不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟において、損害が生じたことが認められる場合において、損害額を立証するために必要な事実を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。
要点不正競争防止法 9 条は、損害の発生は認められるが損害額の立証が性質上極めて困難なとき、裁判所が相当な損害額を認定できると定める規定である。
Q · 損害額をきっちり証明できなくても、賠償をもらえるの?
損害の発生さえ認められれば裁判所が相当額を認定します
不正競争防止法 9 条により、損害が生じたこと自体が認められ、かつ損害額の立証が事実の性質上極めて困難な場合、裁判所は口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果に基づき相当な損害額を認定できます。つまり額を一円単位で証明しきれなくても請求全部棄却は避けられます。ただし「損害の発生」までは免除されず、発生自体を立証できなければ相当額認定はゼロです。立証が完璧かどうかと賠償の有無は直結しません。
営業秘密を持ち出された、自社のヒット商品をそっくり模倣された、信用を傷つける虚偽情報を流された。被害は誰が見ても明らかなのに、いざ裁判で「いくら損したのか」を証明しようとすると、ほとんどの被害企業がここで力尽きる。逸失利益を一円単位で立証しろと言われても、模倣品さえなければ自社で何個売れたかなど、性質上ほぼ証明不可能だからだ。不正競争防止法 9 条は、その壁を裁判官の権限で崩す条文である。「損害が生じたこと」さえ認められれば、損害額の立証が性質上極めて困難なとき、裁判所は口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果から「相当な損害額」を認定できる。つまりゼロか満額かの二択ではない。立証が途中で崩れても、裁判官が腹を決めて妥当な金額を打ち込める。あなたが握っておくべき事実は一つ。この条文があるおかげで「立証しきれないから請求棄却」という最悪の結末を回避できる、という点だ。
不正競争防止法 9 条は、相当な損害額の認定を定める規定であり、不正競争による営業上の利益の侵害訴訟において、損害の発生が認められるが損害額の立証が当該事実の性質上極めて困難な場合に、裁判所が口頭弁論の全趣旨および証拠調べの結果に基づき相当な損害額を認定できる旨を規定する。民事訴訟法 248 条の特則として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
損害額の立証が性質上極めて困難なとき、裁判所が口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果から妥当な損害額を認定する制度です。不正競争防止法 9 条が根拠です。
5 条は損害額の推定規定で枠を作り、9 条は立証が困難な場合に裁判所が相当額を認定します。実務では両者を併用して認定額の底上げを図ります。
いいえ。9 条が補うのは額の立証だけで、損害の発生自体は被害者が立証する必要があります。発生を証明できなければ相当額認定はゼロです。
248 条が一般の民事事件の相当損害額認定規定で、9 条は不正競争に特化した特則です。知財分野では特許法・著作権法にも同型の規定があります。
逸失利益の精密な立証は性質上困難なため、9 条で裁判所が相当額を認定します。売上推移やライセンス相場などの間接証拠が認定額を左右します。
違います。相当額は「立証できた範囲+合理的な推認」で、被害者の希望額ではありません。提出した間接証拠の量と質で金額が決まります。
認められる余地がありますが、業界の実際の料率が対抗証拠になります。相当額認定でも料率の妥当性が争点になります。
主位的に 5 条の推定や具体的算定で主張し、予備的に 9 条の相当額認定を求めます。この二段構えが全部棄却を防ぎます。
半分正しく、半分誤りです。9 条が補うのは額の精密な立証だけで、損害が生じたこと自体はあなたが立証しなければなりません(9 条本文)。発生さえ立証できれば、額は裁判所が口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果から相当額を認定します。業界裏話ヒント:実務では相当額の心証は、提出された間接証拠の量と質に強く左右される。売上推移、市場シェア、ライセンス相場を厚く出した側が認定額で勝つ。裁量があるからこそ、最後は材料勝負になる
はい。特許法 105 条の 3、著作権法 114 条の 5、商標法 39 条に同型の相当損害額認定の規定があり、一般の民事事件には民事訴訟法 248 条があります。9 条はその不正競争版です。業界裏話ヒント:これらは「立証できないと一円も取れない」という素人の思い込みを崩す共通装置だ。知財紛争では、損害額の主位主張に必ず予備的な相当額認定主張を添えるのが定石で、これを欠くと立証が崩れた瞬間に全部棄却のリスクを丸ごと負う
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の機能 | 不正競争防止法 9 条:立証困難な額を裁判所が裁量で相当額認定 | — |
| 適用前提 | 損害の発生+額の立証が性質上極めて困難 | — |
| 立証負担の軽減対象 | 額の立証のみ(発生は免除しない) | — |
| 実務での使い方 | 5 条と併用し、推定が一部覆れても残りを相当額で拾う | — |
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