不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟において、当事者の申立てにより、裁判所が当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な事項について鑑定を命じたときは、当事者は、鑑定人に対し、当該鑑定をするため必要な事項について説明しなければならない。
要点不正競争防止法 8 条は、損害計算のため裁判所が鑑定を命じた場合、当事者が鑑定人に必要な事項を説明する義務を負うと定める。拒めば 9 条で不利な損害額が認定される。
Q · 相手が『売上は企業秘密』と言って鑑定人への説明を拒んだら、損害額は立証できないの?
説明義務があり、拒否すると損害額の認定で不利になります
不正競争防止法 8 条により、損害計算のため裁判所が鑑定を命じたとき、当事者は鑑定人に対し計算に必要な事項を説明しなければなりません。これは協力のお願いではなく法律上の義務で、侵害したとされる側も自社の売上や原価を開示させられます。正当な理由なく説明を拒めば、裁判所は 9 条により相当な損害額を裁量で認定でき、黙っていた側に不利な数字が出やすくなります。営業秘密は 10 条の秘密保持命令で保護できます。
あなたの会社の独自製品や営業秘密を模倣され、損害賠償を請求するとする。だが最大の壁は『いくら損したか』の証明だ。相手の販売数も利益率も、すべて相手の手の中にある。ここで効くのが8条だ。裁判所が損害の計算のため鑑定人(損害額を計算する中立の専門家)を選任したら、当事者は鑑定に必要な事項を説明しなければならない。これは協力のお願いではなく義務である。通常の訴訟なら相手の立証に手を貸す筋合いはないが、不正競争訴訟では侵害したとされる側も、自社の売上や原価を鑑定人に開示させられる。沈黙という選択肢が、ここでは封じられる。しかも説明を渋って鑑定が進まなければ、裁判所は9条で『相当な損害額』を裁量で認定できる。黙っていた側に有利な数字が出ることは、まずない。
不正競争防止法 8 条は損害計算の鑑定における説明義務を定める規定であり、不正競争による営業上の利益の侵害訴訟で裁判所が損害の計算に必要な事項について鑑定を命じた場合、当事者は鑑定人に対し当該鑑定に必要な事項を説明しなければならないとする。立証の非対称を是正する手続的特則として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
損害賠償訴訟で損害額を計算するため裁判所が選任する中立の専門家です。不正競争防止法 8 条では、当事者はこの鑑定人に計算に必要な事項を説明する義務を負います。
裁判所が損害計算のため鑑定を命じた場合に、当事者が鑑定人へ必要な事項を説明する法律上の義務です。協力のお願いではなく、拒否には不利な効果が伴います。
正当な理由なく拒めば、裁判所は 9 条により相当な損害額を裁量で認定します。沈黙した側に不利な数字が出やすく、結果的に賠償額が上乗せされます。
7 条は相手の売上関連書類そのものを出させる手続、8 条は専門家に損害額を計算させ説明義務を課す手続です。実務では 7 条で書類を押さえてから 8 条へ進みます。
損害額の立証が極めて困難なとき、裁判所が口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果から相当な損害額を認定できる規定です。説明拒否は不利に作用します。
使えます。フリーランスや小規模 EC でも独自の商品形態やデータを模倣されれば 2 条 1 項の対象となり、損害立証で 8 条の鑑定が武器になります。
10 条の秘密保持命令を申し立てれば、開示した営業秘密の目的外利用や第三者開示を禁止できます。開示と秘匿を切り分けて誠実に説明します。
あります。特許法にも計算鑑定人の制度があり、知財訴訟全体が損害額の立証難という同じ課題を抱え、ほぼ同趣旨の解法が用意されています。
終わりません。8条の説明義務は法律上の義務で、正当な理由のない拒否は許されません。営業秘密を守りたいなら相手は10条の秘密保持命令の手続を使うべきで、ただ拒むことはできません。業界裏話ヒント:実務では、相手が説明を渋ると裁判所はその態度を心証で考慮し、9条の相当な損害額認定で原告に有利な数字を出すことが多い。だから『拒否されたら困る』ではなく『拒否してくれた方がむしろ有利』という発想に切り替えるのが、知財訴訟に強い弁護士の読み筋です
事案の規模により数十万円から数百万円かかることもあり、原則として申立人がいったん予納します。最終的には訴訟費用として敗訴者負担になりえます(民事訴訟法61条)。業界裏話ヒント:費用が高いため、いきなり鑑定ではなく、まず7条の書類提出命令で売上データを取り、それでも計算が困難な場合に鑑定へ進むのが定石。鑑定を申し立てる構えを見せるだけで相手が和解に傾くこともあり、実際に鑑定まで行かずに決着する事案も少なくない(最新の費用相場は事案ごとにご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の中身 | 8 条:鑑定人による損害計算 + 当事者の説明義務 | — |
| 発動の主体 | 当事者の申立て → 裁判所が鑑定を命令 | — |
| 拒否したときの効果 | 説明拒否は 9 条の相当な損害額認定で不利に作用 | — |
| 営業秘密の保護 | 10 条の秘密保持命令で開示情報を保護 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。