限定列挙する定義規定であり、周知表示の混同、著名表示の冒用、商品形態の模倣、営業秘密や限定提供データの侵害、技術的制限手段の無効化、ドメイン名の不正取得、品質誤認表示、信用毀損などを掲げる。同条2項以下は営業秘密・商品の形態・限定提供データ等の用語を定義する。

よくある質問 AI による整理

Q1不正競争防止法2条の22類型とは?

周知表示混同(1号)、著名表示冒用(2号)、商品形態模倣(3号)、営業秘密侵害(4〜10号)、限定提供データ侵害(11〜16号)、技術的制限手段の無効化(17・18号)、ドメイン名不正取得(19号)、品質誤認表示(20号)、信用毀損(21号)、代理人の商標冒用(22号)です。

Q2商品形態模倣は何年まで保護される?

日本国内で最初に販売された日から3年です(19条1項5号イ)。期限を過ぎると3号の差止はできなくなるため、模倣を見つけたら早めに動く必要があります。

Q3営業秘密の3要件とは?

秘密として管理されていること(秘密管理性)、事業活動に有用であること(有用性)、公然と知られていないこと(非公知性)の三つです(2条6項)。一つでも欠けると営業秘密として保護されません。

Q4限定提供データとは?

業として特定の者に提供する情報で、電磁的方法により相当量蓄積・管理された技術上・営業上の情報(営業秘密を除く)です(2条7項)。2018年改正でビッグデータの盗用を規制対象にしました。

Q5コピーガードの解除装置を売ると違法?

技術的制限手段の効果を妨げる装置・プログラムの販売等は2条1項17・18号の不正競争に当たり、差止や損害賠償の対象になります。「便利ツール」として売っていても規制されます。

Q6ドメイン名の不正取得は不正競争防止法の何号?

2条1項19号です。不正の利益を得る目的等で他人の商品等表示と同一・類似のドメイン名を取得・保有・使用する行為が該当します。高値買取の打診を受けたら支払う前に弁護士へ。

Q7周知表示と著名表示の違いは?

周知表示(1号)は需要者の間に広く認識され、混同が生じることが要件です。著名表示(2号)は全国的に著名で、混同がなくても「ただ乗り」自体を規制します。著名表示の方が保護が強い反面、要求される知名度も高くなります。

Q8不正競争防止法に違反すると刑事罰はある?

営業秘密侵害等の一定の行為には21条で刑事罰が定められています。重大な過失で知らなかったとしても民事責任は免れず、悪質な営業秘密の取得・使用・開示は懲役・罰金の対象になります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1意匠登録も商標登録もしていないんですが、それでもパクリを止められますか?

止められる場合があります。商品の形を真似されたなら2条1項3号の形態模倣(発売から3年以内)、ブランド名やロゴが知られているなら1号の周知表示混同や2号の著名表示冒用が使えます。いずれも登録は不要です。実務のポイント:中小企業は「登録していないから無理」と最初から諦めがちですが、市場に出してから3年は、デッドコピーに対して何の登録もなく戦えます。むしろ登録費用をかけずに自動で保護が始まっている、と知っているかどうかが分かれ目です

Q2退職した社員がうちの顧客リストを持って同業他社に転職しました。取り戻せますか?

そのリストが営業秘密(2条6項)に当たれば、使用・開示の差止や損害賠償を請求できます。要件は秘密として管理されていること、事業に有用であること、公然と知られていないこと、の三つです。実務のポイント:多くの企業は誓約書を取って安心していますが、裁判で勝敗を分けるのは「誰がいつアクセスできたか」のログとマル秘表示です。誓約書一枚より、日常のアクセス制限の記録のほうが効く。ここが整っていないと、持ち出されても営業秘密として保護されません

Q3ライバル店が『あの店の料理は不衛生』とSNSで嘘を流しています。これも対象ですか?

競争関係にある相手が営業上の信用を害する虚偽の事実を流す行為は、2条1項21号の信用毀損に当たります。差止(3条)で投稿の削除や流布の停止を求め、損害賠償(4条、損害額は5条で推定)も請求できます。実務のポイント:同じ事実は刑法230条の名誉毀損や民法709条でも争えますが、不正競争防止法なら差止で投稿そのものを直接止めにいけ、損害額の推定規定も使えます。どの法律で攻めるかで、取れるものとスピードが変わります

間違えやすい点 AI による整理

  • 営業秘密なら法律が守ってくれると思っている人は多い。だが「秘密として管理されている」(2条6項)という要件の厳しさを知らない。社内で誰でもアクセスでき、マル秘表示もないファイルは、どれだけ事業に重要でも法的には営業秘密ではない。漏れても保護されない。深刻なのは、多くの企業が「うちは大丈夫」と思い込んだまま、この管理要件を一つも満たしていないこと
  • 「パクられたのだから不正競争防止法で訴えられるはず」という問いの立て方そのものがずれている。この法律は2条が列挙する類型のどれかに当てはまらなければ動かない。一般的な「ずるい模倣」を広く禁じる法律ではなく、限定列挙だ。まず自分のケースがどの号に当たるかを特定するのが先で、当たらなければこの法律は使えない
  • 「商品の形態模倣は登録した意匠にしか効かない」と思われているが逆だ。意匠登録していなくても、日本国内での発売から3年は2条1項3号で守られる。登録の手間と費用をかけずに、市場に出した瞬間から自動的に保護が始まる
比較の観点この条文ほかの条文
保護の発生不競法2条1項3号:市場での販売により自動発生意匠法:登録により発生(出願・審査が必要)
商標法:登録により発生(出願・審査が必要)
登録の要否不要(市場に出した瞬間から保護開始)必要(出願・登録費用がかかる)
必要(出願・登録費用がかかる)
保護期間発売から3年(19条1項5号イ)出願から25年
登録から10年(更新可・実質半永久)
保護対象他人の商品の形態(デッドコピー)登録された意匠(物品の形状・模様・色彩)
登録された商標(識別標識)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
公平交易法第22条・第25条+營業秘密法

台湾は仿冒・不公平競争を公平交易法で、営業秘密を独立の營業秘密法で規律する二本立て。日本の一本化とは構造が異なる

韓国
부정경쟁방지 및 영업비밀보호에 관한 법률 제2조

韓国は不正競争と営業秘密を一本の法律で規律し、日本法に近い限定列挙構造を採る

ドイツ
UWG § 3, § 4・GeschGehG(2019)

ドイツは不正競争を UWG の一般条項+例示で、営業秘密を EU 指令を国内法化した GeschGehG で分離して規律

アメリカ
Lanham Act § 43(a)・Defend Trade Secrets Act(2016)

米国は連邦商標法でパッシングオフ・誤認惹起を、DTSA で営業秘密侵害に連邦民事救済を与える。州法(UTSA)も併存

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • あなたが自社開発した収納グッズが、ある日そっくりの形で別業者から半額で出品された。商標も意匠登録もしていない。それでも2条1項3号の商品形態模倣で差止請求できる。条件は日本国内での発売から3年以内、機能上不可欠な形でないこと。登録ゼロでも、デッドコピーは止められる
  • 競合の元社員を中途採用したら、その人が前職の顧客リストと製造ノウハウを持ち込んできた。便利だと使った瞬間、あなたの会社が2条1項8号の営業秘密侵害の当事者になる。重大な過失で知らなかったでは免責されない。刑事罰(21条)まで射程に入る
  • あなたのブランド名にそっくりなドメインを第三者が先に取得し、高値での買い取りを持ちかけてきた。2条1項19号のドメイン名不正取得だ。お金を払う前に、まず弁護士に相談していい
  • もし自社の技術情報を「秘密」として管理していなかったら、どうなる。流出しても営業秘密として保護されない。2条6項の「秘密として管理されている」要件は、アクセス制限とマル秘表示があって初めて満たされる。漏れてからでは遅い。今日から管理体制を作るべきだ

取るべき行動

被害を受けた側:1. パクられた対象を特定し、2条1項のどの号に当たるか確認(形態模倣なら3号、営業秘密なら4号から10号、周知表示の混同なら1号、著名表示の冒用なら2号)。2. 該当号の要件証拠を固める(周知性なら売上・広告実績、営業秘密なら秘密管理の記録、形態模倣なら発売日の証拠)。3. 内容証明で差止(3条)を求めつつ損害賠償(4条、損害額の推定は5条)を提示。4. 形態模倣は発売から3年の期限に注意し、急ぐ

訴えられた側:1. 自社の行為が本当に22類型に該当するか精査する。限定列挙なので外れる可能性は十分ある。2. 形態模倣なら「機能を確保するために不可欠な形態」(2条1項3号括弧書)や発売から3年経過、善意取得(重過失なし)の抗弁を検討。3. 営業秘密なら相手の情報が「秘密管理性・有用性・非公知性」(2条6項)を本当に満たすか争う。4. 適用除外(19条)に当たらないか確認。早期に弁護士の見解書を用意し和解余地を探る

時効(請求できる期限):差止請求権は侵害状態が続く限り行使できるが、商品形態模倣に基づく差止は日本国内で最初に販売された日から3年で消滅する(19条1項5号イ)。損害賠償請求権は不法行為の特則として民法724条が適用され、損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説(限定列挙説):不正競争防止法は一般的な「ずるい模倣」を広く禁じるのではなく、2条1項が掲げる類型に該当する行為のみを不正競争として規制する。列挙外の模倣は本法では救済されず、必要に応じて民法709条等の一般法による。

改正沿革 AI による整理

  • 平成30年(2018年)改正 ビッグデータの不正取得・使用・開示を規制する「限定提供データ」(2条1項11号から16号、2条7項)を新設。営業秘密に至らないデータの利活用と保護の両立を図った
  • 令和5年(2023年)改正 デジタル空間における商品形態の模倣行為を3号の規制対象に明確化し、技術的制限手段や営業秘密・限定提供データの保護を強化した

改正の年表

  1. 1.平成5年(1993年) 改正:現行不正競争防止法への全面改正(平成5年法律第47号)。不正競争の類型を整理し限定列挙、差止・損害賠償・刑事罰の体系を再構成
  2. 2.平成30年(2018年) 改正:ビッグデータの不正取得・使用・開示を規制する「限定提供データ」(2条1項11〜16号、2条7項)を新設。営業秘密に至らないデータの利活用と保護を両立
  3. 3.令和5年(2023年) 改正:デジタル空間における商品形態の模倣行為を3号の規制対象に明確化し、技術的制限手段・営業秘密・限定提供データの保護を強化

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

不正競争防止法の全文を見る所属する編章節を開く:第一章 総則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›